
原子力発電環境整備機構(NUMO)は、マイナビニュースのX(旧Twitter)が放送する家族会議型バラエティー『竹山家のお茶の間で団らん』にて、第7弾となるタイアップ企画動画を、1月30日までに公開した。2022年度からシリーズで配信している同番組の21回目の放送となった今回は、フィンランドが舞台だ。「竹山家inフィンランド 世界一幸せな国を巡る」と題し、同番組MCのカンニング竹山氏が、街を走るトラムやサウナ、地元のレストランを訪ねるなど観光の要素を交えながら、同国が抱えるエネルギー問題に触れ、環境について考える構成となっている。また、クイズ形式の企画も盛り込み、楽しみながら視聴できる内容に仕上がっている。スタジオでは、「竹山家」メンバーの篠田麻里子さん、越智ゆらのさんの他に、新沼凛空さん、栗栖あに華さん、宝持沙那さん、松田実桜さんがゲスト出演している。高レベル放射性廃棄物の世界初の地層処分場「オンカロ」が試験操業中の同国では、現在、本格操業に向けて最終局面を迎えている。番組では、カンニング竹山氏がオンカロの立地するユーラヨキを訪問。町長へのインタビューを通じて、原子力関連施設の立地を契機に同町で産業集積が進んでいる現状などを紹介した。さらに、事業主体であるポシバ(Posiva)社やオンカロを取材し、処分地決定に至るまでのプロセスや課題、将来の地域ビジョンについて、竹山氏ならではの分かりやすい語り口で伝えている。
30 Jan 2026
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東京電力は1月26日、原子力損害賠償・廃炉等支援機構と共同で策定した第5次総合特別事業計画(第5次総特)が国から認定されたことを公表した。同社は同計画において、コスト削減の具体額や実施手法に加え、脱炭素電源による供給比率の目標、さらには他社とのアライアンスに関する方針・目標を明確に打ち出した。記者会見には、小早川智明代表取締役社長、山口裕之代表執行役副社長、酒井大輔代表執行役副社長が出席。会見の冒頭、小早川社長は「廃炉作業が前人未踏の領域へ移行しつつあることに加え、GX・DXの進展に伴う電力需要の変化、物価高などによる投資や費用の増加により、当社を取り巻く事業環境は大きく変化している」と説明した。また小早川社長は、経営の原点を福島第一原子力発電所の事故に伴う「福島への責任の完遂」と「安定供給責任の全う」に置き、これら2点が企業の存立基盤に直結するとの認識を改めて示した。その上で、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(ABWR、135.6万kWe×2基)が再稼働した場合でも、廃炉事業と経済事業の双方において抜本的な改革がなければ、両責任の両立は極めて難しいと述べ、同社が岐路に立っているとの危機感を示した。続いて、酒井副社長が第5次総特の基本方針について説明した。計画策定の背景として、①福島第一原子力発電所の廃炉工程の進展と燃料デブリの取り出しという最難関の段階に入っていること、②GX・DXの進展やエネルギー安全保障への要請の高まりを受け、電力需要が拡大していること、③物価高の影響でキャッシュフローが悪化し、成長投資が制約されていること、の3点を挙げた。まず、①の廃炉事業の完遂に向けて最大の難所となる燃料デブリの取り出しに備え、現場主義を重視しながら、経営判断、事業遂行能力、組織体制の3本柱で廃炉事業の抜本改革(遂行能力の向上)を進める考えを明らかにした。そして、②の対応として、データセンター需要をはじめとするデジタル需要を国内に取り込むため、系統接続の早期化や他社との連携を進め、2040年度までに首都圏のデータセンター需要の伸び率で世界トップクラスを目指すとした。そして、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を着実に進めるとともに、2040年度までに供給する電力のうち6割以上を脱炭素電源で賄うことを目標に掲げた。③の財務面については、悪化するキャッシュフローと厳しい資金状況からの脱却を喫緊の課題に位置付け、短中期的には、第三者資金の活用を含む経営の合理化や投資抑制、資産売却を進め、2025年度から2034年度までに累計約3.1兆円のコスト削減を見込む。また、不動産などの資産売却を通じて原則3年以内に約2,000億円規模の資金捻出を目標とした。さらに中長期的には、第三者とのアライアンスを通じて成長投資の原資を確保し、自立的な資金調達力の回復を目指す方針を示した。同社は、経済事業の収益基盤拡大に向け、自社が保有していない技術やノウハウの獲得が必要との認識を示し、アライアンスの重要性を改めて強調。期限を区切ってパートナー候補から広く提案を募集し、具体的な連携の枠組みについて協議・交渉を進める方針を明らかにした。
28 Jan 2026
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日本原子力産業協会の増井秀企理事長は1月23日、定例記者会見を行った。今年4月に開催予定の第59回原産年次大会の詳細を公表したほか、昨年12月に自身が参加した原子力小委員会での発言内容についても報告。会見後半では柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135.6万kWe)の再稼働や、中部電力における基準地震動策定データの不適切な取扱事案などに関する質問にも応じた。まず増井理事長は、第59回原産年次大会のテーマを「原子力の最大限活用を支える人材戦略」とし、4月14日、15日の2日間にわたって開催する旨を紹介した。今回の大会は3つの柱を軸に構成され、海外からゲストを招いて国際的な視点から原子力分野の人材課題を議論するとともに、最新技術を活用した省人化や業務効率化に関する国内外の事例紹介、さらに多くの学生の参加を促し、原子力業界に対する率直な受け止めや意見を直接聞く場とする方針を示した。次に増井理事長は、昨年12月の原子力小委員会で議論されたGX行動指針の改訂をめぐり、原子力分野に関する3つの意見を表明したと説明した。1点目に、原子力発電の将来像について、中期と長期の二段階で明確に位置付ける必要性を指摘し、産業界が長期的な展望を持てるような目標設定を求めた。2点目に、次世代革新炉の開発・建設に関し、投資回収を可能とする制度設計や政府の信用力を活用した融資など、実効性ある制度構築の必要性を訴えた。3点目に、人材確保や育成について、GX行動指針の共通重要課題に位置付け、すでに設定された6つの重要項目に追加する形で「第7の柱」として整理することを提案したという。会見の後半、記者との質疑応答・意見交換では、柏崎刈羽6号機の再稼働に関する質問が寄せられた。同6号機の再稼働に伴う警報のトラブルについて増井理事長は、警報の事象は2つあるとし、「1つ目は起動前の制御棒引抜試験にて、2つ目は原子炉起動後の制御棒を操作する過程で起きた」と整理した上で、「前者は運転開始時の設定エラー、後者は部品の故障に近いものと推定している」とコメント。その上で、「警報が出たこと自体が直接安全性に影響を及ぼすものではないが、通常とは異なる状態である」と説明し、東京電力に対しては、今後も慎重な姿勢で作業を進めること、少しでもリスクがある事態に直面した場合には、安全最優先で停止する対応が適切だとの考えを示した。また、中部電力のデータ不正事案について増井理事長は、原因は調査中であるとし断定的な評価は避けるとした上で、調査の焦点として、①不適切なデータ操作に至った「動機」、②データを扱っていた担当者の範囲や、国の審査会合に提出する過程で、どの程度の関係者が関与し、どのような形で意思決定が行われたのかという「構造上の問題」、③こうした事案を招いた背景としての「職場の環境」の3点を挙げた。そのうえで、増井理事長は「中部電力には、しっかりと調査を進めてほしい」と述べ、徹底した原因究明を求めた。
27 Jan 2026
