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ロシアで建設中のレニングラードII-2号機、最小制御可能出力レベルに到達

02 Sep 2020

©ロスアトム社

ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社は9月1日、サンクトペテルブルク西方のレニングラード原子力発電所で建設しているⅡ期工事2号機(119.9万kWのPWR)が、起動プロセスの最終段階となる最小制御可能出力(MCP)レベルに初めて到達したと発表した。

MCPレベルとは、原子炉が臨界条件を達成する段階において、核分裂連鎖反応を安定した状態で維持するのに必要な1%以下の出力のこと。同炉の起動プロセスは最初の燃料を装荷した今年7月19日から段階的に進められており、MCPレベルではシステムの安全性など様々な要件が遵守できているか、50項目以上の試験を通じて炉心の物理的パラメーターを確認する。その後は連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)から起動許可を取得して、同炉で出力を徐々に上げていく試運転と包括的な試験を実施、すべての運転パラメーターについて最終確認を行う計画である。2021年に営業運転が開始されれば、同炉はロシア国内で稼働する大型商業炉としては34基目になる。

レニングラード原子力発電所では、チェルノブイリ原子力発電所と同型の軽水冷却黒鉛減速炉(RBMK)設計を採用した2~4号機(各100万kW)がⅠ期工事分として稼働中で、2018年末に同じ設計の1号機が永久閉鎖されている。これらは、Ⅱ期工事で建設された1号機(2018年10月から営業運転中)と今回MCPレベルに達した2号機、および計画中の3、4号機で代替していくことになっており、いずれも第3世代+(プラス)の120万kW級ロシア型PWR(VVER)「AES-2006」が採用されている。

「AES-2006」の初号機としてはすでに、ノボボロネジ原子力発電所のⅡ期工事1号機が2016年8月に営業運転入りしたほか、同型の2号機も2018年3月から営業運転中。また、近隣のリトアニアとポーランドに挟まれた飛び地のカリーニングラードでも、同設計を採用したバルチック原子力発電所1号機の建設が2012年2月に始まった。しかし、これに続いて同年6月に着工した同型設計の2号機は、近隣諸国への売電が見込めなくなったことから建設工事が停止されている。

(参照資料:ロスアトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月1日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

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