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関電 福井県などに毎年50億円拠出へ
関西電力は8月25日、原子力発電所の立地地域の振興や課題解決のための財源として、2025年度から当面の間、毎年50億円前後を拠出する新たな仕組みを福井県に報告した。同社では、2021年度に設置された「福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議」において、医療・交通インフラ整備事業など、地域振興事業費用の活用を検討してきた。この度、その具体的な取り組みとして、客観性と透明性の高い新たな地域振興の仕組みを構築。これまでも自治体への寄付活動は行ってきたが、金額を大幅に増額し一本化した形だ。開始年度の2025年度は、初期的な財源基盤も含めて約207億8,000万円を拠出する。同社は、信託銀行に信託を設定して、7基の原子力発電所の稼働実績および燃料価格の実績に応じて、毎年度、資金を拠出する。福井県や立地自治体は、地域振興の事業計画や、それに係る金額を信託銀行に申請し、第三者機関が適切と判断した場合、寄付が行われる仕組みだ。
- 26 Aug 2025
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敦賀2号の再稼働へ 追加調査
日本原電は8月21日、再稼働を目指している敦賀発電所2号機(PWR、116万kWe)の、新規制基準への適合性確認のための追加調査計画を発表。同社の坂井毅志敦賀事業本部長は同日、福井県庁と敦賀市役所を訪れ、計画の概要を説明し、計画を報告した。同機は2024年11月、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査で、敷地内のD-1トレンチ内に認められるK断層の活動性及び連続性が否定できないとして、不合格となっていた。同社は早ければ9月から2年程度かけて、敷地内の断層の調査や破砕帯に関する調査・評価に取り組む。社外の専門家の意見も踏まえながら、原子力規制委員会への審査の再申請を目指す考えだ。追加調査では、K断層の分布と性状を詳細に把握すべく、同断層が確認されているD-1トレンチの地下深部までボーリングを実施する予定。そして、12~13万年前より古い断層であることの立証に向け、地層の拡がりや堆積年代に係るデータを蓄積する。また、断層の活動状況や連続性の否定の証明に向け、岩盤までの掘削や原子炉建屋に向けた調査杭を掘り、K断層が重要施設の直下まで連続していないことの証明を目指すという。円滑な調査の遂行に向けて、同社は同日、9月1日付で組織改正を実施することを発表した。地質・地盤調査に関する技術的な総括管理や、計画の進捗管理などを行う追加調査技術総括・推進チームを、開発計画室に設置する。
- 25 Aug 2025
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NEMS2025 海外13か国から計28名が参加
将来の原子力業界を牽引する人材の育成を目指した研修コース、「Japan-IAEA 原子力マネジメントスクール(NEMS)2025」が8月19日に開講し、東京大学にて開講式が行われた。NEMSは、2010年にイタリアのトリエステで初めて開催されて以来、延べ2146名(112の加盟国)が参加してきた。日本での開催は今年で13回目。アジアや東欧、中近東など、原子力発電新規導入国等における若手リーダーの育成を主たる目的としている。今年は、海外13か国(ブルガリア、エストニア、インド、インドネシア、カザフスタン、マレーシア、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、サウジアラビア、シンガポール、スロベニア、タイ)から18名、日本からは10名、計28名の研修生が参加した。約3週間にわたる日程で開催され、東京大学本郷キャンパスでの講義やグループワークのほか、東京電力福島第一原子力発電所、東北電力女川原子力発電所とPRセンター、日本原子力研究開発機構(JAEA)原子力科学研究所の原子炉安全性研究炉(NSRR)と原子力人材育成・核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)、産業交流施設「CREVAおおくま」、「株式会社千代田テクノル大洗研究所」等へのテクニカルツアーを通じ、原子力に関連する幅広い課題について学ぶ。開催に先立ち、組織委員長の東京大学大学院工学系研究科の出町和之准教授は、研修生らを大いに歓迎し、研修生同士の関係性向上が将来の人脈に繋がると、指摘した。また、暑さの厳しい時期であることを鑑み、「体調管理に留意し、実りある時間にしてほしい」と研修生を労った。続いて挨拶に立った日本原子力産業協会の増井秀企理事長は、IAEAをはじめとする関係各位に謝辞を述べた上で、「グループワーク等では、主体的に、そして積極的に議論に参加してほしい」と期待を寄せた。IAEAからは、原子力エネルギー局計画・情報・知識管理部(NEPIK)部長を務めるファン・ウェイ氏が登壇。同氏は、「世界的に原子力の専門人材やリーダーシップの必要性が高まっている」と指摘し、「各国政府や教育機関と連携し、若手の知識や経験の共有、国際的なネットワークづくりを進めていくことが不可欠だ」と述べた。最後に挨拶に立った上坂充原子力委員会委員長は、「他国の知見や政策を積極的に学び、自国にとって最適な形を模索する上で、IAEAの基準や国際的な取り組みを参考にすることは、皆さんの将来にとって重要な学びになるだろう」とNEMSの意義を強調。また、「今回のプログラムで自身の目で見て理解したことを、帰国後にご家族や友人にも伝えてほしい。知識や経験の共有が、国際社会全体の原子力の未来を形づくることにつながるだろう」と述べた。