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千葉大学教育学部で開講されている「ディベート教育論」の講義が1月15日、マスメディア向けに公開された。同講義では、高レベル放射性廃棄物の処分という社会的に難度の高いテーマを題材に、学生による本格的なディベートが行われた。同講義を担当するのは、教育学部長の藤川大祐教授。ディベート教育論は、現代的な課題を扱ったディベート実践の経験を通じて、生徒らの論理的思考力等の育成を図ることを目的とし、2012年度から継続して実施されている。今回は「日本は高レベル放射性廃棄物の地層処分計画を撤廃し、地上で管理を義務づけるべきである。是か非か。」を論題に、学生約50人を、1チーム4〜5人の12チームに分け、計6試合(ディベート)を実施。当日はその5試合目が公開された。公平性確保のため、試合順や賛否の立場はくじ引きなどで決定。学生らは事前に、原子力発電環境整備機構(NUMO)や日本原子力産業協会(JAIF)、日本原子力研究開発機構(JAEA)らによる講義を受け、バックエンド事業や高レベル放射性廃棄物に関する基礎知識を習得した上で議論に臨んだ。当日のディベートは、「HLWの地上管理」を主張する肯定側の立論からスタート。その後、否定側の質疑、立論、それに対する肯定側の質疑を経て、それぞれ否定側と肯定側が2回ずつ反駁の機会が設けられた。肯定側からは、地上管理方法の技術改善が進むことで、将来世代が廃棄物の管理・処分方法を選択できる可能性に言及。また、地上管理施設の保守作業等を通じ、地域雇用の創出や産業形成、関連企業の集積につながり、地方創生にも寄与するのではないかと訴えた。それに対し否定側は、地上管理における安全性への懸念や、有事の際の責任の所在について言及。地層処分による管理面や費用面での優位性を主張した。ディベート終了後、聴講していた学生らによる投票が行われ、議論がより優れていたサイドが選定された。同日は肯定・否定側それぞれ18対18の同数となり、藤川教授は「均衡した結果となり、非常に優れた議論であったことの証左となった」とコメントした。また、全体講評として「チームとして十分な準備を感じられ、初めて本格的にディベートに取り組む参加者が多い中でも、難しいテーマに真剣に向き合った点は評価できる」と述べ、両チームの健闘をねぎらった。藤川教授はディベートを振り返り、「肯定側の、将来世代の選択肢の増加や地域の発展の可能性という立案自体は悪くなかったが、最終的に問題になると予想される安全性を上回るほどのメリットを主張できていなかったと感じた。ここが勝敗を分けた要因になった」と総括し、総合的には否定側が優勢だったとの見解を示した。一方で否定側の課題として、将来世代の負担に関するコスト比較については、十分な数値が示されなかった点を挙げた。その上で立論について、「見出しが長く、何の話をしているのか分かりづらい場面があった」と指摘。後の反駁や引用を見据え論点を明確に示すためにも、見出しは簡潔に整理すべきだと強調。特に肯定側のメリットとして掲げていた「地域の発展」という論点が途中で曖昧になった点を課題として挙げ、「相手の議論がずれた場合でも、自ら軌道修正し、一貫した主張を続けることが重要だ」と述べ、論点整理と一貫性の重要性を強調した。藤川教授によると、近年、同授業において生成AIを活用するようになったことで、大きな変化がもたらされたという。以前は準備が不十分なグループも見られたが、現在はAIを活用することで、調査やディベートの構成まで、初期段階から完成度の高い原稿を準備するチームが増えたと指摘し、授業全体の底上げが進んでいると語った。
26 Jan 2026
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経済産業省の赤澤亮正大臣は1月16日、全国の都道府県知事に対し、原子力利用に伴う課題解決に向けた協力を求めるレターを発出した。レターでは、昨年末に東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(ABWR、135.6万kWe×2基)および北海道電力泊3号機(PWR、91.2万kWe)の再稼働について、それぞれ新潟県の花角英世知事、北海道の鈴木直道知事らが理解を示したことに触れ、これまでのプロセスに関わった全ての関係者に対し、謝意を表明した。今回のレター発出の背景には、再稼働の意義やバックエンド対策の重要性について、電力消費地の住民理解を求めるべきとの声が寄せられたことがある。これを受け、政府として原子力利用に伴う課題解決への協力を全国の自治体に呼び掛けた。レターでは、住民理解の促進や立地地域とのさらなる連携を要請するとともに、高レベル放射性廃棄物の最終処分について、電力消費地を含めた調査地域の拡大に向けた国の取り組みへの理解を求めている。赤澤大臣はバックエンド対策について、「国として責任を逃れることのできない大変重要な課題」と述べ、これまで以上に積極的に取り組む姿勢を示した。また、理解醸成に向けて、国が前面に立って取り組む姿勢を強調したほか、高レベル放射性廃棄物の処分地選定については、各地域の判断だけに頼るのではなく、国が責任を持って協力を求めていく考えを示している。また同日、赤澤大臣は中部電力浜岡原子力発電所における不正事案にも言及し、国民や立地地域に不安と懸念を与えていることを深刻に受け止めているとコメント。経済産業省として中部電力に厳正に対応するとともに、他の電力事業者に対しても安全最優先の徹底を要請したことを明らかにした。さらに赤澤大臣は1月23日の記者会見で、柏崎刈羽6号機の再稼働について、「東日本における電力供給の脆弱性の解消、電気料金の抑制、脱炭素電源の確保の観点から、国のエネルギー政策上極めて重要である」と述べた。21日の同6号機の原子炉起動についても、「極めて重要な一歩だ」と評価した。一方で記者からは、同6号機の制御棒の引き抜き作業中に不具合が発生し、原子炉を停止したことについて問われた赤澤大臣は、「制御棒1本の操作について不具合を示す警報が発生し、原因調査に時間を要する見込みであることから、東京電力が計画的に原子炉を停止したものと承知している」と説明。その上で、「工程ありきではなく、各作業を丁寧に確認しながら慎重に対応することが重要だ」と述べ、着実な対応を求めた。
23 Jan 2026
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東京電力は1月21日、柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135.6万kWe)について、原子力規制委員会から原子炉起動後に実施する設備健全性確認(使用前事業者検査を含む)に向けた原子炉の試験使用承認を受けたと発表。これを受けて同社は、同日午後7時ごろ制御棒の引き抜き操作を開始し原子炉を起動した。福島第一原子力発電所の事故以来、東京電力の原子力発電所が稼働するのは初。原子炉起動後、制御棒を順に引き抜き、同日午後8時半ごろに臨界を達成した。同社は、同6号機の再稼働を当初1月20日に予定していたが、1月17日の制御棒の引き抜き試験の際、警報が発報されない不具合が確認され、起動作業を一時延期していた。同社によると、本来、制御棒を1本引き抜いた状態で別の制御棒を選択すると、誤操作防止のための引き抜き防止機能が作動し警報が発報する仕組みとなっているが、17日の試験時には警報が発報しなかったため、試験を中断し、引き抜いていた制御棒を全て元の位置に戻したほか、制御棒の操作ができないよう電源を遮断していた。そして翌18日、全ての制御棒に対し同様な不具合がないか、警報の確認試験を実施。当該制御棒に設定されていたペアロッド設定に誤りがあることが判明したため、その後設定を正しく修正した上で、引き抜き防止機能が正常に作動し警報が発報することを確認し、運転上の制限から復帰していた。そして1月21日、全ての制御棒で警報が正常に作動することを確認したため、同件を同日午後、原子力規制庁に説明。原子力規制委員会から6号機の原子炉を起動することを認める「試験使用承認書」を受け取っている。同社は、約14年振りの運転となる同機の運転に際し、設備の健全性確認を慎重に進めている。1月22日には、再び制御棒を引き抜く作業を一時中断。制御棒の引抜操作時に、1本の制御棒の操作監視系の警報が発生したことが理由だと公表している。なお、プラント状態は安定しており、外部影響はない。
