
資源エネルギー庁はこのほど、「次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 電力安定供給ワーキンググループ 長期脱炭素電源オークションの第4回募集に向けて(案) 長期脱炭素電源オークションガイドライン(案) 」に対する意見募集(パブリックコメント)を開始した。今回の改正の重要な変更点は、長期脱炭素電源オークションの①応札価格に参集できる資本コストを6.5%へ変更、②原子力の制度適用期間を30年に設定、③約定価格の上限を193,810円/kW/年に設定(前回:135,602円)――の3点。①の資本コストは日本銀行の2025年度貸出約定平均金利が、1.51%まで上昇したことを考慮して設定された。②の制度適用期間の設定は、資本コストの過度な増加を防止するためとされている。また、③の上限価格は、投資のインセンティブと国民負担のバランスを鑑み、諸元((過去の政府WGをもとにしたプラントの運転・建設コストのモデルデータ))の2.0倍(前回:1.5倍)と設定された。日本原子力産業協会は8月4日に意見提出を行い、協会webページに全文と理由を掲載した。なお、意見募集は8月16日まで行われている。
06 Aug 2026
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経済産業省は8月5日、「次世代革新炉の開発・建設に向けた技術開発・サプライチェーン構築支援事業補助金」の一次公募の採択結果を公表した。東芝、日立GEベルノバニュークリアエナジー、三菱重工業、IHI、三菱電機のメーカー各社のほか、素材・部品・燃料などを扱うMHI原子力研究開発、日本ギア工業、日本製鋼所、三菱原子燃料、大同キャスティングスも採択された。今回の支援事業では、次世代革新炉の技術開発と次世代革新炉の開発・建設に向けた産業基盤強化を目的とする事業に、最大で27億円(補助率50%以内)の補助金を交付する。事業期間は最大3年度まで。二次公募も行われ、募集は7月に締め切られた。東芝は、実用化に向けて開発を進める革新軽水炉「iBR」の、安全設備の検証や実証データの拡充に取り組むとし、二重円筒格納容などの安全対策設備に関する評価・検証を実施するとともに、安全対策の有効性の解析評価を進めることを発表した。さらに、「iBR」を建設する際の、設備の供給能力や保守管理能力の構築を目的として、安全上重要な設備の技術開発および製造実証をサプライヤーとともに実施し、サプライチェーンの高度化も図る。日立GEベルノバニュークリアエナジーは革新軽水炉「Highly Innovative ABWR(HI-ABWR)」の実用化に向け、放射性物質閉じ込めシステムの技術開発に取り組む。三菱重工業は革新軽水炉「SRZ-1200」や、地震・津波などの日本特有の自然条件に適合できる小型軽水炉(SMR)の開発を進める。そのほか各社の採択された事業は以下の通り。東芝 6事業・AM技術の開発と適用による原子力機器の製造プロセスイノベーション(Phase2)・革新軽水炉の実現に向けた原子力向け発電機回転電気試験設備の維持・向上および稼働実証・次世代革新炉の革新的安全技術の開発(Phase2)・次世代革新炉向け安全系コントローラの開発(Phase2)・次世代革新炉向け使用済燃料貯蔵ラックの製造能力維持・確立(Phase2)・次世代革新炉向け制御棒駆動機構の開発及び製造実証(Phase2)日立GEベルノバニュークリアエナジー 1事業・革新沸騰水型軽水炉の技術開発(フェーズ2)三菱重工業 3事業・革新軽水炉の開発・建設に向けた安全性向上等に資する要素技術開発及び標準炉型の開発(その2)・小型軽水炉の実用化に向けた国産技術による炉型/要素技術開発・次世代革新炉実現に向けたサプライチェーン高度化に資する機器・素材・製造技術開発(その2)IHI 2事業・NuScale発電所向けサプライチェーン強化に係る技術開発・BWRX-300 SMR向けサプライチェーン強化に係る技術開発三菱電機 2事業・SMR-300向け計装制御システムの技術開発・QAP対応事業・国内次世代革新炉稼働に向けた次世代中性子検出器の開発および生産プロセス確立MHI原子力研究開発 1事業・次世代革新炉の開発・建設に向けた産業基盤強化に資する照射後材分析サプライチェーンの高度化(その2)日本ギア工業 1事業・原子力用アクチュエータ基幹部品の一貫熱処理技術開発日本製鋼所 1事業・超大型原子力鍛鋼品の製造技術開発三菱原子燃料 1事業・革新軽水炉実現に向けた原子燃料供給プロセスの高度化大同キャスティングス 2事業・BWRX-300 炉内構造物鋳造品の安定生産体制の構築および製造高難易度製品である燃料集合体鋳造品の製造技術開発・BWRX-300 炉内製品の生産体制確立(大型誘導炉電源制御盤の更新)
06 Aug 2026
