スロベニア クルスコ増設の国家空間計画の策定を開始へ
13 Mar 2026
スロベニア政府は 2月17日の閣議で、クルスコ原子力発電所の増設計画(JEK2 プロジェクト)に関する国家空間計画(DPN)の策定を開始することを承認した。これは同プロジェクトを正式に空間配置プロセスに組み込む最初の手続きであり、同国の電力システムの長期的な安定性や低炭素化に関わる重要なエネルギーインフラ計画の節目となる。
DPNとは主に、プロジェクトをどこにどのように配置するか、また対象地域でどのような整備が行われるか、そして計画の基本的な条件はどうなるかを決定することを目的とする。DPNの策定は、環境・気候・エネルギー省の提案に基づくもので、2025年7月1日から10月30日までの4か月間にわたり公開協議が行われた。空間計画当局、地方自治体、経済界、NGO、住民らが議論に参加し、主要3都市で公開説明会も開催された。その結果、受け取ったすべての指針と意見に基づき、主要な専門調査項目が決定された。DPN策定に係る政府承認を受け、今後、天然資源・空間計画省が中心となり、技術面、空間計画面、環境面、地域開発面などから広範な専門調査・分析を実施、国境を越えた評価を含む包括的な環境影響評価も実施し、DPN草案を作成する。
DPN草案の公開は2027年後半に予定されており、その際には一般からの意見も募集する。政府は2028年後半にDPNの政令の採択を予定。政令では、プロジェクトに関する土地利用計画、計画対象地域、建設・設計の条件、自治体の土地利用計画への指針を規定し、これが建設許可など次の段階の手続きの重要な基盤となる。
JEK2プロジェクトは、国内で最も重要なエネルギー開発プロジェクトの一つであり、J. ノヴァク天然資源・空間計画相は、クルスコ発電所が立地するポザヴェ地域にとって大きな開発の機会になると強調。政府として、すべての重要な情報が利用可能になった時点で、このプロジェクトの是非を問う国民投票の実施を支持する考えを示した。当初は 2024 年 11 月に国民投票を実施する計画であった。しかし、プロジェクトの透明性や国民投票の合法性をめぐり環境団体などから批判が高まり、実施は見送られた。
スロベニアでは現在、クルスコ原子力発電所(PWR、72.7万kWe)が同国の総発電電力量の約35%を供給している。同発電所はGENエネルギアと隣国クロアチアの国営電力会社のHrvatska elektroprivreda(HEP)が共同所有。スロベニアの電力需要は、2050年までに倍増することが予想されているが、2033年以降は総発電電力量の約3分の1を供給する火力発電所を閉鎖する計画。2043年にはクルスコ発電所の運転期間(60年)も満了する。





