
米ニューヨーク州のK. ホークル知事は6月1日、同州北部で少なくとも100万kWe規模の先進原子力発電開発計画の具体化に向け、州営ニューヨーク電力公社(NYPA)が二つの公募を開始したと発表した。一つは原子力発電所の開発・建設・運営に実績を持つ原子力発電開発事業者を対象とした資格審査(RFQ)であり、もう一つは州内の教育機関や労働組合などを対象とした原子力人材育成を目的とした助成事業への公募(RFA)である。今回の取組みは、州内での新規原子力発電の開発規模を500万kWeに拡大することをめざし、ホークル知事が2026年施政方針演説で掲げたイニシアチブ「原子力信頼性基盤」(Nuclear Reliability Backbone)の一環。現在、ニューヨーク州で稼働する約340万kWeの原子力発電設備容量と併せて将来的に合計約840万kWe規模を確保することで、電力系統の安定化や電気料金の抑制、クリーンエネルギーへの移行を実現したい考え。同州では現在、米大手電力会社コンステレーション社が3サイトで計4基の原子炉を運転している。NYPAは、2025年10月に先進原子力プロジェクトの開発事業者と潜在的なホストコミュニティを対象とした情報提供要請(RFI)を実施しており、今年1月、開発事業者候補から23件、同州北部のコミュニティから8件の回答を得たことを明らかにしている。開発事業者向けのRFQでは第3世代+(プラス)または第4世代の大型炉または小型モジュール炉(SMR)、あるいはその組合わせによって100万kWe以上の発電能力を実現できる事業者を対象としており、2033年までに建設開始できる実現可能性を重視。SMRについては、初号機(FOAK)段階は原則除外で、マイクロ炉も対象外としている。その他、技術成熟度、立地・許認可戦略、建設スケジュール、コスト見積もり、所有形態や提携モデルなどについて具体的な計画が求められている。RFQは将来的な提案依頼(RFP)に向けた事前選定の位置づけで、応募締切は6月26日。一方、人材育成向けRFAでは、今後4年間で最大4,000万ドルの資金を投入し、原子力産業を支える人材基盤の強化を図る。州内の技術系高校、コミュニティカレッジ、大学、業界団体、労働組合、地域団体などを対象に、訓練プログラム、実習、インターンシップ、就職支援など、人材育成を促進する事業への支援を行う。この取組みは、「ニューヨーク州の次世代原子力(NextGen Nuclear New York)」プログラムの一環として、将来の原子力産業を支える人材を州内で育成することを目指している。応募締切は7月31日。NYPAは2025年12月にカナダ・オンタリオ州のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)との協力を発表しており、技術革新や資金調達、人材育成などの分野で連携を進めている。今回の公募はこうした取組みを補完するものであり、ニューヨーク州における次世代原子力発電の推進に必要な専門知識と準備を強化するものと位置づけている。
11 Jun 2026
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米エネルギー省(DOE)は6月4日、DOEの先進炉設計の開発・試験・認証の迅速化を目指した「原子炉パイロットプログラム」の一環として、原子力新興企業アンタレス・ニュークリア(Antares Nuclear)社が開発した先進マイクロ炉「Mark-0」(ナトリウムヒートパイプ冷却炉)が、アイダホ国立研究所(INL)においてゼロ出力臨界((原子炉において、熱出力がほぼゼロ(核分裂による熱がプラントの温度に影響を与えない極めて低い出力レベル)の状態で、核分裂の連鎖反応が持続する状態(臨界)に達すること。))試験に成功したと発表した。今回の実証試験にはDOE、INL、BWXテクノロジー(BWXT)社に加え、将来的な利用者となる米陸軍も協力。「Mark-0」は、商用モデル「R1」マイクロ炉(電気出力100kW~1,000kW)の性能検証を目的とするもので、DOEの原子炉パイロットプログラムで進められている複数の先進炉の中で、最初に臨界達成に成功した。またMark-0は、1951年以来、INLで臨界を達成した53基目の原子炉となった。DOEは2025年8月、同年5月発令の大統領令「エネルギー省における原子炉試験の改革」を受け、先進炉の設計試験を迅速に進めるため、DOEの管理権限の下で「原子炉パイロットプログラム」を開始した。大統領令で示された期限(2026年7月4日、独立記念日および建国250周年)までに少なくとも3基の試験炉で臨界達成を目指す目標が示され、同プログラムには10社11件の先進炉プロジェクトが選定されており、アンタレス社はその一つである。アンタレス社は、「2026年に臨界達成、2027年に『Mark-1』でのフル出力発電実証、2028年に軍事施設への実用配備を目指す」との目標を掲げている。