米国の世論調査 深地層処分への支持が明らかに
20 Aug 2026
米国で放射性廃棄物の深地孔処分(Deep Borehole Disposal)技術を開発するディープ・アイソレーション(Deep Isolation)社は8月12日、米国成人1,000人を対象とした全国調査結果を発表。同調査によると、回答者の81%が高レベル放射性廃棄物の恒久的な処分方法の確立を「国家的な優先課題であるべき」と考えていることが分かった。一方で、原子力発電所サイトで使用済み燃料を何十年も保管し続けることを支持したのは28%にとどまり、69%が米国に恒久的な処分方法がないことに懸念を示したという。
本調査は、同社が世論調査会社YouGovに委託し、2026年4月に実施したもの。調査結果によると、信頼性が高く低炭素電源である原子力への関心が再び高まりを見せる中、回答者の61%が米国における原子力発電の継続利用を支持。74%が、使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物の長距離輸送を減らせる深地層処分を支持していることが明らかになった。また、長期的な廃棄物管理の選択肢として、回答者の61%が放射性廃棄物を天然の岩石による遮蔽のみで隔離する深地孔処分の方が安全としたのに対し、作業員の立ち入りが可能な地下掘削による人工的な遮蔽施設に処分する方が安全としたのは38%にとどまった。さらに深地孔処分に関する情報提供後では、同処分方法を回答者の65%が支持し、情報提供前の58%から支持率が上昇したという。廃棄物政策を誰に委ねるかについては、科学者・技術者を信頼するとした回答が68%だったのに対し、政府単独による原子力政策を信頼するとした回答は37%にとどまった。
さらに、地層処分施設の建設について、連邦政府だけでなく州が連邦政府の安全規制を条件に申請主体となることを支持する回答も62%に達した。電力需要の増大に対応するために米国が原子力拡大を目指す中、次世代原子力イノベーションとそれを支える長期的な廃棄物管理ソリューションを組合わせた「原子力ライフサイクル・イノベーション・キャンパス」イニシアチブなど、州主導のアプローチに関心が高まっている。
ディープ・アイソレーション社は今回の調査結果を受け、米国民は使用済み燃料および高レベル放射性廃棄物問題への対処の重要性を認識しており、無期限の貯蔵から脱却し、恒久的な廃棄物処分に向けた実用的かつ科学に基づいた解決策を求めていると指摘。エネルギーおよび廃棄物管理政策の立案者が長期的な処分オプションを検討する中で、透明性のあるコミュニケーション、地域社会の参画、信頼できる技術的専門知識が国民の信頼を築く上で極めて重要な役割を果たすことを改めて裏付けたものだと、本調査の意義を強調している。





