米ユタ州 SMR導入で原子力プロジェクト復活
10 Jun 2026
米中西部ユタ州を拠点とするエネルギーインフラ開発会社のブルーキャッスル(Blue Castle)社とフルクラムポイント(Fulcrum Point)社は5月28日、同州東部のエメリー郡グリーンリバー市で計画されているブルーキャッスル原子力プロジェクトを合弁事業化して推進することを発表した。ブルーキャッスル社が過去19年にわたり準備を進めてきた同プロジェクトについて、今後は共同でサイト開発、米原子力規制委員会(NRC)の認可取得、建設・運転開始に向けた開発を進める計画である。
今回の提携は、ユタ州が今後10年間でエネルギー生産倍増に向けて推進する、先進エネルギー政策「オペレーション・ギガワット」の一環。フルクラムポイント社の創設者C. ヘイター氏は、「ブルーキャッスル・プロジェクトを長年の基礎作業から次の実行段階へと進めるために、当社の技術、運営、プロジェクト開発能力を活用する。このプロジェクトはユタ州のエネルギー供給を強化、農村経済の成長を支援し、今後数十年にわたる電力供給が可能になる」と述べた。
2007年、ブルーキャッスル社(当時はトランジション・パワー・デベロップメント社)はグリーンリバー市に原子力発電所の建設計画を提案。2014年8月には、ウェスチングハウス(WE)社製AP1000×2基の建設に向けた協力覚書(MOU)をWE社と締結し、NRCへの事前サイト許可(ESP)申請に向けた準備作業を進めていたが、計画は事実上、中止となった。
グリーンリバー・サイトでは、これまでに気象および地震データの収集、地質調査、地下水モニタリング、生態学調査など、広範な技術的および環境分析が実施され、既存の水利権、鉄道や高速道路へのアクセス、送電網との接続性など、発電所立地に有利な条件を備えている。
ブルーキャッスル社のA. ティルトンCEOは、「過去19年間、原子力発電導入に向けたリスク軽減の基盤を築いてきた。ユタ州および周辺地域のエネルギー需要に応え、ユタ州農村部で高レベルの雇用と経済効果を生み出していく」と抱負を述べた。
同サイトでは、米ホルテック・インターナショナルが開発する小型モジュール炉(SMR)「SMR-300」(PWR, 30万kWe)の導入が想定されている。ホルテック社によると、同炉は独自の空冷式復水器(ACC)を採用できるため、水資源が乏しいユタ州のような乾燥地帯での運用が可能になるという。ホルテック社は、ユタ州北部にあるブリガムシティを基盤とした先進原子力イニシアチブにおいても、フルクラムポイント社の関連会社であるハイテクソリューションズ(Hi Tech Solutions)社と提携してSMR-300の導入を計画しており、ユタ州で拡大しつつある原子力エコシステムの構築を支援している。
ユタ州には現在、原子力発電所はないが、S. コックス知事は同州のエネルギーポートフォリオの大幅な拡大を推進し、特に原子力発電に重点を置いている。5月22日には、同知事主催による「オペレーション・ギガワット・サミット」が開催され、連邦および州、エネルギー関係事業者の幹部が出席。人工知能(AI)インフラ、製造業、先端産業による米国の電力需要増に原子力が果たす役割について議論された。





