規制委 特重施設の設置期限を延長へ 営業運転開始から5年
02 Apr 2026
原子力規制委員会の山中伸介委員長は4月1日の会合で、特定重大事故等対処施設(特重施設)の設置期限の延長を決定した。
これまで特重施設は、原子力発電所の工事計画が認可されてから5年以内(猶予期間)の設置が求められてきたが、今後は設置期限を、「原子力発電所の運転開始から5年以内」に変更する。対象となるのは、現行規則で設置期限を迎えていない原子力発電所のみとなる。
そのため、2026年4月16日に営業運転予定の柏崎6号機の特重設置期限は、2029年9月から2031年4月に延長される一方で、同7号機は設置期限(2025年10月13日)を過ぎており、対象外となる。
特重施設は、テロ等により炉心の損傷が発生するおそれがある場合などに対し、放射性物質の放出を抑制するための施設だ。設置のための経過措置期間は、2013年の新規制基準施行時に5年と設定され、2016年の規定改正以後、起算点を新規制基準施行日から各プラントの設計及び工事計画の認可(設工認)日に変更されたが、設置までの猶予期間は引き続き5年であった。
2月18日の定例会見で山中委員長は、制度の運用開始から約10年が経過したが、特重施設が完成している12基を検証した結果、実際に5年以内に完成した例がほとんどないため、経過措置そのものの考え方を議論する必要があるとの認識を示していた。
この度、設置期限の延長を決断した背景について山中委員長は、「今回の見直しは単なる延長ではなく、10年間の運用実績に基づく規制の実効性の適正化である」と強調。「規制が現場の実態と乖離し、達成不可能なものとなっている場合、それは規制として十分に機能していない」との認識を示した。
その上で、従来の「設置許可を起点とする仕組みから使用前確認を起点とする仕組み」へと見直すことで、安全対策の水準を維持しつつ、確実に施設を完成させる現実的な制度設計へ見直したと説明した。
記者から経過措置が終了した施設を対象外とした理由を問われ、山中委員長は「特定の施設に配慮したのではなく、全体の実績を踏まえてルールを変更した。既に期限を超過した施設については、建設を優先する判断とし、速やかな設置を求める姿勢は変わらない」と述べた。





