
東京電力は9月2日、福島県双葉町に福島第一原子力発電所の廃炉作業を着実に進めることを目的とした技能訓練施設と環境試料の分析施設を開設することを発表した。同発電所から直線距離で約5kmの場所にある双葉北小学校旧校舎を活用する。双葉町が2026年5月に立ち上げた、「双葉北小学校旧校舎等利活用事業公募型プロポーザル」に東京電力が応募し、審査を経て優先交渉権者に選定された。敷地面積は約2万平方メートルで、鉄筋コンクリート造3階建ての旧校舎だけでなく、体育館やプールなどの解体跡地や校庭も活用対象。技能訓練施設では、福島第一の作業や現場環境を再現した訓練を目的に、放射線防護装備を着用した状態での作業や非常に狭い場所での作業を行える環境を整備する。また、分析施設では、福島第一構外で採取した生物や海水などの試料を分析し、セシウム137等の測定などを行う。東京電力は今後、計画の具体化に向け、双葉町との協議や手続きを進める。
03 Sep 2026
953
関西電力は9月1日、定期検査中の美浜3号機(PWR、82.6万kW)について、9月15日に送電を開始することを明らかにした。営業運転再開は10月上旬の見込み。美浜3号機は5月8日に高圧タービンからの蒸気漏れが確認され、原子炉を手動停止。6月16日から定期検査入りしていた。定期検査は計画通りに進捗しているという。蒸気漏れについてはその後の調査により、高圧タービン車室((蒸気発生器で発生した蒸気で回転するタービンの羽根(動翼)や固定翼(静翼)を覆うカバー))の上部車室閉止キャップのうち1つにあった、縦約1cm、横約8cmの損傷が原因と判明した。損傷部分のさらなる分析により、損傷のあった閉止キャップの内面に、流れ加速型腐食(FAC)((主に炭素鋼で発生する、流れの影響により金属表面の保護皮膜が水中へ溶出することで、腐食が加速する現象))が発生し、内面から外面に向けて減肉が進行して、損傷に至ったと推定された。これを踏まえ、今回の定期検査では耐腐食性を向上させた閉止キャップへの交換を行ったほか、高温・高圧の蒸気や水が流れる全ての機器を点検。また、新たな点検ガイドラインの策定などの対策も実施した。美浜3号機は12月1日に運転開始から50年を迎えるため、2025年12月に関西電力が原子力規制委員会に50年超運転に向けた長期施設管理計画を提出している。
02 Sep 2026
1160
北海道電力は9月1日、泊発電所(PWR、91.2万kW)構内に雑固体廃棄物処理施設を設置するため、北海道並びに泊村、共和町、岩内町、神恵内村へ安全協定に基づく事前協議を申し入れたと発表した。固体廃棄物貯蔵庫に保管している雑固体廃棄物を安全に固型化処理し、搬出するための雑固体廃棄物処理施設を泊発電所構内に設置する計画。雑固体廃棄物は防護服、手袋、紙類、金属片などで、放射能レベルに応じて処理した後、固体廃棄物貯蔵庫に保管し、青森県六ヶ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターへ搬出する。雑固体廃棄物のうち可燃物は、焼却してドラム缶に詰め、搬出する。不燃物は様々な材質や大きさのものが混在して保管されているため、その後の処理がしやすいように分別した後、必要に応じて切断や圧縮減容しモルタルで固型化しながらドラム缶に詰める。今回の雑固体廃棄物処理施設で対応するのは、不燃性の雑固体廃棄物のみ。雑固体廃棄物処理施設は鉄筋コンクリート造3階建てで、固体廃棄物貯蔵庫の西側、海抜39mの地点に建設する計画。充填固化体を年間1,000本以上処理することを見込んでいる。
02 Sep 2026
750
経済産業省・資源エネルギー庁は8月31日、高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分地選定に向けた文献調査を茨城県常陸大宮市に申入れた。文献調査が実施されれば、本州では初。文献調査は、処分地選定の最初の段階で、地域の地質に関する文献・データについて机上調査を行うもの。およそ2年程度の調査期間中、国から最大20億円が交付される。放射性廃棄物は一切持ち込まれない。公開された申入れ文書によると、2017年に経済産業省が作成した「科学的特性マップ」により、同市内には最終処分場の建設に適した特性が確認できる可能性が相対的に高い地域があり、高レベル放射性廃棄物等の最終処分場を設置し得る未利用地が存在しているという。さらに、資源エネルギー庁が原子力発電環境整備機構(NUMO)に調査の実施見込みを確認したところ、その見込みがあるとの回答があったほか、同市内の有志から文献調査を求める要望があったことも踏まえ、今回の申入れに至った。常陸大宮市の鈴木定幸市長はコメントを発表し、「私自身も、将来世代に責任あるまちづくりを進める観点から、最終処分の調査については、選択肢の一つになる可能性も考慮し、これまで情報収集に努めてきました」と説明。そのうえで、「まずは、この地域が適した地域であるか否か、文献調査を実施し、地下環境の適性について情報を得ることが、議論を始めていく第一歩になるのではないかと考えております」と述べた。文献調査の対象となっているのは現在、北海道寿都町、北海道神恵内村、佐賀県玄海町、東京都小笠原村南鳥島の4町村。このうち、寿都町と神恵内村では文献調査が完了し、報告書が公開されている。今回のように国から文献調査の申入れを行ったのは南鳥島が初で、今回で2例目。
