キーワード:SMR
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ノルウェー政府 SMR計画の環境影響評価へ
ノルウェー政府は2月11日、同国西部のアウレとハイムで計画されている小型モジュール炉(SMR)を用いた原子力発電所の建設プロジェクトについて、環境影響評価(EIA)を実施することを決定した。これにより、同国における原子力発電導入に向けた検討が、制度的なプロセスに入りつつある。計画では、アウレ自治体とハイム自治体の境界に位置するタフトイ(Taftøy)工業団地に複数のSMRを設置する。最大出力150万kW、年間最大125億kWhの発電を想定している。2023年、ノルウェーの新興エネルギー企業ノルスク・シェルネクラフト社が、エネルギー省に対しSMR発電所建設に向けたEIAの実施を提案した。同国政府はこれを受け、2025年4月に水資源・エネルギー局(NVE)、放射線・原子力安全局(DSA)、国民保護局(DSB)の3機関に対し調査プログラム策定を要請。3機関は同年9月、ノルスク社の提案を踏まえた評価プログラム案を作成した。同案は越境環境影響評価を定めたエスポー条約に基づく国際協議を経て正式決定された。EIAはこのプログラムに基づいて実施される。T. アースランド・エネルギー大臣は、「今回の評価プログラムの確定はEIAの最低要件を定めるもので、原子力発電の導入を決定したことを意味するものではない」と述べた。ノルスク社のJ. ヘスタマー会長は、「今後はEIAの実施計画を策定し、原子力発電所のメリットと課題を明確にするとともに、地域住民や関係者がどのように関与できるかを示していく。EIAの一部作業はすでに開始されており、周辺住民や自治体などとの建設的な対話を期待している」と説明している。ノルウェーでは電力の大半が水力と風力でまかなわれており、これまで発電用原子炉は保有せず、OECD共同研究プロジェクトとして有名な「ハルデン炉」など研究炉のみを運転してきた。2019年までにそれらもすべて閉鎖されている。しかし近年は電力需要の増加を背景に、国内では原子力導入に向けた議論が進められている。ノルスク社は複数の候補地でSMR導入の可能性調査を進めており、国内各地を対象とした10件のプロジェクトについて報告書を提出している。今回の計画はその第1号プロジェクトとなる。
- 25 Mar 2026
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IHIと米Xエナジー 高温ガス炉分野で協業へ MOU締結
IHIは3月13日、同社の横浜工場にて、米国のX-energy社(以下:Xエナジー社)と、高温ガス炉技術分野における協業の可能性を検討・推進することを目的とした非拘束の覚書(MOU)を締結した。同MOUは、翌3月14日~15日にかけて東京都内で開催されたインド太平洋エネルギー安全保障閣僚・ビジネスフォーラム(IPEM)にあわせた動き。今回のMOU締結は、Xエナジー社が開発を進める小型モジュール炉(SMR)の高温ガス炉「Xe-100」等のグローバル展開を見据え、原子炉系機器の設計、エンジニアリング、製造、サプライチェーン構築など、幅広く協業の可能性を検討する枠組みの構築が目的だ。IHIはXエナジー社との協業を通じて、先進原子力分野における技術開発とサプライチェーンの強靭化を進め、米国およびグローバル市場における先進原子力技術の商業化の推進に貢献していく考えだ。MOUの協業範囲の対象は、原子炉圧力容器や原子炉内構造物、蒸気発生器の圧力容器および内部構造物、クロスベッセルなどの主要機器。Xエナジー社はプレスリリースで、IHIは、現在の米国では商業規模での確保が難しい高度な原子力製造能力を有していると評価。同社のExecutive Vice PresidentのD. バティア氏は、「原子力の大規模展開には、単一のサプライヤーだけでは対応しきれない生産能力と専門性が求められ、これを前進させるには志を同じくする国際的なパートナーによる連携が不可欠だ」とコメント。そのうえで、「IHIとの協業機会を模索できること、そして日本の優れた製造技術と米国のイノベーションを組み合わせ、共通の目標の実現を目指せることを期待している」と意欲を示した。
- 18 Mar 2026
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EC 初のSMR戦略 2030年代初頭に初号機運開めざす
欧州委員会(EC)は3月10日、小型モジュール炉(SMR)((軽水炉型SMRのほか、液体金属炉や熔融塩炉、高温ガス炉などの先進モジュール炉(AMR)およびマイクロ炉を含む。))の開発・導入を加速する初の戦略文書「欧州におけるSMRの開発および導入に向けた戦略(Strategy for the development and deployment of Small Modular Reactors (SMRs) in Europe)」を発表した。ECは、SMRを欧州の主要な産業開発プロジェクトの一つと位置づけ、2030年代初頭までに欧州で初のSMRの運転開始をめざす。SMRを、脱炭素化やエネルギー安全保障の強化に加え、欧州の産業競争力の強化にも寄与する技術としている。同戦略では、研究、サプライチェーン、許認可、人材育成、資金調達などの分野でEU加盟国や産業界、規制当局、投資家の協力強化を図る方針を示すとともに、SMR導入を促進するための9つの行動を提示。具体的には、技術開発やサプライチェーン、規制面などでの取組みとして、産業向け高温熱供給や海上利用などを想定した先進モジュール炉(AMR)の開発加速、燃料サイクルを含む欧州域内のサプライチェーン強化、同一設計の炉を複数導入するフリート・アプローチの推進と、それに伴う産業標準化の策定や許認可に関する規制協力などを打ち出した。これらの取組みは、EU加盟国間の協力強化や志を同じくする国との国際協力のほか、2024年2月に設立された欧州SMR産業アライアンス(European Industrial Alliance on SMRs)とも連携して進める。さらに、SMR導入を後押しするため、資金支援の枠組みも提示。EUの投資支援制度であるInvestEUやイノベーション基金などを活用し、初号機(FOAK)プロジェクトのリスク低減を図り、民間投資の呼び込みを進めるとしている。そのほか、革新的原子力技術に関するIPCEI(Important Project of Common European Interest)の枠組みを通じて、投資促進の方針も示した。また、SMRの製造拠点や関連産業を集積するSMRバレー(SMR Valley)の形成や、SMR導入に関心を持つEU加盟国が選定された炉型について規制や政策、経済面などで協力する枠組みのSMR連合(SMR Coalition)を設立する提案も示されている。ECはまた同日、原子力実証プログラム(PINC)を発表。同プログラムによると、EUにおけるSMRの設備容量は、2050年までに1,700万kWから5,300万kWに達する可能性があるとの見通しを示している。
- 18 Mar 2026
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インド太平洋地域での今後の原子力展開にむけ日米産業界が専門的議論
3月14、15日に都内で開催されたインド太平洋エネルギー安全保障閣僚・ビジネスフォーラム(IPEM)の会期中、2つの原子力関連セッションが開かれ、今後の同地域での原子力の展開をめぐり日米産業界関係者による活発な議論が行われた。「インド太平洋地域のエネルギー安全保障と経済成長を支える原子力」と題する14日のパネルには、増井原産協会理事長、M.コースニック米原子力エネルギー協会(NEI)理事長、ウルバヌス米エネルギー省(DOE)次官補代理、Radiant Nuclear社のバランワルCEO、GEベルノバの田中ディレクターが登壇した。パネルの中で増井理事長は、日本の原子力には設計から運用に至る原子力バリューチェーン全体にわたる統合的な能力、約8万人の従事者に加え政府関係者や研究者を含む豊富な人的資源、100年にわたる原子力ビジネスサイクルに長期的にコミットできる能力の3つの優位性が備わっているとした上で、異なるステークホルダーが長期にわたり協力し合うことで、新規導入国に対して技術と専門知識の両面から包括的な支援を提供できる点を強調。インド太平洋地域で原子力の展開が成功するためには、地元産業をサプライチェーンに早期に取り込み、日米を始めとした同志国が支援することが重要としたほか、導入国が技術選択する際には、設計の成熟度、実際のプロジェクトの有無、サプライチェーンの準備状況の指標からなる「展開可能性」に基づき判断すべきと指摘した。