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内閣府は8月5日に開催された原子力委員会の定例会議で、日本が2025年末時点で国内外に保有するプルトニウムの総量が約44.4トンだったことを明らかにした。前年末から総量に増減はなかった。 内訳は、国内の保管量が約9.9トン、海外での保管量が約34.5トン(英国約21.7トン、フランス約12.8トン)。前年末は国内約8.6トン、海外約35.8トンだった。前年末と比べ、国内保管量が約1.3トン増加する一方、海外保管量はほぼ同量減少した。これは、フランスで保管していたプルトニウムを用いて加工したMOX燃料が、関西電力高浜3、4号機(PWR、87.0万㎾×2基)向けに国内へ輸送されたことによる。 「海外に保管中のプルトニウム」とは、国外(英・仏)に再処理を委託しているが、まだ日本国内に返還されていないものを指す。これらは原則として、海外でMOX燃料に加工され、国内の発電プラントで利用されることになっている。 日本政府は、プルトニウム利用の透明性の向上を図り、国内外の理解を得ることが重要であることから、国際原子力機関(IAEA)の管理指針(プルトニウム国際管理指針)に基づき、国内外において使用及び保管している未照射分離プルトニウムの管理状況を、1994年から毎年公表するとともに、IAEAに提出している。 2025年は、英国とフランスに委託した使用済み燃料の再処理による新たなプルトニウムの回収はなかった。また、国内の原子力発電所で新たなMOX燃料の利用もなく、国内外を合わせた保有総量は前年から横ばいとなった。
06 Aug 2026
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専攻を問わず幅広い学生に原子力分野で働く人の姿を知ってもらおうと、日本原子力学会学生連絡会とWiN-Japanは8月4日、都内で学生向けセミナーを開催した。全国から現地・オンライン合わせて100人を超える学生が参加を申し込み、申込者の9割以上を原子力専攻以外の学生が占めた。 日本原子力学会学生連絡会では毎年、原子力学会の学生会員を対象に原子力施設の見学会などを実施してきた。今回は、原子力や放射線分野で働く女性の国際NGO「Women in Nuclear(WiN)」の日本支部、WiN-Japanとの共催を機に、原子力分野で働く女性との交流を企画。対象を原子力学会から広げ、専攻を問わず参加を呼びかけた。 セミナーを企画した福井大学大学院の川端佑依さんも、学部では物理学を専攻し、修士課程から原子力分野に進んだ。自身の経験から、原子力を専門としない学生にも業界を知る機会をつくりたいと考えたという。また、原子力業界に関心があっても、そこで女性が働けるのか不安を感じる学生は多いとして、女子学生にも積極的に参加を呼びかけた。 冒頭、WiN-Japanの石橋すおみ会長は「原子力の仕事は様々な分野の人で成り立っている。原子力に携わる女性のリアルを知ってほしい」と挨拶した。続いて、メーカー、電力会社、研究機関、行政などで働く女性5人が登壇し、それぞれの仕事内容や原子力分野に進んだ経緯、仕事のやりがいなどを紹介した。 内閣府で原子力分野の国際協力に携わる阿部幸子さんは薬学部出身。薬剤師免許を取得して文科省に入省し、原子力をはじめ科学技術行政に携わってきた。 阿部さんは、原子力について「決して古い、完成された技術ではなく、まだまだこの先がある分野」と話し、幅広い人材が必要だと強調した。さまざまな科学技術分野に携わってきた中でも、「私個人としては、原子力が一番、自分自身が世の中に貢献していると実感できる分野」と語る。原子力に携わる企業や研究者、学生を「同志」とし、「社会貢献をしていることが仕事のやりがいにつながっている。こういう思いで仕事をしている人を知り、職業選択の一つの参考にしてもらえたら」と呼びかけた。 参加した物理学専攻の学生は、以前からエネルギー問題に関心があり、原子力は解決策の一つと考えていたという。プラントメーカーの就職活動向けサイトを通じてイベントを知り、参加した。「皆さん、自立したかっこいい女性だった。見習いたい」と話し、原子力への関心がさらに高まったという。 機械工学を専攻する別の学生は、就職先を幅広く検討する中で参加。原子力について「リスクのある分野だと思っていた」としながらも、働く女性の話を聞いて「その中でのやりがいもあると感じた」と話した。
06 Aug 2026
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日本政策投資銀行東北支店は8月4日、東北6県と新潟県を加えた「東北地域」の2026年度設備投資計画調査の結果を発表した。東北地域全体の設備投資計画は、2025年度比49.6%増の1兆3,225億円となった。特に、青森県で原子力関連の大型投資が見込まれる電力は、同112.7%増の7,268億円となり、全体を大きくけん引した。青森県単体でも、電力・ガスの設備投資額は同116.4%増の7,096億円に上った。一方、電力を除いた東北地域の設備投資計画は同9.9%増の5,957億円。青森県六ヶ所村では、日本原燃が2026年度中の完成を目指す再処理工場と、2027年度中の完成を目指すMOX燃料工場の建設を進めている。
05 Aug 2026
