原子力産業新聞

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資源・エネ業界、CO2排出削減の取組状況を報告

07 Dec 2020

電源構成比の推移(電気事業低炭素社会協議会発表資料より引用)

経済産業省の資源・エネルギー分野のワーキンググループが12月7日に会合を開き、関連する業界団体から2030年度に向けたCO2排出削減目標に対する進捗状況について報告を受けた。同WGは、経産省の地球温暖化対策について検討する委員会下に設置されている。

今回報告を行ったのは、電気事業低炭素社会協議会、石油連盟、日本ガス協会、日本鉱業協会、石灰石鉱業協会、石油鉱業連盟、日本LPガス協会の7団体。今後、鉄鋼、流通・サービス、自動車など、他分野に関するWGからの報告も総括した上で、産業界による地球温暖化対策の自主的取組「低炭素社会実行計画」の評価・検証に資することとなる。

計62社の電気事業者からなる電気事業低炭素社会協議会は、2015年に「電気事業における低炭素社会実行計画」を策定(協議会発足前で、電気事業連合会、新電力の有志による)。2030年度に排出係数0.37kg-CO2/kWhを目指すとされた。全国電気事業者に占める同協議会参加企業のカバー率(販売電力量ベース)は9割台を維持。WGでの説明によると、非化石エネルギーの利用拡大、電力設備の効率向上などに継続的に取り組んできた結果、2019年度の実績で、販売電力量が2013年度比で10.8%減少したのに対し、CO2排出量は同約30%減、CO2排出係数は同約22%減と、大幅な削減幅となったとしている。電源別の電力量比率は、原子力が7.0%、再生可能エネルギーが18.5%で、非化石エネルギーの占める割合は協議会が発足した2015年度以降、最も高くなった一方、化石燃料は67.3%で最も低くなった。また、協議会では、実行計画に基づく企業活動や国際貢献の推進、革新的技術開発に加え、昨秋には2030年度以降に向けた長期ビジョンを策定・公表したほか、PDCAサイクルに新たな評価軸を導入し会員企業のインセンティブ向上などに努めている。

各団体からの報告を受け、WGの委員からは、2050年カーボンニュートラルを見据えた目標設定、革新的技術の具体的な導入見込み、社会・経済面とのバランス、教育も視野に入れた情報発信などに関する意見があった。

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