コースニック氏は、世界的に原子力が特別な転換期にあるとした上で、データセンターやAI利用など、急速に増加する電力需要を満たせると述べ、インド太平洋地域の様々な市場規模に対応可能な原子力技術の拡張性について、「Nuclear for You(あなた方に適した原子力)」を提供できることが強みだと強調した。バランワル氏は、同社がTRISO燃料を使用した1,000kW出力の可搬型マイクロ炉をテネシー州の施設で年間50基製造可能だとしたほか、2029年までにインド太平洋地域に同炉を展開する見通しを示した。GEベルノバの田中氏は、原子力が単なる興味の対象から不可欠なものへと変わってきていると指摘。カナダOPG社がBWRX-300のSMRプロジェクトを進めていることで、インド太平洋地域の関心が大きく高まったと強調した。翌15日には、前日のパネルにおける議論の内容を深掘りし、出された意見をIPEM参加閣僚に報告することを目的した「ディープダイブ・セッション」が行われた。コースニックNEI理事長、増井原産協会理事長、日米のメーカー、エンジニアリング企業、燃料企業から関係者が参加した。セッションでは3つの質問が用意され、出席者がそれぞれ自社の経験をもとに回答する形で行われた。インド太平洋地域における原子力発電開発を加速させ、初期段階で成功したプロジェクトが継続するために、政府と産業界にはどのような役割がありどのように協力できるかとの質問に対しては、政府には適正な規制の実施、財政支援、人材育成、リスク軽減における役割が期待されるとの意見のほか、新規導入国への展開にあたっては、ステークホルダー間での建設リスク共有や規制のハーモナイゼーションが重要との意見も出された。続いて、原子力導入の急速な拡大を支援し地政学的リスクを軽減するため、同志国間でのサプライチェーン協力を加速させるには、どのような措置が必要かをめぐり意見が交わされた。日本には技術力のある中小企業サプライヤーが多く存在するため、将来のインド太平洋地域への小型モジュール炉(SMR)展開での日本のサプライヤーの貢献を期待しているとの発言のほか、インド太平洋地域における原子力サプライチェーンの発展を加速させるためには、段階的なアプローチが必要とした上で、初号機の納入を確実に成功させることが不可欠であり、資金調達やサプライチェーン開発など、あらゆる段階において最初からすべてを現地化するのではなく、初期段階ではリスク低減が不可欠との意見も出された。インド太平洋地域全体で原子力発電導入を成功させるために、政府、産業界、規制当局において必要となる最も重要な変化や対応は何かとの質問に対しては、各国政府が異なる種類の原子炉に関心があるとしても、標準化し同じアプローチで原子力発電所を建設することが重要との指摘がなされたほか、インド太平洋地域で高品質重視のサプライヤーパートナーを見つけられるかが地域全体の原子力展開の成功の鍵とする意見も出された。
- 17 Mar 2026
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原産協会と米NEI インド太平洋地域の原子力協力で覚書締結
インド太平洋エネルギー安全保障閣僚・ビジネスフォーラム(IPEM)に出席した日本原子力産業協会(原産協会)と米原子力エネルギー協会(NEI)は14日、インド太平洋地域における原子力発電の展開に向けた産業界の連携強化を目的とする協力覚書(MOU)を締結した。原産協会は1994年のNEI発足以来、長年にわたり交流・協力関係を築いてきた。2023年のG7気候・エネルギー・環境大臣会合では、両団体が原子力関連サイドイベントを共催するなど実績を重ねている。近年、特に小型モジュール炉(SMR)技術を中心にインド太平洋地域で原子力発電への関心が高まっていることを背景に、今回、両組織間で正式な覚書を締結することとなった。覚書では、インド太平洋地域の協力に資する政策対話や情報交換の促進のほか、政府や国際機関などと連携し、同地域における原子力の開発・利用を支援することなどを盛り込んでいる。原産協会の増井理事長は「両者の協力は30年以上にわたり実りある関係を築いてきた。これまで正式なMOUがなくても協力関係がごく自然に発展してきたことの表れでもあるのだと思う」と述べたうえで、「今回、インド太平洋地域での協力を盛り込んだMOUの締結により、将来に向けてさらに緊密に連携していきたい」と語った。またNEIのM.コースニック理事長は「両者の正式な協力枠組みが整い、米国にとって戦略的に重要なインド太平洋地域に重点が置かれたことは、今後の活動にとって非常に有益なものになる」と述べた。
- 16 Mar 2026
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日米企業がSMRの東南アジア展開で協力 東京でエネルギー安全保障フォーラム
インド太平洋エネルギー安全保障閣僚ビジネスフォーラムが3月14、15の両日、東京都内で開催され、インド太平洋地域16か国のエネルギー担当閣僚や政府・企業関係者が参加した。日本と米国が共同で主催し、米国からはD.バーガム内務長官、L.ゼルディン環境保護庁長官、日本からは赤澤経済産業相が出席した。開会セッションでは、米通商開発庁(USTDA)のT.ハーディ副長官兼最高執行責任者(COO)が冒頭挨拶を行った。開会セッション後には覚書の署名式が行われ、企業間の協力覚書(MOU)が相次いで締結された。まず、三菱電機、米ホルテック・インターナショナル、韓国ヒュンダイE&Cの3社が、小型モジュール炉(SMR)の東南アジア展開に関する協力覚書を締結した。続いて、GEベルノバと日立製作所が、東南アジアにおけるSMR「BWRX-300」の導入に向けた市場開発や商業機会の検討で協力する覚書を締結した。両社はそれぞれの合弁会社を通じて協力し、同地域でのSMR導入の可能性を分析するとともに、日本企業を含むサプライチェーン構築を検討する。エネルギー需要の拡大が見込まれる東南アジアで、脱炭素電源としての原子力活用を後押しする狙いがある。日立製作所の稲田康徳常務執行役(原子力ビジネスユニットCEO)は「日立は長年にわたりGEベルノバとのパートナーシップを通じて培ってきた知見を生かし、原子力産業に貢献してきた。東南アジアにおけるBWRX-300の導入検討を進めることで、こうした取り組みをさらに発展させていきたい」と語った。
- 16 Mar 2026
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リトアニア BWRX-300導入可能性を評価へ
リトアニアのイグナリナ原子力発電所を運営しているアルトラ(Altra)社は2月25日、米国の首都ワシントンで、米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社、ポーランドのSGE社とリトアニアにおけるGVH社製小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」の導入可能性を評価するため、三者間覚書を締結した。「BWRX-300」導入に係る技術面および経済面での実現可能性を詳細に評価し、技術ソリューション、安全性および許認可要件、さらに経済的および市場的な側面を分析する。覚書署名式には、リトアニアのZ. ヴァイチウナス・エネルギー相、米エネルギー省のR. バーラン原子炉担当次官補代理らも出席。ヴァイチウナス大臣は、「リトアニアの原子力発電の経験、アルトラ社の専門知見、先進SMRを開発する米国パートナーの最新知識を結集し、リトアニアにおける次世代SMRの立地可能性を体系的に評価。エネルギー・セキュリティー、持続可能性、気候中立なエネルギー・経済目標にどのように貢献し得るかを判断する。再生可能エネルギーは現在も将来もリトアニアの明確な選択肢であるが、2050年までに完全な気候中立を達成するためには、SMRの可能性も評価しなければならない」と語った。アルトラ社のL. バウジスCEOは、「リトアニアには、原子力発電の実績があり、国家のエネルギー・セキュリティと長期的なシステムの安定性を強化する次世代ソリューションの議論にあたり有利な立場にある。BWRX-300は現在開発中の最も先進的なSMRの一つであり、将来のエネルギーソリューションとして分析評価するのは当然」と強調した。GVH社の先進原子力担当のS. セクストン上級副社長は、加オンタリオ州営電力のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)と共に西側諸国初となる商用規模のSMRを建設する過程で得られる経験や、SGE社との協力が、リトアニアや他の欧州諸国でBWRX-300を展開配備する強力な基盤となっている」と述べた。