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日本財団は7月31日、「エネルギー」をテーマにした第82回18歳意識調査の調査結果を公表した。それによると、回答者のおよそ6割が原子力発電所の再稼働・リプレースに「賛成」していることが明らかになった18歳意識調査は日本財団が2018年から様々なテーマで定期的に行っている、17~19歳の男女を対象としたインターネットによるアンケート調査。今回は6月19~21日に1,000人に対して調査を実施した。今回、原子力発電に関する考えを聞く設問として、「A:安全基準を満たした原子力発電所の再稼働や建て替えを進めるべきだ」と「B:原子力発電には事故のリスクや廃棄物の問題があるため、頼るべきではない」のどちらが自分の考えに近いかを聞いた。「Aに近い」と回答したのは28.5%、「どちらかといえばAに近い」と回答したのは29.8%だった。一方、「Bに近い」と回答したのは13.9%、「どちらかといえばBに近い」と回答したのは15.8%、「わからない」が12.0%だった。回答は男女別でも公開されており、男性で「Aに近い」と答えたのは39.8%で、「どちらかといえばAに近い」と回答した人も含めると66.3%が再稼働やリプレースに賛成した。それに対して、女性で「Aに近い」と回答したのは16.6%に留まり、「どちらかといえばAに近い」と回答した人を含めると、49.9%が賛成した結果となり、男女で16ポイント以上の差が生じた。そのほか、次世代革新炉や水素・アンモニア発電、ペロブスカイト太陽電池などの新技術へ期待するかを聞く設問では、次世代革新炉について、全体の7割以上が「期待する」「どちらかといえば期待する」と回答した。なお新技術への認知度を調べた設問で、次世代革新炉は全体の8.1%しか認知しておらず、設問で挙げられた新技術の中で最も認知度が低かった。最後の設問はエネルギー問題への若者の関心を高めるために必要な取組みを聞くもので、「学校におけるエネルギー教育の充実」が最も多く、「メリットだけでなく、将来のリスクやコストを含めた透明性の高い情報公開」、「SNSや動画等による若者向けのわかりやすい情報発信」が続いた。
04 Aug 2026
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北海道電力は7月30日、泊発電所1~3号機(PWR、1-2号機:57.9万kW×2基、3号機:91.2万kW)の防潮堤設置工事の完了時期を2027年8月にすると発表した。防潮堤は海抜高度19.0m、延長約1,200m、最大幅30mで、2024年3月28日から工事を開始している。当初は、着工から3年程度での完成を見込んでいた。北海道電力の齋藤晋社長は同日に行われた会見で、泊3号機の再稼働時期について、審査の進捗を見極めた上で改めて発表すると述べ、2027年のできるだけ早期に再稼働を実現すべく、取組みを進めるとした。泊3号機は、昨年12月に北海道の鈴木直道知事が再稼働に同意を表明し、再稼働に向けた準備が進んでいる。
03 Aug 2026
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政府は7月31日、第14回原子力関係閣僚会議を開催し、2040年代までに大型炉約2~5基分(約220万~550万kW)、2050年代までに同約11~14基分(約1,270万~1,600万kW)の原子力発電所の建て替えを見込んだ、原子力政策の行動指針改正を正式に決定した。今回の改正で、再稼働の加速に向け、運転サイクルの長期化や定期検査の効率的な実施等に関する規制当局との議論を進める。そのほか、再処理・MOX工場の竣工および操業環境整備、プルサーマルや使用済み燃料対策の推進などの核燃料サイクルの推進、海外での市場機会の獲得に向けた官民支援、機器・部素材の供給途絶対策や事業承継支援など、サプライチェーンの実態に即した支援も盛り込まれた。会議に出席した高市首相は、「高市内閣として原子力政策を前に進めていく」と強調。次世代革新炉の早期導入に向け、事業の予見性を高めるため、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の役割を脱炭素エネルギー全般に拡大するとした。また、原子力やフュージョンエネルギーの研究開発への資金供給機能の強化や日本原子力研究開発機構(JAEA)の機能強化、産学官が連携した原子力人材育成強化についても言及した。今回の改正内容は、8月末までに策定予定のエネルギー政策の新計画「エネルギー需給構造強靱化パッケージ」に盛り込まれる予定。
03 Aug 2026
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第3回国際原子力科学オリンピック(INSO2026)サウジアラビア大会に出場する日本代表選手団の結団式・壮行会が7月31日、東京大学で開催された。代表に選ばれた高校生4人に任命状が手渡され、選手団は8月1日に開催地のサウジアラビア・ジェッダへ向けて出発した。INSOは、IAEAが原子力科学教育の推進を目的に創設した国際大会。アジア太平洋地域の20歳未満の学生が参加する。式では、INSO日本代表選手団出場支援委員会委員長の飯本武志先生(東京大学アイソトープ総合センター教授)が大会趣旨を説明。選手団リーダーの角山雄一先生(京都大学環境安全保健機構放射線管理部門准教授)は前回のマレーシア大会の活動成果を、佐藤大樹先生(日本原子力研究開発機構)は代表選手らの大会出場に向けた準備の様子などを報告した。その後、出場する4選手へ任命状が授与された。また、来賓として文部科学省、外務省、千代田テクノル、長瀬ランダウア、関西電力の関係者らが出席し、選手を激励。文部科学省の有林浩二課長(研究開発局原子力課)は、INSOで出題される問題の難易度の高さに触れ、選手らの挑戦を称えた。また、将来的な月面での原子力利用にも言及し、原子力科学の活躍の場が今後さらに広がっていくとの展望を示した。外務省の田中健一郎室長(軍縮不拡散・科学部国際原子力協力室)も、原子力の脱炭素への貢献や、医療・農業分野における放射線利用に触れ、原子力科学への世界的な関心の高まりを強調した。最後に、選手らは一人ひとり大会への抱負を述べ、「4人で金メダルを獲得して帰ってきたい」「世界中の参加者と交流し、新しい知見を得たい」「大会期間中に誕生日を迎えるので、多くの友人をつくりたい」「小学生の頃から興味を持っていた分野で、日本代表として出場できることをうれしく思う」など、それぞれ世界大会への決意を語った。INSO2026は8月2~9日、サウジアラビア・ジェッダで開催され、各国・地域から集まる学生が原子力科学に関する知識や課題解決能力を競う。大会結果は、INSOポータルサイトで随時紹介される予定。
