原子力産業新聞

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フランス 原子力拡大計画を改めて確認

31 Mar 2026

桜井久子

パンリー発電所を訪問するマクロン大統領
© Élysée

フランスのE. マクロン大統領は312日、第5回原子力政策評議会(CPN)を開催した。CPNは2022年以降、同大統領が議長を務め、フランスの原子力政策の大枠となる方針を定めるもの。今回は同大統領のパンリー3・4号機(EPR2, 165kWeX2基)建設現場訪問に合わせ、開催された。

今回のCPNでは、マクロン大統領が2017年以降に進めてきた3つの柱からなるエネルギー政策(原子力発電の再拡大、再生可能エネルギーの導入加速、エネルギー効率の向上)の方向性を再確認。これは、2022年のベルフォール演説で明確に示されており、新たな原子炉建設計画の再始動と、主要国内企業を中心とした原子力産業体制の整備が決定づけられた。近年の国際情勢を踏まえ、改めて、エネルギー・セキュリティの確保、エネルギー供給の安定化、気候変動対策の観点から、原子力の再興の必要性が強調された。

CPNではまず、「EPR2計画」の進展を確認。同計画では、パンリー、グラブリーヌ、ビュジェイの各サイトにおいて2基ずつ建設するが、2026年初めに新原子力発電に関する省庁間代表団(DINN)が実施した監査の結果にも着目。フランス電力(EDF)はすでに建設コストを728億ユーロに抑え、スケジュール遵守を約束しており、EDFに対し、2026年末までに特定された勧告を実施し、DINNによる監査の一環として報告するよう求めた。

また、EPR2計画の資金調達と規制の枠組みも確認。総事業費の60%の資金は、フランス預金供託公庫の貯蓄基金を活用した優遇融資で手当てされる予定だ。さらに、EDF取締役会による最終投資決定を2026年末までに行い、初号機を2038年までに稼働させる目標を再確認。そのため、政府とEDFに対し、2025年末より欧州委員会と進行中の国家補助承認に関する協議を速やかに完了するよう求めた。

次に、オラノ社が主導する「将来のバックエンド(使用済み燃料処理)計画」の進展が報告された。同計画はラ・アーグにおける施設の更新を目的とし、第1段階では、2040年までに、使用済み燃料の貯蔵プールを2基、プルトニウム関連物質の新たな貯蔵施設、MOX燃料製造工場「メロックス2」を建設し、第2段階では、再処理工場「ラ・アーグ2」ならびに3基目となる貯蔵プールを建設することとしている。CPNは、オラノ社とEDFの間で基本合意が成立したことも歓迎し、2026年末までに資金調達の詳細の確定を求めた。

また、天然ウランの供給リスクに対応するため、CPNは「原子燃料サイクルの完結」を目指す新たな大規模プログラムの開始も決定。2100年頃までに輸入ウランに依存しない体制の構築を目指すため、2030年までに最初の高速中性子炉の建設開始を検討することを念頭に、今後4年間で必要な施設設計の研究を実施することとした。そのため、フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)、EDF、フラマトム社、オラノ社の代表で構成されるプログラム運営組織を設置し、進捗を毎年報告させ、海外パートナーや産業界からの出資も求めている。

さらに、マクロン大統領は2021年10月に発表した産業政策「フランス2030」の中で、SMRや先進的原子炉の技術を実証するとしており、その一環として、2種のフランス製小型熱供給炉(CalogenaおよびJimmy)に対し、第2回原子力エネルギー・サミットで、追加資金提供の発表がされたことを歓迎。加えて、今後数か月以内に他のプロジェクトへ追加支援にむけて、審査が継続されていることを確認した。

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