欧州のSMR開発プラットフォームであり、BWRX-300の標準設計にも共同出資しているSGE社のR. カスプロウCEOは、「リトアニアのエネルギー移行には、電力システムの安全性を高め、長期的な経済発展を支える安定したゼロエミッション電源が必要。BWRX-300は、これらニーズに応えるために設計されており、数十年にわたる原子力発電の運用経験を踏まえ、安全性と信頼性を確保しつつ、クリーンでコスト競争力のある拡張可能な設計となっている」とし、今回の覚書締結の意義を強調した。SMRの導入検討は、2050年までにエネルギー自立と気候中立の達成を目指す同国の国家エネルギー戦略とも合致する。エネルギー省は2025年、アルトラ社などが参加する作業部会を設置し、先進原子力技術の役割について評価を進めている。なお、2025年のユーロバロメーター調査(欧州委員会が実施するEU公式の世論調査)では、リトアニア国民の57%が今後20年間の原子力の将来を肯定的に見ている。リトアニアでは、イグナリナ原子力発電所(軽水冷却黒鉛減速炉:RBMK-1500×2基、各150万kWe)が1980年代から稼働していたが、欧州連合(EU)は、ウクライナのチョルノービリ原子力発電所と同型であるRBMK炉の安全性への懸念から閉鎖を要求、リトアニアはEU加盟と引き換えに同発電所を2009年までに閉鎖した。同発電所は閉鎖されるまで、リトアニアの電力の70%を供給していた。アルトラ社は現在、同発電所の廃止措置作業を実施中だ。閉鎖後、イグナリナ原子力発電所近傍のヴィサギナスに日立製作所が主導する新規原子力発電所プロジェクトも浮上したが、福島第一原子力発電所の事故により、原子力発電に対する国民の支持は低下。2012年の原子力発電所の新規建設への支持を問う国民投票では否定的な意見が優勢となり、2016年10月の総選挙による政権交代を経て、翌11月にヴィサギナス・プロジェクトは凍結された。その後、リトアニアでは電力不足を補うため、電力供給源の多様化を図り、再生可能エネルギーの導入を促進。現在、総発電電力量の約8割を再生可能エネルギーで賄うものの、近隣諸国(スウェーデン、ラトビア)からの電力輸入量も多い。
- 13 Mar 2026
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緊迫する中東情勢 原子力の再評価が高まる-パリで原子力エネルギー・サミットが開催
フランス・パリで3月10日、フランス政府と国際原子力機関(IAEA)共催による第2回「原子力エネルギー・サミット」が開催された。原子力エネルギー利用に対する世界的な関心が高まる中、国家元首や政府首脳、国際機関や金融機関のリーダー、業界の専門家が一堂に会し、主要なエネルギーおよび気候課題に対処する上での民生用原子力エネルギーの役割について議論した。原子力は現在、世界の総発電電力量の約10%を占めており、多くの国で低炭素かつ安定した電源として、再生可能エネルギーを補完する重要な役割を担っている。2025年9月、IAEAは5年連続で原子力拡大の予測を上方修正し、世界の原子力発電設備容量が2050年までに倍増する可能性があるとの見通しを発表。電力需要の増加、脱炭素化の必要性、エネルギー・セキュリティを背景に、同サミットは国際協力を強化し、民生用原子力の安全かつ持続可能な発展にむけた具体的な解決策を模索する重要な機会と位置付けられた。2024年3月にベルギー・ブリュッセルで開催された前回のサミットをふまえ、本サミットでは原子力発電国と、原子力導入を検討している新興国との間で国際協力を推進するとともに、国家、国際機関、金融界、産業界間のパートナーシップを促進させて、気候目標に沿った、安全で経済的に実現可能な民生用原子力エネルギーの開発の基盤を築くことを目的としている。さらに、2026年春に開催される核拡散防止条約(NPT)再検討会議に先立ち、最高レベルの安全、安全性、核不拡散の確保という国際的な公約に沿った原子力エネルギーの平和利用を強調している。サミット冒頭、フランスのE. マクロン大統領は、民生用原子力発電がエネルギー・セキュリティの確保に寄与しており、「フランスの2025年の原子力発電電力量は約3,700億kWhを記録し、900億kWh以上のカーボンフリー電力を輸出した。原子炉の国内における新規建設プログラムも前進している。より不安定で、断片化し、不確実な世界において、それは主権の選択であり、競争力の選択であり、未来への保証でもある。フランスはこの選択をした」と強調した。続けて、IAEAのR. グロッシー事務局長は、「原子力は、低炭素で天候や燃料供給の混乱の影響を受けにくい安定した電源として、エネルギー・セキュリティと電力システムの安定に寄与する。再生可能エネルギーの導入を支えるベースロード電源として、AIの普及などによる電力需要の増加にも対応可能。現在、約60か国が導入を検討しており、原子力の拡大には予測可能な政策、強固なサプライチェーン、資金調達、標準化の推進が重要となる。IAEAは国際金融機関と連携し、各国の原子力導入を支援している」と語った。欧州委員会のU. フォンデアライエン委員長は、欧州は、化石燃料を高価で不安定な輸入に完全に依存し、現在の中東危機はその脆弱性を痛烈に思い知らせたと言及。「1990年は欧州の電力の3分の1が原子力由来だったが、現在は15%程度に過ぎない。欧州が、信頼性が高く廉価な低排出電源である原子力に背を向けたのは戦略的な誤りだった」と述べた。「欧州には自国産の低炭素エネルギー源が必要だ。原子力と再生可能エネルギーの組み合わせが重要であり、原子力は24時間、年間を通じて電力供給が可能である」と原子力の優位性を強調。そのうえで、「欧州には主導権を握るための全てが揃っている。原子力分野には50万人の高度な技能を持つ労働者がいる。欧州が次世代原子力エネルギーの世界的拠点となるために、我々は迅速かつ大規模に前進する意欲がある」とし、「2030年代初頭までにSMRの欧州における実用化を支援するため、革新的原子力技術への民間投資を後押しする2億ユーロの保証枠を創設する」と新たなSMR戦略を明らかにした。その後、各国首相および政府首脳の声明が行われ、午後には、パネルおよび円卓会議で、エネルギー転換およびカーボンフリー電力へのアクセスにおける原子力の役割、特に新規導入を検討する諸国の原子力プロジェクトを支える資金調達、SMRを含む先進炉技術とイノベーション、産業利用の可能性のほか、燃料供給保証、使用済み燃料や廃棄物の管理、施設の建設・運営に必要なスキルやサプライチェーンの開発などについて議論された。なお、同サミットにおいて、第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28、於UAE・ドバイ)で署名された、2050年までに世界の原子力発電設備容量を3倍にするという「原子力の三倍化宣言」にあらたに、ブラジル、ベルギー、中国、イタリアが署名した。今年3月初めに署名した南アフリカと併せ、署名国は38か国((アルメニア、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、中国、クロアチア、チェコ、エルサルバドル、フィンランド、フランス、ガーナ、ハンガリー、イタリア、ジャマイカ、日本、カザフスタン、ケニア、韓国、コソボ、モルドバ、モンゴル、モロッコ、オランダ、ナイジェリア、ポーランド、ルーマニア、ルワンダ、セネガル、スロバキア、スロベニア、南アフリカ、スウェーデン、トルコ、ウクライナ、アラブ首長国連邦、英国、アメリカ合衆国 (以上38か国)))に拡大した。
- 11 Mar 2026
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サプライチェーン強化へ官民議論