03 Aug 2026
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発電所の立地自治体などでつくる全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)の米澤光治会長(敦賀市長)ら立地自治体の首長は7月29日、経済産業省で小森卓郎経済産業大臣政務官と会談し、原子力政策などについて意見交換した。全原協は例年、政府に対し原子力政策や立地地域対策などに関する要望活動を行っている。今年の要望では、緊迫する中東情勢を踏まえ、原子力の重要性を強調する文言を新たに盛り込んだ。また、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する要望を拡充したほか、市町村へのデータセンターの優先的な誘致や地域デジタル基盤の構築を新たに求めた。全原協は今年5月、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する提言書を高市首相に提出しており、国が主体的に候補地選定を進めることなどを求めている。会談の冒頭で米澤会長は、第7次エネルギー基本計画に基づく原子力政策の着実な推進を求めた上で、次世代革新炉について事業者がより具体的に取り組める環境の早期整備を要請。「事業者にとって予見性が高まることは、我々にとっても、まちづくりの予見性が高まることだ」と述べ、国に具体的な道筋を示すよう求めた。さらに、高レベル放射性廃棄物の最終処分については、「電力の供給を受けている全国民で共有すべき課題」と位置付け、国が前面に立って処分地選定を進めるよう要望した。これに対し小森政務官は、福島の復興と東京電力福島第一原子力発電所の廃炉を「最重要課題」とした上で、「エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することは不可欠」と述べ、安全確保と地域の理解を前提に原子力を最大限活用する方針を示した。また、次世代革新炉については、事業環境整備や人材・サプライチェーンの維持・強化を進める考えを示すとともに、高レベル放射性廃棄物の最終処分では、国が前面に立って取り組む方針を改めて強調した。
31 Jul 2026
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経済産業省・資源エネルギー庁は7月28日、国の財政投融資を財源とする電力広域的運営推進機関(OCCTO)による、融資対象を出力50万kW以上の発電設備とし、原子力など長期脱炭素電源オークションの対象となる脱炭素電源を優先的に支援する方針を示した。なお出力については、合計出力での判断とする場合もある。今回の融資制度は電力の安定供給確保に向け、資金調達が困難な、長期かつ大規模な電源・送電線への整備を促進するためのもので、7月に成立した改正電気事業法に創設が盛り込まれた。融資総額はプロジェクト全体の融資総額の3割程度とするが、投資額が巨額となる案件については、柔軟な上限設定も検討する。金利水準は民間金融機関並みで、電源・系統への設備投資の回収期間が長期に及ぶことを鑑み、融資期間は民間よりも長期の期間も認める。そのほかに融資対象として認定するための認定要件の候補として、サプライチェーン・人材確保を含む事業計画の実現可能性や償還確実性を含む資金・返済計画の蓋然性、民間金融機関の活用状況などが挙げられた。さらに、長期脱炭素オークションの落札案件であること、長期PPA(電力購入契約)案件であることは、償還確実性が高いと評価される。2026年度および2027年度の融資について、計画認定後の融資審査、契約手続き、経済産業大臣への意見照会等の必要手続きに4か月程度を要することを踏まえ、来月8月頃から事前相談受付開始を見据えており、2026年度分については2027年3月の融資実行を予定する。政府の「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」でも、脱炭素電源投資支援に資する制度措置の検討・具体化が記載されており、本制度が民間事業者にとって使いやすい制度となることが期待される。
29 Jul 2026