- 22 Aug 2025
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高速実験炉「常陽」 RI製造などにも活用へ
文部科学省の諮問機関である科学技術・学術審議会原子力科学技術委員会は8月18日、革新炉の取組や原子力基礎研究支援の在り方について議論する「第26回原子力研究開発・基盤・人材作業部会」を開催した。まず、革新炉の取組について、日本原子力研究開発機構(JAEA)から、高速実験炉「常陽」の現在の状況説明が行われた。「常陽」は、「高速炉」を開発するための小型の実験炉である。事業者のJAEAは昨年9月、茨城県及び大洗町から地元了解を得て、現在、新規制基準に適合するための工事を行っている。2026年度半ばの運転再開を目指しており、実現すれば、国内唯一の高速炉の実験施設として、放射性廃棄物の有害度を低減する研究や、がん治療への活用が期待される医療用RIの製造実証など、さまざまな活用方法が期待されている。同作業部会に委員として参加した日本原子力産業協会の上田欽一委員は、「国内外との連携を強化して、世界最先端の高速炉研究拠点としての役割を発揮してほしい。また、医療用RIの安定供給や先端利用など、社会的価値の高い活用に向けて、学生や若手研究者の関心を高め、研究開発や人材育成を強化する必要がある」と指摘した。また、原子力基礎研究支援の在り方について同作業部会では、原子力をエネルギー源として利用するだけでなく、様々な課題解決につながる総合科学技術として捉える必要性が示され、2050年のカーボンニュートラル実現や、健康・医療、製造業等の産業競争⼒の強化に繋がる可能性を秘めていることが改めて共有された。そして、これまで⼤学・研究機関等を中⼼に、⾼い研究⽔準を維持してきたが、さらに安定的・継続的に原⼦⼒利⽤を推進させていくために、国として中⻑期にわたり支援する必要性が議論された。
- 19 Aug 2025
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泊3号機に設置変更許可
北海道電力は7月30日、原子力規制委員会から泊発電所3号機(PWR、91.2万kWe)の原子炉設置変更許可を受けた。同日午後、同社の勝海和彦取締役常務執行役員が、東京都内の原子力規制庁を訪れ、再稼働に必要な「設置変更許可」の許可書を受け取った。2013年に策定された新規制基準の審査には、これまでに17基が合格しており、今回が18基目の許可事例となった。泊発電所3号機は、2013年7月に設置変更許可申請を提出していたが、敷地内の「F-1断層」の活動性をめぐる議論が長期化し、許可の交付に約12年を要した。今後、発電所の設備の詳細設計に係る「設計及び工事計画の認可申請」および運転管理体制などを定めた「保安規定変更認可申請」に係る審査への対応、防潮堤などの安全対策工事を進め、2027年のできるだけ早期に再稼働を目指している。なお、審査中の1、2号機(PWR、57.9万kWe×2)は、2030年代前半の再稼働を目指している。同社の斎藤晋社長は、「大きな節目だ。不断の努力を重ねて世界最高水準の安全性を目指す」とコメントした。日本原子力産業協会の増井秀企理事長は同日、コメントを発表し、「道内における電力の安定供給をより強固なものとし、同時に、二酸化炭素の排出削減にも貢献すると期待される。データセンターや半導体工場の新増設に伴って今後の電力需要の伸びが著しいと予想される北海道において、原子力発電の役割は大きい」と、泊3号機の再稼働に期待を寄せた。林官房長官は同日午後の記者会見で、「政府としては、今後も自治体と連携しながら、地域の方々の不安を払拭できるよう、原子力災害対応の実行性向上に取り組んでいく。また、国も前面に立って、新規制基準の適合性審査の結果や再稼働の必要性・意義、原子力防災対策などについて、住民の皆様や自治体のご理解を得られるように、分かりやすく丁寧な説明・情報発信に粘り強く取り組んでいくことが重要であると認識している」と述べた。また、武藤容治経済産業大臣は、1日の閣議後記者会見で、同発電所3号機が原子力規制委員会の審査に合格したことを受けて、北海道の鈴木直道知事に、再稼働を進めていく政府方針を電話で伝えたと明らかにした。
- 01 Aug 2025
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東北電力 乾式貯蔵施設を新設へ
