原子力産業新聞

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東大発ベンチャー 原子力産業向けAI事業構想発表

11 May 2026

深澤伊弦

構想の画像による説明©EQUES

AI(人工知能)の研究の国内第一人者である、東京大学松尾・岩澤研究室発のスタートアップ企業である株式会社EQUES(エクエス)は5月8日、原子力産業向けAI事業の構想を発表した。

同社は、目指す事業内容として、AIを使用したロボットによる原子力施設の保守・点検作業の実施、設備やセンサーのデータを学習したAIによる施設の異常の早期検知などを挙げている。

原子力産業においては、安全基準のクリアにあたって判断の根拠の提示が重要となっているが、同社の今回の事業では「説明可能なAI(Explainable AI)」を使用することで、AIがなぜその思考・判断に至ったのか明示出来るようにし、厳格な規制への対応に挑戦するという。

原子力施設での保守・点検作業については、巡回点検ロボット、画像解析AI、遠隔支援AIなどとの連携を、異常の早期検知については、デジタルツイン[1]現実の発電設備などを仮想空間上に再現し、動作や変化を事前に検証する技術やリアルタイム解析との連携を視野に入れるとしている。

同社がエネルギー分野へ参入するのはこれが初めて。今後、原子力事業に留まらず、エネルギープラントやインフラ保守におけるAI導入を狙う。

今年3月に米マイクロソフト社がエヌビディア社と連携して、原子力分野の全工程を対象としたAI活用の枠組みを発表したほか、米エネルギー省(DOE)はAI活用推進プログラム「ジェネシス・ミッション」を進めるなど、原子力産業におけるAIの活用には注目が集まっている。

脚注

脚注
1 現実の発電設備などを仮想空間上に再現し、動作や変化を事前に検証する技術

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