ニュークレオ フランスにおけるMOX燃料製造施設の認可手続きに進展
10 Aug 2026
仏パリに拠点を置く先進炉開発企業のニュークレオ社は7月17日、同社が開発する鉛冷却高速炉(LFR)用MOX燃料製造施設の建設に向けた安全設計・対策の基本方針について、現段階において安全確保の考え方は概ね妥当とする仏原子力安全・放射線防護局(ASNR)の見解を明らかにした。
ASNRは、ニュークレオ社が2024年12月に提出した原子力安全プログラムの詳細を審査した。特に多重の安全対策(深層防護)や安全側に立った決定論的アプローチの適用、十分に高い一般安全目標の設定、および類似施設の運転経験や過去の教訓の設計への反映などから、フランスの原子力安全規制の要求を満たす見通しがあると評価した。一方で、航空機墜落の影響評価、火災の進展分析、および封じ込め原則の遵守について追加検討を求め、ニュークレオ社は今後、ASNRのこれらの勧告を施設設計に組み込み、2027年末までに予定している設置許可申請(DAC)に向けて準備を進める方針である。
同社は今回の評価がフランスにおけるMOX燃料製造施設の実現に向けた重要な規制上の節目と位置付けており、現在は同様の規制審査が進められているLFRの設計についても、ASNRの見解を待っている段階である。
ニュークレオ社のLFRおよびMOX燃料製造施設プロジェクトについて、国家公開討論委員会(CNDP)は同プロジェクトが環境に重大な影響を及ぼし、国土整備、社会、経済の各分野において国家的な課題を有していることから公開討論の実施を決定し、今年4月~7月にかけて実施された。同社はステークホルダー関与段階を完了した初の革新炉開発事業者となり、今後、CNDPの結論を慎重に評価し、得られた知見をプロジェクトの継続的な開発と計画に反映させるとしている。
同社が開発する第4世代の鉛冷却高速炉の原型炉「LFR-AS-30」(3万kWe)は、フランス中部のアンドル=エ=ロワール県で、フランス電力(EDF)が運転するシノン原子力発電所(PWR、95.4万kW×4基)に隣接したサイトに建設される計画。2033年末までに稼働開始を目指している。
LFRの燃料となるMOX燃料製造施設については、フランス東部のオーブ県に建設する計画。同施設はモジュール施設として設計されており、必要に応じて生産能力を拡大、最終的には3つの生産ラインを含む可能性があり、最初のラインは2032年に稼働を予定している。
さらに、ニュークレオ社は、米国市場においてもLFRおよびMOX燃料製造施設プロジェクトの実現を目指し、今年2月下旬、これら施設の将来的な許認可取得に向け、米原子力規制委員会(NRC)に事前申請の協議に係わる意向書を提出。以後、規制プロセスに本格的に着手し、商業炉LFR-AS-200(20万kWe)の導入に向け、今年7月中旬、規制上の不確実性を早期に減らして審査プロセスを円滑にするため、審査の方向性と課題解決を事前に整理する規制協議計画(REP)をNRCに提出した。続けて8月6日にはMOX燃料製造施設の建設に関するREPを提出した。同社は使用済み燃料から回収したプルトニウムと劣化ウランを再利用したMOX燃料を自社で製造し、それを鉛冷却高速炉で利用する「燃料サイクル一体型」の事業モデルを米仏両国で確立したい考え。