22 Jan 2026
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日本原子力学会は1月9日、報道関係者を対象とした交流会を開催した。交流会は、同学会の社会・環境部会が毎年実施しているもので、今年は、近年注目が高まる小型モジュール炉(SMR)をテーマに設定。エネルギー総合工学研究所・原子力技術センター原子力チームの都筑和泰氏を講師に招き、世界のSMRの開発動向や技術的特徴、導入を巡る課題に関する解説が行われた。SMRについて都築氏はまず、現地で一から組み立てるのではなく、工場で製造し、現地で据え付ける方式を採ることで、建設コストの低減や工期短縮が期待できる点を強調した。モジュール化の程度は設計によって異なるものの、近年では原子炉本体も工場で製造する設計が登場していることや、ロシアの浮体式原子炉のように、船舶に搭載して運用する方式などが紹介された。また、軽水炉の小型化自体に特段の技術的な革新性はないとしつつも、安全性と経済性を両立させる工夫がSMR普及の鍵になると指摘。「既存技術の活用や設計改善、量産効果などを通じたコスト低減が重要になる」とコメントした。さらに、開発の方向性については、「安全性を前面に打ち出す設計」と「構造を簡素化してコスト低減を狙う設計」という2つの流れがあると説明した。SMRの開発計画は2025年時点で100件超に増加しているものの、現在、多くは初期検討段階にとどまっていることを踏まえ、新たな産業としてはまだ立ち上がり段階にあるとも指摘する一方、中国やロシアでは実証段階に近い案件が多く、米国では設計の検討が活発化しているなど、各国の開発状況に違いがある現状を説明した。将来展望については、日本のように既に送電網が整備された国の大型原子力サイトにおいては、SMRの優位性が限定的になる可能性があるとも指摘した。その一方で、大型炉では電力供給が過剰となる地域や途上国、工場における熱・電力・水素の複合利用、データセンター用途などではSMRの適性が高いと述べた。特にAI向けデータセンターについては、都市近郊に立地する必要がなく、送電制約も踏まえれば、SMRを設置して直接電力を供給する形は合理的だとの見方を示した。その一方で、原子力安全に対する社会的な懸念や核セキュリティ対策が大きな課題であるとも指摘。そのうえで、成功事例が生まれれば、そこから普及が広がる可能性は十分にあるとの見通しを示した。さらに、SMRや原子力への社会的理解を広げるためには、「安全性の強調だけでは不十分だ」と述べ、エネルギー安全保障や脱炭素、コストといった観点を総合的に示し、日本にとって原子力が果たす役割を丁寧に説明する必要があるとした。原子力によって一定の電力供給を確保できれば、エネルギー自給率の低さに起因する非常時においても、医療や決済インフラなど社会の基盤機能を維持できる可能性があるとして、こうした現実的な視点に基づく議論の重要性を強調した。
20 Jan 2026
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中国電力は1月15日、「第40回自治体説明会」を開催し、島根原子力発電所2号機(BWR、82.0万kWe)でのMOX利用計画について、島根県や松江市、出雲市、安来市、雲南市、鳥取県、米子市、境港市など関係自治体の執行部に対し、計画内容を説明した。MOX燃料の利用は、限られた資源を有効活用する手段の一つであるだけでなく、「使用目的のない余剰プルトニウムを保有しない」とする国際公約を履行する上でも重要である。これまでに国内外でのべ7,000体以上での使用実績があり、運用経験が蓄積されている点も導入を後押しする要因となっている。中国電力は島根2号機において、定期的な燃料交換時に使用済みとなったウラン燃料の一部をMOX燃料に置き換え、ウラン燃料と併用して運転する計画を進めている。装荷するMOX燃料は、同号機の全燃料560体のうち最大228体以下とする。MOX燃料は、日本国内向けに製造・管理されていたものを調達する方針で、新規製造に比べ早期の確保が可能となるほか、国内に保有するプルトニウムの有効利用にもつながるとしている。対象燃料はフランスのオラノ社で製造され、当初は中部電力浜岡原子力発電所向けに準備されていたものを転用するという。同社はすでに2008年に原子炉設置変更許可を取得しており、今後は設計・工事計画認可や保安規定変更認可の申請を行い、国の審査を受ける予定だ。なお同日の説明会では、稼働を目指す島根原子力発電所3号機(ABWR、137.3万kWe)の新規制基準適合性(設置変更許可申請)に係る審査状況についても、併せて説明が行われた。
16 Jan 2026
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関西電力は1月9日、大飯発電所3、4号機(PWR、118万kWe×2基)における樹脂処理設備の設置と、高浜発電所3、4号機(PWR、87万kWe×2基)での高燃焼度燃料の使用計画について、原子力規制委員会に原子炉設置変更の許可申請を行ったと発表した。本計画をめぐり同社は2025年11月18日、福井県、おおい町および高浜町に対し、「原子力発電所周辺環境の安全確保等に関する協定書」に基づく事前了解願いを提出。その後、原子炉設置変更許可申請の手続きについて、関係自治体から了承を得ていた。樹脂処理設備は、一次冷却材などの浄化に使用されたイオン交換樹脂を処理する装置で、樹脂に吸着した放射性物質を適切に処理・管理することを目的としている。一次冷却材系統などの脱塩塔で使用されるイオン交換樹脂は、使用に伴い性能が低下するため定期的に取り替えられ、取り替え後は使用済み樹脂貯蔵タンクで保管されている。今回の計画では、タンク内に保管されている使用済み樹脂を計画的に処理することで、発電所構内に保管する放射性廃棄物の量を低減し、管理の安定化を図る。設備は3、4号機共用とし、放水口付近に樹脂処理建屋を新設し、その内部に処理設備を設置する。建屋は鉄筋コンクリート造で、主要寸法は縦約33メートル、横約34メートル、高さ約19メートル。設置工事は2027年度から2035年度にかけて実施し、2036年度の運用開始を予定している。設備構成は、美浜発電所や高浜発電所、大飯1、2号機に設置済みの廃樹脂処理設備と同様の方式とする。一方、同社は高浜発電所3、4号機において、燃料利用の高度化を目的に高燃焼度燃料の使用を計画している。高燃焼度燃料は、核分裂を起こしやすいウランの割合を高めることで、燃料をより長期間使用できるようにした燃料で、燃料の使用期間が延びることで燃料交換頻度が低下し、使用済み燃料の発生量抑制が期待される(事業者および申請書上の表記は「使用済燃料」)。具体的には、これまで使用してきた最高燃焼度4万8,000MWd/tの燃料(高燃焼度化ステップ1)から、最高燃焼度5万5,000MWd/tまで使用可能な高燃焼度燃料(高燃焼度化ステップ2)へと切り替える。高浜発電所では、現行燃料を1990年から使用してきた。同社によると、高燃焼度燃料の装荷時期は、3号機が2030年度ごろの定期検査以降、4号機が2031年度ごろの定期検査以降を予定しており、取替燃料として順次使用を開始する。
15 Jan 2026