01 Sep 2026
1093
福井県の石田嵩人知事は8月28日、臨時記者会見を開き、関西電力の美浜発電所(PWR、82.6万kW)と高浜発電所(PWR、82.6万kW×2基、87.0万kW×2基)の使用済み燃料乾式貯蔵施設(高浜は第一期)の設置について、立地地域の安全性向上にも寄与する点や六ヶ所再処理施設の進捗状況と見通しなどを踏まえ、建設を事前了解することを発表した。関西電力はこれを受け、美浜と高浜(第一期)の設計及び工事計画の認可(設工認)について、準備が完了次第、原子力規制委員会(規制委)に申請を行う予定であると発表した。関西電力は2024年2月に、福井県と美浜町、高浜町、おおい町に対し、安全協定に基づく事前了解願いを提出していた。また、関西電力は、2025年5月には高浜(第一期)、2025年10月に美浜の原子炉設置変更許可を規制委から取得した。なお高浜(第二期)の使用済み燃料乾式貯蔵施設の設置については、原子炉設置変更許可申請を2025年6月に行った。乾式貯蔵施設とは、プールで一定期間冷却した使用済み燃料を、「キャスク」と呼ばれる金属容器に収容し、空気の自然対流によって冷却する方式の貯蔵施設。水や電源を用いないため、維持管理が比較的容易であり、海外で多くの使用実績がある。日本においては、乾式貯蔵施設での貯蔵はあくまで一時的なものとされており、使用済み燃料の再処理を前提としている。使用済み燃料の貯蔵量は、美浜で約100トン、高浜(第一期)で約240トンを予定している。会見終盤、石田知事は、今後、乾式貯蔵施設への使用済み燃料の搬入計画を厳格に確認し、関西電力の使用済み燃料対策ロードマップを適切に確認、必要な対応を求めるとともに、国に対し責任を持って進捗管理を行い、事業者を指導監督するよう求めるとした。
31 Aug 2026
952
大阪府に本社を置く第一稀元素化学工業は8月25日、重要レアメタルの一種である「ハフニウム」の国内製造技術を確立したと発表した。2026年内に半導体用途などに向けたサンプル提供を開始し、生産規模拡大に向けた技術開発を経て、2028年の国内量産化を目指す。ハフニウムは、AI・データセンター向け半導体や航空宇宙分野などに用いられるレアメタル。原子力分野では、中性子を吸収する性質を生かし、原子炉の出力を調整する制御棒の材料として利用されている。自然界ではジルコニウム鉱石に微量に含まれるが、ジルコニウムとハフニウムは化学的性質がよく似ているため、分離・精製には高度な技術が必要で、国内での商用生産は事例に乏しいという。第一稀元素化学工業は、ベトナムの生産拠点でジルコニウム鉱石を精製し、中間原料となる「ジルコニウム中間体」を製造している。これを日本に運び、国内の生産拠点で最終製品となるジルコニウム化合物に加工している。今回確立した製造技術では、この中間体に微量に含まれるハフニウムを、液体から特定の成分を選択的に取り出す「溶媒抽出技術」を用いて国内で分離・精製する。同社は、ジルコニウム化合物を中心に、レアアース化合物などの無機化合物の製造・販売・研究開発を手掛けている。ハフニウムを分離することで、ジルコニウムの純度をさらに高めることも可能になるという。ジルコニウムは中性子を吸収しにくい性質などから、原子炉の燃料被覆管などに用いられている。
31 Aug 2026
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政府の「GX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議」(議長=高市早苗首相)は8月26日、昨今の中東情勢を踏まえ、エネルギー需給構造の強靭化を目的とする政策パッケージ「パワーGX(POWERR GX((Policy Package for Wide Energy and Resources Resilience through GX」の略称)))」を取りまとめた。その中で原子力について、安全性を大前提とした最大限の活用を掲げたほか、高市首相は次世代革新炉の早期導入に向け、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の機能強化を改めて明言した。「パワーGX」では化石燃料の調達安定性の抜本的向上と、投資拡大によるエネルギー転換・供給力増強・効率向上が柱となっており、原子力分野では2040年代2~5基、2050年代11~14基という建て替え見通しを見据え、次世代革新炉の社会実装に向けた研究開発・投資判断を促す措置の具体化、最終処分などバックエンドの取組加速、規制体制の充実・強化を行うとした。その中で7月の原子力関係閣僚会議で決定した、NEDOの役割強化にも言及があった。さらに、産業資源であるコンビナートや地域に偏在する脱炭素電源等を核に、「新たな産業クラスター」の創出を目指す「GX戦略地域制度」についても続報があり、4月24日に一次審査の結果として決定した「有望地域」の中から、近日中に「GX戦略地域」の第一弾の認定が行われることが発表された。有望地域の中には、青森県六ヶ所村、茨城県日立市、新潟県柏崎市、島根県松江市、鹿児島県薩摩川内市などが含まれている。
