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日本から HALEU 輸送 米先進炉向け燃料供給を支援

19 May 2026

桜井久子

米国輸送前の日本チームによるFCAでのHALEU梱包の様子  © US DOE

米国家核安全保障局(NNSA)は57日、日本の文部科学省、日本原子力研究開発機構(JAEA)と協力し、日本から米国へ1.7トンのHALEU(高アッセイ低濃縮ウラン)を輸送したことを明らかにしたNNSA史上、最大規模の国際輸送であり、米政権による先進炉の推進とエネルギー安全保障の強化に資するとともに、核拡散防止においても大きな成果とされている。

今回輸送されたHALEUは、JAEAにある「高速炉臨界実験装置(Fast Critical Assembly: FCA)」の廃止措置に伴い不要となったもの。テネシー州オークリッジにあるY-12国家安全保障複合施設で、民間利用できる形に再加工され、DOE原子力局のHALEU利用プログラムを通じて供給される。

HALEU は多くの先進炉で利用が想定されており、高燃焼度化や長期運転サイクルなどを可能にすると期待されている。一部用途では、HEU 使用低減につながる可能性がある。NNSAは、今回の輸送が日米間の長年の核セキュリティと核不拡散協力の延長線上にある取り組みであるとの認識を示した。なお海上輸送にあたっては、英原子力廃止措置機関(NDA)傘下の原子力輸送を専門とするニュークリア・トランスポート・ソリューションズ(NTS)が支援している。

NNSAのM. ナポリ防衛核不拡散担当副長官は、「この節目は、安全で独立したエネルギーの未来への進展を加速させ、核拡散防止へのコミットメントを再確認するもの。日本との連携により、次世代原子力を推進し、米国のエネルギー主導権を確固たるものにする」と語った。

2025年5月に発令された大統領令「国家安全保障強化のための先進炉技術の導入」では、エネルギー省(DOE)長官に対し、DOEの管理下において民間セクターが使用する20トン以上のHALEUを容易に入手可能な燃料バンクに放出するよう指示。米国では、HALEU 供給の多くをロシアに依存してきた経緯があり、近年は国内サプライチェーン構築が重要課題となっている。

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