同社のJ. ブランブルCEOは、構想開始からわずか12か月で臨界状態の原子炉を実現したとして、先進炉の迅速な認可・実証を可能にする新たなライセンスモデルを示したと強調している。Mark-0には、軍事作戦用の可搬式プロトタイプのマイクロ炉「プロジェクト・ペレ」向けにBWXT社が開発したTRISO燃料が使用されており、今回得られたデータはプロジェクト・ペレにも還元され、将来の軍用マイクロ炉開発に活用される予定。また、炉心物理特性や計装・制御システムの挙動などを検証し、商用炉の設計高度化に必要なデータも収集。同社によると、この経験を通じて設計・認可・建設・試験までを短期間で実施できる体制を構築し、原子炉技術だけでなく、規制対応やサプライチェーン構築の知見も大きく向上したという。C. ライトDOE長官は今回の成果について、「40年以上ぶりに米国で民間開発の非軽水炉が臨界に到達した歴史的な出来事」であり、「米国の原子力産業復活の象徴となる瞬間だ」と評価。T. ガリッシュ原子力エネルギー担当次官補は、「1年足らずで臨界達成は不可能だと考えられていたが、それを実現したことは原子力の未来を切り開く成果である」と述べた。DOEは今回の臨界試験について、原子炉設計の安全性と運転性能を実証するだけでなく、将来の商用炉の設計や米原子力規制委員会(NRC)の認可手続きにも役立つ重要なデータを提供すると説明している。実用化されたマイクロ炉は、地上での分散型電源だけでなく、宇宙開発や軍事施設など安定した電力供給が求められる分野での活用も期待されている。
10 Jun 2026
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米中西部ユタ州を拠点とするエネルギーインフラ開発会社のブルーキャッスル(Blue Castle)社とフルクラムポイント(Fulcrum Point)社は5月28日、同州東部のエメリー郡グリーンリバー市で計画されているブルーキャッスル原子力プロジェクトを合弁事業化して推進することを発表した。ブルーキャッスル社が過去19年にわたり準備を進めてきた同プロジェクトについて、今後は共同でサイト開発、米原子力規制委員会(NRC)の認可取得、建設・運転開始に向けた開発を進める計画である。今回の提携は、ユタ州が今後10年間でエネルギー生産倍増に向けて推進する、先進エネルギー政策「オペレーション・ギガワット」の一環。フルクラムポイント社の創設者C. ヘイター氏は、「ブルーキャッスル・プロジェクトを長年の基礎作業から次の実行段階へと進めるために、当社の技術、運営、プロジェクト開発能力を活用する。このプロジェクトはユタ州のエネルギー供給を強化、農村経済の成長を支援し、今後数十年にわたる電力供給が可能になる」と述べた。2007年、ブルーキャッスル社(当時はトランジション・パワー・デベロップメント社)はグリーンリバー市に原子力発電所の建設計画を提案。2014年8月には、ウェスチングハウス(WE)社製AP1000×2基の建設に向けた協力覚書(MOU)をWE社と締結し、NRCへの事前サイト許可(ESP)申請に向けた準備作業を進めていたが、計画は事実上、中止となった。グリーンリバー・サイトでは、これまでに気象および地震データの収集、地質調査、地下水モニタリング、生態学調査など、広範な技術的および環境分析が実施され、既存の水利権、鉄道や高速道路へのアクセス、送電網との接続性など、発電所立地に有利な条件を備えている。ブルーキャッスル社のA. ティルトンCEOは、「過去19年間、原子力発電導入に向けたリスク軽減の基盤を築いてきた。ユタ州および周辺地域のエネルギー需要に応え、ユタ州農村部で高レベルの雇用と経済効果を生み出していく」と抱負を述べた。同サイトでは、米ホルテック・インターナショナルが開発する小型モジュール炉(SMR)「SMR-300」(PWR, 30万kWe)の導入が想定されている。ホルテック社によると、同炉は独自の空冷式復水器(ACC)を採用できるため、水資源が乏しいユタ州のような乾燥地帯での運用が可能になるという。ホルテック社は、ユタ州北部にあるブリガムシティを基盤とした先進原子力イニシアチブにおいても、フルクラムポイント社の関連会社であるハイテクソリューションズ(Hi Tech Solutions)社と提携してSMR-300の導入を計画しており、ユタ州で拡大しつつある原子力エコシステムの構築を支援している。ユタ州には現在、原子力発電所はないが、S. コックス知事は同州のエネルギーポートフォリオの大幅な拡大を推進し、特に原子力発電に重点を置いている。5月22日には、同知事主催による「オペレーション・ギガワット・サミット」が開催され、連邦および州、エネルギー関係事業者の幹部が出席。人工知能(AI)インフラ、製造業、先端産業による米国の電力需要増に原子力が果たす役割について議論された。
10 Jun 2026