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柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(ABWR、135.6万kWe×2基)の再稼働に向けた議論が進む中、新潟県は12月24日、原子力災害時の避難路整備の進捗状況を紹介する専用ページを新たに開設した。この避難路は、原子力災害時の住民避難の実効性を高めるため、原子力発電所の周辺からUPZ(緊急防護措置準備区域)圏外へ円滑に避難することを目的としている。原子力発電所を中心として6方向へ放射状に延びる経路の整備を進める予定だ。県が主導して行う整備は、地震や豪雨、豪雪などが同時に起こる複合災害を想定し、未改良区間の道路改良や橋梁の耐震補強、土砂災害警戒区域における法面対策などを進め、自然災害時でも通行可能な状態を維持する。加えて、冬期の避難を想定し、拡幅用除雪車両の増強や消融雪施設、監視カメラの設置などを通じて除雪体制を強化する。未改良区間の道路改良について県は、平常時の交通に大きな支障はないものの、6方向へ放射状に延びる幹線道路には、路肩の狭さや線形不良、山間部を中心とした2車線未確保区間など、避難時の大量通行を想定した場合に課題となる区間が存在するため、道路改良を進めるという。また、橋梁の耐震基準についても基本的な対策は完了しているが、さらなる大規模地震に備えた高度な耐震補強を行う予定だ。そして、豪雪時のスタック(自動車のタイヤが雪道にはまり動けなくなる状況)発生による渋滞を防ぐため、発生リスクの高い区間に消融雪施設を設置し、路面や通行状況を把握する監視カメラを導入する。また、国道252号、291号、352号、353号では、拡幅区間に対応した除雪車両の増強など除雪体制を強化し、冬期の安定した道路交通の確保を進める。あわせて、避難時間の短縮と円滑な移動を図るため、高速道路の活用も重視し、新たにインターチェンジや緊急進入路の整備を検討し、広域避難に対応できる交通ネットワークの構築を目指す。これらは柏崎市が実施する。さらに、柏崎市街地における避難時の交通集中を緩和する観点から、国が主導し国道8号バイパスの整備を進め、市街地を通過せずに避難できるルートの確保を図るという。新潟県では、こうした整備を着実に進めるため2025年12月24日現在、内閣府の「原子力発電施設等緊急時安全対策交付金」を活用し、現地踏査や各種調査を通じて対策内容を検討する業務を、県内69か所で実施している。
14 Jan 2026
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岩手県一関市は1月8日、福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の影響を低減するための除染作業で発生した、除去土壌(以下:除染土)の埋め立て処分工事を開始した。除染土の埋め立ては、岩手県内で初の事例となる。一関市ではこれまで、公園、スポーツ施設、教育施設など公共施設366か所の敷地内に除染土を埋設保管してきた。しかし2025年3月、国が「福島県外における除去土壌の埋立処分に係るガイドライン」を策定したことを受け、同市は同ガイドラインに基づき、除染土を恒久的に埋め立て処分する方針を決定。昨年12月には、市のウェブサイトで工事の実施概要を公表していた。今回の埋め立て処分では、市内の花泉運動公園多目的競技場と室根支所資材置場の2か所を処分場所に指定。工期は2026年3月まで、事業費は544万円(2025年度)とされている。来年度以降は、教育施設など子どもが日常的に利用する施設から優先的に、除染土の移動と処分を進める方針だ。除染土をめぐっては、2025年7月、福島県の大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設で保管されていた除染土が、首相官邸の前庭や霞が関の省庁敷地内の花壇などで再利用され、社会的な関心を集めた経緯がある。国が定めた同ガイドラインでは、福島県外で発生した放射性セシウム濃度が比較的低い除染土については、地下水汚染防止の観点から、容器への封入や遮水工といった特別な対策は原則不要とされている。一方で、埋め立て作業中の粉塵の飛散や流出を防ぐため、散水やシート養生などの抑制措置を講じることが求められるほか、悪臭、騒音、振動によって周辺の生活環境に影響が生じないよう配慮することも規定されている。また、埋め立て場所には囲いを設け、除染土の埋め立て場所であることを明示する表示を行う必要がある。作業終了後は、開口部をおおむね30センチ以上の土壌などで覆って閉鎖するとともに、敷地境界で空間線量率を定期的に測定し、除染土の量や放射能濃度などの記録を作成・保存することが義務付けられている。
13 Jan 2026
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三菱総合研究所は12月8日、「原子力立地地域へのデータセンター誘致で新たな地方創生を ワット・ビット連携が切り拓く原子力と地域の未来」と題したコラムを公表した。執筆者は同研究所政策・経済センターの吉永 恭平氏と、防災・レジリエンス政策本部の角田浩太氏。これまで三菱総合研究所では、4回にわたる連載でワット・ビット連携の可能性を論じ、前回は、原子力事業者とデータセンター(DC)事業者の協業による両者への効果と、社会的な価値について言及した。<過去記事はこちら>第5回となる本稿では、地方創生の観点から原子力立地地域でのワット・ビット連携の可能性に焦点を当てている。同コラムは冒頭、原子力事業者とその立地地域がそれぞれ異なる課題を抱えていることについて言及し、これまで原子力事業者と立地地域の関係は、国のエネルギー政策や社会経済情勢の変化を背景に、時代とともに変化してきたことに触れた。具体的には、国や事業者は地域住民に原子力への理解を求める一方、地域経済の発展に協力し、事業者と地域が共存する「地域共生」の考え方を打ち出してきたという点だ。原子力が有する技術や人材といった資源を地域振興に活用することで、相互の持続的発展を目指す関係構築が図られてきたとしている。しかし近年、立地地域では人口減少や少子高齢化が進み、生活サービスの縮小や地域活動の担い手不足などが顕在化。原子力事業が一定の役割を果たしてきた地域においても、地域基盤の脆弱化は避けられない状況となりつつあると同コラムは指摘している。また、電力自由化の進展により、総括原価方式に支えられてきた電力事業の収益構造は大きく変化し、原子力事業を取り巻く経営環境の不透明感が増している。その結果、事業者が従来のように地域経済を支えることが難しくなりつつあると分析した。こうした中で、電力インフラとデータセンター(DC)などの情報基盤を一体的に活用する「ワット・ビット連携」は、原子力事業者と立地地域が直面する課題の解決につながる可能性を秘めていると指摘。同コラムでは、原子力事業者、立地地域、DC事業者の連携がもたらす相乗効果と、その実現に向けた課題について考察がなされ、その上で、事業者と地域が単なる補完関係にとどまらず、双方が自立しながら成長できる、新たな地方創生の取り組みへ転換する必要性を訴えている。一方で、DC事業者にとって原子力立地地域が必ずしも有利とは限らない点も指摘。DCは通信網や需要が集積し、障害対応もしやすい大都市志向が強く、動画配信や生成AIなどでは一定の通信遅延が許容されることから、東京や大阪への集約が合理的とされる点を挙げた。また、原子力発電所周辺に適用される土地利用規制が、立地上の制約となる可能性もあるという。こうした制約がある一方で、香川県では県内に立地したDCを核にIT関連企業を集積させ、地域雇用の創出を促進。AIやビッグデータを、製造業、農業、観光業などと結びつけることで、高付加価値なサービスや製品の創出を目指しているという。立地地域、原子力事業者、DC事業者がそれぞれの強みを持ち寄り、共創の関係を築くことができれば、地方から日本全体の産業競争力を底上げするモデルへと発展する可能性を秘めていると指摘し、原子力立地地域のワット・ビット連携が日本社会や経済を再興する新しいモデルとなる可能性に言及した。
09 Jan 2026