東北電力は7月29日、女川原子力発電所の敷地内に新設を目指す乾式貯蔵施設について、宮城県および女川町と石巻市より、安全協定に基づく事前了解を得て、着工の了解を受けたと発表した。宮城県庁を訪れた東北電力原子力本部の阿部正信原子力部長に、県の担当者が「一時的に貯蔵するための施設であることを前提に了解する」とした回答書を手渡した。なお、同施設の基本設計に係る「原子炉設置変更許可申請」は、2024年2月28日に原子力規制委員会へ申請し、2025年5月28日に許可されていた。使用済み燃料乾式貯蔵施設とは、使用済み燃料を原子力発電所から搬出するまでの間、一時的に貯蔵するための施設で、「使用済み燃料乾式貯蔵建屋」と「使用済み燃料乾式貯蔵容器」で構成される。女川原子力発電所2号機(BWR、82.5万kWe)の使用済み燃料プールにて十分に冷却された使用済み燃料を、金属製の乾式貯蔵容器(キャスク)に収納し、空気の自然対流によって冷却する。同社の計画では、施設は鉄筋コンクリート造で2棟を建設し、最大で計約1,300体の燃料が入る。1棟目は来年5月に着工する予定だ。同社によると、昨年10月に再稼働した2号機原子炉建屋内の使用済み燃料プールは、7月29日時点で貯蔵率が79%を超えていた。
- 30 Jul 2025
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増井理事長 オークション見直しで要望
日本原子力産業協会の増井秀企理事長は7月25日、定例の記者会見を行い、美浜発電所をめぐる動きや、長期脱炭素電源オークションの一部見直しについて、コメントした。増井理事長はまず、関西電力が美浜発電所後継機の自主的な現地調査を再開したことについて、原子力産業界としての受け止めについて説明した。同発電所の地質調査の再開は、原子力開発全体に好影響を与え、関西電力が導入の念頭に置く、大型革新軽水炉をはじめ、さまざまな次世代革新炉の開発に良い影響を与えると指摘。国が策定した2050年を見据えた革新炉開発の技術ロードマップと合わせ、今後の開発・建設が進むことに期待を寄せた。次に、「次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 制度検討作業部会」における中間とりまとめに対するパブリックコメントを提出したことについて言及。長期脱炭素電源オークションの一部見直しが行われたことを受け、同協会がコメントを提出したことを明らかにした。最も大きな変更箇所となった「入札後に発生した事業者に責任がない費用増加について、一部回収を認める」という制度の導入について、既設発電所の安全対策投資や、30万kWe未満の次世代革新炉もその対象に含むよう追加で要望したことを明かした。さらに、回収可能な範囲の上限が1.5倍と設定されているが、海外事例を踏まえて、この上限を緩和すべきと進言したと述べた。その理由について増井理事長は、「長期脱炭素電源オークション自体は、電源への投資をローリスク・ローリターンにする画期的な仕組みだと考えているが、既設の原子力発電所の一部が対象外であるほか、容量や出力に制限がかかっているなど、見直しの余地がある」と述べた。また、「1.5倍という上限は、事業者に帰責性のない事由でどれくらい費用が超えるのか判断がつきにくく、新規建設の観点からひとつの障害になる可能性があり、投資促進の観点から進言した」と説明した。
- 29 Jul 2025
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関西電力 次世代型革新炉建設へ
関西電力は7月22日、美浜発電所1号機の後継機(次世代型原子炉へのリプレース)設置の可能性検討に係る現地調査を開始すると発表した。この調査は、2010年に開始していたが、2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、一時的に見合わせとなっていた。国内での新たな原子力発電所の建設は、2009年に運転開始した北海道電力泊発電所3号機(PWR、91.2万kWe)が最後で、実現すれば、2011年の事故以降初となる。政府は、今年2月に閣議決定した第7次エネルギー基本計画にて、原子力の最大限活用を掲げ、既存サイト内での次世代革新炉へのリプレースを進める方針を明記していた。現地調査では、新規制基準への適合性の観点から、地形や地質等の特性を把握し、後継機設置の可能性の有無を検討する。また、調査結果に加え、革新軽水炉の開発状況や規制の方針、投資判断を行う上での事業環境整備の状況を総合的に考慮するため、「同調査の結果のみをもって後継機設置を判断するものではない」と、同社はコメントしている。美浜発電所は、2015年4月に1、2号機の廃止が決定し、現在は、3号機(PWR、82.6万kWe)のみ稼働している。関西電力の森望社長は「データセンターや半導体産業の急成長を背景に、今後も電力需要は伸びていく。資源の乏しい日本において、S+3Eの観点から、原子力は将来的にわたって役割を果たすことが重要」と述べたうえで、新増設やリプレースに関しては「投資回収の見通しを確保することが重要で、国の政策に基づく事業環境整備などが必要となる」と強調した。同社はウェブ上で「地域の皆様のご理解をいただきながら、安全を最優先に原子力事業を推進していく」とコメントしている。
- 22 Jul 2025
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日本政策投資銀行 SMRの動向と産業戦略に関する調査研究を公表
