原子力産業新聞

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規制委が福島第一事故の調査・分析再開へ、現場の環境改善踏まえ

05 Sep 2019

原子力規制委員会は9月4日の定例会合で、福島第一原子力発電所事故に関する調査・分析を再開する方向性を示した。2020年内の中間報告書(第2次)取りまとめを目指す。同委では、福島第一原子力発電所事故に関し、東京電力による廃炉に向けた取組を監視・評価する検討会を概ね月1回の頻度で開催しているが、事故の調査・分析を行う検討会は2014年の中間報告書取りまとめ以降開かれていない。

中間報告書では、国会事故調報告書で未解明問題とされた7項目の個別課題に関する検討結果を取りまとめているが、高線量などのため現地調査に着手できない事項もあったことから、廃炉作業の進捗や新たに解明された事実も踏まえ、引き続き長期的な検討が必要であるとしている。

4日の規制委員会会合では、今後の事故調査・分析に向けて、「現場の環境改善や廃炉作業の進捗により、原子炉建屋内部などへのアクセス性が向上し、必要な試料の採取や施設の状態確認が可能となってきた」などと、事故分析を再開できる段階に至ったとの見方が示された。その上で、事故分析の再開に際し、施設の状態や機器内付着物など、必要な現場状況が廃炉作業の進捗に伴い変貌・喪失する可能性もあることから、資源エネルギー庁や東京電力他、関係機関を交えた公開の連絡調整会議を設け、作業計画に係る情報共有やスケジュール調整を図りながら進めていくとしている。

今後の事故分析の対象範囲に関して、8月下旬に原子力規制庁職員が福島第一2号機の原子炉建屋内の現地調査を行っている。会合終了後の記者会見で、更田豊志委員長は、同建屋内の「耐圧強化ベントライン/ラプチャーディスク」と呼ばれる部位の作動状況に関し、1992年の通商産業省(当時)要請「アクシデントマネジメント」を受けた事業者の自主的取組として整備されたことを振り返り、「着実に施工がなされていたのか、きちんと検証したい」と、予断を持たずに調査に臨む考えを強調した。

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