キーワード:再稼働
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宮城県が女川原子力発電所に関する住民説明会を8月に開催
宮城県は8月に東北電力女川原子力発電所に関する住民説明会を開催する。発電所から30km圏内の在住・在勤者が主な対象で、1日の女川町を皮切りに、石巻市、東松島市、南三陸町と、19日までに計7会場で行われる予定。同発電所では2号機について、2月に原子力規制委員会より新規制基準適合性に係る原子炉設置変更許可が発出されたのを受け、梶山弘志経済産業相が村井嘉浩知事他、立地地域首長に対し同機の「再稼働を進めていく」政府の方針を伝えた。また、6月22日には、内閣府(原子力防災)で半島・周辺離島部の住民避難や避難車両・避難所における感染症拡大防止対策などを盛り込んだ「女川地域の緊急時対応」が了承されたところだ。住民説明会には、内閣府、資源エネルギー庁、原子力規制庁、東北電力が出席。県は今後、説明会開催を踏まえ県議会の意見も聴取した上で、再稼働に対する同意の是非に関し経済産業相に回答する。村井知事は22日の記者会見で、女川2号機について、説明会開催の考えとともに、東北電力との安全協定、防災対策と、3つの並行して進める手続きを整理した。安全協定については、県が設置する安全性検討会からの報告を受け、立地自治体である女川町と石巻市と協議の上、東北電力に回答。防災対策については、今回の「女川地域の緊急時対応」了承を大きな節目ととらえ、今後も引き続き避難計画の実効性向上に努めていくとしている。
- 29 Jun 2020
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2018年度エネ需給、原子力再稼働で非化石電源シェアが拡大しCO2排出量の大幅減に
資源エネルギー庁は4月14日、2018年度のエネルギー需給実績を取りまとめ発表。最終エネルギー消費は前年度比2.7%減の13,124PJ(ペタジュール)となり、特に家庭部門では暖冬の影響により同7.8%の大幅な減少を見せた。2018年度の一次エネルギー国内供給は、前年度比1.8%減の19,728PJとなった。その中で、原子力発電の再稼働と再生可能エネルギーの普及が進んでおり、全体に占める割合がそれぞれ前年度比1.4ポイント、同0.5ポイント増加し、これらを含む非化石燃料の占める割合は6年連続で増加。一方、化石燃料の占める割合は85.5%で6年連続の減少となった。総発電電力量は、同0.8%減の1兆512億kWhで、電源構成別には火力が77.0%(同3.9ポイント減)、再生可能エネルギーが16.9%(同0.9ポイント増)、原子力が6.2%(同3.1ポイント増)となり、非化石電源の占める割合は23.0%と、同3.9ポイントの増加を見せた。年度内には、関西電力大飯4号機(PWR、118.0万kW)と九州電力玄海4号機(PWR、118.0万kW)の2基の原子力発電プラントが再稼働している。また、エネルギー起源のCO2排出量は、前年度比4.6%減の10.6億トンとなった。5年連続で減少し続けているが、下げ幅は近年で最大。東日本大震災後、原子力発電プラントが順次停止し化石燃料によるエネルギー供給がピークとなった2013年度との比較では、14.2%の減少となっている。環境省の同日発表によると、2018年度の国内温室効果ガス総排出量は12.4億トン(CO2換算)で、前年度比3.9%減、2013年度比で12.0%減となった。日本は、パリ協定に基づく国際公約として「温室効果ガスを2030年度に2013年度比26%削減」との目標を掲げている。
- 15 Apr 2020
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九州経済連合会がエネ戦略で提言、「再稼働の先行アドバンテージ」強調
九州経済連合会はこのほど、「ゼロエミッションを先導する九州のエネルギー環境・産業の再構築」と題する提言を取りまとめ発表した。九州経済界が人口減少・少子高齢化、太陽光普及に伴う出力抑制、自然災害の頻発化などの諸課題に直面している現状下、全国比27%高のエネルギー自給率、同11%低のCO2排出量、同8%低の電気料金を「九州の強み」ととらえ、「チーム九州経済界」となってエネルギー分野の戦略的取組を通じ、日本の経済発展につなげようというもの。戦略軸として、(1)再エネの主力電源化、(2)蓄エネ(蓄電池、エコキュートなど)の社会実装、(3)脱炭素化の面的展開(デジタル技術の活用など)、(4)原子力の着実な運用、(5)環境ブランドの構築――を掲げ、ゼロエミッション化、イノベーションの牽引、地域活性化、世界展開を先導していくとしている。九州地域では、2015年に九州電力川内原子力発電所1、2号機が先陣を切って新規制基準をクリアし再稼働した。現在国内で再稼働した原子力発電プラント9基中4基が九州地域に立地しており、今回の提言では、「再稼働の先行アドバンテージをいかに継続するか」との認識のもと、安定運転の継続と技術・人材の維持を柱に、必要に応じ九州電力が中心となって取り組む広報・政策要望への支援を行い、「3E+S」(安定供給・経済効率性・環境への適合+安全性)の達成を図るとしている。また、再生可能エネルギー関連では、九州・沖縄・山口について、地熱では53.5%、太陽光では22.6%、バイオマスでは20.8%などと、全国の発電実績に占めるシェアを例示した上で、2030年度の導入見通しから経済波及効果を合計55兆円と試算。さらに、地政学的優位性として、インド、ベトナム、台湾など、アジア再エネビジネス市場への参入も有望とみている。
- 05 Mar 2020
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規制委、女川2号機の新規制基準審査で原子炉設置変更許可
原子力規制委員会は、2月26日の定例会合で、東北電力の女川原子力発電所2号機(BWR、82.5万kW)が新規制基準に「適合している」とする審査結果を決定し、同社に対し原子炉設置変更許可を発出した。同案件については、11月に「審査書案」を了承し、原子力委員会と経済産業相への意見照会、パブリックコメントが行われていた。新規制基準適合性に係る審査をクリアしたプラントは16基となり、BWRでは4基目。同機の審査は、2013年12月に申請され、過去に大地震を経験してきた地理的特性から、地質・地震動評価や耐震設計に関して慎重な審査が行われた。定例会合終了後の記者会見で、更田豊志委員長は、「東北電力には概ねきちんと対応してもらえた」と、6年以上に及んだ審査を振り返った。東北電力の原田宏哉社長は、2月4日に行われた規制委員会が随時実施する事業者意見交換の後、記者団の取材に応じ、「審査が合格となりモチベーションも上がっている」と、女川2号機の再稼働に向けた現場の意識高揚を強調した。同社では、2020年度の工事完了を目指し、海抜約29mの防潮堤建設などの安全対策工事を進めていく。
- 26 Feb 2020
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