日本政策投資銀行は7月11日、「電力需要増加への対応と脱炭素化実現に向けた原子力への注目~海外で取り組みが進むSMRの動向と産業戦略~」と題した調査研究レポートを発表した。著者は同行産業調査部の村松周平氏。同レポートでは、電力需要の増加と脱炭素化の実現に向け、世界的に原子力発電の重要性が再認識されていると指摘。革新軽水炉・高温ガス炉・高速炉・小型モジュール炉(SMR)および核融合などの次世代革新炉の開発が加速するなか、それらの導入に向けた論点や日本の産業競争力強化に向けたあり方を提言している。特にSMRは、技術成熟度の観点から実現可能性が高く、大型軽水炉における課題を克服し得る特徴を有しており、米国などではSMR導入に向けた規制や政策的支援の整備が進んでいる。日本もこうした動きに呼応し、先行する海外プロジェクトへの参画が大きな意味を持つ、との見方を示した。一方で、次世代革新炉の初期の実装においては、多様な不確実性に対処する必要があり、サプライチェーンの整備、規制と許認可プロセスの合理化と確立、政府や電力需要家を含めた適切なリスクシェアなどの議論が不可欠と強調している。また、日本では2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において、「原子力の最大限活用」が明記され、単一電源種に依存しない電力システムの構築が急務となっていることを指摘。太陽光や風力といった再生可能エネルギーの導入が進む一方で、その発電量の不安定さから需給バランスの課題についても言及されている。さらに、西側諸国で長期間にわたり新規建設が途絶え、1,000万点にも及ぶ原子力サプライチェーンが崩壊の危機に瀕したこと、また、その間に中国とロシアは政府が主導して原子力サプライチェーンを戦略的・継続的に強化したことを踏まえ、原子力発電所の新設やサプライチェーンの維持・強化は自国の電力システムのみならず、国際的な安全保障や産業競争力にとっても重要な意味を持つとした。その他、同レポートでは、各種次世代炉の技術的特性、また、FOAKリスク(First of a Kind、初号機)への対応の必要性が記されている。同様に、諸外国のSMR開発・社会実装の動向を踏まえ、日本としても、中長期的なSMRの導入可能性を見据えて、海外プロジェクトへの参画や人材・部品供給の支援を通じて、競争力強化と安全保障上の優位性確保が急務であるとした。そして最後に、安全性への客観的な判断と丁寧な対話を通じた社会的受容も不可欠であり、脱炭素化やエネルギー安全保障の実現に向け、政治・産業界による継続的な支援の必要性を強調している。
- 18 Jul 2025
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三菱総研 原子力に期待される価値創出について提言
三菱総合研究所は7月14日、「データセンターと原子力の協業から考えるワット・ビット連携」と題したコラムを公表した。執筆者は吉永恭平氏。これまで3回にわたる連載では、再生可能エネルギーとワット・ビット連携の可能性を論じてきたが、第4回となる本稿では、もう一つの脱炭素電源である原子力とデータセンター(DC)の協業に焦点を当てている。現代社会は、生成AIの普及によりDCの電力需要が急増し、安定的かつ大規模な脱炭素電源の確保が急務となっている。米国では、大手IT企業が既存の原子力発電所に隣接するDCと長期契約を結び、原子力活用を進める動きが盛んだが、これは原子力事業者にとっても収益性や事業予見性を高める好機となっているという。その代表例として、2024年9月、Microsoft社が、2019年に経済性を理由に閉鎖されたスリーマイルアイランド原子力発電所1号機(PWR、89.0万kWe)から電力供給契約(PPA)を締結したが、この背景には、Microsoft社とPPAを締結したことで、事業者のコンステレーション社の事業予見性が向上したことがあると指摘されている。一方、日本ではDC新設が相次ぐが、原子力への新規投資は限定的で、制度検討は未だ途上にある。急増する電力需要への現実的な対応策として既存炉の再稼働が期待されるが、今後は、電力需要増加をけん引する主要な需要家であるDC事業者が電力会社と連携し、電源開発に主体的に関わる姿勢が求められると、吉永氏は指摘している。複数の事業者によるプロジェクトの共有は、原子力の市場・社会的価値の可視化につながり、原子力事業者にとっては事業予見性の向上とリスク低減の契機となる。一方、DC事業者にとっては、安定した脱炭素電力の確保により、長期的な財務計画や脱炭素目標の達成が現実味を増すという。そして日本においても、今こそ、電力の安定供給・脱炭素目標の達成に向け、再エネと原子力の位置づけを明確にし、導入・拡大に向けた先行投資と環境整備を実施すべきと結論している。
- 15 Jul 2025
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デジタルインフラなどを議論 エネ研シンポ