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英ロールス・ロイスSMR社は5月27日、小型モジュール炉(SMR)建設プロジェクト向けの原子炉設備(Nuclear Island)の主要機器のサプライヤーとして、チェコのシュコダ(Škoda)社と韓国の斗山エナビリティ(Doosan Enerbility)社と契約したと発表した。原子炉圧力容器などの長納期機器の供給体制を早期に構築し、欧州におけるSMR事業の展開を加速する考えだ。ロールス・ロイスSMR社は、両社について、原子炉圧力容器をはじめとする原子炉設備の主要機器を世界各地の原子力発電所に供給してきた豊富な実績を有すると評価。重要機器の製造をスムーズに始められるよう、両社が設計から製造準備までを事前に進めることで、建設スケジュールの短縮につなげる方針である。同社はまた、これまでの原子力技術に加え、モジュール化や工場製造方式(ファクトリービルト)の活用により、原子力プロジェクトの進め方そのものを革新できると強調している。同社はまず、英国・北ウェールズのウィルヴァ(Wylfa)とチェコのテメリン原子力発電所サイトの隣接地へのSMR配備を計画。これらの事業を支える大規模なサプライチェーンの構築に向け、鍛造品メーカーなど幅広いサプライヤーの確保を進め、現地調達率の最大化を目指す方針だ。さらに将来的なグローバル展開も視野に、サプライチェーンの長期的なビジネス機会の拡大につなげたい考えである。同社のR. トッド・サプライチェーン担当ディレクターは、「原子力発電所建設において最重要となる長納期品目について、戦略的パートナーシップにより製造準備を前倒しできる。これにより、プロジェクトリスクを低減し、予定どおりの納入が可能になる」と述べ、今回の契約の意義を強調した。ロールス・ロイス社は2025年6月、英国初のSMR導入を目指す英政府から優先権者に選定され、同社製SMR(PWR, 47万kWe)×3基の建設を北ウェールズのウィルヴァで計画している。また、英政府系機関Great British Energy – Nuclear(GBE-N)と今年4月、SMR導入に向けた技術設計契約を締結している。さらに同月には、チェコ電力(ČEZ)とテメリン・サイトに隣接して建設するSMRプロジェクトの先行作業契約(Early Works Contract: EWC)を締結。サイト固有設計や許認可準備など、初期エンジニアリング作業を進めている。
09 Jun 2026
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ウズベキスタン東部のジザク州ファリシュ地区で6月4日、ロシア国営原子力企業ロスアトムの協力により建設予定のロシア製小型モジュール炉(SMR)初号機が着工した。記念式典はウズベキスタンの建設現場とロシア・サンクトペテルブルク会場をオンラインで結んで開催。ロシアのサンクトペテルブルク国際経済フォーラムに参加中の両国大統領の立会いの下、ウズベキスタン初となる原子力プラントの基礎工事となる初コンクリートが打設された。初打設では、133㎥のコンクリート混合土が流し込まれた。必要なコンクリート量の総体積は10,000㎥にのぼる。同国の産業・放射線・原子力安全委員会は6月4日、原子力庁(ウザトム, Uzatom)傘下の「原子力発電所建設総局」に対し、ロシア製SMR「RITM-200N」(PWR, 5.5万kWe)を採用した発電ユニットの建設許可を発給。それに先立ち、3月下旬にサイト許可が発給されている。当初、2024年5月の建設契約に基づき、RITM-200N×6基の建設を予定していたが、2025年9月、RITM-200N×2基ならびに大型炉VVER-1000×2基を建設する原子力発電所プロジェクトとし、同プロジェクトへの燃料供給も含めて合意された。低出力の先進炉と実績ある高出力の原子炉の両方が同サイトで稼働する。建設プロジェクトでは、資材供給、輸送などで地元の請負業者が施工に関与し、建設現場では15,000人の雇用が期待されている。全基稼働後には年間172億kWhを発電し、国内の電力需要の最大14%を賄う見込み。
08 Jun 2026
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アルゼンチン原子力規制庁(ARN)は5月20日、国営原子力発電運転事業者のニュークリアエレクトリカ(Nucleoeléctrica, NA-SA)に対し、アトーチャ原子力発電所2号機(独シーメンス社製PHWR, 74.5万kWe)の運転期間を10年間延長し、2036年5月26日までの運転を認可した。アトーチャ2号機は2016年5月に営業運転を開始。2021年以降、支持構造物の不具合対応に伴い短期間の更新が繰り返されてきたが、今回初めて2036年までの10年間の長期運転認可を取得した。同国には、NA-SAが所有・運転する3つの原子炉があり、すべて加圧重水炉(PHWR)。ブエノスアイレス州リマ近郊にあるアトーチャ原子力発電所は独シーメンス製の2基構成で、1号機(36.2万kWe)は1974年に運転を開始した。現在、20年間の運転期間延長に向けて改修作業が進行中。