経済産業省資源エネルギー庁と日本原子力産業協会は3月9日、東京都内で「第4回原子力サプライチェーンシンポジウム」を開催した。政府、電力会社、プラントメーカー、エンジニアリング企業、IT企業などから約500名が参加し、次世代炉開発やサプライチェーン強化、人材育成など原子力産業基盤の維持・強化に向けた取り組みについて議論した。開会挨拶で小森卓郎経済産業大臣政務官は、「原子力など脱炭素効果の高い電源を最大限活用していくことが不可欠」と述べ、安全と地域の理解を大前提に既設炉の再稼働や次世代革新炉の開発・建設を進める政府の方針を改めて示した。基調講演を行った資源エネルギー庁電力・ガス事業部長の久米孝氏も、データセンターや半導体産業の拡大により電力需要が増加するなか、総発電電力量に占める原子力シェアについては2040年度に2割程度とする見通しを示し、その実現には既設炉の再稼働に加えて次世代炉の導入が必要になるとの認識を示した。日本経済団体連合会資源・エネルギー対策委員長の木藤俊一氏(出光興産会長)は、AIやデジタル化の進展に伴い電力需要が増加する中、安価で安定したエネルギー供給が経済成長に不可欠として原子力の役割が一層重要になるとの認識を示した。また、2050年に原子力シェア2割を維持するには、約40基の設備が必要になるとの試算を紹介し、既設炉の再稼働に加えて次世代炉によるリプレースや新設を進める必要があると指摘した。Amazon Web Services(AWS)のクゥィント・サイモン公共政策統括責任者も登壇し、今後、24時間安定して電力を供給できる電源が不可欠になると述べ、原子力の役割を示唆した。AWSは2040年までにネットゼロを達成する目標で、日本での32プロジェクトを含め、世界28か国で700以上のカーボンフリー電源プロジェクトに投資、総発電設備容量は4000万kW以上に達している。原子力では、米ワシントン州で、2030年代初頭の運開を目指し、4基、約32万kWのSMRプロジェクトに参加しており、高品質な日本の精密加工技術は世界の原子力建設において重要な役割を担うとの見解を示した。次世代炉開発に関するセッションでは、国内メーカー各社の取り組みが紹介された。三菱重工業は次世代革新軽水炉「SRZ-1200」の開発状況を説明し、基本設計が概ね完了したことを報告した。日立GEベルノバニュークリアエナジーはSMR「BWRX-300」の開発状況を紹介し、カナダなど海外でのプロジェクトが進んでいることを説明した。東芝エネルギーシステムズは革新型ABWR「iBR」の安全設計を紹介したほか、IHIと日揮グローバルは米NuScale PowerのSMRプロジェクトへの参画状況を説明した。三菱電機も計装制御システムなど原子力プラントを支える技術を紹介した。サプライチェーン強化に関するパネルセッションでは、原子力産業基盤の維持に向けた課題が共有された。電気事業連合会は、将来的に原子力設備容量が減少する可能性を指摘し、2040年代にはリプレースが必要になるとの見通しを示した。原子力エネルギー協議会(ATENA)は製造中止品への対応やオンラインメンテナンスの導入などの取り組みを紹介した。日立GEベルノバは一般産業用部品を原子力用途に適用する「汎用品グレード格上げ(CGD=Commercial Grade Dedication)」の取り組みを説明し、供給途絶対策の一つとして普及を進めていく方針を示した。エンジニアリング企業からは人材不足の課題も指摘された。太平電業は原子力プラント建設経験者が減少している現状を説明し、技術伝承の重要性を強調した。また三菱総合研究所はAIなどデジタル技術を活用した発電所入構手続きの効率化に関する研究を紹介し、作業環境改善の可能性を示した。人材育成に関するセッションでは、産学官の連携による人材確保の取り組みが紹介された。経済産業省は原子力人材育成協議会を設置し、産学官連携による人材育成政策を進めていることを説明。文部科学省は大学連携による教育プログラム「ANEC」を紹介し、今後産業界との協力が重要となると指摘した。原子力規制庁も規制分野における人材確保の課題を説明し、産官学連携の必要性を強調した。閉会挨拶で日本原子力産業協会の増井秀企理事長は、第7次エネルギー基本計画の閣議決定から1年で、次世代炉の開発・設置に向けた政策議論が具体化していると指摘。投資判断を可能にする事業環境整備の議論や規制当局との意見交換、さらに電力会社によるリプレース検討の動きなど、原子力をめぐる取り組みが着実に進展しているとの認識を示した。また今回のシンポジウムにおいて、経済界やIT企業からも原子力への期待が示されたことに触れ、次世代炉開発の進展や海外プロジェクトへの参画が国内サプライチェーンの維持にも重要であるとの理解が共有されたと述べた。その上で、原子力サプライチェーンを維持強化するためには、将来の原子力発電規模や建設計画の見通しを示すことが重要であると指摘。加えて、人材確保と育成は原子力の最大限活用を支える基盤であり、産業界と教育機関、政府が連携して取り組む必要があると述べ、シンポジウムを締めくくった。今回の議論を通じて浮かび上がったのは、原子力の将来を左右するのは炉型技術だけではなく、それを支える産業基盤であるという点である。日本の精密加工技術や品質管理は、世界の原子力サプライチェーンの中核を担う潜在力を持つ。次世代炉の実装が視野に入りつつある今、政策の方向性と産業界の挑戦が噛み合えば、日本の原子力産業は再び新たな発展の段階に入る可能性を秘めている。
- 10 Mar 2026
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次世代革新炉ロードマップ案 フュージョンエネルギーの早期実現に向け活発議論
総合資源エネルギー調査会の革新炉ワーキンググループ(座長=斉藤拓巳・東京大学大学院工学系研究科教授)が2月26日に開催され、フュージョンエネルギーの早期実現に向けた検討状況および次世代革新炉開発ロードマップ(案)を中心に議論が進められた。今年度最後の開催となった同WGでは冒頭、フュージョンエネルギーの早期実現に向けた検討状況について、内閣府から説明があった。政府は、昨年5月に改定した「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」で、世界に先駆けた2030年代のフュージョンエネルギーによる発電実現を目標に掲げている。同戦略では、バックキャスト(理想の将来像から逆算し、今、行うべき活動やその優先順位を決める思考法)によるロードマップを策定するとともに、量子科学技術研究開発機構(QST)等のイノベーション拠点化の推進、そして、フュージョン産業のエコシステムの構築を進めている。WGでは、内閣府が進めるタスクフォースによる「フュージョンエネルギーの社会実装に向けたロードマップ案」の取りまとめの進捗が示され、民間企業が商用プラントを建設・運営し、発電収益が得られている姿を描けるような体制作りの重要性が指摘された。そして、当面はBA活動(幅広いアプローチ:Broader Approach)やQSTによる基盤整備を加速するとともに、米国型のマイルストーン方式によるスタートアップ支援を導入する方針が示された。コスト面では、発電実証プラントの建設費を合理的水準に抑えることが課題とされ、米国の水準(50MW規模で総建設費60億ドル未満)を参考にしながら、日本側も国際競争力のある水準を目指すという。次に同WGでは、「次世代革新炉開発ロードマップ(案)」の抜粋版をもとに議論が行われ、革新軽水炉、小型軽水炉、高速炉、高温ガス炉それぞれの社会実装に向けた課題と今後の対応が議題に上がり、各炉型に共通する課題として、サプライチェーン、人材、国民理解の3点について改めて言及された。その後、自由討論と質疑応答が行われ、各委員からさまざまな意見が寄せられた。産業界の立場から参加している大野薫専門委員(日本原子力産業協会)は、提示されたロードマップ案について「産業界の声をしっかり受け止めていただいたものと歓迎している」と評価した上で、制度面や事業環境整備の重要性について4点を指摘した。まず大野委員は、革新軽水炉の事業環境整備について、政府の信用力を活用した融資制度に加え、投資回収の予見性を確保する仕組みや、他律的要因によるリスクを合理的に吸収するルールの設定が、事業者の投資決定に先立ち必要との認識を示した。小型軽水炉についても、フリートで導入される場合など原子力特有の事業リスクは革新軽水炉と同様であるとして、同様の融資・投資回収制度の導入を求めた。また、多様な資金調達を可能とする観点から、原賠制度の総合的な検討も必要と指摘し、これらの制度整備はプラント導入時期から逆算して適切な時期に完了すべきだと強調した。次に、小型軽水炉の規制の在り方について、海外では社会実装段階にある一方、国内ではPAZ(予防的防護措置を準備する区域)やUPZ(緊急防護措置を準備する区域)を含む規制の予見性が十分とは言えない指摘。社会実装を推進するために、事業主体が明確でない段階からでも規制の在り方を検討する枠組みが必要との考えを示した。さらに、フュージョンエネルギーについて、新技術による事業には極めて大きなビジネスリスクを伴うため、自由化された電力市場の下では、まず「産業政策」の観点からの政策措置の検討が先行すべきとの見解を述べた。最後に大野委員は、サプライチェーンと人材の課題にも触れ、昨年10月の原子力小委員会で約7割の企業が人材確保に苦戦しているとの指摘があったことを紹介。中小企業の多いサプライチェーンにおける人材確保の問題について、改めて対応の必要性を訴えた。
- 27 Feb 2026
