原子力産業新聞

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福井県知事が経産大臣に要望書

01 May 2026

中西康之助

福井県の石田嵩人知事

福井県の石田嵩人知事は4月28日、経済産業省を訪問し、「エネルギー政策の実行・原子力発電所の安全対策の強化及び原子力発電所立地地域の振興」に関する要望書を、赤沢亮正経済産業大臣に手交した。

石田知事は、エネルギー政策は国民生活の安定や産業の発展、国家の安全保障に直結する重要事項だと強調したうえで、第7次エネルギー基本計画に基づく原子力政策の明確化と着実な実行が求められているとの認識を示した。

そして、福井県に立地する原子力発電所15基のうち、運転中が7基、廃止措置中が7基(敦賀2号機が停止中)である現状に触れ、同県が安全対策や使用済み燃料対策、立地地域の振興などの分野で全国に先行したさまざまな取り組みを進めていると説明。そのうえで、半世紀以上にわたり、国策である原子力政策に志を持って協力してきた県の首長という立場から、現場の声や課題を踏まえたエネルギー政策を要望した。

要望書には、「エネルギー政策の実行・原子力発電所の安全対策の強化」と「原子力発電所立地地域の振興」の2項目が示された。

「エネルギー政策の実行・原子力発電所の安全対策の強化」について石田知事は、4点を要請した。
まず、2050年以降を見据えた原子力政策の将来像を明確化し、安全投資や人材確保を後押しするよう求めた。次に、関西電力の使用済み燃料対策ロードマップの着実な実行と、事業者間連携による搬出の加速を要請。あわせて、六ヶ所再処理工場の竣工に向けた国の厳格な審査と進捗管理を求めた。乾式貯蔵については発電所内の一時措置であることを国が説明し理解を得る必要性を指摘したほか、使用済みMOX燃料については仏での実証研究を踏まえた技術開発の加速と
具体策の提示を求めた。このほか、国民理解の促進と、安全対策への投資を支える事業環境の整備を求めた。

また、「原子力発電所立地地域の振興」では3点を要請。避難道路整備のための別枠財源の確保や、北陸新幹線(小浜・京都ルート)の早期認可・着工、舞鶴若狭自動車道の4車線化などを挙げ、これらが有事の安全確保にも資すると強調した。あわせて、クリアランス制度推進に向けた関連事業者への支援具体化と、電源三法交付金の充実も求めた。

これに対し赤沢大臣は、電力需要の増加を踏まえ、「原子力と再エネの二項対立ではなく、双方を最大限活用することが重要」と述べ、エネルギー安全保障の観点からも、脱炭素電源を最大限活用することが不可欠との認識を示した。

その上で、原子力の将来像に関する議論を深めるとともに、事業環境整備を進める考えを表明。使用済み燃料対策では、関西電力のロードマップの着実な実行と事業者間の連携強化の重要性を指摘。六ヶ所再処理工場の竣工に向けて国として進捗管理と支援を行う方針を示した。

さらに、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する理解促進に取り組むとともに、使用済みMOX燃料については日仏協力のもとで実証研究を進め、2030年代後半の技術確立を目指すとした。立地地域振興や、クリアランス制度の活用、電源三法交付金のあり方についても関係省庁と連携し対応していく考えを示し、電源三法交付金のあり方についても検討を進める考えを示した。

そして最後に、「福井県の皆様の声をしっかり受け止め、政策に反映していく」と述べた。

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