原子力産業新聞

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高浜2号機の安全対策工事が完了、1号機とともに40年超運転に向け特重施設整備へ

02 Feb 2022

高浜1・2号機の安全対策工事では事故時の環境線量低減のためトップドームを設置(関西電力発表資料より引用)

関西電力は1月31日、高浜発電所2号機について、安全性向上対策工事で行う設備の据付けや取替など、本工事を完了したと発表した。同機は1975年に運転を開始しており、既に再稼働した美浜3号機、安全対策工事を完了した高浜1号機とともに、40年超運転に入る運び。〈関西電力発表資料は こちら

高浜1・2号機の安全性向上対策では、シビアアクシデント対応となる原子炉格納容器上部へのドーム状鉄筋コンクリート造の遮蔽設置(直径約44m)や、信頼性向上に向けた中央制御盤のアナログ式からデジタル式への取替などを実施。2号機については、耐震性を図る海水取水設備移設のため、深さ約40m、全長約130mのトンネル工事も行われた。

高浜1・2号機の再稼働に向けては、美浜3号機と合わせ、2021年4月に福井県知事からの理解表明が得られているが、テロなどに備えた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)が未整備(高浜1・2号機は2021年6月にプラント本体の設計・工事計画認可から5年間の設置期限を満了)のため、同施設の工事完了が必要となる。関西電力が2021年12月に原子力規制委員会との意見交換で説明したところによると、高浜1号機と同2号機の再稼働に関し、それぞれ2023年5、6月頃の特重施設運用開始、同6、7月頃の発電再開が計画されている。なお、2021年に国内初の40年超運転を開始した美浜3号機でも現在、2022年9月頃の運用開始に向け特重施設の設置工事が進められており、同10月にも発電を再開する予定。

関西電力では、引き続き稼働中プラントの安全・安定運転に努めるとともに、特重施設の工事を安全最優先で進めていくとしている。

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