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米イリノイ州 州知事令で新規原子力200万kW導入目標を明示
米イリノイ州のJ.B.プリツカー知事は2月18日、新規原子力発電の導入加速に向けた州知事令(Executive Order 2026-01)を発出。イリノイ州電力庁(IPA)およびイリノイ州商務委員会(ICC)に対し、60日以内に新規原子力発電所の建設を検討する事業者を対象とした照会通知(NOI, Notice of Inquiry)を行うよう指示した。照会項目には、設備容量および小型モジュール炉(SMR)を含む炉型、資金調達の枠組み、候補サイト、系統接続の可否、建設コストおよび運転開始時期、労働力需要、廃棄物処分を含む燃料管理計画などが含まれる。既設サイトの拡張や出力増強も対象としており、最終的に新設または既設炉の出力増強により合計出力200万kW超の原子力設備を導入することを目標とし、2033年までに着工する方針だ。また、ICCは新規原子力施設の立地受入れに関心を示す地域社会を対象とする第2のNOIを発出し、有望な候補地を少なくとも1か所選定する方針。土地や水資源の確保状況、地元コミュニティの支持、経済開発上の特性、既存送電インフラ(閉鎖あるいは閉鎖予定の発電所を含む)の活用可能性などに関する情報提供を要請する。さらに、IPA、ICC、商務経済機会局(DCEO)など関係機関およびイリノイ大学を含む省庁横断ワーキンググループを設置し、新設または出力増強を想定した制度・規制面の課題を検討、NOI公表から120日以内に州知事室へ報告する。必要に応じて、立法措置を検討する。その他、DCEOは新規原子力発電所の建設・運転に必要な人材需要を洗い出し、トレーニング計画を策定するほか、2027会計年度(26年10月~27年9月)に原子力関連の訓練アカデミー設立への予算措置を検討する。州内サプライチェーンの強化に向けた報告書も2026年9月までに作成する。イリノイ州では現在、6サイトで11基の原子炉が運転中で、全米最大の原子力発電電力量を誇る。今回の州知事令により、約40年ぶりとなる新規導入に向けた具体的検討が本格化する。同州では2021年制定の「Climate and Equitable Jobs Act(CEJA)」に基づき、2050年までに100%クリーンエネルギーを実現する目標を掲げている。2023年にはSMRに限り建設禁止を解除したが、大型炉については需要家負担増への懸念から州知事が拒否権を行使していた。しかし今年1月、「Clean and Reliable Grid Affordability Act(CRGA)」に知事が署名し、新規原子炉建設に関する州内モラトリアムを全面的に解除された。2月の施政方針演説では、州内の原子力発電の優位性を強調し、需要増および電力価格抑制の観点から、追加的な原子力導入の必要性を表明した。
- 27 Feb 2026
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韓国 SMR特別法が国会で可決
韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は2月12日、「小型モジュール炉(SMR)の開発促進および支援に関する特別法」制定案が同日、国会本会議で可決されたことを発表した。政府が5年単位のSMR研究開発の基本計画を策定し、財源調達やサプライチェーンの構築などを後押しする。人工知能やデータセンターの電力需要の急増、カーボンニュートラル目標の達成に向け、無炭素電源としてSMRが世界的に注目されている。一方、韓国の原子力法体系は大型原子力発電所を中心に構成されており、SMRを集中的に支援する法的基盤は存在せず、韓国の原子力産業界はSMR政策の一貫性を確保し、研究開発にスピード感を与える特別法の制定を継続的に要求していた。特別法の制定により、SMRに対する明確な法的支援根拠を整備し、SMRの技術開発の全過程を体系的に支援することで、エネルギー安全保障の強化およびグローバル市場での競争力の向上をめざす。今回可決された特別法は、科学技術情報通信・国防委員会に提出されたSMR関連法案3件を、国会審査過程において与野党合意により一つの法案に統合して整備したもの。MSITは今回の特別法について、SMRの研究開発と実証が加速化され、韓国がグローバル市場において主導権を握るための基盤になるとしている。特別法で定める政府による支援施策は以下のとおり。―MSITはSMR開発の政策目標、研究開発推進戦略、財源調達、サプライチェーン構築に係る基本計画を5年ごとに策定、その実効性を高める施行計画は1年ごとに策定(第5条~第7条)―MSIT長官が委員長を務め、省庁横断的なSMR研究開発政策の司令塔となるSMRシステム開発促進委員会の設置・運営(第8条)―SMR関連法令および制度改善の根拠を明文化(第9条)―民間企業と研究機関によるSMR研究開発と迅速な技術実証に向けたサイトと財源確保の支援(第10条~第11条)―民間企業、公共機関などによる共同出資会社設立への支援。民間主体によるSMR関連研究組合の設立・運営支援(第12条)―大学・研究所・企業が密集した地域を開発特区に指定し集積効果を最大化するSMRシステム研究開発特区の指定(第13条)―専門人材育成機関の指定、教育および訓練に要する費用支援などを通じた専門人材の育成(第14条)―国際協力促進による民間の標準化事業の推進を支援(第15条)―広報および教育コンテンツなどの開発・普及を通じた社会的受容性確保施策の推進(第16条)などがある。本特別法は、国務会議および大統領の裁可を経て公布され、公布後6か月に施行される予定。MSITは法施行までに下位法令を整備し、施行後1年以内に「第1次SMR開発基本計画」を策定する。また、民間企業とともにSMRの技術開発と設計を完了させ、商用化への移行を加速するため、新規大型プロジェクトも早期に推進する方針だ。韓国原子力産業協会(KAIF)は本特別法成立への歓迎を表明。原子力産業界がSMRを将来の重要な成長エンジンと認識し、韓国が世界市場をリードする取組みに積極的に参加・協力していく意向を示している。原子力安全委員会は2030年までにSMR規制体系構築へ原子力安全委員会(NSSC)は同12日、2030年までにSMR規制体系を整備する「SMR規制体系構築ロードマップ」を発表した。既存の大型軽水炉中心の現行規制を見直し、船舶搭載や熱供給、水素生産など多様な用途に対応する設計特性をふまえた安全審査制度を構築する。NSSCは「原子力規制の独立性と安全最優先の原則を前提に、世界的なSMR開発競争で遅れを取らないよう、先制的に安全規制体系を整えていく」としている。NSSCは2023年に「SMRの安全性規制の方向性」を発表後、詳細な規制体系の改善に着手。関係省庁、開発者、専門機関、産官学の専門家などの意見を取入れ、ロードマップを策定した。NSSCは2030年までの今後5年間で、既存の大型炉ベースの安全規制体系を段階的に改編する。まず、発電用・研究用・教育用の原子炉と規定された既存の認可体系を、船舶用、熱供給用、水素生産用など多様な目的と設計を包括できるよう大幅に改編。併せて、SMRごとに設計が異なり、新規かつ革新的な技術を適用する特性を考慮し、これに適合した安全性を検証する方式を導入する。このため、許認可技術基準はコア機能・要件を中心に規定し、事業者が当該原子炉に適した方法論の設定や基準を提示して安全性を立証できるように「(仮称)SMR技術基準に関する規則」の制定も推進することとしている。そのうえで、2027年までに原子力安全規制体系の詳細な改編案を策定、2028年から利害関係者の多角的かつ広範な意見聴取を経て、関連法令と基準を順次改正していく計画だ。なお、新たな設計・技術に対する許認可の予見性を高めるため、事業者(開発者)とのコミュニケーションを一層強化、認可申請前であっても規制機関の審査を受けられる事前審査制度の今年中の導入をめざし、法制度化の準備中である。規制者、開発者、研究者などが共に安全課題を議論する炉型別の規制研究グループも今年前半に運営を開始する予定であるという。NSSCはさらに、2026年に予定されている韓国製SMR「i-SMR」(電気出力17万kWの一体型PWR)の標準設計承認(SDA)申請に向けて、審査指針を年内に作成するとしている。i-SMRの設計前審査は2022年から継続実施しており、SDA審査の効率性向上を図っている。NSSCは、2030年頃に見込まれる「i-SMR」の国内建設と非水冷却型SMRの認可に備え、規制システムの合理化を図り、中長期的に原子力安全規制の全領域を段階的にカバーしたい考え。このため、規制専門機関の人員・組織体制を補強し、国際機関やSMR開発国との規制経験の共有の協力を拡大する方針だ。
- 25 Feb 2026