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日本原燃は7月24日、青森県と六ヶ所村から、六ヶ所ウラン濃縮工場の新増設等計画書について事前了解を取得したと発表した。同計画書は、安全協定に基づき、5月に県と村へ提出していた。今後準備が整い次第、原子力規制委員会に事業変更許可申請を行う。今回の計画では、天然ウランから濃縮ウランを生産する過程で発生する劣化ウランの貯蔵能力を増強するため、劣化ウランが充填されたシリンダを置くための置き台を1段積みから2段積みに変更し、さらに空きスペースに置き台を増設する。今回の変更により、シリンダの貯蔵本数は362本増の1,584本となり、最大貯蔵能力に達する時期は2035年1月頃とされている。従来の貯蔵方法のままでは、2028年12月に最大貯蔵能力の1,222本に達する見込みだった。同社は劣化ウランを将来的にMOX燃料の原料等として利用するために貯蔵しており、ウラン濃縮工場の操業規模の拡大などに伴い、これまでも劣化ウランの貯蔵能力を増強してきた。1988年には210本だったが、1993年の許可取得により1,062本になり、さらに2006年の許可取得で1,222本となった。現在、ウラン濃縮工場の濃縮能力は年間150tSWU規模であり、今後、遠心分離機の更新作業が完了する2028年度中にさらに300tSWU拡大し、年間450tSWUになる見込み。
29 Jul 2026
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7月28日午後4時27分頃、熊本県熊本地方の深さ16kmを震源とするマグニチュード7.1の地震(令和8年熊本地震)が発生した。熊本県の宇城市と氷川町で震度7を観測したほか、熊本市内で震度6強、鹿児島県薩摩川内市で震度5強を観測した。その後も、断続的に余震と見られる地震が、現時点で150回以上発生している。九州電力によると、佐賀県唐津市にある玄海原子力発電所3-4号機(PWR、118.0万kW×2基)、鹿児島県薩摩川内市にある川内原子力発電所1-2号機(PWR、89.0万kW×2基)で異常は確認されていない。定期検査中の玄海3号機を除く3基は、通常通り運転を継続している。四国電力も、愛媛県伊方町にある伊方原子力発電所3号機(PWR、89.0万kW)で異常は確認されておらず、通常通り運転を継続していると発表した。
29 Jul 2026
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子どもたちに科学の魅力を伝えるイベント「青少年のための科学の祭典2026全国大会」が7月25、26日に科学技術館(東京都千代田区)で開かれ、電気事業連合会(電事連)が出展した。電事連は「エネルギー」と「放射線」をテーマにブースを設け、多くの来場者を集めた。「青少年のための科学の祭典」は、30年以上続く科学体験イベント。全国大会には各地から選ばれた実演者が集まり、多彩な実験や工作が並ぶ。電事連は、公益財団法人日本科学技術振興財団と共同で出展し、体験型展示とステージショーでエネルギーや放射線を分かりやすく紹介した。放射線ブースでは、太陽や花こう岩、食品などを配置したジオラマ「箱庭」に、放射線を出すものに見立てた磁石を設置。磁石の強さを変えることで、放射線量の違いを疑似的に体感できるよう工夫した。子どもたちは探索器を近づけながら、身の回りに放射線を出すものが存在することを疑似体験した。続いて、花こう岩や湯の花などの実物試料を簡易放射線測定器で測定し、自然放射線の存在を確かめた。最後に、陽子と中性子を模したビーズで「原子核ストラップ」を製作し、原子核の構造と放射線との関係を学んだ。ミニステージショーは電気エネルギーやSDGsなどをテーマにした3種類のプログラムを実施した。手回し発電機によるエネルギー変換の実験や簡易発電機の工作など、マジックショーさながらの軽快な進行に、子どもたちは歓声を上げながら見入っていた。電事連の広報担当者は「子どもたちはステージでの実験を毎年楽しんでくれている。電気や放射線は難しいと思われがちだが、身近な存在であり、知ると面白いことがたくさんある。興味を持つきっかけになれば」と話した。参加した小学生は「太陽からも放射線が出ていると知って驚いた」、一緒に訪れた保護者は「磁石を使った模型が分かりやすく、放射線を身近に感じた」と感想を語った。会場内ではこのほか、原子力発電環境整備機構(NUMO)と東京電力ホールディングスも出展した。NUMOは地層処分の緩衝材として使われる粘土「ベントナイト」の性質を伝える実験を実施。東京電力ホールディングスは、水素やトリチウムなどの分子模型を作る工作教室を開いた。各社が体験型プログラムを通じ、子どもたちが科学やエネルギーへの理解を深める機会となった。
29 Jul 2026
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日本原子力産業協会の増井秀企理事長は7月24日、理事長会見を行い、記者団からの質疑に応じた。増井理事長はまず、このほど公表した「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」に対する意見提出(パブリックコメント)について説明。増井理事長は、これまで要望してきた①原子力発電の将来像として必要な設備容量と時期を中期と長期の段階で示すこと、②投資回収や融資制度を含め、事業者が投資判断できる事業環境を速やかに整備すること、③原子力人材基盤の維持強化を行動指針の柱として位置づけること、④新設に向けた設置許可申請以前のプロセスを明確にすること――が概ね反映されたと歓迎した。とりわけ、「2040年代までに最大5基、2050年代までに2040年代分を含め最大14基」と、建て替えに必要な設備容量の具体的な導入目標が2段階で示されたことを「大変意義深い」と評価した。続いて増井理事長は、人材確保の取組みについて説明。合同企業説明会「原子力産業セミナー」を9月から東京を皮切りに、大阪、仙台、福岡で順次開催すると紹介した。