28 Aug 2026
1652
原子力規制委員会(規制委)は8月26日、特定重大事故等対処施設(特重施設)と所内常設直流電源設備(3系統目)の設置期限を見直す関係規則の改正を正式決定した。 あわせて、意見公募に寄せられた152件の提出意見への回答案を了承した。 規制委は、提出意見を受けて参照先の表記を正す記載上の修正1点を加えたが、規則改正案の内容に実質的な変更はなかった。今回の改正では、特重施設などの設置までの経過措置期間を5年間のまま維持し、その起算点を本体施設の「設計及び工事の計画認可(設工認)」の日から「使用前確認日」に変更する。 規制委は、現行制度では過去12件のうち期限内に特重施設が完成したのは1件だったのに対し、新たな起算点を当てはめると9件が期限内に収まると説明。 意見公募では安全性への懸念も寄せられたが、規制委は、特重施設が完成しないまま運転できる期間は大幅には増えず、現行制度と比べ安全上の大きな差異はないとしている。見直しの対象は、現行制度に基づく経過措置期間が満了していない女川2号機、島根2号機、柏崎刈羽6号機など。 女川2号機の設置期限は2026年12月から2029年12月となる。一方、既に期限が満了した東海第二と柏崎刈羽7号機は対象外とした。 同日午後に行われた規制委と東北電力経営層との意見交換で、東北電力の石山一弘社長は、今回の見直しについて、過去の工事実績に基づく「規制の継続的な改善」との認識を示し、女川2号機の特重施設について「早期完成を目指していく」と述べた。
28 Aug 2026
1222
政府は8月25日、福島第一原子力発電所事故後の福島県内の除染作業などで生じた除染土のうち、放射能濃度が比較的低く再利用が可能とされる「復興再生土」(放射能濃度が8,000Bq/kg以下)について、各府省庁の地方支分部局等で再利用する方針を示した。まずは、宮城県にある仙台合同庁舎と埼玉県にあるさいたま新都心合同庁舎での実施で調整している。首相官邸にて開催された、全閣僚が出席する「福島県内除去土壌等の県外最終処分の実現に向けた再生利用等推進会議(第4回)」で明らかとなった。仙台合同庁舎とさいたま新都心合同庁舎の花壇などで計2立方メートル使用することを計画している。除染土は、法律により2045年3月までに福島県外で最終処分を完了するために必要な措置をとることが定められている。最終処分の量を可能な限り減らすため、復興再生土を公共事業などで活用する「復興再生利用」が進められている。2025年7月に復興再生土が首相官邸の前庭で芝生の基盤材として使用されたほか、2025年9~10月には環境省、復興庁等など9か所で、今年4月に防衛省など2か所で使用され、これまで計12か所での使用実績がある。これまで各所での工事後、空間線量率の測定を工事後1ヶ月間は週1回、その後1年間は月1回測定を行っている。施工前の同一地点の結果に対し、平均して0~+0.04μSv/hで、人体への影響を無視できるレベルという。全国知事会東日本大震災復興本部長でもある埼玉県の大野元裕知事は、8月25日に行われた定例記者会見で、今回の政府方針について意見を聞かれ、福島復興については、日本全体で取り組むべき課題と表現し、復興再生土の利用に関しては国や全国の自治体が自分ごととしてしっかりと向き合う必要があると述べた。その上で、安全で確実な施工や、モニタリングの情報開示など国民の理解を得る最大限の協力を求めたいと語った。
26 Aug 2026
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フュージョン(核融合)エネルギーの社会実装に向けた研究を行う慶應義塾大学フュージョンインダストリー研究センターは8月24日、「2026年度 核融合エネルギーに関する世論調査」の結果を発表した。 調査は2026年3月、慶應義塾大学の「責任ある研究・イノベーション」センター(KEIO-RRI)と共同で実施。全国の20~69歳の男女4,000人を対象に、核融合エネルギーをはじめ、原子力発電などのエネルギー技術に対する認知度や、核融合の実現時期への見方、社会的受容に必要な情報などを尋ねた。 各エネルギー技術について「どの程度知っているか」を尋ねたところ、認知度は原子力発電が89.1%、核融合が45.1%、高速炉が27.8%、次世代型原発が8.8%となった。 核融合エネルギーに対するイメージでは、「危険」を選択した割合が2019年の60.7%から、2023年には42.5%、2026年には37.7%へと低下。