玄海発電所 乾式貯蔵施設を着工
20 May 2025
九州電力は5月19日、玄海原子力発電所(PWR、118万kWe×2基)において、使用済み燃料乾式貯蔵施設の設置工事を開始した。既存の燃料プールに加え、乾式貯蔵方式を導入することで、中間貯蔵手段の多様化と貯蔵余裕の確保を図る。2027年度の運用開始を目指している。
同施設では、15年以上冷却した使用済み燃料を金属製の乾式貯蔵容器に封入し、専用の建屋に貯蔵する。最大960体の燃料集合体を貯蔵可能で、施設は地中構造を含む高さ約30メートル、幅約50メートル、奥行き約60メートルの規模となる。使用済み燃料を封入する貯蔵容器は、金属製の多重構造となっており、空気の循環によって冷却される設計だ。
乾式貯蔵方式は、冷却に水や電源を必要としない構造から、地震や津波などの自然災害時にも高い安全性を確保できるとされ、国内外での導入が進んでいる。玄海発電所の乾式貯蔵施設については、2019年1月に原子炉設置変更許可を申請。2021年4月に許可されると、その後2024年6月に設計・工事計画の認可を申請し、今年4月30日には最終的な認可を得ていた。