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ハンガリー パクシュ5号機が着工
ハンガリーのパクシュ原子力発電所増設(パクシュⅡ)プロジェクトの5号機(ロシア製PWR=VVER-1200、120万kWe)で2月5日、原子炉建屋の基礎スラブへの初コンクリート打設が開始された。同日、着工式典が開催され、国際原子力機関(IAEA)のR. グロッシー事務局長、ハンガリーのP. シーヤールトー外務貿易相、ロシア国営原子力企業のA. リハチョフ総裁らが出席した。パクシュⅡプロジェクトは、ロシア設計の第3世代+(プラス)炉のVVER-1200を2基導入する、欧州連合(EU)初の原子力発電所となる。グロッシー事務局長は、「数百もの障害を乗り越えなければならなかったプロジェクトを一つ挙げるとすれば、それはパクシュII。今日はハンガリーだけでなく、世界の原子力産業および持続可能なエネルギー生産にとり重要な一歩だ」と指摘。シーヤールトー外務貿易相は、「パクシュIIは最先端プロジェクトであり、原子力ルネサンスのフラッグシップ。パクシュIIの稼働により、ハンガリーは電力消費量の最大70%を自国で賄うことが出来る」とその意義を強調した。パクシュⅡプロジェクトは、ロシアとの政府間合意により2014年に開始され、プロジェクトコストの大部分がロシアの低金利融資によって支えられている。2022年8月には、ハンガリー原子力庁(HAEH)が同2基の建設に関する主要建設許可を発給。翌7月には大規模なサイト準備工事が開始され、全長2.7kmの遮水壁の建設や掘削ピット下の地盤改良が行われた。HAEHは2025年11月、5号機の基礎スラブへの初コンクリート打設および「ニュークリア・アイランド」(原子力部)の建設許可を発給した。パクシュⅡプロジェクトは、最大40%の現地調達率が見込まれ、ハンガリーとロシアに加え、欧州、アジア、米国の主要企業がパクシュⅡプロジェクトに参加している。ロシアのウクライナ侵略に対する対抗措置としてロシアに大規模な制裁を科しているEUは2024年6月、パクシュⅡプロジェクトを制裁対象から除外。2025年11月には、米国も対ロシア制裁から、パクシュⅡプロジェクトに関連する取引を除外する例外措置を公式に発表しており、同プロジェクトの進展に弾みを与えた。パクシュⅡは、旧ソ連時代に建設されたパクシュ1〜4号機(ロシア製VVER-440、各50万kWe級)に隣接する。同4基は1983~87年に運転を開始し、総発電量の約5割を供給している。公式運転期間の30年を超過したため運転期間が20年延長され、容量の大きい増設2基に徐々にリプレースしていく方針だ。ハンガリーは米国との原子力協力も強化米国のM. ルビオ国務長官は2月16日、ハンガリーのブダペストでV. オルバーン首相と会談し、民生用原子力協力協定を締結した。本協定は、2025年11月に署名された原子力エネルギーに関する覚書に続くもので、「ハンガリーを中東欧地域における小型モジュール炉(SMR)開発の拠点とする」という米国の取組みを強調。加えて、ハンガリーにおける米国製SMRの採用の促進、米ホルテック・インターナショナル社によるハンガリーの乾式使用済み燃料貯蔵の管理を支援する計画を確認している。米国務省は本協定履行により、米国のベンダーに150億ドル以上のビジネスチャンスが生まれ、米国で数千人の雇用創出の見通しを示している。なお、ルビオ国務長官は2月15日、スロバキアのブラチスラバを訪問し、R. フィツォ首相と会談した。今年1月に締結された米スロバキア政府間協定の具体化として、米国の資金提供による、米ウェスチングハウス(WE)社製大型炉の建設にむけた基本設計(FEED)作業の開始に言及。フィツォ首相は、スロバキアが2040年までに出力120万kWeを導入するために、多国籍コンソーシアムの設立への強い関心を表明した。米国は中東欧において、米国の最先端原子力技術導入による地域のエネルギー安全保障の向上、産業力強化を推進していく考えだ。
- 20 Feb 2026
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米DOE環境管理局 サウスカロライナ州でウラン回収を再開
米エネルギー省(DOE)の環境管理局(EM)は2月4日、サウスカロライナ州のサバンナ・リバー・サイト(SRS)にあるHキャニオン(H Canyon)施設でウラン回収事業を再開すると発表した。DOEは、米国の原子力産業基盤の強化とエネルギー自立の推進に向けた戦略的な一歩と位置付けている。再開により、現在国内供給が限られている貴重な同位体の回収が可能となり、科学研究や医療、商業利用を支える体制が強化される。同施設はサイトのクリーンアップ任務の一環として使用済み燃料の処理を継続し、その化学分離能力を活用して再びウランや貴重な同位体の回収を行う。Hキャニオンは、米国で唯一稼働中の生産規模の放射線遮蔽化学分離施設で、1950年代初頭に操業を開始した。同施設は歴史的に、SRSにある原子炉の使用済み燃料からウランとネプツニウムを回収し、核兵器向けの放射性核種を生産してきたが、冷戦終結後は核不拡散と環境浄化を主な任務としている。今回の再開により、先進炉に必要な高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)を生産するほか、供給が限られている貴重な同位体を回収し、燃料サイクル全体を管理する米国の能力を示すものとされる。これは2025年5月の大統領令「原子力産業基盤の再活性化」および「国家安全保障強化のための先進原子炉技術の導入」に即したものである。現在、SRSに保管されている使用済み燃料には、最大で19MT(メートルトン)のHALEUを製造できる量の高濃縮ウランが含まれており、これは複数の小型モジュール炉(SMR)を稼働させるのに十分な量であるとしている。DOEは、最終処分前に使用済み燃料からウランを回収することで、高レベル放射性廃棄物キャニスターを削減し、長期的なリスクとコスト削減も図られ、EMのクリーンアップの前進にも寄与するとしている。
- 20 Feb 2026
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アルメニア 米国と民生用原子力協力協定交渉を完了
アルメニアのN. パシニャン首相は2月9日、首都エレバンで、同国を公式訪問した米国のJ. ヴァンス副大統領と会談し、原子力の平和的利用に関する協力協定(123協定)の交渉完了に関する共同声明に署名した。ヴァンス副大統領は、これまでアルメニアを訪問した米国高官としては最高位となる。交渉の完了は、2025年8月に米ワシントンD.C.で締結された両政府間のエネルギー安全保障パートナーシップ覚書の主要な柱である「民生用原子力パートナーシップの深化」に向けた重要な節目と位置づけられる。今後、協定署名に向けた両国それぞれの国内承認の手続が進められる。パシニャン首相は共同記者会見で、「本協定は両国のエネルギーパートナーシップに新たな章を開くものであり、安全で革新的技術の導入により、アルメニアのエネルギー源の多様化に寄与する」と強調。一方、ヴァンス副大統領は、「協定の締結後、両国の企業が民生用原子力プロジェクトで契約を締結する道が開かれる」と期待を示した。米国側は、特に小型モジュール(SMR)の輸出を想定している。初期輸出額が最大50億ドルとなることに加え、燃料供給および保守契約を含む長期支援は40億ドル規模になるとの見通しも示された。そして、米国内での雇用創出にもつながるとして、両国にとって「Win-Win」の関係になると強調した。ロシアも包括的協力を提案一方、本会談に先立つ2月6日、ロシア国営原子力企業ロスアトムのA. リハチョフ総裁は、ロシアを公式訪問したアルメニア国民議会のA. シモヤン議長と会談。アルメニア西部のメザモールで唯一稼働する、アルメニア原子力発電所2号機(ロシア製PWR=VVER440、44.8万kWe)の運転期間延長に向けた改修作業の進捗状況について説明した。併せて、アルメニアに対し、大型・中型または小型の原子力発電所の建設、および非原子力分野を含む関連プロジェクトの実施を含む、包括的な協力実施を提案している。同2号機は1980年5月に営業運転を開始。1988年のスピタク地震後に一時停止したが、深刻な電力不足を背景に1995年に再稼働した。2021年10月、アルメニア原子力規制機関(ANRA)は同2号機の2026年9月までの運転期間延長を認可しており、現在は2036年9月までのさらなる延長を目指し、ロスアトムの支援の下で2度目の大規模改修が進められている。アルメニアの人口はおよそ300万人。自国資源に乏しく、天然ガスや石油の大半をロシアから輸入している。総発電電力量の約3分の1を原子力が担っており、既存炉の運転期間延長と再生可能エネルギーの拡大がエネルギー政策の柱だ。旧ソ連構成国であるアルメニアは、これまで政治・経済・軍事的にロシアとの関係はこれまで緊密であった。しかし、2020年にナゴルノ・カラバフで発生したアゼルバイジャンとの軍事衝突を機に、ロシア離れを志向。パシニャン政権は親欧米路線をとり、欧米との関係強化が加速している。今回の米国との原子力分野における関係構築もその流れといえる。