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日本原子力産業協会は1月7日、「原子力新年の集い」を都内で開催。会員企業・組織、国会議員、駐日大使館関係者ら759名が参加し、親睦を深めた。冒頭あいさつに立った三村明夫会長は、年末年始の電力の安定供給に尽力した全国の関係者に謝意を示した上で、昨今、エネルギー安全保障と脱炭素の両立に向け、世界的に原子力活用の機運が高まっているとの認識を示した。<年頭挨拶はこちら>昨年11月のCOP30では「原子力三倍化宣言」への支持が拡大し、金融機関やIT企業など幅広い分野で原子力活用を後押しする動きが広がっていると指摘。国際金融機関の姿勢変化により、原子力プロジェクトへの資金調達環境も改善しつつあると強調した。国内では、原子力を巡る動きにも具体的な前進が見られたと指摘した。昨年、関西電力が美浜発電所の後継機に向けた自主的な現地調査の再開を発表したほか、北海道電力の泊3号機や東京電力柏崎刈羽6・7号機の再稼働を巡っては、知事の理解が示されるなど、再稼働や新設に向けた環境整備が着実に進みつつあるとの認識を示した。一方で、こうした取り組みを実現に結び付けるためには、安全確保を大前提に、地域の理解を得るための丁寧な説明と対話を重ねていくことが引き続き不可欠だと強調した。また、高市政権が昨年11月に発表した「強い経済」を実現する総合経済対策で、原子力発電所の再稼働や次世代革新炉の実現が国家の成長戦略の中核に位置付けられたことを踏まえ、原子力がわが国の産業競争力や技術開発に果たす役割はかつてなく大きくなっていると指摘した。続いて三村会長は、原子力の最大限活用に向け、今後特に重要になる取組みとして次の3点を挙げた。1点目に、新規建設の早期実現に向けた事業環境整備を挙げ、資金調達や投資回収の確保、サプライチェーンの維持・強化が不可欠だとした。2点目には原子力産業の持続的発展を支える人材の確保・育成を挙げ、国際的な視点も踏まえた議論を通じて、将来を担う人材基盤の強化を図る考えを示した。3点目は、国際連携の推進を掲げ、国際機関や海外産業団体との協力を通じて、世界的な原子力活用の機運を維持するとともに、日本の原子力産業の海外展開を後押ししていく方針を示した。来賓挨拶に立った赤澤亮正経済産業大臣は、冒頭、浜岡原子力発電所の基準地震動策定を巡る不適切事案に言及し、国民の信頼を揺るがしかねない重大な問題として、厳正な対応と再発防止を求める考えを示した。その上で、世界的に原子力の重要性が高まっているとの認識を示し、第7次エネルギー基本計画に基づき、安全性と地域理解を最優先に、原子力発電所の再稼働や次世代革新炉の導入を進める方針を改めて強調した。また、原子力産業の持続的発展に向け、サプライチェーンの維持・強化や人材育成への支援に政府として全力で取り組む姿勢を示し、東日本大震災から15年目の節目を迎える今年、着任前後に福島を訪れた経験に触れ、現場主義のもと、復興と安全な廃炉に最後まで責任を持って取り組む決意を表明した。続いて登壇した電気事業連合会の安藤康志副会長は、浜岡原子力発電所の基準地震動策定を巡る不適切事案について、原子力事業への信頼を損なう重大な事案として深刻に受け止めていると述べ、電力会社を代表して謝罪した。その上で、昨年は国際的に原子力回帰が進み、第7次エネルギー基本計画で原子力の価値が改めて確認された重要な年だったと振り返った。そして、泊発電所や柏崎刈羽原子力発電所で再稼働に向けた進展が見られたことを評価し、今後もさらなる安全性の向上を追求するとともに、地域住民からの理解と信頼を得るため、丁寧な取り組みを着実に続けていく考えを示した。
08 Jan 2026
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日本原子力研究開発機構(JAEA)と廃止措置人材育成高専等連携協議会は12月20日、福島県の楢葉遠隔技術開発センターで第10回廃炉創造ロボコンを開催した。今大会は、日本国内から10校16チームと、マレーシア工科大、タイ高専(KOSEN-KMITL)の計18チームが出場。初出場のタイ高専が最優秀賞である文部科学大臣賞を受賞した。大会の様子はYouTubeで配信され、アーカイブを視聴することができる。廃炉創造ロボコンは2016年に初開催され、今大会で10回目の節目を迎えた。ロボット製作を通じて、若い世代が廃炉作業に関心を持つと同時に、創造性・課題発見・解決能力を養うことが目的だ。優れたロボットやアイデアについては、将来的に現場への適用や関係企業との共同研究につながる可能性を視野に入れているという。開会に先立ちJAEAの小口正範理事長はあいさつに立ち、廃炉が長期にわたる事業であることを踏まえ、次世代人材の育成が原子力産業界にとって極めて重要な課題であると強調した。その上で同大会について、遠隔操作やAIなど、実際の廃炉現場を見据えた技術に触れる実践の場であり、単なる競技にとどまらず、廃炉を支える技術と人材を育む「希望の場」だと位置づけた。今大会の競技課題は、「廃炉ミッション!原子炉格納容器内部を調査せよ」。福島第一原子力発電所2号機の原子炉格納容器(PCV)内部の調査を想定し、X-1ペネトレーションからPCV内部へ進入し、底部に存在する対象物を回収して帰還するまでの一連の作業に挑んだ。最優秀賞を受賞したタイ高専は、参加チームのうち唯一、すべての課題をクリアした。同校は、「日本型高等専門学校の教育制度(KOSEN)」を本格的に導入したタイ初の高専として知られる。日本の国立高等専門学校機構から教員が派遣され、現地教員への指導や研修が行われているほか、日本国内の高専でのタイ人学生の受け入れなども進められている。
07 Jan 2026
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日本原子力文化財団(原文財団)は12月14日、高校生らによるエネルギー・原子力に関する課題研究活動の成果発表会を東京大学で開催した。同発表会は電気事業連合会との共催で、今年度で8回目の開催となる。原文財団は、全国の高等学校などを対象に、エネルギーをテーマとした課題研究活動を支援する事業を展開。専門家による講義や参加校同士の交流、成果発表会を通じて、学生の主体的な学びと発信力の育成を目指している。今年度も、全国から多数の応募があり、その中から選ばれた10校が発表会に登壇。約5か月間にわたる研究成果を、プレゼン形式で発表した。また、参加生徒らは発表会前日、東京都市大学原子力研究所の視察見学会にも参加している。今年度は、昨年2月に策定された第7次エネルギー基本計画において、原子力と再生可能エネルギーの「最大限活用」が明記されたことを受け、「30歳の私へ~日本のエネルギーをどう考えますか~目指すべき2040年のエネルギーの姿」をテーマに設定。2040年時点の日本のエネルギー構成を考え、その可能性や課題について調査・研究を行った。最優秀賞には千葉県立東葛飾高等学校(3名)が選出された。同校は「千葉エネルギー革命~再エネ×安定供給~」をテーマに、発電量が全国最多の千葉県(2023年・2024年)において、火力発電偏重の現状を踏まえつつ、温室効果ガス削減とエネルギー自給率の向上を両立する電源構成の在り方を模索。そして、再生可能エネルギーの導入拡大と電力の安定供給をどう両立するかを研究目的に据えた。研究では、千葉県が洋上風力発電のポテンシャルが高い地域である点に着目。洋上風力の導入拡大に向けた現状と課題を把握するために、洋上風力促進区域に指定されている銚子市や、銚子市漁業協同組合らへの取材を通じ、関連産業の促進や雇用の増加、固定資産税の増収による地域経済への波及効果を確認した。一方で世界的なインフレによるコスト増や、秋田県での調査を通じ、海域ごとに異なる漁業形態を踏まえた関係者との合意形成、理解促進の難しさといった課題が浮かび上がったという。これらを踏まえて同校は、洋上風力発電の導入拡大には、国による建設段階から支援強化、事業者側の予期せぬコスト増による撤退を防ぐ仕組み作り、また、漁業リスクへの国家補償の促進を提言。そして、電源構成については、第7次エネルギー基本計画で示される原子力20%の位置づけを踏まえつつ、風力発電の比率を8%に引き上げるなど、現実的なエネルギーミックスの提案と適切な国による支援によって、持続可能な未来を築くことができると結論付けた。審査委員長を務めた東京大学大学院の飯本武志教授は、「とても分かりやすく、論理的で、政策的視点を持った良いプレゼンテーションだった」と講評。千葉県が全国最大の発電量を有する点を出発点に据え、そこから研究を組み立てていったテーマ設定や研究プロセスについても、「ストーリー性があり、完成度が高い」と高く評価した。そして、多くの関係者にヒアリングを行うなど、主体的に活動に取り組んだ姿勢が強く印象に残ったとコメントした。なお、優秀賞は栃木県立大田原高等学校、優良賞は山口県立宇部商業高等学校、審査員特別賞は市立札幌開成中等教育学校が選出されている。