日本エネルギー経済研究所(IEEJ)と東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA:Economic Research Institute for ASEAN and East Asia)は7月11日、「GX 実現に向けた電源確保と地域振興における原子力の役割」と題したシンポジウムを東京都内で開催した。同シンポジウムは、原子力の役割を再確認すると同時に、立地地域の振興という観点を取り入れ、今後の脱炭素電源確保に向けた課題を、国内およびアジア諸国の関係者間で共有し、政策提言に繋げることを目的に行われた。2018年の初開催を皮切りに、新型コロナウイルス拡大に伴う中断期間を挟んで今回が5回目の開催となった。開会に際し、日本エネルギー経済研究所の寺澤達也理事長は、「原子力は大規模な脱炭素電源として期待されているほか、再生可能エネルギーの変動性を補完するベースロード電源としての役割を担っている」と述べた上で、「原子力発電所が地域の発展に寄与し、地域と共生していくことの重要性」を説いた。また、原子力政策の推進を実現するためには、欧米の先行事例を参考に、そのあり方を学ぶ必要性を指摘。そして、ASEAN諸国の原子力導入への関心にも言及し、そうした国々に向けては、今以上の国民理解促進活動が重要であることを強調した。その後、海外事例を紹介するセッションでは、米国から原子力エネルギー協会(NEI)のマーク・ニコル次世代原子力担当執行理事、英ウェールズからバンガー大学原子力未来研究所教授兼メナイサイエンスパーク理事のマイケル・ラシュトン氏、フィンランドから欧州経済社会評議会 産業変化諮問委員会委員のエイヤ・リッタ氏、また、同国の原子力産業団体FinNuclearのハッリ・ヴァルヨネン事務局長の計4名が登壇。原子力発電所や運転事業者とその立地自治体の共存事例が紹介された。特に、フィンランドでは、地域暖房やデータセンターなどの安定的なエネルギー需要に応える手段として、小型モジュール炉(SMR)への期待が高まっており、脱炭素化を目指す国家プログラムが整備され、補助金や税制優遇を通じて、雇用、地域経済にも波及効果をもたらしていると説明された。また、世界初となる使用済み燃料の地層処分場が2026年に稼働予定で、厳格な規制の下で、プロジェクトが順調に進んでいることを強調した。また、国内GXと地域振興のセッションにおいては、世界のクラウドサービスを代表するAWS(アマゾンウェブサービス )社から、エネルギー戦略担当のパトリック・レオナード氏と、エネルギー調達担当のベノワット・ドュボー氏の2名が登壇し、脱炭素電源を活用したデジタルインフラの整備について、産業界の視点を提供する機会が設けられた。さらに、資源エネルギー庁電力ガス事業部電力基盤整備課の筑紫正宏課長と、経済同友会の元副代表幹事である栗原美津枝氏が登壇。GX産業立地の実現に向けた政府の施策や、経済界におけるエネルギー問題の位置づけと課題について、それぞれの立場から具体的な見解が示された。また、海外登壇者を交えたパネルディスカッションでは、原子力をめぐる国際的な視点を交えた活発な意見交換が行われた。
- 14 Jul 2025
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MOX燃料工場の認可申請 日本原燃
日本原燃は7月7日、MOX燃料工場に関する設計および工事計画について、第3回目となる変更認可申請および新たな認可申請を原子力規制委員会に提出した。申請は全4回に分けて行われ、これまでに第1回(認可日=2022年9月)と第2回(認可日=2025年3月)の認可をすでに取得している。今回の申請では、一次・二次混合設備、圧縮成形設備、研削設備、ペレット検査設備といった成形施設をはじめ、火災防護設備、非常用所内電源設備、放射線監視設備など、約500点の設備が対象となった。申請内容には、新規制基準が施行される前に認可を受けた設計・工事計画(設工認)の変更に加え、新たな設工認の取得も含まれる。これにより、新規制基準への確実な適合を図りつつ、使用済み燃料の有効活用に向けた取り組みを一層加速させる方針だ。建設が進められているMOX燃料工場は、隣接する六ヶ所再処理工場で回収されたウランとプルトニウムを原料に、MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を製造する。日本の燃料サイクルを支える中核拠点として、2027年度中の竣工を目指している。地政学リスクやウラン価格の高騰が続く中、エネルギーの安定供給と安全保障の観点から、MOX燃料の国内製造体制の強化が課題となっていた。日本原燃は、「オールジャパン体制」で、早期の認可取得と工場完成に向けて全力で取り組む姿勢を示している。
- 09 Jul 2025
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東京電力 青森県知事へ使用済み燃料の搬入を説明
