原子力産業新聞

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原産協会・高橋理事長がプレスブリーフィング、新型コロナ受け5か月ぶり

29 Jul 2020

感染症対策のため発言者の前にはアクリル板を設置(中央が高橋理事長)

原産協会の高橋明男理事長は7月28日、プレスブリーフィングを行った。新型コロナウイルス感染症拡大を受け5か月ぶりの開催となり、同日発表のメッセージ「パンデミックとエネルギー安全保障」を示し、医療器具不足やマスクの入手難などから感じられた「わが国の海外依存の大きさ」や「国の安全保障への不安」、エネルギー安全保障を支える原子力発電の重要性を強調。

記者からは、新型コロナウイルス感染症が原子力産業に及ぼす影響の他、石炭火力に関わる非効率プラントのフェードアウトや輸出規制強化などを踏まえた今後のエネルギー政策について質問があった。これに対し、高橋理事長は、「来年にも見込まれるエネルギー基本計画改定に向け議論されるものと認識」とした上で、「供給に支障をきたしてはならない」と、ベースロード電源の重要性を述べ、その中で「原子力が3E(安定供給、地球環境、経済性)に優れている」ことが理解される必要性を述べた。

新増設・リプレースに関し、小型炉については、「大型炉に比べスケールメリットが少なく経済的には厳しい」一方で、「固有の安全性を持ち、工場での量産で初期投資が小さくできる」として、高速炉、高温ガス炉、軽水炉小型化など、日本における開発・導入の可能性を提示。この他、運転期間延長の技術的側面に係る原子力エネルギー協議会(ATENA)の役割、廃炉の進展に伴う廃棄物処分の課題などに関する質疑応答があった。

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