06 Jan 2026
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東京電力は12月24日、柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135.6万kWe)について、原子炉起動予定日を2026年1月20日、営業運転開始予定日を2026年2月26日とした使用前確認変更申請書を原子力規制委員会へ提出した。あわせて、6号機の運転開始に伴い共用設備を使用する必要があるため、7号機(ABWR、135.6万kWe)も使用前確認変更申請を提出したことを公表した。同社では、両機について、原子力規制委員会による使用前確認を受けるため、2024年9月に使用前確認申請書を提出し、同年11月には燃料装荷までの工事工程を反映した変更申請を行った。その後、2025年6月21日に燃料装荷を実施し、燃料装荷後の健全性確認(水とガスの漏洩・制御棒の動作・非常用冷却設備の動作確認)および使用前事業者検査(国の定めた安全基準等を満たしているかを事業者自身が確認する検査)を同年10月28日までに完了。起動に向けた技術的な準備は整っていた。その後12月22日に、新潟県議会が柏崎刈羽原子力発電所6・7号機の再稼働容認を表明した花角英世知事を信任する決議案を可決。翌23日、花角知事が赤澤経済産業大臣に再稼働の地元同意を正式に伝達し、再稼働に向けた議論は最終段階に入った。今後、原子力規制委員会から試験使用の承認が得られ次第、同社では、原子炉起動後の使用前事業者検査を含む設備の健全性確認を進めるという。原子炉起動から営業運転開始までの主な工程は以下の通り。まず、2026年1月20日を予定日として原子炉を起動。制御棒を引き抜き、原子炉内で核分裂反応を開始した後、原子炉の出力を徐々に上昇させる。この過程で、原子炉冷却系や制御系などが設計どおり機能しているかを確認する。次に、原子炉で発生した熱を用いてタービンを起動し、その後、発電機出力をおよそ50%まで段階的に引き上げる。この時点で一度中間停止を行い、主要機器の設備状態を詳細に点検する。中間停止後は、再び原子炉を起動し、同様に出力を上昇させ、タービンを再起動したうえで発電機出力を高め、最終的に原子炉の定格熱出力を約100%まで到達させる。定格出力に達した後は、総合負荷性能検査を実施。これらの工程を経て、2026年2月26日に営業運転を開始する予定としている。同社は、「引き続き安全を最優先に、原子力規制委員会の検査に真摯に対応しながら、各工程を着実に進めていく」とコメントしている。
24 Dec 2025
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東京電力は12月19日、「原子力災害対策充実に向けた考え方」に係る同社の取り組みについて、最新の進捗を反映した内容を公表した。これは、2016年に経済産業大臣から要請を受けた「原子力安全対策および原子力災害対策に関する取り組み」を整理したもので、前回公表(2024年12月20日)以降の進捗を反映し、現在の状況を取りまとめたものである。今回は、福島第一原子力発電所の廃炉や福島第二原子力発電所の廃止措置の進展、柏崎刈羽地域における緊急時対応の見直し、福島県内のヘリポート設定の追加など、原子力災害対策の実効性の向上に向けた内容が盛り込まれた。第1章では、事故収束活動の体制や各原子力発電所の現状、安全対策の状況を整理し、第2章では、原子力災害発生時における事業者の役割や支援体制に加え、福島第一原子力発電所事故の責任を踏まえた賠償、復興推進に関する取り組みを示した。主な変更点は以下の通り(一部抜粋)①福島県内ヘリポートの設定を追加②福島第一の廃炉作業の進捗を踏まえ更新③福島第二の廃止措置計画の進捗を踏まえ更新④協力企業と連携した輸送訓練を追加⑤柏崎刈羽地域の緊急時対応取りまとめを踏まえ更新⑥新潟県内の避難計画の実効性向上に資する取組強化を追加⑦2025年度新潟県および福島県の原子力防災訓練の反映変更点の概要は以下の通り①福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所の2か所をヘリポートの拠点として設定。さらに、協力企業と連携し、楢葉ヘリポートおよび平ヘリポートの計2か所の運用を始めている。②2024年度には、汚染水対策で発生量を1日約80~90㎥まで抑制し、2025年目標を前倒しで達成。燃料デブリについては、2024年の9月に2号機で試験的取り出しを開始し、11月には採取に成功した。今回公表された資料には、改訂のポイントとして、これら2号機における燃料デブリの試験的取り出し作業の内容の反映のほか、原子炉格納容器内部の調査作業の具体的化が盛り込まれた。③44年にわたる廃止措置計画のうち、現在は第1段階(解体工事準備期間)にあり、管理区域外設備の解体や管理区域内の調査を進めている。今後は、これらの成果を踏まえ、第2段階への移行を目指す。④協力企業と連携し、事故収束活動に必要な資機材の輸送訓練を継続的に実施。従来のトラックによる陸上輸送に加え、資機材をより迅速に現地へ搬送するため、ヘリコプターを活用した航空輸送訓練も実施し、対応力の強化を図る。⑤柏崎刈羽地域では、要配慮者の避難を支援するため、同社から福祉車両や要員を提供する。具体的には、要配慮者を搬送可能な福祉車両31台を配備するとともに、各車両に運転手と補助員を配置し、計62名を派遣する体制を整備。また、空間放射線量率が高い区域から住民が避難する際には、検査・除染要員を派遣し、車両や住民への放射性物質の付着の有無を確認する。付着が認められた場合には除染を実施し、その際に発生する汚染水や汚染付着物についても、同社が責任を持って処理する。⑥新潟県内の避難計画の実効性向上に資する取組強化に向けて、同社が除排雪体制の強化や屋内退避施設の環境整備に協力。具体的には、除雪車両の増強、消融雪施設の設置、監視カメラの設置、指定避難所の空調設置や断熱性向上を図るという。⑦2025年10月・11月に、新潟県にて災害対策本部の運営訓練をはじめ、福祉車両を用いた要配慮者の搬送、PAZ内住民の避難訓練やUPZ内住民の一時移転訓練などを実施した。また、柏崎市、燕市、見附市では、放射線に関する講座や避難退域時検査のデモンストレーション体験など、自治体ごとの個別訓練にも参加。2025年11月、福島県にて災害対策本部運営訓練や避難退域時検査訓練に加え、医療中継拠点の設置・運営訓練、甲状腺被ばく線量モニタリング、安定ヨウ素剤の配布訓練などに参加したことが追記された。
24 Dec 2025