東京電力が7月7日、福島第一原子力発電所5、6号機と福島第二原子力発電所の1~4号機で保管していた使用済み燃料を、青森県むつ市の中間貯蔵施設へ搬出する方針を示した。同社の小早川智明社長は同日、青森県庁で宮下宗一郎知事と会談。中間貯蔵施設に関する中長期の搬入・搬出計画を提示し、「事故後の点検や技術評価の結果、中間貯蔵と再処理を行うことは十分技術的に可能だ」と説明した。なお、発電所からの搬出に当たっては、原子炉等規制法に基づき、事前に発送前検査を実施し、中間貯蔵および再処理に問題がないことを改めて確認する。むつ市にある中間貯蔵施設は、東京電力と日本原子力発電が出資するリサイクル燃料貯蔵(RFS)によって運営され、昨年9月には柏崎刈羽原子力発電所の使用済み燃料を受け入れている。同施設は、使用済み燃料を空気で冷やす「乾式貯蔵」方式が採用されている。中間貯蔵施設への具体的な搬入時期等は未定だが、2030年代には年間200~300トン程度の使用済み燃料を搬入する考えだ。同施設で、使用済み燃料を最大50年間保管した後、日本原燃再処理工場(2026年度に竣工予定)へ搬出する計画だが、搬出は貯蔵期限に間に合うよう、年間約300トンのペースで進められる想定となっている。東京電力は、現時点で保有する原子力発電所の稼働基数を確定できていないものの、少なくとも3基の稼働を想定し、安定的な運転の継続や、運転終了後の計画的な廃炉に向けて、使用済み燃料を順次搬出していく方針。また、日本原子力発電も同様に、東海第二原子力発電所(BWR、110万kWe)および敦賀2号機(PWR、116万kWe)の運転を想定し、使用済み燃料の早期搬出を進める考えだ。
- 08 Jul 2025
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金子規制庁新長官 「新型炉の規制で事業者らと連携」
原子力規制庁で7月3日、1日付で原子力規制庁長官に新たに就任した金子修一氏(59)の就任会見が開かれた。6代目長官の金子氏は、前任の片山啓氏(62)に続く経済産業省の出身。2012年の原子力規制委員会の発足準備段階から携わっているひとりだ。2011年の福島第一原子力発電所の事故対応の経験を持つ同氏は、「事故対応の経験を持つ職員は一定数いるが、数としては少なくなった。事故から学んだことは、準備ができていないことは実行できないということ。危機感や臨場感を口頭で伝えるだけではなかなか伝わらないという課題もあるが、規制庁で培われてきた独立性や継続的改善の姿勢を継承し、当時の状況や意識を伝え続けていく」と抱負を述べた。その後、記者から、「準備に万全はないという発言は、安全規制には終わりがないという意味が込められていると思うが、特に力を入れたいことは何か」を問われ、金子長官は、「最近は、新型炉の規制や核融合といった新しい技術に対応する規制のあり方など、幅広い課題に取り組んでいる。そういった技術の動向や政策の方向性については関心を持って見ており、事業者や研究機関と密に連携していくつもりだ。また、4月から新しい中期目標を設定し、今後5年間で重点的に取り組むべき課題をその中に盛り込んだ。これら課題を着実に解決したい」と述べた。そして、他の記者から「審査期間の長期化によって、膨大なコストをもたらすと懸念されているが、審査や規制の効率化について、どのように考えているか」と問われ、金子長官は「先述の中期目標において審査の効率化は大きな柱として掲げた。過去の経験や実績を活かし、確認済み事項については再確認を不要とするなど、事業者と連携しながら効率化は図れるだろう」と述べた。また「規制庁の職員は1000人を超え、大きな組織となっている。職員1人ひとりがやりがいを感じ、積極的に、前向きに仕事ができる環境を整えることも私の重要な役割だ」と働き方改革にも意欲を見せた。
- 07 Jul 2025
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日本原燃 新型遠心分離機を増設へ
日本原燃は6月30日、青森県六ヶ所村のウラン濃縮工場において、新型に更新した遠心分離機の設計・工事計画認可(設工認)の申請が、原子力規制委員会(NRA)から認可されたと発表した。同工場は、濃縮ウランを製造する国内唯一の施設で、これまで新型の遠心分離機への更新作業を4つに分けて進めてきたが、その最後のひとつが、認可された形だ。同工場では現在、原子炉約1基分に相当する年間112.5トンSWU(分離作業単位)の濃縮ウランを生産しており、2028年度中に、年450トンSWUのウラン生産が可能な体制を目指している。ウラン燃料は、転換・濃縮・成形などの工程を経て、原子力発電所で利用されるが、世界では転換の3割、濃縮の約4割をロシアが担っており、ロシアが世界的なシェアを占めている。増大する電力需要に対応するため、世界では原子力発電を積極的に活用する流れが加速しており、ウランの需要増が見込まれるが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻の長期化によって、ロシア産ウランの依存度低減に向けた動きが欧米で進展している。日本においても、ウラン濃縮の国産能力を維持・強化することは課題となっている。
- 03 Jul 2025
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伊方発電所 乾式貯蔵施設の運用開始