一方、「不安」は2019年の41.9%から2023年に28.0%まで低下した後、2026年には32.0%とやや上昇した。なお、日本原子力文化財団が実施する「2025年度原子力に関する世論調査」でも、原子力を「危険」と捉える割合は2019年度の65.5%から2025年度には52.9%へ、「不安」は55.3%から42.6%へとそれぞれ低下している。 核融合エネルギーによる最初の発電がいつ実現すると思うかとの問いでは、「20年以内」とする回答が合わせて55.7%と半数を超えた。 一方、核融合エネルギーが社会に受け入れられるために重要な情報を尋ねたところ、「起こり得るリスク・事故の深刻さ」が44.1%で最も多かった。次いで「リスク・事故を予防できるか」が35.4%、「事故が起きた際に対応できるか」が32.6%となり、安全性やリスクに関する情報が上位を占めた。また、核融合発電施設の建設にあたり、地元の同意を重要と考える人は69.9%に上った。
25 Aug 2026
1150
青森県は8月21日、原子力事業者による県内企業への発注計画等の説明や、原子力事業者等(発注側)と県内企業(受注側)との情報交換を行う「第1回 原子力関連ビジネスフェア」を、11月11日にむつ市のプラザホテルむつで開催することを発表した。原子力関連分野での県内企業の受注拡大や新規参入を促進し、雇用の創出・拡大を図ることが目的。原子力事業者として、日本原燃、電源開発、東北電力、東京電力、三菱重工業、東芝、日立GEベルノバニュークリアエナジー、IHIなど24社・機関が参加予定。企業以外にも、日本原子力研究開発機構(JAEA)や量子科学技術研究開発機構(QST)などの研究機関が参加する。県内の参加企業は現在募集中で、青森県内に本社・事業所を有し、土木・建設、機械・設備、電気・計装、配管、ポンプ、塗装、保守・メンテナンス、ものづくり(機械加工、製缶、部品・治具製作)等の企業で、原子力関連業務の参入済み、または新規参入を検討している企業が対象。原子力関連の受注実績がなくても参加可能。ビジネスフェアでは、原子力事業者によるプレゼンや県内事業者との個別面談が行われ、終了後には希望者を対象に交流会(要会費)も開催されるという。ビジネスフェアへの参加は無料。10月2日まで県内企業の申込をメールで受け付けている。
24 Aug 2026
1206
将来の原子力業界を担う人材の育成を目指す研修コース「Japan-IAEA 原子力マネジメントスクール(NEMS)2026」が8月19日に開講し、東京大学で開講式が行われた。NEMSは、国際原子力機関(IAEA)が各国・関係機関との協力の下で展開する、若手の原子力専門人材を対象とした研修プログラム。 原子力発電の新規導入・拡大を検討する国などを主な対象に、こうした国々の原子力プログラムを支えるマネジメント・技術能力を高め、将来のリーダー・管理者を育成することを目指す。 日本版 NEMSは、日本原子力人材育成ネットワーク、東京大学、日本原子力研究開発機構(JAEA)、日本原子力産業協会、原子力国際協力センターがIAEAと協力して運営している。日本での開催は今回が14回目となった。日本版NEMSでは、IAEAや国内外の専門家による講義、グループワーク、原子力関連施設の見学を組み合わせ、技術だけでなく、リーダーシップ、組織運営、関係者との対話に必要な能力向上を図る。 テクニカルツアーでは、福島第一原子力発電所の見学を予定し、事故の教訓を踏まえた安全原則を現地で学ぶ機会を設けている。今年は、海外14か国(ブルガリア、チェコ、エストニア、ガーナ、ハンガリー、インドネシア、マレーシア、モンゴル、フィリピン、シンガポール、スロバキア、スロベニア、タイ、ウズベキスタン)および日本から、男性18名、女性10名の計28名が参加した。 研修生は9月3日まで、東京大学本郷キャンパスでの講義やグループワーク、テクニカルツアーを通じ、原子力に関する幅広い課題を学ぶ。各国の原子力事情を共有し、異なる専門分野・背景を持つ参加者が議論することで、修了後も続く国際的な人的ネットワークの構築を促す。開講式では、NEMS2026の実行委員長を務める村上健太・東京大学大学院工学系研究科准教授が研修生を歓迎した。 同氏は、講義内容がIAEA加盟国間で合意された基本原則に基づくものだと説明し、講師に積極的に質問して研修に参加するよう求めた。 特に海外からの参加者には、日本人参加者に先んじて講師に質問を投げかけることにも期待を示した。続いて、日本原子力産業協会の増井秀企理事長が挨拶を行い、 研修を成功させる要素として、プログラム(Program)、人(People)、参加(Participation)の「3つのP」を提示した。 「参加とは教室に座って講義を聞くだけではない」と述べ、発言、質問、互いの見解や経験の共有を呼びかけた。IAEA原子力エネルギー局計画・情報・知識管理部(NEPIK)のファン・ウェイ部長は、NEMSが、技術的知識とマネジメントの間をつなぎ、安全・核セキュリティ・持続可能性を踏まえた原子力プログラムを担う次世代リーダーの育成に重要な役割を果たしてきたと強調。 