中国 三澳1号機が送電開始
19 Mar 2026
中国の浙江省温州市で3月12日、中国広核集団(CGN)の三澳(Sanaocun)発電所1号機(PWR=華龍一号<HPR1000>、120.8万kWe)が送電を開始した。今後、出力上昇試験や各種性能試験を経て、今年前半の営業運転開始をめざす。
三澳プロジェクトは2007年にサイト調査を開始し、2015年に国家能源局が計6基の「華龍一号」を建設するサイト取得・整備作業等の実施を承認。I期工事の1-2号機はそれぞれ2020年12月、2021年12月に着工し、Ⅱ期工事の3号機も2025年11月に着工した。1号機については、2025年12月に国家核安全局(NNSA)が運転認可を発給し、今年2月14日に初臨界を達成していた。
同プロジェクトが完成すると、温州市の現在の総電力消費量にほぼ匹敵する年間540億kWh超の電力供給が見込まれている。毎年、標準石炭換算で約1,635万トンの削減に貢献するという。
現在、長江デルタ地域ではDeepSeekなどの世界有数のAI関連企業が集積し、スマート経済の急速な発展に伴い計算能力需要が急増し、エネルギー消費を継続的に増大させている。今年の全国人民代表大会では、「計算能力と電力の協調(算電協同)」が初めて政府活動報告に盛り込まれ、大規模なAI計算クラスターなど新インフラ整備の推進方針が明確に示された。
三澳プロジェクトでは、作業現場の可視化・自動化を実現し、年間で約70万時間の作業工数を削減したほか、国内初となる全工程のデジタル化を導入。原子炉建屋では4万枚以上の配管検査用放射線フィルムをデジタル管理し、AIによる解析評価により欠陥検出率・重複検査の検出精度はいずれも95%以上を達成したという。また、原子炉冷却材主配管の溶接用設備や工法の国産化や、「レゴ式」の分解可能なプレハブ擁壁モジュール工法の導入により、建設コストの削減と工期短縮を図っている。