- 17 Feb 2026
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ルーマニアのSMRプロジェクト 最終投資決定 南部ドイチェシュティで建設へ
ルーマニア国営原子力発電会社ニュークリアエレクトリカ(SNN)は2月12日、南部ドゥンボビツァ県ドイチェシュティ(Doicesti)で計画されている小型モジュール炉(SMR)建設プロジェクトの最終投資決定(FID)を承認した。これによりプロジェクトは分析段階から実施段階へ移行し、順調に進めば欧州初のSMR導入例となる見通しだ。同プロジェクトは、ドイチェシュティの旧石炭火力発電所跡地に、米ニュースケール・パワー社製SMRである出力7.7万kWeの「ニュースケール・パワー・モジュール(NPM)」を6基備えた「VOYGR-6」(合計出力46.2万kWe)を建設するもの。SNNと民間エネルギー企業のノバ・パワー&ガス社の合弁企業のロパワー・ニュークリア(RoPower Nuclear)社が中心となり、EPC(設計・調達・建設)大手でニュースケール社の大株主でもある米フルアー(Fluor)社、韓サムスンC&T社(サムスン物産)、米サージェント&ランディ(Sargent & Lundy)社などが参画している。プロジェクトは2022年9月に正式に開始され、2023~2024年に基本設計の第1・第2段階(FEED1、FEED2、Front-End Engineering and Design)が完了。IAEAによる独立評価も実施され、サイトの妥当性が確認されている。今後、ロパワー・ニュークリア社は2026年5月までに地質調査、許認可手続き、長納期機器の契約交渉、サプライチェーン整備など、第3段階(Pre-EPC)入りに向けた準備作業を進める。続く約15か月のPre-EPCでは施工体制の確立を図り、並行して投資・資金調達の枠組みを構築、2030年代初頭の運転開始をめざす。ルーマニアのB. イワン・エネルギー大臣は今回のFID について、「欧州の新たな原子力産業の最前線に立つ重要な一歩だ」と強調。開発段階では約4,000人の雇用創出が見込まれ、長期的な国内産業の発展にも寄与するとした。また、ニュークリアエレクトリカのC. ギータCEOは、世界の計画中のSMR設備容量が2021年以降65%増の2,200万kWに達したと指摘し、「SMRはエネルギー安全保障と脱炭素の現実的な解となりつつある」と述べた。同プロジェクトは、ルーマニアのエネルギー安全保障、脱炭素、電力供給の安定化を同時に達成する国家戦略に合致したものであり、建設・製造・運転を通じた、国内産業の拡大や関連投資の誘致も期待されている。なお本プロジェクトは、ルーマニア政府に加え、米国貿易開発庁(USTDA)の技術支援金、米輸出入銀行(US EXIM)および米国際開発金融公社(US DFC)による資金支援など、米国政府からの後押しを受けている。さらに、日本企業ではIHIがサムスンC&T社から原子炉建屋用鋼製モジュールのモックアップ製作を受注するなど、国際的な協力体制の下で進められている。
- 16 Feb 2026
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米ネクストエラがSMR最大600万kW配備を検討 Google向けPPAで既設炉の運転再開へ前進
米大手電力会社でフロリダ州に本拠地のあるネクストエラ・エナジー社は1月27日、2025年第4四半期の決算説明会を開催。AIやクラウドサービスの拡大に伴い急増する電力需要を背景に、同社が所有する複数の既存サイトや新規サイトを開発し、最大600万kWeの小型モジュール炉(SMR)の追加配備を検討していることを明らかにした。ネクストエラ社は現在、フロリダ州以外に所有する既存サイトについて、先進原子力導入に適した状態にあるとし、様々なSMR炉型の詳細評価を実施。2025年10月に発表した米IT大手のGoogle社との25年間の電力購入契約(PPA)により実現した、アイオワ州デュアン・アーノルド原子力発電所(BWR、62.4万kWe)の運転再開に向けた作業も進めている。同PPAにより、Google社が25年間にわたり電力を固定価格で購入するため、ネクストエラ社は運転再開に必要な巨額投資を長期収益で回収できる見通しを得た。今回のGoogle社とのPPAは、政府補助に依存しない事例として注目を集めており、今後同社とは全米で原子力発電の展開についても検討することで合意している。アイオワ州唯一の原子力施設であるデュアン・アーノルド発電所は、1975年に運転開始。45年以上にわたり稼働したのち、経済性の悪化を理由に2020年に閉鎖された。当初は2034年までの運転が認可されていたが、地域電力会社との売電契約期間の短縮と同年の自然災害による設備損傷により、閉鎖が前倒しされた。AIやデータセンター需要の急拡大により電力不足が顕在化し、ネクストエラ社は運転再開の可能性を模索。2025年1月に米原子力規制委員会(NRC)への運転再開を申請しており、2029年第1四半期をメドに送電を開始したい考え。運転再開にあたっては、地元の合意も重要。今年1月初め、発電所が立地するリン郡の監督委員会は、ネクストエラ社とのホストコミュニティ協定の締結を承認した。同協定は、住民と公共の安全を最優先に考え、プロジェクトに関連する財政的影響が納税者ではなく、原子力プロジェクト会社への帰属を確認するもの。また同委員会は、ネクストエラ社によるサイトの再区画設定の申請を承認し、農地用途から原子力発電施設と廃棄物貯蔵専用として認定するなど、運転再開に向けた動きが着実に進められている。ネクストエラ・エナジー社は、傘下にフロリダ・パワー・アンド・ライト社ならびにネクストエラ・エナジー・リソーシズ社を所有。これら傘下企業を通じ、フロリダ州でターキーポイント3、4号機(PWR、各82.9万kWe)とセントルーシー1、2号機(PWR、各105万kWe級)、ニューハンプシャー州でポイントビーチ1、2号機(PWR、各64万kWe)、ウィスコンシン州でシーブルック発電所(PWR、129.6万kWe)を運転している。
- 12 Feb 2026
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ロシアとウズベキスタン 原子力協力に進展
ロシア国営原子力企業ロスアトムのA. リハチョフ総裁は1月27日、ウズベキスタンの首都タシケントを公式訪問し、同国のS. ミルジヨーエフ大統領と会談した。会談では、ウズベキスタン東部のジザク州で進められている同国初の原子力発電所建設プロジェクトの状況について報告が行われた。ロスアトムが建設に協力する同プロジェクトでは、当初予定よりも前倒しで、今年3月にSMR初号機の原子炉建屋基礎部分への初コンクリート打設を実施する予定である。同プロジェクトは、低出力の先進炉と実績のある大型原子炉を同一サイトで導入する計画で、ロシア製SMR「RITM-200N」の2基に加え、大型炉VVER-1000を2基建設する。RITM-200Nは、舶用炉を陸上用に改良したPWRで、熱出力19万kW、電気出力5.5万kW。設計運転年数は60年。ロシア製SMRの初となる海外輸出プロジェクトで、2025年10月に、SMR初号機の原子炉建屋の基礎掘削工事が開始されている。ロシア国内では、サハ共和国北部のウスチ・クイガ村で同炉型の建設プロジェクトが進められている。会談では、2030年までにクリーンエネルギーの割合を52%に引き上げるというウズベキスタンの目標達成において、原子力発電が重要な要素であることが確認された。本プロジェクトは、2035年までに1.7倍に増加すると予想されるウズベキスタンの電力需要の増大に対応するもので、同発電所の稼働により、国内電力需要の最大14%を賄う見込み。建設ピーク時に約13,000人の雇用創出が期待され、社会経済的にも重要視されている。会談に併せ、ウズベキスタン原子力庁(ウザトム=Uzatom)のA. アフメドハジャエフ長官との実務会議も開催され、具体的なタスクや管理ポイント、期限を決定。IAEAの要件を含む国際的な原子力安全基準を完全に遵守し、スケジュール通りに事業を厳密に実施していく方針が示された。