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現代E&C 米国の鉛ビスマス冷却高速炉導入に協力

28 Jul 2026

桜井久子

© HYUNDAI E&C

韓国の建設大手である現代EC(現代建設)社は713日、米国の先進炉開発企業First American Nuclear CompanyFANCO)と、FANCOが開発する鉛ビスマス冷却高速炉「EAGL-1」の実用化に向けた枠組み協定を締結した。EAGL-1は出力24kWe級の第4世代鉛ビスマス冷却高速炉。米国で唯一、鉛ビスマス液体金属を冷却材とする小型モジュール炉(SMR)である。現代EC社は、急速に成長する米国SMR市場において、グローバルなSMR事業基盤を強化する方針だ。

両社は今後、タービン発電機などのBOP機器の最適設計や施工性の検討、モジュール化戦略など、事業初期段階での協力を進める。現代EC社は将来的なEPC(設計・調達・建設)契約の獲得を視野に、プロジェクト初期段階から参画することで、建設コストや工期の最適化に貢献したい考え。

FANCOは202511月、本社をインディアナ州に置き、州内に製造施設と原子力エネルギーパークの建設を進める計画を発表した。今後10年間で約40億ドル(約6,500億円)を投じ、約5,000人の雇用の創出を見込む。同州にとって原子力発電の導入は初。M. ブラウン知事は、同州をクリーンで信頼できる原子力発電のリーダーとしての地位を確固たるものにすると期待を表明している。

FANCOは今年5月、カナダのエンジニアリング会社アトキンス・リアリス(AtkinsRéalis)社と20年間の戦略提携を締結しており、同社が設計や許認可、建設管理(EPCM)などを担う体制を構築している。今回の現代EC社の参画により、技術・設計面を支えるアトキンス・リアリス社と、建設分野を担う現代EC社が連携し、EAGL-1の実用化を加速させる方針。FANCOは米原子力規制委員会(NRC)に規制協議計画を提出済みで、商用化に向けた基盤整備を進めている。

現代EC社は、米ホルテック・インターナショナル社の「SMR-300」プロジェクトでの提携に続き、米テラパワー社のナトリウム冷却高速炉「Natrium」やオランダのトライズン(Thorizon)社の熔融塩炉「Thorizon One」など、海外の先進炉の開発企業からのオファーを受けてSMRや先進炉分野での事業拡大を進めており、今回のFANCOとの提携を通じて次世代原子力市場での競争力を強化し、グローバルな原子力EPC事業の拡大につなげていくとしている。

EAGL-16基構成を標準とし、約150万世帯に電力供給が可能。工場で製造・組立て、モジュール化されているため、段階的に導入でき、柔軟に規模を拡大できる。鉛ビスマスは非常に高い沸点(約1,670℃)を持ち、電源喪失時にも炉心冷却を維持し、安全性を確保するのが特徴。また鉛ビスマスは鉛に比べて融点(約125℃)が低く、運転停止中の保温が容易。低圧で動作し、空気や水と触れても反応しないため、シンプルでコンパクトな原子炉設計が実現可能になるという。燃料には酸化ウラン(UO2)に加え、MOX燃料、超ウラン(TRU)燃料、回収ウランなどを利用。燃料を何度もリサイクル・再利用し、処理が困難な長寿命放射性廃棄物を95%以上減容するという。旧ソ連のアルファ級原子力潜水艦の動力炉として運用されていた実績がある。一方、ビスマスは生産地が限られ調達面で難があり、中性子を吸収すると非常に毒性の強いα線放出核種のポロニウム-210を生成するため被ばく管理に注意を払う必要がある。

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