初開催となる仙台については、同セミナーへの関心の高まりに加え、会員企業の多くが人材確保を課題としていることから開催地に選定したとした。また、増井理事長は人材の「確保」と「育成」の両面に取り組んでいると強調。原子力産業セミナーは人材確保の施策である一方、人材育成の施策として、学生向けの出前授業などエネルギー教育の実施や教員への理解促進、産官学連携による人材育成体制の構築などを進めていると述べた。さらに、産官学の司令塔機能の整備を進めており、9月末頃を目途に一定のとりまとめを行う予定であることも明らかにした。会見後半、記者から米国での原子力事業について日本企業がオーナーとして参画する際の負担や政府に求める支援について問われた増井理事長は、米国では原子力発電所の所有者と運転事業者が分かれるケースがあり、電力会社が所有と運転を一括で行う日本とは仕組みが大きく異なると指摘した。そのうえで、日本企業がオーナーとして参画する場合には、事故時の責任範囲や負担の在り方を明確にする必要があると説明。自身が専門委員を務める原子力小委員会では、米国への大型投資は、日本企業にとって大きなビジネスチャンスである一方、事故時の責任や建設費が当初計画を上回った場合の追加負担などについて、日本企業に過大な負担が生じないよう制度設計を求めていると述べた。そのほか、日本における80年運転の実現可能性について問われた増井理事長は、技術的には可能との認識を示した一方、実際の運転期間については個々のプラントにおける判断が必要であり、知見の蓄積と議論が必要との考えを示した。
28 Jul 2026
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日本原子力研究開発機構(JAEA)は7月23日、原子炉の過酷事故に、燃料を含む金属や制御棒などが溶けて生じる溶融物の流れ方の3次元でのシミュレーションに成功したと発表した。過酷事故での炉内溶融物の挙動を数値シミュレーションで再現したのは世界初。JAEAは2018年に、福島第一原子力発電所事故の解明への支援を目的として、シミュレーションコード「JUPITER(三次元多相多成分詳細熱流動解析コード)」を発表し、以後も改良を続けてきた。JUPITERは構造物の簡略化を行わないシミュレーションコードであり、BWR、PWRなど原子炉の種類に依存せず、シミュレーションを実施することが出来る。さらに、炉内構造物や熱の影響を精緻に計算し、高精度かつ実態に即したシミュレーションとなる点が特徴だが、過酷事故時の原子炉内溶融物の挙動をどの程度再現できるかは、難易度の高い取り組みなこともあり、これまで十分に確認出来ていなかった。今回は、米国のサンディア国立研究所が1995年に実施した、BWR模擬燃料集合体を用いた溶融物の流動観察実験と同じ条件を設定し、JUPITERで数値シミュレーションを行うことで、JUPITARの溶融物挙動のシミュレーションの正確性を検証。その結果、溶融物の流動経路や滞留物の量(体積)などが整合することが確認出来たという。溶融物が上部から下部へ複雑に流れ落ちる様子を、3Dで可視化することにも成功した。今回の結果からJUPITERを用いた仮想環境内で、溶融物の状況を視覚化することで、事故進展評価の高度化に貢献することが期待できる。JAEAは今後、次世代革新炉の安全性向上への貢献に向けた開発と、定常運転時の炉内熱流動現象への適用性検証も進めるとしている。
27 Jul 2026
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福島県富岡町と産経新聞社は、富岡町の復興応援を目的として、富岡町の特産品を使ったスイーツのアイデアを競う学生対象のコンテスト「スイーツ甲子園 ふくしま富岡町レシピチャレンジ」の開催を決定し、レシピの募集を開始した。2026年4月時点で高等学校、大学・大学院、各種専門学校に在籍している生徒・学生を対象とし、「生菓子スイーツ部門」と、「焼き菓子スイーツ部門」の2部門でレシピを募集する。レシピのテーマは「富岡町の魅力がいっぱい詰まったスイーツ」で、特産品であるパッションフルーツ、ぶどう、玉ねぎ、ワインなどの「テーマ食材」のうち1種類以上使用する必要がある。審査は麴町の「PATISSIER SHIMA(パティシエ・シマ)」のオーナーシェフである島田徹氏が担当し、各部門の最優秀賞受賞者には副賞として島田氏と共同で、富岡町の特産品を使ったスイーツを開発する権利が贈られる。開発したスイーツは、東京都内で開かれるイベントなどで実際に販売されるほか、最優秀賞受賞者は「ふくしま富岡町PR大使」にも任命され、富岡町への視察旅行なども予定されている。各種条件を満たせば、webの専用応募フォームから応募可能。9月4日締切。
24 Jul 2026