また、日本政府、東京大学、原子力人材育成ネットワークなど、開催に協力する関係機関への謝意を示し、研修生には主体的に取り組み、互いの経験から学ぶよう期待を寄せた。最後に、上坂充原子力委員会委員長が、日本開催のNEMSはこれまで500人を超える卒業生を送り出してきたと紹介した。 IAEAでの会合や、各国と原子力政策について協議する場で卒業生と出会う機会があると述べ、NEMSのネットワークが各国の政策・技術を担う人材のネットワークへと広がっていると強調した。 研修生に対しては、研修期間中に強固なネットワークを築き、修了後も交流を続けるよう呼びかけた。
21 Aug 2026
1322
北海道経済連合会など北海道内の8つの経済団体は8月19日、連名で泊発電所3号機(PWR、91.2万kW)の確実な再稼働と低廉な電気料金の早期実現に関する要望書を北海道電力に提出した。提出を行ったのは北海道経済連合会、 北海道経済同友会、 北海道商工会連合会、北海道建 設業協会、北海道商工会議所連合会、北海道観光機構、北海道中小企業団体中央会、北海道商店街振興組合連合会。2025年9月にも同8団体で泊3号機の早期再稼働を求める要望書を北海道の鈴木直道知事、北海道議会の伊藤条一議長に提出したが、北海道電力への提出は初めて。要望書では、日本のエネルギー資源の海外依存と不安定な国際情勢を背景に、安定的な電力確保は地域経済にとって極めて重要な課題であるとし、脱炭素化との両立も含め泊発電所の果たす役割の大きさを指摘。2027年8月の防潮堤工事の完了見通しもふまえ、安全対策工事や再稼働に向けた準備作業を一層着実に進め、3号機の確実な再稼働を求めた。加えて、地域経済の安定と競争力確保のために、低廉な電気料金の実現も要望した。北海道電力の齋藤晋社長は7月30日に行われた記者会見で、泊3号機の再稼働について、2027年のできるだけ早い時期に再稼働を実現できるよう、取組みを進めるとしていた。
20 Aug 2026
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中道改革連合の泉健太衆議院議員は8月17日、フィンランドのオルキルオト原子力発電所1-3号機(1,2号機: BWR 92.0万kWe×2基、3号機: PWR=EPR 166.0万kWe×1基)と、同発電所近隣に立地する高レベル放射性廃棄物(使用済み燃料)の最終処分場(オンカロ)のビジターセンターで現地視察を行った、と自身のX(旧Twitter)で報告した。今回の視察は超党派の日本フィンランド国会友好議員連盟によるもので、費用は自費。視察の報告はXなど泉議員のSNSで適宜行われている。「オンカロ」のビジターセンターでは、地層処分で実際に使用される使用済み燃料を格納する容器を見学したほか、フィンランドにおける処分事業の見通しについて説明を受けたと報告。その中で、フィンランドでは、原子力発電と放射性廃棄物は切っても切り離せない課題であるとの認識や、エネルギー自立への意識が、当初から国民に広く共有されていたとの説明を受けたという。泉議員は視察を経て、フィンランドとは異なる日本の環境をふまえつつ、十分に調査を続け、安全性や安定性を確保しながら、最終処分場を選定していく必要性に触れ、「私も今後、この課題解決に超党派議連の一人として力強くコミットします」とXで発信した。フィンランドから帰国後、北海道幌延町、青森県六ケ所村、茨城県東海村などの原子力関連施設を訪問し、専門家から意見を聞く意向であることも明らかにした。先日、フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)は、「オンカロ」の操業許可申請について安全要件を満たしているとする意見書を雇用経済省に提出した。操業許可が発給されれば、オンカロは世界で初めて使用済み燃料を地層処分する施設となる。
19 Aug 2026
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環境省はこのほど、「いっしょに考える『福島、その先の環境へ。』チャレンジ・アワード2026」の募集を開始した。全国の中学生・高校生・大学生を対象に、福島の環境や未来創生を目的としたプレゼンテーション作品とアートポスター作品を募る。チャレンジ・アワードは環境省が2020年から開始したコンテストで、今年で7回目。昨年は210件の応募があった。「いっしょに考える『福島、その先の環境へ。』」をテーマとして、プレゼンテーションの部では、環境に関する取組の提案や、福島県の復興及び、希望ある未来を創造していくためのアイデア・取組・活動をまとめた作品を、アートポスターの部では震災から15年の歩みをふまえ、福島県がこれからどうなってほしいかという福島県への想いをアートポスターで表現した作品を募集する。最も優秀な作品には環境大臣賞が授与され、そのほか優秀な作品に福島県知事賞や福島県教育委員会教育長賞、特別賞なども授与予定。独自性や独創性、福島県への貢献性(実現性、持続性)などが審査基準となる。いずれかの賞を受賞した参加者は、副賞として福島県現地見学会に参加可能。応募資格を満たせば誰でも応募可能で、11月15日まで受付中。受賞者の発表は2026年2月を予定している。
