原子力産業新聞

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次世代革新炉ロードマップ案 フュージョンエネルギーの早期実現に向け活発議論

27 Feb 2026

中西 康之助

第12回総合資源エネルギー調査会 革新炉ワーキンググループ©経済産業省

総合資源エネルギー調査会の革新炉ワーキンググループ(座長=斉藤拓巳・東京大学大学院工学系研究科教授)が226日に開催され、フュージョンエネルギーの早期実現に向けた検討状況および次世代革新炉開発ロードマップ(案)を中心に議論が進められた。

今年度最後の開催となった同WGでは冒頭、フュージョンエネルギーの早期実現に向けた検討状況について、内閣府から説明があった。

政府は、昨年5月に改定した「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」で、世界に先駆けた2030年代のフュージョンエネルギーによる発電実現を目標に掲げている。同戦略では、バックキャスト(理想の将来像から逆算し、今、行うべき活動やその優先順位を決める思考法)によるロードマップを策定するとともに、量子科学技術研究開発機構(QST)等のイノベーション拠点化の推進、そして、フュージョン産業のエコシステムの構築を進めている。

WGでは、内閣府が進めるタスクフォースによる「フュージョンエネルギーの社会実装に向けたロードマップ案」の取りまとめの進捗が示され、民間企業が商用プラントを建設・運営し、発電収益が得られている姿を描けるような体制作りの重要性が指摘された。そして、当面はBA活動(幅広いアプローチ:Broader Approach)やQSTによる基盤整備を加速するとともに、米国型のマイルストーン方式によるスタートアップ支援を導入する方針が示された。

コスト面では、発電実証プラントの建設費を合理的水準に抑えることが課題とされ、米国の水準(50MW規模で総建設費60億ドル未満)を参考にしながら、日本側も国際競争力のある水準を目指すという。

次に同WGでは、「次世代革新炉開発ロードマップ(案)」の抜粋版をもとに議論が行われ、革新軽水炉、小型軽水炉、高速炉、高温ガス炉それぞれの社会実装に向けた課題と今後の対応が議題に上がり、各炉型に共通する課題として、サプライチェーン、人材、国民理解の3点について改めて言及された。

その後、自由討論と質疑応答が行われ、各委員からさまざまな意見が寄せられた。産業界の立場から参加している大野薫専門委員(日本原子力産業協会)は、提示されたロードマップ案について「産業界の声をしっかり受け止めていただいたものと歓迎している」と評価した上で、制度面や事業環境整備の重要性について4点を指摘した。

まず大野委員は、革新軽水炉の事業環境整備について、政府の信用力を活用した融資制度に加え、投資回収の予見性を確保する仕組みや、他律的要因によるリスクを合理的に吸収するルールの設定が、事業者の投資決定に先立ち必要との認識を示した。小型軽水炉についても、フリートで導入される場合など原子力特有の事業リスクは革新軽水炉と同様であるとして、同様の融資・投資回収制度の導入を求めた。また、多様な資金調達を可能とする観点から、原賠制度の総合的な検討も必要と指摘し、これらの制度整備はプラント導入時期から逆算して適切な時期に完了すべきだと強調した。

次に、小型軽水炉の規制の在り方について、海外では社会実装段階にある一方、国内ではPAZ(予防的防護措置を準備する区域)やUPZ(緊急防護措置を準備する区域)を含む規制の予見性が十分とは言えない指摘。社会実装を推進するために、事業主体が明確でない段階からでも規制の在り方を検討する枠組みが必要との考えを示した。

さらに、フュージョンエネルギーについて、新技術による事業には極めて大きなビジネスリスクを伴うため、自由化された電力市場の下では、まず「産業政策」の観点からの政策措置の検討が先行すべきとの見解を述べた。

最後に大野委員は、サプライチェーンと人材の課題にも触れ、昨年10月の原子力小委員会で約7割の企業が人材確保に苦戦しているとの指摘があったことを紹介。中小企業の多いサプライチェーンにおける人材確保の問題について、改めて対応の必要性を訴えた。

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