会議では、医療(診断と治療)、農業(種子と農産物の処理加工)、産業、科学など、電力以外での原子力の平和利用についても討議。リハチョフ総裁は、原子力発電所を拠点とし、エネルギー、科学、ハイテク生産、地域創成の社会プロジェクトを組合わせた原子力クラスターを構築する考えを示した。なお、両者は人材育成における協力を特に重視。ロシアの国立原子力大学/モスクワ工科物理大学(MEPhI)やロスアトムが拠点とする大学でのウズベキスタンの若手専門家向け訓練の継続・拡大に加え、タシケントにあるMEPhI支部の発展を支援することで合意した。現在、ロシアの大学やタシケントのMEPhI支部で数百人のウズベキスタンの学生の研修が行われているという。また、ロスアトムの燃料部門TVEL社はウザトムと、放射性廃棄物管理および原子力施設の廃止措置の協力に関する覚書を締結した。TVEL社は、情報交換のほか、ウズベキスタンにおける放射性廃棄物管理システムの開発や専門家育成を支援する。TVEL社とウズベキスタン科学アカデミー核物理研究所は、研究炉向けの燃料供給分野で既に協力の実績を有する。TVEL社は、独立国家共同体(CIS)加盟国との活動の枠組みの中で、合同セミナーや研修、技術視察の定期的な開催を通じ、放射性廃棄物管理問題に関する加盟国間の連携構築に取組んでいる。ベラルーシでは、ロシアの放射性廃棄物管理(最終処分)に関する国家オペレーター(NO RWM)に倣い、BelRAOが設立された。ベラルーシでは、放射性廃棄物の最終処分地を整備し、将来の施設操業に必要な人員の専門的な訓練を行うため、ロシアとの共同作業が進行中である。2025年11月、TVEL社はカザフスタンの国立原子力センターと、バックエンド分野における協力およびカザフスタンにおける放射性廃棄物処理のための国家システムの構築を目的とした覚書を締結している。
- 10 Feb 2026
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オランダ 新設計画にコンソーシアムが参画
米エンジニアリング企業のアメンタム(Amentum)社が率いるコンソーシアムは1月22日、オランダ政府と同国における新規原子力発電所の計画・開発に向けたプログラム管理および技術ソリューション提供に関する契約を締結したことを明らかにした。コンソーシアム(NEXUS-NL)には、アメンタム社のほか、オランダの設計・エンジニアリング企業であるアルカディス(Arcadis)社、ベルギー大手エンジニアリング企業のトラクテベル(Tractebel)社、オランダの原子力研究機関NRGパラス(NRG PALLAS)が参加。オランダの脱炭素化とエネルギー安全保障戦略を支援するため、100万kWe級×最大2基の新規原子力発電所の開発に取り組むとともに、気候・グリーン成長省(KGG)傘下に新設される、原子力発電所の準備、建設、運営を所管する国営企業のオランダ原子力機構(NEO NL)を支援する。同コンソーシアムがKGGと締結した枠組み契約の期間は2年で、契約額は最大2.07億ドル(さらに1年ごとの延長を最大3回行う選択肢あり)。同契約下で、サイト特性調査、炉型選定、サイト整備、インフラ(電力・水など)の接続、輸送ルートに関する計画内容と作業範囲を策定する。アメンタム社は、炉型選定、設計・エンジニアリング、商業・調達戦略を含む新規建設プログラム管理を担当。アルカディス社はサイト調査、許認可関係(非原子力)を担当。トラクテベル社は炉型選定のための技術要件定義にオーナーズ・エンジニアの経験を活かし、基本設計(FEED)調査を主導し、NRGパラスは、パラス研究炉建設プロジェクトで培われたオランダ独自の原子力分野の専門知識、特に、原子力設備と非原子力設備の許認可が交わるグレーかつ重要な境界部分に関する知見を提供する。アメンタム社のM. ホイットニー・エネルギー・環境事業部門長は、「当社のグローバルなプロジェクト遂行ノウハウを提供し、米国・欧州・中東における複雑な原子力インフラ及び新規建設プログラムの経験を活かし、オランダの原子力発電拡大計画を支援していく」と語った。オランダ政府は、原子力を2040年までに炭素排出ネットゼロを達成するための主要なエネルギー源に位置づけており、2021年12月に発足した連立政権が連立合意文書に原子力発電所の新設を明記するなど、原子力を段階的に縮小する従来の方針を転換し、新規大型炉の建設をめぐる議論を進めている。2022年12月には、新設サイトとして同国ゼーラント州で唯一運転中のボルセラ原子力発電所(PWR、51.2万kWe)サイトが最適との見解を示していた。現在、ボルセラ・サイトを含むスロー地域に加え、フローニンゲン州のエームスハヴェン、ロッテルダム港のマースフラクテII、ゼーラント州のテルネーゼンの4地域の7か所がサイト候補に挙がっており、今後、安全・環境面を含めた総合評価を実施するとしている。政府は、2030年代末までに出力100万~165万kWe級×2基を新設する計画で、最終的には最大4基の新設も検討している。現在同国の原子力シェアは、約3%を占め、ボルセラ発電所は運転開始後40年目の2013年に運転期間が20年延長され、現在の運転認可は2033年まで有効。2025年10月、政府はボルセラ発電所の2033年以降の運転継続をめざし、原子力法改正案を議会に提出した。また、2基の大型炉建設に加え、政府は小型モジュール炉(SMR)導入も準備しており。オランダでの開発を促進するために2,000万ユーロを割り当てている。SMR導入をめぐる具体的な動きとしては、同国のSMR導入に特化した原子力開発会社であるULCエナジー(ULC-Energy)社が1月22日、第三者試験・検査・認証(TIC)機関の仏ビューローベリタス(Bureau Veritas)社との協力契約に署名したと発表。ULCエナジー社は、英ロールス・ロイス社製SMRのオランダにおける唯一の開発パートナーであり、同SMRのオランダへの導入を目指している。ビューローベリタス社は、30年以上にわたる世界中の原子力分野の原子力安全当局、ライセンシー、設計・調達・建設(EPC)、技術提供者、サプライチェーンへの支援実績の中で培われた原子力安全と品質管理の高度な知見を活用し、SMRプロジェクトのすべての設計および調達の段階でULCエナジー社を支援する考え。
- 06 Feb 2026
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横河電機 ロールス・ロイスSMRと協業へ
横河電機は2月2日、英ロールス・ロイスSMR社と、小型モジュール炉(SMR)向けにデータ処理・制御システム(DPCS)を供給する戦略的協業契約を締結したと発表した。ロールス・ロイスSMR社がグローバル展開を計画する、SMRの初期複数ユニットが対象となる。本協業による具体的な参画範囲は、SMR向け基幹制御システムの設計、エンジニアリング、検証および認証、ハードウェア供給、システム構築・試験、設置および試運転に至るまで、幅広い工程に及ぶ。英国チェシャー州ランコーンにある販売・エンジニアリング拠点を中核に、チェコやオランダの拠点とも連携して本プロジェクトを推進するという。同社は本協業に伴い、英国で相当規模の投資を行う方針を示しており、現地雇用の創出や原子力サプライチェーン強化への貢献を見込んでいる。横河電機の中岡興志執行役専務は、「次世代原子力に向けた技術・ソリューション創出に、ロールス・ロイスSMRとともに取り組めることを光栄に思う」とコメント。産業オートメーション分野で培った技術を活かし、安全性と信頼性に優れた制御システムの提供を通じて、持続可能な原子力利用に貢献していく考えを示した。一方、ロールス・ロイスSMR社のオペレーションおよびサプライチェーンディレクターのルース・トッド(Ruth Todd)氏は、「今回の契約は、世界展開に向けた初号機実現を加速させる重要な節目」と述べ、英国内での雇用創出や人材育成、立地地域の経済発展に期待を示した。英国では昨年11月、Great British Energy ‒ Nuclear(GBE-N)が北ウェールズのウィルヴァ・サイトを「英国初のSMR建設地」として正式選定。ロールス・ロイスSMR社製SMR(47万kWe)×3基を建設する計画が公表されている。そのほか同社は、チェコではチェコ電力(ČEZ)から最大3GW規模の新規原子力発電所の建設パートナーに選ばれている。さらに、スウェーデンでは、同国の国営電力会社バッテンフォール(Vattenfall)社による原子力技術パートナー選定において、最終候補に残るなど、欧州各国で事業展開を進めている。
- 05 Feb 2026
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