ウガンダ 韓KHNPが新設サイト評価へ
06 Jun 2025
韓国水力・原子力(KHNP)は5月27日、アフリカ・ウガンダのエネルギー省とウガンダにおける新規原子力発電所のサイトの適合性評価に係る委託契約を締結した。
今回の委託契約は、ウガンダの新規原子力発電所の候補地の一つであるブイェンデ(Buyende)県のサイトに、原子力発電所の建設が適しているかどうかを評価するもの。KHNPが主契約者として全体プロジェクトを管理し、ドーファ(Dohwa)エンジニアリング社と韓国電力技術(KEPCO E&C)が共に参加する。契約期間は、2027年7月までの26か月間で、この期間にKHNPと協力会社は、該当サイトの気候、洪水、地質、地震などの自然災害のリスク、冷却水の取水問題、航空機の墜落などの潜在的な危険性、放射性物質の拡散などについて、国際原子力機関(IAEA)の基準に則って評価する。KHNPはサイト評価とともに、韓国製原子炉(APR1400、140万kWe)×4基のサイトへの導入提案も含め、輸出を視野に協力を進める計画だ。
ウガンダは、30年間の長期開発戦略である「ウガンダ・ビジョン2040」とそのエネルギー政策に基づき、原子力発電の導入を検討している。政府は新たな発電設備容量が追加されない限り、今後10年以内に供給不足に陥る可能性があると懸念。現在、ウガンダの総発電電力量のうち、約9割を水力発電が占めているが、原子力を含めたエネルギーミックスにより、発電設備を増強する方針である。ウガンダはKHNPがサイト評価を実施するブイェンデ県に2040年までにPWR×6基、合計出力840万kWe規模の原子力発電所の建設を計画している。
KHNPは2023年3月、ウガンダのY. ムセベニ大統領の出席のもと、エネルギー省と原子力分野の協力覚書(MOU)を締結、その後、ウガンダと緊密な協力関係を維持している。
KHNPのJ. ファンCEOは、「今回の契約締結は、成長の潜在力の大きいアフリカ市場に韓国型の原子力発電所の輸出に向けた意義ある一歩」とし、「ウガンダとの協力をベースにアフリカにおけるKHNPのプレゼンスを拡大していきたい」と意欲を示した。
なお、エネルギー省は、ロシア国営原子力企業ロスアトム、中国核工業集団(CNNC)とも原子力分野における協力覚書をそれぞれ2017年、2018年に締結している。