コルドバ州では、エンバルセ発電所(加AECL製Candu-6, 65.6万kWe)が単機で1984年から運転中である。全3基でアルゼンチンの総発電電力量の約7%(2024年実績)を占めている。NA-SAは2022年2月、中国核工業集団(CNNC)とアトーチャ3号機に華龍一号(PWR=HPR1000, 120万kWe)採用のエンジニアリング・調達・建設(EPC)契約を締結した。契約規模は83億ドル。中国が85%を融資するが、アルゼンチンは中国に100%融資を求めて金融契約の合意に至らず、2023年10月、両者はEPC契約の有効期限を2025年4月とする契約延長を決定した。その後の計画は明らかではない。このほか、アトーチャ・サイトに隣接して、国産の小型モジュール炉(SMR)原型炉のCAREM25(PWR, 3.2万kWe)が2014年8月からCNEA(原子力委員会)によって建設中。原子力発電所の開発および運転開始における国内能力の強化を目指しており、資材、部品、および関連サービスの少なくとも70%を、自国企業から調達する。2019年に政府の支払遅延や設計変更等により工事は中断。2021年に新建設契約の締結により工事は再開され、2022年末時点で77%まで進捗していたが、その後設計見直しに伴い2024年9月から再び工事が停止している。2025年5月に開催されたCNEA創設75周年記念式典において、NA-SAのD. ライデル社長(当時)は、同国リオネグロ州政府所有のハイテク企業INVAPによる独自設計のSMR「ACR-300」(30万kWe)4基をアトーチャ・サイトに建設し、同国の原子力発電設備容量をほぼ倍増させ、さらに同炉を国外でライセンス供与する方針を示した。INVAPはビジネス機会の開拓と輸出を視野に2018年、米国特許商標庁へ同炉の特許を出願し、2024年に承認されているという。
08 Jun 2026
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米原子力エネルギー協会(NEI)のM.コースニック会長兼CEOは5月12日、会員企業や原子力関係者らを招いて毎年開催する「Nuclear Energy Policy Forum」で講演し、米国の原子力産業について「追い風が吹いている(momentum is on our side)」との認識を示した。政策支援や規制改革、官民投資、AI・データセンターによる電力需要増などを背景に、米原子力産業は「拡大局面に入りつつある」としたうえで、「問われているのは建設できるかではなく、大規模に展開できるかだ」と強調した。政策面では、D. トランプ政権が2050年までに米国の商業用原子力発電設備容量を現在の約4倍となる4億kWに拡大する目標を掲げていることを紹介。その実現に向け、2025年5月に同大統領が署名した4本の大統領令では、原子力発電所の再稼働・新設支援や原子力規制委員会(NRC)の規制改革、人材育成、国内燃料サイクルの強化、原子力技術の海外展開促進など、業界が長年求めてきた施策が盛り込まれたと説明した。米国が「原子力分野で世界を主導すべき」との政権の姿勢についても歓迎した。規制面では、NRC改革の進展を大きな成果として挙げた。NEIの調査によると、既設炉を保有する電気事業者は20の発電所で運転認可更新、29基で出力増強を進めているほか、今後15年間で2,340万kWの新設を計画しているという。こうした動きを支えるため、第2回目の運転認可更新(subsequent license renewal)の審査期間短縮や検査工数削減などが進んでいると説明。先進炉では、テラパワー社のナトリウム冷却高速炉「Natrium」(電気出力34.5万kW~50万kW)の審査が18か月で完了し、予定より9か月前倒しとなったことなどを紹介した。そのうえで、「21世紀の課題を20世紀のルールで解決することはできない」と述べ、「大規模展開には規制改革が不可欠」との認識を示した。また、コースニック氏は、政府による公的支援に加え、民間資本の流入拡大にも言及した。モルガン・スタンレーは、2050年までの原子力投資額を2.2兆ドル(約349兆円)と予測しており、前年予測から47%増加したという。2025年には原子力スタートアップ全体で約30億ドル(約4,800億円)を調達し、X-エナジー社による約10億ドル超(約1,600億円)の大型資金調達もあった。さらに、ブルックフィールド社とThe Nuclear Companyによる合弁設立にも触れ、2017年7月に建設中止となったV. C. サマー(AP1000×2基)を含む、ウェスチングハウス(WE)社製原子炉の建設推進に向けた新たな動きも出ていることを紹介した。燃料分野でも、ウラン濃縮能力の拡大に向けた民間投資が進んでいるとした。さらに、AIの普及やデータセンターの増加による電力需要の急増も追い風として挙げた。同氏は、世界のデータセンターの電力消費量は2030年までに倍増し、米国では3倍になるとの見通しを示した。ビッグテック各社による原子力活用の動きも紹介し、Meta、Google、Amazonなどによる投資・電力調達を例示。ビッグテックの原子力に対する需要規模は現状、約4,000万kWに達するとした。また人材確保も大きな課題として挙げ、2050年までに必要な人材は現在の約3倍に増えると予測。ボーグル3、4号機(AP1000×2基)の建設では8,000人超が従事したことを紹介し、建設労働組合で技能訓練制度(apprenticeship program)が拡大していることにも触れ、人材育成の重要性を訴えた。