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福井県議会は7月21日、県内に原子力発電所を有する電気事業者に課している核燃料税の税率を引き上げる条例案を可決した。引き上げたのは価格割((発電用原子炉に挿入された原子燃料に課す))、出力割((熱出力に課すが、廃止措置中の税率は2分の1))、搬出促進割((5年を超えて貯蔵されている使用済み燃料に課す))の3種全て。いずれも全国最高税率。価格割は従来の原子燃料の価額の8.5%から9.0%に、出力割は1,000kWにつき年間204,800円から260,000円に、搬出促進割は重量1kgあたり1,500円から2,000円に変更となる。なお、出力割の廃止措置期間の軽減税率に変更はない。県は今回の引き上げの理由について、「持続可能な立地地域を作るための財政需要が増大している」ためとしている。福井県の2024年度の核燃料税の総額は127.3億円で、内訳は価格割が15.1億円、出力割が58.9億円、搬出促進割が53.3億円。核燃料税は、1976年に福井県が全国で初めて導入した法定外普通税((地方自治体が独自の条例で定める、使い道が自由な税))。福井県では、原子力安全対策のほか、河川や港湾等の整備、農林水産業支援、子育て支援などに使用されている。県は5年ごとに核燃料税条例の見直しを行っており、現行条例の課税期間は2026年11月9日まで。今後、県は総務省と協議を進め、総務大臣が同意すれば11月10日から条例施行となる。
24 Jul 2026
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政府は7月21日、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」と「日本成長戦略」を閣議決定した。骨太の方針の中では、安全性の確保や地域の理解を大前提に、原子炉の再稼働加速や次世代革新炉の開発・設置に取り組むことが明記され、フュージョンエネルギーの早期社会実装も目指すとした。これに加え、次世代革新炉は、フュージョンエネルギーとともに日本成長戦略における「戦略17分野」のひとつに位置付けられ、官民投資ロードマップが作成された。「戦略17分野」では、複数年度での予算措置の活用、政府調達や規制改革を通じた初期需要の創出、研究開発から社会実装までの一気通貫の支援、税制・金融面からの大胆な後押しなどが予定されている。このほか、骨太の方針には、再処理施設稼働を見据えた独立行政法人の設置等保障措置の枠組みの強化や、原子力の安全規制の見直しも今後検討され、次期通常国会での法案提出を目指すことが記載された。さらに、避難道路の整備を含めた原子力防災体制の充実や最終処分に係る調査地域の拡大にも取り組む。なお、福島第一原子力発電所事故からの復興・再生に関しても、AIやロボット技術の開発・実証を行って廃炉を着実に進めることが盛り込まれた。
23 Jul 2026
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原子力規制委員会(規制委)は7月16日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135.6万kWe)の長期施設管理計画認可申請に関する審査会合を開いた。6号機は改良型沸騰水型軽水炉で、同型炉の長期施設管理計画が審査されるのは初めて。東京電力がこれまでの指摘事項への回答を説明し、規制側は現時点で必要な技術的論点を確認できたとの認識を示した。今後は申請書の補正内容や補足説明資料への反映をヒアリングで確認する。長期施設管理計画は、運転開始から30年を超えて運転する場合に10年ごとの認可が必要となる制度で、6号機は今年11月に運転開始30年を迎える。今回の審査の焦点は、ABWRの設計上の特徴を長期運転の劣化評価にどう反映するかだった。東京電力は、原子炉格納容器や原子炉冷却材再循環ポンプなどに設計上の特徴がある一方、劣化評価には実績のある手法や規格基準を適用でき、長期施設管理計画における劣化評価として特異性はないと整理。給水系・復水系配管の耐震評価や上部格子板グリッドプレートの点検計画などを示し、規制側はこれらの技術的論点を確認できたとした。一方で規制側は、格納容器の評価対象部位や劣化事象の記載を明確化・拡充するよう求めたほか、申請書の記載漏れや配管解析の委託作業に関する記載誤りにも触れ、適切な体制の下で補正書を作成するよう要請した。東京電力は、7月中に補正方針を示した上で最終的な補正を行う考えだ。
22 Jul 2026
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核融合発電の実現を目指すスタートアップ、スターライトエンジンは7月15日、2030年代の発電実証を目指す「FAST(Fusion by Advanced Superconducting Tokamak)」プロジェクトについて、実証プラントの建設候補地の公募を開始した。民間が主導する核融合発電実証炉の候補地を全国公募する取組みは国内で初めてとなる。 FASTは、京都フュージョニアリングがプロジェクトリーダーを務める産学連携の核融合発電実証プロジェクト。トカマク型を採用し、2035年の運転開始、2038年の発電実証を経て、2040年代の商用化を目指す。スターライトエンジンは、同プロジェクトを推進するため2025年に設立された。 公募の対象は都道府県と政令指定都市で、募集期間は10月15日まで。公募後は自治体との対話や現地調査などを経て選定を進め、2028年までの候補地決定を予定している。2025年から日本立地センターを通じて実施した予備的調査では、すでに17の広域自治体が関心を示しているという。 また同社は同日、設立以来初となる資金調達を実施し、第三者割当増資により17の企業・団体から総額60.6億円を調達した。FASTプロジェクトは2025年11月に概念設計を完了しており、今回調達した資金は、工学設計フェーズにおける研究開発のほか、サイト選定・規制対応、サプライチェーン構築、人材・組織体制の強化などに充てる。 今回の資金調達には関西電力グループのK4V Vital Platform Fundも参加した。関西電力の桑野理・執行役常務は、「将来の電源のゼロカーボン化を見据えた探索の一環として、フュージョンエネルギーに関する知見の獲得や技術開発への協力に取り組む」とコメントしている。
