米DOE 3回目のHALEU割り当てを発表
18 Aug 2026
米エネルギー省(DOE)は7月23日、短期的な燃料需要に対応するため、米航空宇宙局(NASA)およびラディアント・インダストリーズ社に対し、高純度低濃縮ウラン(HALEU)[1] U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウランの割り当てを条件付きで実施すると明らかにした。
第3回目となる今回のHALEU割り当ては、原子力火星探査機「スペース・リアクター1・フリーダム(SR-1フリーダム)」ならびに、ラディアント社が開発するヘリウム冷却マイクロ炉「カレイドス」(Kaleidos)の展開を支援するもの。「カレイドス」は、コロラド州のバックリー宇宙軍基地が設置候補地となっている。一方の「SR-1フリーダム」はNASAのJ. アイザックマン長官が命名した、2028年の打ち上げを目指す火星ミッション。宇宙空間で初めて原子力電気推進(NEP)技術を活用する。
DOEのT. ガリッシュ原子力担当次官補は「今回の割り当ては、宇宙探査と国家安全保障のために先進炉へ燃料供給することの重要性を浮き彫りにしている」と述べた。また、米国の原子力ルネサンスを支える国内原子燃料供給体制の確立に向け、DOEの「HALEU供給確保プログラム」が重要な足がかりとなると強調している。
多くの先進炉は、既存技術に比べて小型化、運転サイクルの長期化、効率向上を実現するためにHALEUを必要とするが、現時点でDOEまたは商業的な供給源からHALEUを供給できる国内の供給能力は非常に限られている。このギャップを埋めるため、DOEは民間の研究開発、実証および商業利用に向け、2020年にHALEU供給確保プログラムを設立。割り当ては同プログラムを通じて実施されている。1回目は先進炉・燃料開発企業5社に、2回目は3社に割り当てられた。
同プログラムで割り当てするHALEUは、国家核安全保障局(NNSA)が管理する原料や政府所有の研究炉からの使用済み燃料由来の高濃縮ウラン(20%以上のU235)をダウンブレンドし、限られた量を製造。加えて、ウラン濃縮事業者のセントラス・エナジー社(旧・米国濃縮公社: USEC)と提携し、オハイオ州パイクトンの濃縮施設で16台の新型遠心分離機を製造・連結して濃縮の実証を行い、短期的なHALEUニーズに対応している。
NASAへの割り当ては今回が初めて。ラディアント社は同社製マイクロ炉「カレイドス」の実証試験向けに、第1回目にも割り当てられている。DOEは両者との契約プロセスを開始し、HALEUの割り当てを行う。HALEU供給確保プログラムは継続中であり、DOEは今後も追加企業へのHALEUの割り当てを続ける予定。
脚注
| ↑1 | U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン |
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