19 Aug 2026
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日本経済新聞社が実施する「NIKKEI企業キャラクター総選挙2026」の投票が8月17日から始まった。日本原子力産業協会の会員企業・団体のキャラクターも相次いでエントリーしている。総選挙には54社・団体・法人が参加。企業キャラクターを通じて企業と社会の新たな接点をつくる企画で、昨年に続き2回目の開催となる。原産協会の会員からは、東北電力の「マカプゥ」、原子力発電環境整備機構(NUMO)の「グーモ」、ニチアスの「ニコ(NiCo)」、住友電気工業の「スミーディ」、NGKの「クロコくん」がエントリー。また、原産協会会員のみずほ銀行を傘下に持つみずほフィナンシャルグループからも「あおまる」が参加している。 このうち、「あおまる」と「クロコくん」は昨年に続く2回目の出場。昨年はいずれも上位3位には入らなかった。その他の4キャラクターは今回が初出場となる。■初出場の4キャラクターを紹介東北電力の「マカプゥ」は、クレイアニメ「ピングー」の作者、オットマー・グットマン氏が手掛けた鳥のキャラクター。NUMOの「グーモ」はモグラをモチーフに、高レベル放射性廃棄物の地層処分について知ってもらうため、イベントなどで活動している。住友電気工業の「スミーディ」は、同社事業の礎である銅線がモチーフ。ニチアスの「ニコ(NiCo)」は、創業130周年を記念して今年4月に誕生したばかりだ。投票は9月17日まで。無料の日経IDの登録が必要で、1アカウントにつき1回投票できる。投票結果は9月末に発表され、上位3社は日本経済新聞の紙面と特設サイトで紹介される予定だ。投票サイトはこちら
18 Aug 2026
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中国電力は8月13日、定期検査中の島根2号機(BWR、82.0万kW)の原子炉を起動し、同日12時14分に臨界に達したと発表した。同機では、7年半あまりにわたる新規制基準適合性審査を経て2024年12月に再稼働して以降、初となる定期検査が今年2月6日から行われている。これまで、特定重大事故等対処施設関連工事や原子炉圧力容器等の点検などを実施。また、2029年2月に運転開始から40年を迎えることをふまえ、40年以降の運転に必要となる重要設備の劣化状況を把握するための特別点検に向け、非破壊検査等によるデータ収集も行った。今後は、8月18日に発送電を開始し、9月16日に営業運転を再開する予定。
17 Aug 2026
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IHIは8月5日、2026年度第1四半期決算を発表した。原子力などが好調で増収増益となり、不動産売却益を除いた営業利益は331億円だった。同社の「成長事業」とされている原子力事業の第1四半期の売上収益は112億円。前期受注案件の工事が順調に進捗しており、下期にかけてさらに工事が進捗し、売上収益が拡大する見通しだという。同社の常務執行役員の大嶋裕美財務部長は、同日に行われた第1四半期決算説明会で、「良いスタートを切ることができたと評価している」と述べ、原子力事業について「着実に成長している」と語った。同社は5月に発表した中長期経営計画で、原子力事業の生産体制や人材の強化、次世代炉分野への投資を進める方針を示している。
13 Aug 2026
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ふたばプロジェクトは8月1日、福島県双葉町での起業・創業を志す人を対象とした、実践型ビジネスコンテスト「FUTABA SEEDS’26」の募集を開始した。大賞受賞者は100万円の起業支援金の提供を受けることができる。ふたばプロジェクトは双葉町の復興を目的として2019年に設立された、官民連携・協働の組織。これまで移住支援や情報発信などを行ってきたが、ビジネスコンテストの開催は今回が初。「FUTABA SEEDS’26」では双葉町の地域資源・課題・魅力を活かし、町の復興・定住促進・暮らしの向上に資するビジネスプランを募集。応募者は、書類による一次審査を通過後、双葉町での現地視察や個別相談、プランのブラッシュアップや最終審査前のプレゼンテーションのサポートなど伴走支援を受ける。2027年2月28日に最終審査会が開催され、プレゼンテーションを経て、大賞受賞者が決まる。大賞受賞者は100万円の起業支援金のほか、双葉町に短期滞在可能な住宅を利用可能。各種条件を満たせば、双葉町外に在住していても応募可能。既に事業を行っている人の新規事業・第二創業でも応募できる。応募は公式webサイトから、9月30日締切。
