原子力産業新聞

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米ホルテック SMRの建設許可申請に進展 パリセードでは燃料装荷トラブル

15 Oct 2026

桜井久子

パイオニア発電所の完成予想図
© Holtec International

米ホルテック・インターナショナル社は9月30日、ミシガン州のパリセード原子力発電所(PWR, 85.7万kW)サイトに同社製小型モジュール炉SMR-300(PWR, 34.0万kWe)2基で構成するパイオニア発電所の建設計画について、米原子力規制委員会(NRC)に予備安全解析報告書(Preliminary Safety Analysis Report, PSAR)を提出、建設許可申請(CPA)の第2部を完了した。運転再開を目指す既設のパリセード発電所とともに、同社が「パリセード・エネルギー・キャンパス」と名付ける拠点を形成する。

今回のPSAR提出は、段階的な建設許可申請の一環であり、同発電所の詳細な技術と安全情報を提供するもの。ホルテック社は2025年12月末、原子炉の安全上重要な設備に関係する基礎や地中部分の工事などを対象とする限定的作業許可(Limited Work Authorization, LWA)をCPAの第一部で申請している。NRCは今年8月末、LWAが発給される前に特定の敷地工事を認める「適用除外(exemption)」を発給しており、掘削を支える壁や遮水壁の設置などの先行工事が可能になった。ホルテック社は今後、最終安全解析報告書(FSAR)の作成に向けて、建設費の詳細な見積りや建設工程を時系列で示す4Dシミュレーションなどを進める。

一方、ホルテック社によると、既設のパリセード発電所では運転再開に向けた燃料装荷作業中にトラブルが発生している。燃料装荷は8月30日に開始されたが、燃料集合体1体が炉内の所定位置に設置され、燃料交換機から切り離された際に傾いた。この集合体は炉心支持板に対して下側のタイプレートが約30度傾き、上側のタイプレートが炉心の反対側にある炉心シュラウドに寄りかかった状態にある。燃料棒の健全性は保たれ、ほかの燃料集合体への影響も確認されていないが、集合体のそれ以上の動きを防ぐための措置を施し、燃料取扱チームが継続監視しているという。

ホルテック社は傾いた燃料集合体を取り出すため、専用の回収設備と回収した集合体を収納して使用済み燃料プールまで移送するための燃料移送キャニスターを製作したが、これらの使用には、既存の最終安全解析報告書の更新版(Updated FSAR)に記載された燃料取扱手順や移送経路を変更する必要がある。このため、同社は9月30日、今回の燃料集合体の取出し作業に限って別の設備と手順を使用できるよう、ライセンス変更申請(License Amendment Request, LAR)をNRCに提出し、10月2日までの承認を求めた。NRCは申請を審査し、10月8日を期限とする一般からの意見募集を実施。NRCは予備的判断として、提案された変更により想定済みの事故の発生確率や影響は大幅に増加することはなく、新たな種類の事故を引き起こす可能性もなく、安全裕度を大幅に低下させないと指摘していたが、10月13日には「重大な危険性なし」とする最終判断の下、LARを承認した。これにより、ホルテック社は傾斜した燃料集合体を回収し、燃料の装荷を再開、原子炉の起動に向けた準備を進めることとなる。 

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