08 Jun 2026
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米国の先進炉・燃料サイクル開発企業オクロ社は5月26日、米エネルギー省(DOE)の「余剰プルトニウム利用プログラム(Surplus Plutonium Utilization Program)」において、今後の交渉の対象企業に選定されたことを明らかにした。同プログラムは、米政府が保有する余剰プルトニウムを民間企業に提供し、厳格な安全保障・保障措置・核物質管理の下で先進炉向け燃料に転換することを目的としたもの。2025年5月発令の大統領令「国家安全保障のための先進原子炉技術の導入」「原子力産業基盤の再活性化」では、DOE長官に、米国内の原子炉向けにリサイクルまたは処理可能な有用ウランおよびプルトニウムのDOEの在庫内での特定ならびに余剰プルトニウムを処理・先進炉向け燃料として利用するプログラムの立上げを指示。DOEは、酸化物および金属形態の約19.7トンの余剰プルトニウムを、民間企業が利用可能な燃料にして処分する計画。2025年10月には、詳細な再処理・加工計画について、その資金調達計画やスケジュールを含め、民間企業からの提案募集(RFA)を開始した。オクロ社は他の4社とともに交渉対象に選定され、今回の決定を同社の燃料調達戦略を支える重要な一歩と位置付ける。なお、オクロ社の他にExodys Energy、Flibe Energy、SHINE Technologies、Standard Nuclearが交渉対象に選定されている。オクロ社のJ. デウィットCEOは、先進炉の普及において燃料供給が大きな制約になっていると指摘。今回のプログラムによって既存の余剰プルトニウムが「橋渡し的な燃料(bridge fuel)」となり、原子炉導入を早められる可能性があるとしている。同社はフランスを拠点とする先進炉開発企業ニュークレオ(newcleo)社と連携し、余剰プルトニウムの利用を主導する計画である。オクロ社がプロジェクトの中心的な役割を担い、ニュークレオ社は燃料製造に関する知見や資金面での支援を提供する構想だ。両社は、2025年10月から米国内で先進燃料製造インフラを整備するための戦略的提携を進めており、その中には余剰プルトニウム関連事業も含まれている。ニュークレオ社は関連プロジェクトに最大20億ドルを投資する可能性を示しており、2026年2月には米原子力規制委員会(NRC)と事前申請の協議も開始している。
05 Jun 2026
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米テラパワー社は5月19日、同社が開発するNatrium炉および併設するエネルギー貯蔵プラントの迅速な商用化と展開に向けて、韓国のHD現代ならびにHD現代建設(HDEC)と契約を締結した。HD現代との供給枠組み契約では、その傘下にあるHD現代重工業(HHI)をNatrium炉の原子炉格納構造物(Reactor Enclosure System, RES)の優先製造者に指定。大規模製造能力や精密加工技術を有するHHIを戦略的製造パートナーとし、将来のNatrium炉の量産に対応できる供給体制を構築したい考え。また、HD現代に加え、国内外で大型炉の豊富な建設実績を有するHDECを含む3者間契約を締結し、Natrium炉の複数炉展開、製造、サプライチェーン、建設、事業スキームの構築までを含む包括的な協力を進める方針。部品供給だけではなく、複数炉のフリート展開や資金調達の仕組みづくりまで視野に入れている。HD現代は2022年の3,000万ドルの投資を皮切りに、Natrium炉の技術開発に共同で関与し、米ワイオミング州でテラパワー社が建設中のケンメラー発電所初号機の原子炉容器の製造やサプライチェーンの拡大に取組むなど、協力を強化している。テラパワー社は、米国の先進技術と韓国の製造・建設能力を結び付けることで、先進炉の本格展開へ向けた新たな段階に入る、と期待感を表明。HD現代も、今回の提携を世界の原子力市場への本格参入に向けた重要な足掛かりと位置付け、原子炉機器の安定供給と量産体制の確立を目指す考えを示した。Natrium炉は34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉。熔融塩蓄熱システムを併設し、通常時は安定した出力を維持しながら、需要のピーク時には迅速に50.0万kWeまで増強できる。ケンメラー発電所の初号機は2030年に完成予定。2026年1月にはIT大手のMeta社と、2035年までに最大8基の導入に向けた開発支援契約を締結。また2026年2月には、英国における包括的設計審査(GDA)が開始されており、海外展開も進みつつある。今回の提携により、テラパワー社は米国で建設中の初号機を起点に、韓国企業の製造・建設能力を活用しながら将来的なフリート展開を見据えた供給体制の構築を進める考えだ。
