スウェーデン 新規建設プロジェクトに英ロールス・ロイスSMRを選定
17 Jun 2026
(左から)D. コムステッド・ビデバーグ・クラフトCEO代行、A. ボルグ・バッテンフォールCEO、 T. エリクソン・ビデバーグ・クラフト理事/インダストリクラフト代表 © Vattenfall/ LinkedIn
スウェーデンの新規原子力発電プロジェクト会社「ビデバーグ・クラフト(Videberg Kraft)」は6月15日、ヴェーロー半島にあるリングハルス原子力発電所3-4号機(PWR、各110万kWe級)に隣接して進める新規原子力発電計画のベンダーに、英国のロールス・ロイスSMR社を選定したことを明らかにした。今後、同サイトに3基のSMR建設に向けた詳細な計画策定が進められる。
ビデバーグ・クラフト社は、スウェーデン国営電力会社バッテンフォールが、ヴェーロー半島における新規建設に向けて2025年4月に設立したプロジェクト会社。同国の産業コンソーシアムであるインダストリクラフト(Industrikraft)も株主である。バッテンフォールは過去4年にわたり、当初70社以上を対象とした評価・選定プロセスを実施。最終候補は、米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社と英ロールス・ロイスSMR社の2社に絞り込まれ、ビデバーグ・クラフト社はGVH社製SMR「BWRX-300」であれば5基、ロールス・ロイスSMRであれば3基、合計出力約150万kWeを建設する予定としていた。そして今回、独立した第三者評価を経て、ロールス・ロイスSMRがプロジェクト成功に向けて最も優れた条件を備えているとして正式に選定された。
ロールス・ロイスSMRは、リングハルス発電所で採用されているPWR技術を基盤とし、主要部品を工場でモジュール化して製造・組立てる方式を採用、現地工事の遅延リスク低減を目指している。
バッテンフォールは、新規建設がスウェーデンのエネルギー供給と産業の脱炭素化を支える重要な基盤であり、40年以上ぶりとなる新規建設に向けた大きな前進であると位置付けている。計画では、出力47万kWeのSMR×3基の建設により、60年以上にわたり年間約120億kWhの電力供給が見込まれ、同国南部の電力の安定供給に貢献すると期待されている。
ロールス・ロイスSMRは、英国・北ウェールズのウィルヴァ(Wylfa)で3基の建設が計画されており、英国で初めて導入される炉型を対象とした設計認証審査である包括的設計審査(GDA)の最終段階となるステップ3(詳細評価)に進んでいる。スウェーデンにおける初号機は2030年代半ばに稼働開始予定。なお、ビデバーグ・クラフト社は2025年12月、同国で同年8月に施行された新制度に基づく初の国家補助申請を行っており、政府との契約締結に向けた準備が進められている。




