SGE ポーランドと英国でBWRX-300導入に向け合弁企業設立へ
28 Oct 2026
ポーランドを拠点とするSGE社は、ポーランドと英国でGEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製の小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」(BWR, 30万kWe)の建設計画を進めるため、各国のエネルギー関連企業と合弁企業の設立で合意した。SGE社は2019年に設立された、欧州におけるSMR開発プロジェクト企業である。
■ポーランドでは同国のエネルギー企業と提携
SGE社は10月13日、ポーランド中央部のコニン地区ポントヌフにBWRX-300×6基の導入に向けて、同国のエネルギー企業ZE PAK社と合弁会社「PAK BWRX S.A.」の設立で合意した。
建設予定地は、既存の石炭火力発電所サイト。ポーランドでは石炭火力発電所の廃止が進む一方、同国の送電系統運用者PSEの予測によると、産業やデータセンター、AIなどにより今後14年間で電力需要の約40%増加が見込まれ、2032年までに500万kWeの発電設備容量が不足する可能性があるという。両社は既存発電所のインフラや地域人材を活用しながら、安定した低炭素電力の供給によるエネルギー安全保障の強化と地域経済の発展をめざしている。
SGE社はOrlenとの合弁会社OSGE社を通じて、ポーランド国内で別のBWRX-300計画も進めており、政府から原則決定(decision-in-principle=DIP)を取得した計画は合計26基、約780万kWeに達する。現在、導入計画は同国中央部ブウォツワベク(Włocławek)、南部のスタビ・モノフスキエ(Stawy Monowskie)、南東部のスタウォワ・ヴォラ(Stalowa Wola)の3地点に集中し、最初に14基の導入が見込まれている。
一方のZE PAK社は、国営エネルギーグループPGEと2023年4月、合弁のPGE PAK EJ社を設立。韓国水力・原子力(KHNP)との協力により、コニン地区ポントヌフで韓国製140万kW級PWR=APR1400を少なくとも2基(合計出力280万kW)の建設を計画している。ポーランドの気候環境省は2023年11月、PGE PAK EJ社に対し、原則決定(decision-in-principle=DIP)を発給したが、その後、韓国は同プロジェクトから撤退。PGEは2025年10月、ZE PAK社が所有するPGE PAK EJ社の株式50%を取得、PGE PAK EJ社を完全子会社化し、第2原子力発電所建設プロジェクトを国営原子力事業者のポーランド原子力発電会社(PEJ)と共同で進めていく体制を整えた。
■英国ではカナダOPG傘下企業と提携
SGE社が2026年6月に英国に設立した、プロジェクト実施主体「SGE SMR UK」社は10月22日、加オンタリオ州営電力のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社の傘下企業Origin Nuclear社と英国でのBWRX-300のフリート展開に向け、合弁会社設立に関する基本合意書(LOI)を締結した。
SGE SMR UK社は、英国内の3サイトにBWRX-300を計14基導入する計画である。初号機の営業運転開始は2034年を予定し、計画が実現すれば、少なくとも60年間にわたり、英国の電力需要の約11%に相当する約800万世帯分の電力を供給できる見込み。SGE社は、英政府が今年2月に発表した、国内で民間主導の革新炉技術の開発・商業化を支援する枠組み「先進原子力フレームワーク(Advanced Nuclear Framework)」の下で、同計画への支援を申請しており、現在、詳細審査の段階に進んでいる。
Origin Nuclear社は、許認可手続き、試運転、運転開始に向けた準備、発電所の運転、および複数の発電所に共通する支援業務を担当する予定。OPG社は、加オンタリオ州のダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)サイトで世界初となるBWRX-300の建設作業を進めている。SGE社はOPG社の建設・運転経験を活用し、英国での許認可取得や将来の運転体制の整備を進めていく考えだ。