四国電力は7月1日、伊方原子力発電所の敷地内で、「乾式貯蔵施設」の運用を開始したと発表した。同施設は、キャスクに入れた使用済み燃料を空気で冷却しながら保管する施設で、青森県の六ケ所再処理工場へ搬出するまでの間、一時的に貯蔵される。同発電所は、年間およそ35〜40体の使用済み燃料が発生し、これまで主に水中で冷却・保管(湿式貯蔵)されてきた。電力各社で進められている乾式貯蔵は、2011年の東日本大震災時、福島第一原子力発電所でもその頑健性が確認されており、原子力規制委員会でもその普及を推奨している。伊方発電所は現在、3号機(PWR、89.0万kWe)が運転中で、1・2号機はすでに廃止措置に入っている。2020年9月にサイト内での乾式貯蔵施設設置に係る原子炉設置変更許可を取得し、2021年11月に工事を開始していた。運用開始となった乾式貯蔵施設は、鉄筋コンクリート造り(東西約40m、南北約60m、高さ約20m)の建屋で、貯蔵容量は、乾式キャスク45基分、最大約1,200体の燃料集合体を収納できる。使用される乾式キャスクは、4つの安全機能(閉じ込め、臨界防止、遮へい、除熱)を有し、六ヶ所再処理工場等への輸送容器としても転用できるため、容易に発電所外へ搬出することが可能だ。四国電力は、「更なる安全性・信頼性向上に向けて不断の努力を重ね、一層の安全確保に万全を期してまいります」とコメントしている。
- 02 Jul 2025
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柏崎刈羽の再稼働めぐり県民公聴会
新潟県は6月29日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関する県民公聴会を実施した。同公聴会は、新潟県の花角英世知事が再稼働をめぐる是非を県民に問う場として掲げ、8月末までに県内5か所で開催する。初回の同日は、柏崎・刈羽エリアの住民が対象となった。18名の参加を予定していたが、2名が欠席し、新潟県商工会議所連合会など6団体から8名、一般公募が8名の計16名が参加した。賛成7名、反対5名、条件付き賛成2名、1人が再稼働に「疑義がある」とし、残る1名は賛否を明かさなかった。県トラック協会の推薦を受けて出席した柏崎市在住の70代の男性は、「日本は化石燃料に大きく依存しており、国内に資源がない。エネルギー供給の不安定さを解消するため、また、脱炭素電源として原子力が担う役割は大きいと考えている。柏崎刈羽原子力発電所は同地域や新潟県のみならず、国にとっても重要な資産。私自身、発電所周辺のUPZ(緊急防護措置区域)に住んでいるが、活用しない手はない」と述べ、賛成の立場を示した。また、新潟県商工会議所連合会から推薦を受けた柏崎市在住の60代の男性は、「現在、発電所では多くの新潟県民が勤務し、その中でも多数が柏崎刈羽地域に住む人々である。再稼働が進む西日本と比べ、電気料金の地域格差も広がっており、これは産業界や家庭にも影響を及ぼしている」と述べた。その一方で、「立地地域にとっての真の安心・安全は、原子燃料サイクル全体の完成であり、その責任を国に果たしてほしいと思う」と述べ、今後の課題を口にした。一方で、柏崎市在住の70代男性からは「避難道路がまだ完成していないほか、内閣府が定めた広域避難計画の緊急時対応の実効性を疑問視している」といった声もあがるなど、賛否が交錯する公聴会となった。花角英世知事は、県内市町村長との懇談会を5月下旬から行っており、これを「夏いっぱい」まで実施する見解を示している。そのため、同公聴会の開催終了を見込む8月末以降に、再稼働の是非の判断がくだされる見通しだ。
- 01 Jul 2025
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増井理事長会見 日加フォーラムなど紹介
日本原子力産業協会の増井秀企理事長は6月27日、定例の記者会見を行い、プレスリリースや活動報告、また、記者からの質疑に応じた。増井理事長はまず、6月19日に行われた「第1回日本・カナダ原子力フォーラム」の概要を紹介。同フォーラムは、両国の原子力産業界のビジネス交流の促進が目的で、カナダから17社・33名、日本からは32社・53名が参加し、活発な意見交換が行われるなど、「とても盛況だった」と述べた。このほか、双方の官民代表による講演や、技術・事業に関するパネルディスカッションを実施したことや、カナダの国立研究機関や大学関係者が来日し、日本側の多くの参加企業との交流が行われたことを説明。多くの参加者から、「非常に有意義だった」「今後の連携につながる機会となった」といった前向きな声が多く寄せられたことなどを伝えた。増井理事長は「カナダは、西側諸国初のSMR(BWRX-300、30万kWe)の実用化計画が進むダーリントン原子力発電所があり、以前から着目していた国のひとつ。今回のフォーラムを通して、両国の原子力政策や産業の現状について理解を深める貴重な機会となり、将来的なビジネス連携の可能性を探る上でも大きな意義があった」と述べ、引き続き産業界・関係機関と連携していく考えを示した。その後、記者から、「SMRの導入が実現間近のカナダと比べ、なぜ日本では具体的な話進まないのか」を問われ、増井理事長は、「日本では、新たなサイトを確保するのが現実的に難しく、既設炉のサイト内の有効活用が前提となっている。そのため、導入の道筋が明確である次世代型の高温ガス炉や大型炉の開発が優先されている」と述べた。また、「カナダの規制機関はすでにSMR(BWRX-300)に対して設計認証を出しているが、これは米国などで認証を受けた技術をベースにしているため、審査項目の一部が省略され、簡素化が図られている」と説明し、両国の原子力規制当局の連携について触れた。また、増井理事長は、6月6日に全面施行された「GX脱炭素電源法」について、原子力産業界にとって大きな意味を持つものであり、非常に歓迎すべきものだと受け止めている」とコメント。同24日に専門委員として出席した原子力小委員会での自身の発言については、「原子力発電電力量の見通しの明確化、資金調達と投資回収のあり方についてはさらなる検討が不可欠」とあらためて強調した。