12 Aug 2026
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サウジアラビア・ジェッダで開催された第3回国際原子力科学オリンピック(INSO2026)で、日本代表として出場した高校生4人全員がメダルを獲得した。8月2日から行われていた大会は、すべてのプログラムを終えた。メダルを獲得したのは、灘高等学校3年の長田知樹さん、麻布高等学校3年の本田弘徽さん、攻玉社高等学校2年の入山哉太さん、広島大学附属高等学校2年の霜崎洸我さん。長田さんと霜崎さんが金メダル、本田さんと入山さんが銅メダルを獲得した。INSOは、IAEAが原子力科学教育の推進を目的に創設した国際大会で、アジア太平洋地域の20歳未満の学生が参加する。日本代表の4選手は、国内選考や大会に向けた研修などを経て、8月1日に開催地のジェッダへ向けて出発していた。日本代表選手団出場支援委員会は9月27日、東京大学本郷キャンパス内で報告会と解団式を開催する予定。
10 Aug 2026
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三菱総合研究所(MRI)は7月31日、「日本社会に貢献しうる原子力の規模感とは? 原子炉の新増設実現への期待と課題(2)」と題したコラムを発表した。今回のコラムでは、MRIが開発・保有するエネルギー経済モデル「MRI-TIMES」を使用し、2050年にカーボンニュートラルを達成することを前提として、日本の電源構成の試算を行った。原子力、火力、再生可能エネルギーのコストは、2024年に行われた発電コスト検証WGのモデルプラント諸元((プラントの運転・建設コストのモデルデータ))を参照して設定。次世代革新炉の導入は考慮しなかった。その結果、2050年時点の総発電電力量における原子力の割合は、新設の導入上限量を設けなかったケースで34%、過去の日本の原子炉建設ペースを上限とした場合でも33%だった。分析によると、この結果は、一定の前提条件の下、安定供給、経済効率性、環境適合性の各観点を踏まえれば、2050年に原子力が電源構成の3割を担うことが合理的な選択肢となり得ることを示唆しているという。ただし、その場合、必要となる原子力発電設備容量は5,800万kWに達し、既設炉の運転期間を60年と仮定した場合でも、120万kWの大型軽水炉の新増設が約28基分必要となる。MRIはコラムの中で、原子力が日本の電源構成においてその役割を持続的に果たしていくためには、安全性を大前提としつつ、コスト競争力を維持・向上させることが求められるとし、そのカギとして、国内サプライチェーンの維持・強化を挙げた。サプライチェーンの弱体化は、海外依存度の上昇や工期の長期化を通じて建設・運転コストの上昇を招き、日本における原子力の経済合理性を損なうと強調。そのうえで、弱体化を防ぐためには、熟練技術者や技能者が現場に残っているうちに、国家ビジョンを明確にし、新規建設や海外輸出などへの方針を示すことで、技術・技能を継承していく必要があると指摘している。
10 Aug 2026
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資源エネルギー庁はこのほど、「次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 電力安定供給ワーキンググループ 長期脱炭素電源オークションの第4回募集に向けて(案) 長期脱炭素電源オークションガイドライン(案) 」に対する意見募集(パブリックコメント)を開始した。今回の改正の重要な変更点は、長期脱炭素電源オークションの①応札価格に参集できる資本コストを6.5%へ変更、②原子力の制度適用期間を30年に設定、③約定価格の上限を193,810円/kW/年に設定(前回:135,602円)――の3点。①の資本コストは日本銀行の2025年度貸出約定平均金利が、1.51%まで上昇したことを考慮して設定された。②の制度適用期間の設定は、資本コストの過度な増加を防止するためとされている。また、③の上限価格は、投資のインセンティブと国民負担のバランスを鑑み、諸元((過去の政府WGをもとにしたプラントの運転・建設コストのモデルデータ))の2.0倍(前回:1.5倍)と設定された。日本原子力産業協会は8月4日に意見提出を行い、協会webページに全文と理由を掲載した。なお、意見募集は8月16日まで行われている。
06 Aug 2026