04 Jun 2026
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国際エネルギー機関(IEA)は5月28日公表の「世界エネルギー投資2026(World Energy Investment)」で、世界の原子力投資額が2025年に続き2026年も800億ドルを超えるとの見通しを示した。AIの普及による電力需要の増加やエネルギー安全保障への関心の高まりを背景に、各国で原子力開発を支援する政策が広がっており、IEAは原子力投資の拡大基調が続くと分析している。IEAのF.ビロル事務局長は、現在の状況について「世界はこれまで経験した中で最大級のエネルギー安全保障上の危機に直面しており、世界の投資戦略を根本的に変える可能性がある」と指摘した。そのうえで、1970年代の石油危機後に見られたようなエネルギー投資構造の大きな転換が再び起こり得る、との見方を示している。2026年の世界のエネルギー投資額は3.4兆ドルのうち、約3分の2に当たる2.2兆ドルが送電網や蓄電池、低排出燃料、原子力、再エネ、省エネ、電化などのクリーンエネルギー関連分野に向かう。一方、石油・天然ガス・石炭への投資は約1.2兆ドルにとどまる見込みである。再エネへの投資額は、2026年に約6,650億ドルに達すると見込まれており、このうち太陽光発電向けが約3,650億ドルを占める。再エネ投資の伸びは、ここ数年の急拡大を経て鈍化しているものの、世界の発電分野への投資全体に占める低排出電源の割合は、依然として7割を超えている。原子力投資額は2025年に続き、2026年も800億ドルを超える見通しだ。現在、15か国で計7,800万kWが建設中であり、中国が世界の原子力投資の約3分の1を占める。IEAは、1970年代のエネルギー危機後と同様、現在の供給不安が小型モジュール炉(SMR)など、多様な原子力技術への投資拡大を後押しする可能性があると指摘。既に40か国以上が原子力導入を支援する政策を整備しており、原子力に対する評価が世界的に見直されつつあるという。IEAは報告書で、原子力投資拡大を後押しする各国・地域の政策や事業の動向についても紹介している。米国では、データセンターや人工知能(AI)による電力需要増加を背景に、テクノロジー企業による原子力開発への関心が高まっている。IEAによると、構想段階のものも含めると、新たな原子力発電設備容量は5,000万kW超に達するという。米政府も、資金面や規制面で大型炉やSMR開発への支援を進めている。一方、各炉型の規制面での進展度には差があり、米原子力規制委員会(NRC)の承認を取得しているSMRは米企業1社にとどまる。設計認証を受けた炉型も限られ、多くの契約が法的拘束力を伴わないことから、計画実現にはなお不確実性が残ると指摘している。欧州でも投資促進策が進展している。欧州委員会(EC)は最新の「原子力実証プログラム(PINC)」で、大型炉新設や既設炉改修に2050年までに累計2,410億ユーロの投資が必要と試算したほか、SMR開発向けに2億ユーロ規模の保証基金創設を発表した。英国ではロールス・ロイスSMR社の初号機建設、フランスでは総事業費730億ユーロとされるEPR2×6基の建設計画が、ともに政府支援の下で進められている。こうした動きは中国や日本、新興国にも広がっている。中国は毎年約10基の新規建設を承認しており、第15次五か年計画では2030年までに原子力発電設備容量を1億1,000万kWへ拡大する方針を掲げ、輸出も視野に入れている。日本でも原子炉の再稼働が進展しているほか、新設に向けた資金調達や投資回収などの事業環境整備の検討が進められている。さらに、これまで原子力融資に慎重だった世界銀行グループやアジア開発銀行(ADB)も方針を見直し、原子力導入検討国への支援に向けた取組みを開始した。IEAは原子力投資の拡大基調は続くとの見方を示す一方、新設炉やSMR初号機では依然として建設リスクが大きく、各国による制度支援が成否を左右すると指摘している。
04 Jun 2026