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ムロオシステムズ(東京都中央区)は12月19日、カザフスタン国立原子力センター(NNC)と、使用済み燃料および放射性廃棄物管理分野での協力枠組みに関する覚書(MOU)を締結した。MOUは、12月19日から2日間にわたって開催された「中央アジア+日本」対話・首脳会合に合わせ締結された。NNCは、カザフスタンにおける原子力利用に関する研究や人材育成を担っており、今回のMOUでは、廃棄物の管理手法や関連施設の運用などに関する情報交換や技術協力を盛り込んだ。主に放射性廃棄物処理センターの運営や廃止措置に関するノウハウ提供などを想定している。技術的な実施や専門的支援については、ムロオシステムズの完全子会社であるNUKEM社が担う。ムロオシステムズは昨年10月、NUKEM社を買収。NUKEM社は、放射性廃棄物管理や使用済み燃料対策、廃止措置などを手がけ、ドイツで初めて商業用原子力発電所の廃止措置を成功させた実績を有する。ムロオシステムズがデータセンター事業などを展開する中で、安定かつ安価な電力供給が可能な原子力に関心を持ち、原子力分野への進出を決断したという。カザフスタンでは将来的な原子力利用をめぐる検討が進んでおり、旧ソ連からの独立後初となる原子力発電所の建設計画も進められている。ムロオシステムズの潘忠信社長は、「カザフスタンは世界最大級のウラン産出国であり、日本も多くのウラン資源を輸入している。同国に原子力発電やバックエンド分野が整えば、一国で完結した燃料サイクルを構築できる可能性があり、周辺国を含めた原子力エネルギーのハブとしての役割も期待できる」との認識を示した。このほかムロオシステムズは同日、ウズベキスタン原子力規制庁(Uzatom)および同国デジタル技術省ともMOUを締結した。原子力安全や規制対応などに対する技術的助言やエンジニアリング、コンサルティングを協力内容とし、小型モジュール炉(SMR)の電力を活用したデータセンター構想についても検討対象としている。原子力分野とITを組み合わせた国際展開を通じ、同社は中央アジア地域での存在感を強めたい考えだ。
24 Dec 2025
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新潟県議会は12月22日、柏崎刈羽原子力発電所6・7号機(ABWR、135.6万kWe×2基)の再稼働容認を表明した花角英世知事を信任する決議案を可決した。これに先立つ、19日の同議会常任委員会では、同6号機の再稼働に関する補正予算案が賛成多数で可決されている。花角知事は11月21日、同発電所6、7号機の再稼働に関する国からの理解要請について、「国の対応を確認した上で、新潟県として了解する」と表明。その上で、自身の判断は県政への信頼に基づくべきだとして、県議会に対し職務継続への信任を求める考えを示していた。「自身の職務継続について、県議会の信任を得られるか、あるいは不信任とされるのか、判断を仰ぎたい」と述べ、県議会へ知事職継続への信任を求める意向を示していた。花角知事は、容認判断の理由として、同6、7号機が原子力規制委員会の審査に合格し安全性が確認されていること等を挙げ、「リスクを完全にゼロにはできないが、ただ漠然とした不安や合理性のない理由で再稼働を止めることはできないと考えていた」と説明していた。また、赤澤亮生経済産業大臣は12月19日、閣議後の記者会見にて「同発電所の再稼働は、東日本における電力供給の脆弱性の解消、電気料金の抑制、脱炭素電源の確保といった観点から、国のエネルギー政策上、極めて重要である」とコメント。政府として、原子力防災の充実・強化や東京電力のガバナンス強化、地域の実情や要望を踏まえた地域振興策について、丁寧な説明を重ねながら、再稼働に対する理解が進むよう取組みを具体化していく考えを示した。
23 Dec 2025
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国際原子力機関(IAEA)によるALPS処理水海洋放出の安全性を検証するレビューミッションが、12月15日から19日にかけて実施された。今回のレビューミッションは、海洋放出開始後5回目。IAEAのグスタヴォ・カルーソ原子力安全・核セキュリティ局調整官ら6名のスタッフと、専門家9名(アルゼンチン、英国、カナダ、韓国、中国、フランス、米国、ベトナム、ロシア:以下IAEAタスクフォース)が来日。IAEAによると、これまで公表してきた過去4回の報告書と同様に、一連の対応は国際的な安全基準に沿っており、問題は見つからなかったと結論付けた。なお、同レビューミッションは、2021年7月に日本政府とIAEAの間で署名された「ALPS処理水の取扱いに関する安全面のレビュー付託事項(TOR)」に基づき行われている。12月17日にはIAEAタスクフォースが福島第一原子力発電所訪問し、東京電力から最新の状況について説明を受けた。現地では、ALPS処理水移送建屋や放水立坑をはじめとする海洋放出関連設備のほか、2025年度中に解体開始が予定されるJ8エリアのタンクや、すでに解体が完了しているJ9エリアの確認が行われた。さらに、IAEAタスクフォースは、ALPS処理水の測定や分析を担う化学分析棟およびIAEA福島ALPSラボラトリーを訪れ、分析体制や運用状況を確認したという。12月18日および19日には、経済産業省と東京電力がIAEAタスクフォースに対し、ここ1年のALPS処理水の放出実績や、海洋放出開始以降に実施してきた海域モニタリングの結果を説明。また、あわせて、IAEAの国際安全基準に基づく放出開始後の取組み状況に関する報告がなされ、これらを踏まえた議論が行われた。日本政府(経済産業省)はHPにて、IAEAによるレビューを通じて国際安全基準に沿った取組みを継続し、ALPS処理水の海洋放出の安全確保に万全を期す考えを示した。また、IAEAと連携しつつ、国際社会に対する透明性の高い情報発信を続け、国内外の理解促進に努めるとしている。
22 Dec 2025
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北海道の鈴木直道知事は、12月10日の第4回北海道議会定例会予算特別委員会総括質疑において、泊3号機(PWR、91.2万kWe)の再稼働同意を表明した。12月18日には、経済産業省の赤澤亮正大臣と会談し、同機の再稼働同意を正式に伝達。安全対策や電気料金の値下げ、インフラ整備の支援策等を要望した。赤澤大臣は「要望を受け止め、地域の実情を踏まえたエネルギー政策を進めていく」と表明している。判断の理由として鈴木知事は、福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえた新規制基準に適合していると認められたこと、また、北海道およびUPZ(緊急防護措置を準備する区域)内13町村の防災・避難計画を一体化した「泊地域の緊急時対応」が国の原子力防災会議で了承された点を挙げた。また、再稼働によって電気料金の引き下げが見込まれること、安定した電力供給が確保されること、脱炭素電源の確保に伴う道内経済の成長や温室効果ガス削減につながることも判断材料になったという。さらに、北海道経済連合会からも同3号機の早期再稼働実現を要望するコメントが寄せられたことや、これまで開催してきた道内各地で開かれた説明会を通じて寄せられた道民の意見、岩宇4町村長の判断、後志管内16市町村からの意見、道議会での議論などを踏まえ、総合的に熟慮を重ねた結果、今回の判断に繋がったという。鈴木知事は、現時点で再稼働の方向性を示すことで、企業の投資判断における予見性が高まり、道内への投資促進や雇用拡大に繋がる可能性にも期待を寄せた。今後、国や北海道電力に対し、必要なインフラ整備を含め、北海道への産業集積に向けた積極的な取り組みを求めていく方針だ。一方で鈴木知事は、「原子力発電所の安全追求に終わりはない」との認識を強調。発電所の安全対策や防災対策に関する道民の不安や懸念については、同意後も継続して対応するとしている。道としても原子力防災対策を一層強化していく考えを示している。また、最終処分を巡る議論について「文献調査の議論が原子力発電所の立地地域などに限られている現状には強い問題意識がある」と述べた。その上で、電力の恩恵は都市部を含む広範な地域が受けているにもかかわらず、そうした地域では十分な議論が行われていないとして、「これは北海道だけの問題ではない」との認識を示した。一方で、現時点で文献調査から概要調査へ移行する場合には、引き続き反対する考えに変わりはないことも強調した。