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経済産業省は8月5日、「次世代革新炉の開発・建設に向けた技術開発・サプライチェーン構築支援事業補助金」の一次公募の採択結果を公表した。東芝、日立GEベルノバニュークリアエナジー、三菱重工業、IHI、三菱電機のメーカー各社のほか、素材・部品・燃料などを扱うMHI原子力研究開発、日本ギア工業、日本製鋼所、三菱原子燃料、大同キャスティングスも採択された。今回の支援事業では、次世代革新炉の技術開発と次世代革新炉の開発・建設に向けた産業基盤強化を目的とする事業に、最大で27億円(補助率50%以内)の補助金を交付する。事業期間は最大3年度まで。二次公募も行われ、募集は7月に締め切られた。東芝は、実用化に向けて開発を進める革新軽水炉「iBR」の、安全設備の検証や実証データの拡充に取り組むとし、二重円筒格納容などの安全対策設備に関する評価・検証を実施するとともに、安全対策の有効性の解析評価を進めることを発表した。さらに、「iBR」を建設する際の、設備の供給能力や保守管理能力の構築を目的として、安全上重要な設備の技術開発および製造実証をサプライヤーとともに実施し、サプライチェーンの高度化も図る。日立GEベルノバニュークリアエナジーは革新軽水炉「Highly Innovative ABWR(HI-ABWR)」の実用化に向け、放射性物質閉じ込めシステムの技術開発に取り組む。三菱重工業は革新軽水炉「SRZ-1200」や、地震・津波などの日本特有の自然条件に適合できる小型軽水炉(SMR)の開発を進める。そのほか各社の採択された事業は以下の通り。東芝 6事業・AM技術の開発と適用による原子力機器の製造プロセスイノベーション(Phase2)・革新軽水炉の実現に向けた原子力向け発電機回転電気試験設備の維持・向上および稼働実証・次世代革新炉の革新的安全技術の開発(Phase2)・次世代革新炉向け安全系コントローラの開発(Phase2)・次世代革新炉向け使用済燃料貯蔵ラックの製造能力維持・確立(Phase2)・次世代革新炉向け制御棒駆動機構の開発及び製造実証(Phase2)日立GEベルノバニュークリアエナジー 1事業・革新沸騰水型軽水炉の技術開発(フェーズ2)三菱重工業 3事業・革新軽水炉の開発・建設に向けた安全性向上等に資する要素技術開発及び標準炉型の開発(その2)・小型軽水炉の実用化に向けた国産技術による炉型/要素技術開発・次世代革新炉実現に向けたサプライチェーン高度化に資する機器・素材・製造技術開発(その2)IHI 2事業・NuScale発電所向けサプライチェーン強化に係る技術開発・BWRX-300 SMR向けサプライチェーン強化に係る技術開発三菱電機 2事業・SMR-300向け計装制御システムの技術開発・QAP対応事業・国内次世代革新炉稼働に向けた次世代中性子検出器の開発および生産プロセス確立MHI原子力研究開発 1事業・次世代革新炉の開発・建設に向けた産業基盤強化に資する照射後材分析サプライチェーンの高度化(その2)日本ギア工業 1事業・原子力用アクチュエータ基幹部品の一貫熱処理技術開発日本製鋼所 1事業・超大型原子力鍛鋼品の製造技術開発三菱原子燃料 1事業・革新軽水炉実現に向けた原子燃料供給プロセスの高度化大同キャスティングス 2事業・BWRX-300 炉内構造物鋳造品の安定生産体制の構築および製造高難易度製品である燃料集合体鋳造品の製造技術開発・BWRX-300 炉内製品の生産体制確立(大型誘導炉電源制御盤の更新)
06 Aug 2026
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内閣府は8月5日に開催された原子力委員会の定例会議で、日本が2025年末時点で国内外に保有するプルトニウムの総量が約44.4トンだったことを明らかにした。前年末から総量に増減はなかった。 内訳は、国内の保管量が約9.9トン、海外での保管量が約34.5トン(英国約21.7トン、フランス約12.8トン)。前年末は国内約8.6トン、海外約35.8トンだった。前年末と比べ、国内保管量が約1.3トン増加する一方、海外保管量はほぼ同量減少した。これは、フランスで保管していたプルトニウムを用いて加工したMOX燃料が、関西電力高浜3、4号機(PWR、87.0万㎾×2基)向けに国内へ輸送されたことによる。 「海外に保管中のプルトニウム」とは、国外(英・仏)に再処理を委託しているが、まだ日本国内に返還されていないものを指す。これらは原則として、海外でMOX燃料に加工され、国内の発電プラントで利用されることになっている。 日本政府は、プルトニウム利用の透明性の向上を図り、国内外の理解を得ることが重要であることから、国際原子力機関(IAEA)の管理指針(プルトニウム国際管理指針)に基づき、国内外において使用及び保管している未照射分離プルトニウムの管理状況を、1994年から毎年公表するとともに、IAEAに提出している。 2025年は、英国とフランスに委託した使用済み燃料の再処理による新たなプルトニウムの回収はなかった。また、国内の原子力発電所で新たなMOX燃料の利用もなく、国内外を合わせた保有総量は前年から横ばいとなった。
06 Aug 2026
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