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スウェーデンの原子力技術サービス企業スタズビック(Studsvik)社は5月25日、同国南部ニショーピング(Nyköping)の自社原子力サイトおよび周辺地域に、合計出力60万~140万kWe規模の原子力発電所を建設する計画を政府に申請した。2030年代の初号機運転開始を目指す。同国では電力需要の増加や既設原子力発電所の老朽化を背景に、新規原子力建設に向けた動きが活発化しており、SMRを中心とした複数の計画が進展している。今回の申請についてスタズビック社は、長期にわたる許認可プロセスの第一段階に過ぎないと強調。今後は土地・環境裁判所やスウェーデン放射線安全局(SSM)による審査に加え、自治体の承認も必要となる。同社は今年5月、SMR開発企業シャーンフル・ネキスト(Kärnfull Next, KNXT)社の買収を完了しており、今回の計画は同社グループが進める「ReFirmプログラム」の一環に位置付けられる。3月にはKNXT社が南部ヴァルデマルスヴィークで30万kW級SMRを4~6基建設する計画を申請しており、スタズビック・グループとしては2件目の新規建設申請となった。スウェーデンでは、鉄鋼や化学産業の電化に加え、データセンター需要の増加により電力需要の拡大が見込まれている。一方、現在の電力供給を支える既設原子力発電所の多くは今世紀半ばに運転寿命を迎えるとされ、新たなベースロード電源の確保が課題となっている。こうした状況を受け、同国政府は5月、新規原子力発電設備約500万kWの建設を支援するため、総額2,200億スウェーデンクローナ(約3.8兆円)規模の融資制度とCfD(差金決済取引)制度を導入した。また、国営電力会社バッテンフォール(Vattenfall)が進めるSMR計画や、先進炉開発企業ブリカラ(Blykalla)による鉛冷却高速炉「SEALER」の建設計画なども申請段階に入っており、スウェーデンでは新規原子力建設に向けた動きが加速している。
03 Jun 2026
691
米国では近年、電力需要の増加や脱炭素化の進展を背景に、原子力発電所の新設を制限してきた州レベルの「原子力モラトリアム(禁止・制限措置)」を見直す動きが広がっている。米エネルギー省(DOE)は5月19日、全米の原子力モラトリアムの現状を整理した資料を公表し、近年相次ぐ規制撤廃の動向を紹介した。米国では1970年代以降、使用済み燃料の最終処分問題などを理由に、16州が何らかの形で新規原子力開発を制限してきた。しかし近年は、AIの急速な普及にともなう電力需要の増加に加え、エネルギー安全保障や脱炭素化への対応を背景として、原子力を再評価する動きが強まっている。実際に2016年以降、ウィスコンシン州、ケンタッキー州、モンタナ州、ウェストバージニア州、イリノイ州、ニュージャージー州の6州がモラトリアムを撤廃した。このうちイリノイ州は2023年に30万kW以下の先進炉に限定して新設を認めた後、2026年1月には出力制限そのものを撤廃し、大型炉を含む新規建設を可能とした。また、ニュージャージー州も2026年4月、約50年間続いた新規原子力発電所建設禁止措置を解除している。一方で、カリフォルニア州、ハワイ州、メイン州、マサチューセッツ州、ミネソタ州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州の8州では現在も州全域を対象としたモラトリアムが維持されている。ただし、これらの州でも原子力への姿勢に変化がみられる。3月にはニューイングランド 6 州(コネティカット州、メイン州、マサチューセッツ州、ニューハンプシャー州、ロードアイランド州、バーモント州)の知事らが共同声明を発表し、電力需要の増加への対応策として先進炉導入の可能性を共同で検討する方針を打ち出した。また、ニューヨーク州では州全域のモラトリアムは存在しないものの、一部地域に制限が残る一方で、ホークル知事が州営ニューヨーク電力公社(NYPA)に対し、州北部で少なくとも100万kW規模の先進炉建設を検討するよう指示している。さらに同州は今年1月、「Nuclear Reliability Backbone」構想を公表し、州内の新規原子力発電設備を500万kW規模まで拡大する方針を示した。DOEは、全米で電力需要の拡大が見込まれる中、先進的原子炉実証プログラム(ARDP)や国立原子炉イノベーション・センター(NRIC)などを通じて先進炉の実証・商業化を支援している。トランプ政権も原子力産業の拡大を掲げており、州レベルの規制見直しと合わせて、米国では新規原子力開発に向けた環境整備が進みつつある。
03 Jun 2026
686
カザフスタン政府は5月22日、原子力発電所建設プロジェクトの実施に向けた国内産業基盤の構築を目的とした「2026~2030年原子力産業向け現地化(ローカライゼーション)総合計画」を発表した。同計画は5月14日付で承認されており、カザフスタン原子力庁(KAEA)が、有限責任会社カザフスタン原子力発電所(KNPP)、関係省庁および全国企業家会議所と共同で策定した。カザフスタンでは必要な資材や設備を生産する国内企業の数が限られ、生産工程の一部が国際的な安全・品質基準を満たしていないこと、有資格者の不足、原子力産業における経験不足、品質管理システムの整備が不十分など、現地化の進展を阻害する要因がある。総合計画は、国際的な安全基準および品質基準を考慮し、国内企業が原子力関連プロジェクトに参加できるよう段階的に準備を進めることを目的としている。