19 Dec 2025
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原子力関連施設が多く立地している青森県は12月12日、「原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金」を活用した地域振興の具体的な事業内容を公表した。交付金総額40億円のうち、約6.6億円の充当先の内訳が公開され、防災関連設備の整備や観光施設の整備、看護学科に特化した大学の運営費等に充てられる。残る約33.4億円については、今後策定される予定だ。同交付金は、原子力発電施設等の稼働状況が相当程度変化した県を対象に、地域振興を目的として国から交付金が交付される制度。各都道府県が策定した地域振興計画に基づき交付される仕組みで、制度の根拠は「原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金交付規則」(経済産業省告示第222号)に定められている。青森県には、建設中も含め、東北電力および東京電力の東通原子力発電所、大間原子力発電所(電源開発)、六ヶ所再処理工場(日本原燃)、使用済み燃料中間貯蔵施設(リサイクル燃料貯蔵)などが立地し、これら施設が今回の交付金の対象施設となっている。同県は、これらの施設の再稼働等に向けた動きが進む一方で、稼働延期や停止の長期化といった状況に伴い、立地地域が将来像を描きにくい状況が続いてきた。こうした状況を踏まえ、国、青森県、立地市町村、事業者が一体となり、地域と原子力施設が共生する将来像を描く場として、2023年11月に「青森県・立地地域等と原子力施設共生の将来像に関する共創会議」が設置(資源エネルギー庁が主催)された。2024年10月の第3回会議では、20~30年後を見据えた地域の将来像や基本方針、具体的な取組を示す工程表がとりまとめられ、これに基づき、交付金の配分の前提となる地域振興計画が策定、2025年11月に経済産業省から承認を受けた。計画によると、六ヶ所村で、津波発生時の住民避難を円滑に進めるための誘導標識や目標地点標識の整備等に4,000万円が充てられる。さらに、原子力災害への対応可能な医療体制の構築・強化を目的に、総事業費約14億円で弘前大学が整備を進める「放射線安全総合支援センター」に対し、1億円を支援する。むつ市では、看護師不足の解消を目的に、看護学科に特化した「八戸学院大学むつ下北キャンパス」の運営支援に、約1.9億円を充てる。その他、農林畜産業の高度化を目指す「しもきたハイテクフードバレー推進事業」に3,000万円。むつ市役所本庁舎の未整備エリアを改修し、関係機関との連携の強化、情報収集・分析・発信機能の向上等、迅速かつ効果的な災害対応のための体制を確立することを目的とした「むつ市デジタル防災センター」の整備に200万円が充てられる。その他、東通村では、名所である尻屋埼灯台周辺に、観光施設や駐車場を整備する計画があり、総事業費約7億円のうち3億円が交付金で賄われるという。交付金の総額は40億円で、1会計年度あたりの交付上限は10億円。地域振興計画が認められた会計年度から最長10年間交付される仕組みで、青森県では2025年度から2034年度までの活用を見込んでいる。
18 Dec 2025
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電気事業連合会(電事連)は12月12日、中学生を主な対象とした次世代層向け教育コンテンツ「エネルギーアカデミー ~エネルギーの資源篇~」と題した動画を、電事連のエネルギー・環境教育支援サイト「ENE LEARNING(エネラーニング)」と公式YouTubeチャンネルにて公開した。エネルギー資源の有効活用の重要性という切り口から、電力の安定供給のために、限りある資源をどのように活用していくかが重要であるかを解説している。なお、同動画は、学習指導要領における中学3年生の理科の単元に沿って作成されている。前述のENE LEARNINGにて、ワークシートや指導案も公開された。同動画では、火力・再生可能エネルギー・原子力発電等各エネルギー資源の可採年数のグラフを用いて、それぞれの役割や長所を整理した上で、需要と供給を一致させる電力システムの重要性を解説。安定供給の観点から複数の電源を組み合わせるエネルギーミックスの重要性も改めて紹介している。また、原子燃料サイクルの仕組み、高レベル放射性廃棄物等の最終処分といった原子力のバックエンドの概要を、専門家の解説と現地取材を交えて分かりやすく紹介。動画内ではエネルギーアカデミーの生徒役が、ユニバーサルエネルギー研究所代表取締役社長の金田武司氏とともに、日本原燃の六ヶ所原燃PRセンターを訪問したほか、原子力発電環境整備機構(NUMO)の職員の解説を通して、地層処分の考え方や国内外における取組み状況が紹介され、原子燃料サイクルの仕組み等を分かりやすく学べる構成となっている。電事連は、次世代を担う若年層に対し、エネルギーを「使う」だけでなく、「資源としてどう活用し、使い終えた後をどう考えるか」という視点を伝えることで、エネルギー問題を自分事として考えるきっかけに繋げていくことを狙いとしている。今後もエネルギーを巡る課題について、特定の立場に偏ることなく情報発信を強化していく考えだ。
17 Dec 2025
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日本原子力産業協会の増井秀企理事長は12月12日の定例記者会見で、同協会が手掛ける業界動向調査である「原子力発電に係る産業動向調査2025」の報告や、先月ブラジルで開催された「COP30」、フランスで開催の「WNE2025(世界原子力展示会)」への参加報告等を行った。はじめに増井理事長は、「原子力産業動向調査2025」の結果について、景況感を示すグラフは全体として右肩上がりで推移しており、「原子力産業がやや元気を取り戻してきている状況が読み取れる」と指摘した。実際、景況感は年々改善しており、1年後の見通しについても多くの企業が「さらに良くなる」と回答するなど、産業界として今後の回復基調を見込んでいることが明らかになった。一方で、課題として人材不足を挙げ、同調査によると「人手不足を感じているか」との問いに約8割が「感じている」と回答。「当該年度に十分な人材を採用できたか」という設問でも、「課題が残った」とする企業の割合が年々増加しているとし、「人材確保が難しくなっている実態が浮かび上がった」と述べた。但し、今後の人材採用や配置について「拡大する」と回答した企業も増えており、「人材の需要は引き続き高い水準にある」との見方を示した。続いて、11月にブラジルのベレンで開催されたCOP30への参加を報告。大会全体を通して、原子力がCOPの場で重要な地位を担うようになってきたことを強く感じたという。また、フランスのパリで開催されたWNE2025への参加報告では、日本として初めて「日本パビリオン」を設置し、9社が参加したことを紹介。日本企業が一体となって存在感を示す場となり、会期中は企業間交流や製品紹介が活発に行われ、各社のビジネス機会の拡大にもつながったとの認識を示した。今年最後の定例会見にあたり、増井理事長はこの1年を振り返り、「原子力産業界にとって大変良い年だった」と総括した。とりわけ、2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画で「原子力の最大限活用」が明記され、「原子力依存度低減」という文言が削除された点について、「業界全体に前向きな勢いをもたらした」と評価した。
16 Dec 2025
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