21 Jul 2026
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政府は7月14日、「統合イノベーション戦略2026」を閣議決定した。「統合イノベーション戦略」は、科学技術・イノベーション基本計画に基づき、2018年以降毎年作成されている年次戦略で、環境変化や施策の進捗状況を踏まえて、特に重点を置くべき施策が示される。同計画の6つの柱である、①知の基盤としての「科学の再興」、②技術領域の戦略的重点化、③科学技術と国家安全保障との有機的連携、④イノベーション・エコシステムの高度化、⑤戦略的科学技術外交の推進、⑥推進体制・ガバナンスの改革――に沿って、各府省庁の主要な取組みがまとめられている。その中で、原子力に関連する事項として、日本原子力研究開発機構(JAEA)の強化、基礎・基盤研究や大型研究施設の整備・高度化・利活用促進、ANEC(未来社会に向けた先進的原子力教育コンソーシアム)の原子力研究基盤強化が記載された。JAEAについては、次世代革新炉実現に向け、イノベーション機能強化が盛り込まれた。さらに、人材育成の拠点としてJAEAの関連施設や設備を最大限活用できるようにし、実習機能の拡大等を図って、産学をつなぐハブ機能強化を目指す。また、ANECは、原子力教育研究基盤強化のため、人材育成対象の強化・拡大、運営体制の強化、産業界との連携促進等を行う。加えて、「フュージョンエネルギー」は「国家戦略技術領域」のひとつに位置付けられ、基礎研究から社会実装まで一気通貫での支援が明記された。
17 Jul 2026
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日本製鋼所(JSW)は7月13日、2029年3月期までに原子力発電所向け部材の生産能力を2026年3月期比の2倍に拡大すると発表した。原子力向け部材を含む素形材・エンジニアリング事業の売上は、2026年3月期に397億円だったが、2029年3月期には680億円を見込む。同社はこのほど、2024年6月に発表した中期経営計画を見直し、売上高や営業利益の目標を上方修正。それに合わせた各事業の新たな事業戦略も明らかとなった。JSWは原子力発電所で使用される、原子炉圧力容器の部材や、タービンで使用するローターシャフトを北海道の室蘭製作所で製造している。AIの急速な普及などを背景に、国内外で高まる原子力発電向け需要を見据え、人員増強を行い、省人化・自動化も推進しながら、生産体制を強化する。同社は、国際エネルギー機関(IEA)の最新の年次報告書「World Energy Outlook(WEO)2025」で、2050年の原子力発電設備容量見通しがWEO2023比で26%上方修正されたことも、需要拡大を見込む要因の一つとして挙げている。なお、素形材・エンジニアリング事業の営業利益は、2026年3月期の88億円から2029年3月期には160億円を目指す。
17 Jul 2026
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青森県の大間町、風間浦村、佐井村で構成する「大間原発三ヶ町村協議会」は7月13日、経済産業省の井野俊郎副大臣と会談し、電源開発が建設中の大間原子力発電所(BWR=ABWR, 138.3万kW)の早期工事再開などを要望した。本体工事が15年にわたり中断され、地域経済への影響が続く中、工事の再開に向けた国の支援を求めるとともに、原子力政策の推進を訴えた。要望書では、2050年カーボンニュートラルの実現や今後の電力需要増加に対応するため、優れた安定供給性を持つ原子力の必要性を指摘し、一貫したエネルギー・原子力政策の推進を求めた。協議会は毎年同様の要望活動を行っているが、今年はAIやデータセンター、半導体工場の進展に伴う電力需要の増加を新たに盛り込み、原子力の必要性を訴えた。また、東日本大震災以降、本体工事が中断している大間発電所について、原子力規制委員会による審査の早期進展を支援し、本体工事を早期に再開するための実効性のある施策を講じるよう要望。さらに、原子力施設が集積する下北半島北部では、災害時の避難路確保が重要として、国道279号風間浦バイパスの早期整備に向けた支援も求めた。これに対し井野経産副大臣は、大間発電所について「六ヶ所再処理工場が審査の最終段階にあり、そこで製造されるMOX燃料を活用する同発電所は、国のエネルギー政策にとって重要な発電所だ」と述べ、地元の要望を踏まえながら、安定的なエネルギー供給に向け、審査を含めて取り組んでいく考えを示した。会談後、協議会長の野﨑尚文大間町長は報道陣に対し、「工事の再開とまではいかないが、作業員宿舎の整備など、町民から見ても工事に向けた動きが見え始めている」と話した。本体工事が再開すれば、ピーク時には3,000人規模の作業員が出入りする見込みだという。その上で、「誘致した当時、電源開発は国(の特殊会社)だった。民営化した現在も国策であることに変わりはなく、国には責任を持って取り組んでもらいたい」と強調した。
16 Jul 2026
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