- 30 Jun 2025
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原子力小委 原子力の見通しや将来像を示す
総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会(委員長=黒﨑健・京都大学複合原子力科学研究所所長)が6月24日に開催され、第7次エネルギー基本計画を踏まえた原子力政策の具体化に向けて議論された。同委員会では、次世代革新炉の開発・導入や既設炉の最大限活用、サプライチェーンと人材の維持、SMRの国内実証、投資環境の整備などについて、どのような観点や仮定の下であれば定量的な見通しを示せるかが議論され、「第7次エネルギー基本計画は決定されたものの、再生可能エネルギーと並ぶ脱炭素電源として原子力を活用するには、具体化すべき課題が数多く残されている」といった意見が多くの委員から示された。委員の日本エネルギー経済研究所の山下ゆかり氏は、フランスを例に挙げ、「同国では2022年2月に、2050年までに6基から14基の大型原子炉と数基のSMRの新設計画を発表し、原子力の延長に必要な技術開発の準備を進めている。ただ、需要側供給側の双方に様々な不確実性があるため、原子力発電の目標数字を示すことが困難で、リスクとなることも理解する」と述べた。また、同じく委員のみずほ銀行の田村多恵氏は、「今後、革新炉の開発が進めば、炉型ごとに違ったサプライチェーンが必要になるかもしれない。定量的な見通し、将来像の設定は難しいが、実効性のある数値が示されることに期待する」と述べた。他にも、委員のSMBC日興証券の又吉由香氏は、「原子力発電設備容量の見通しと将来像を定量的に示すことは重要だが、一方で年限を定めた見通しの提示には不確実性が伴う。何年で何基の市場投入ペースといったベンチマーク議論から発展させていくプロセスも重要だ」と述べ、発電事業者、業界団体、規制当局らをまたいだ統合的な推進をつかさどる司令塔を作り、機能させることの重要性を訴えた。専門委員として出席している日本原子力産業協会の増井秀企理事長は、原子力が「どれだけの容量がいつまでに必要か」という長期にわたる時間軸と開発規模の明示、そして、資金調達・投資回収制度の検討、サプライチェーンの課題解決、の3点を訴え、今後も政府と産業界が連携して継続的に取り組むことが重要であると述べた。〈発言内容は こちら〉黒﨑健委員長は、第7次エネルギー基本計画で「2040年度の電源構成に占める原子力発電比率を2割程度とする」という方向性が示された中で、「実効性がある具体的な計画を出すのは大きな宿題だ」と述べたほか、福島第一原子力発電所の廃炉対応や六ヶ所再処理工場の審査延期問題を指摘し、竣工後を見据えたバックエンド事業の議論の重要性を強調した。また、今回の会合では、原子燃料サイクルの推進に向け小委の下に作業部会を新設することが決定した。
- 27 Jun 2025
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2024年度版 エネルギー白書を閣議決定
日本政府は6月13日、2024年度版のエネルギーに関する年次報告(通称:エネルギー白書)を閣議決定した。本白書は、エネルギー政策基本法に基づく法定白書で、2004年から毎年作成され、今回が21回目となる。同白書は例年3部構成となっており、第1部は、福島復興の進捗と原子力安全対策、各年度のエネルギーを取り巻く動向を踏まえた分析など、第2部は国内外のエネルギーに関するデータ、第3部は前年度に講じたエネルギー政策や支援策の実施状況、を中心にまとめられている。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が長期化しているほか、直近では、イランと米国の間で新たな緊張の火種が生じており、各地で情勢の不安定化が懸念されている。それに伴い、化石燃料の需給バランスが崩れ、以前から日本でも電気・ガス代やガソリン価格が高止まりしているが、回復の兆しは見えない。そして、米トランプ政権は、脱炭素政策を転換し、アラスカ州での資源開発の加速に意欲を示したことにも触れ、「安定供給や価格に影響を与えるリスクが顕在化している」と分析した。そのため、既存の原子力発電所よりも安全性や燃料の燃焼効率が高い「次世代革新炉」の早期実用化や、薄く折り曲げられる「ペロブスカイト太陽電池」など、次世代技術の活用を推進し、脱炭素化と電力の安定供給を両立する必要性を強調している。また、発生から14年が経過した東京電力福島第一原子力発電所の事故に関しては、デブリの取り出しや処理水の処分を着実に進めることで「復興に向けた道筋をこれまで以上に明確にしていく」と記されている。
- 24 Jun 2025
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