特に、必要な法規制基盤の整備に加え、原子力産業のニーズと供給能力の分析、既存設備の近代化と新規生産拠点の開発、デジタルシステムの導入を強化していく方針である。具体的には、原子力発電所建設プロジェクトの品質、安全性、および透明性を確保するため、製品・工事・サービス供給業者の登録制度(サプライヤー登録簿)の導入を予定し、登録がプロジェクト参加の必須条件となる。これにより、資格と信頼性を備えた企業の事前選定、中小企業を含む国内メーカーの支援、手続きの公開性および参加企業の継続的モニタリングによる汚職リスクの低減が可能になると期待されている。カザフスタンで今年4月に制定された原子力産業の国家戦略によると、2050年までに少なくとも3サイトで原子力発電所の稼働を想定。小型モジュール炉(SMR)の導入に加え、第4サイトの検討も行うとしている。こうした原子力開発の拡大を見据え、政府は現在20~22%とされる現地調達率を、初号機建設完了までに30%へ引き上げたい考えである。総合計画の実施により、原子力産業向けの持続可能な生産エコシステムの構築、産業分野への投資誘致、新たな製品分野の開拓、国内の大規模インフラ事業への国内企業の参画拡大の実現を見込んでいる。同国初の原子力発電所となるバルハシ発電所は、ロシア国営原子力企業ロスアトムの協力により、アルマティ州のジャンブール地区、バルハシ湖近くのウルケン村にVVER-1200(PWR、120万kWe)×2基の建設が予定されている。2025年8月から、建設予定地でエンジニアリング調査が実施されている。KAEAのA. サトカリエフ長官は5月15日、モスクワでロスアトムのA. リハチョフ総裁とバルハシ発電所の建設プロジェクトを含む、原子力産業の発展に関する幅広い協力事項について協議した。原子力分野の人材育成、科学技術協力の発展、生産の現地化(ローカライゼーション)、ならびに原子力関連プロジェクトへのカザフスタン企業の参画についても重点的に討議。リハチョフ総裁によると、進行中の地質・工学的、自然・気候条件の調査については90%以上が完了しており、その結果に基づき、あらゆる安全要件を考慮したうえで、原子力発電所の正確な設置場所を決定することとしている。これに続く5月28日には、V. プーチン露大統領によるカザフスタン訪問を機に、両国大統領の立会いの下、バルハシ発電所の建設に関する政府間協定が締結された。この文書では発電所運転に係わる保守点検や燃料供給などの協力分野について定めている。
02 Jun 2026
573
米NANOニュークリア社は5月20日、同社製マイクロ炉「KRONOS MMR」について、米原子力規制委員会(NRC)が建設許可申請(CPA)を受理したことを明らかにした。建設サイトは、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校。イリノイ大学は今年3月末、KRONOS MMRを研究炉として導入するためにNRCにCPAを提出。今回の受理により、CPAに安全審査、環境審査、および技術審査を開始するために必要な情報が含まれていることが確認され、NRCによる本格的な審査段階へ移行する。NANO社は審査が2027年中に完了し、早ければ、2027年後半に建設を開始する見通しを示している。また同社はKRONOS MMRがNRCの正式な認可手続きにおいて、CPA段階へ到達した初のマイクロ炉であるとの認識を示している。同社のF. エイデ最高技術責任者(CTO)は、「NRCによるCPA受理は、長年の技術開発、規制当局との協議などの膨大な作業の成果。実用化へ向けて着実に前進している先進炉開発企業と、まだ初期開発段階にある企業との差別化要因になる」と強調。NANO社は規制手続きを進める一方で、サプライチェーン企業との連携強化、主要原子炉システムおよび長納期部品の調達協議など、将来の導入準備に向けた活動を進めていく計画である。イリノイ州オークブルックに新設した技術開発施設では、小型・非原子力型KRONOS MMR実証機の開発にも注力し、設計の改良と技術検証を継続的に進めているという。イリノイ大学グレンジャー工科大学のC. ブルックス原子力・プラズマ・放射線工学教授は、「大学がイノベーションの加速、次世代の原子力技術者の育成、エネルギーや国家的重要課題の解決に貢献できる技術実証において重要な役割を担っていくと考えている」と述べた。KRONOS MMRは、熱出力4.5万kW、電気出力1.5万kW。HALEU(高純度低濃縮ウラン)利用のTRISO(3重被覆層燃料粒子)燃料とヘリウム冷却の第4世代小型モジュール式の高温ガス炉である。データセンター、産業施設、遠隔地コミュニティ、鉱山開発プロジェクト、軍事基地などに電力供給を行うほか、多様な産業用途向けのプロセス熱供給にも対応する。
02 Jun 2026
546
韓国水力・原子力(KHNP)は5月29日、新ハヌル4号機(改良型PWR「APR1400」, 140.0万kWe)の原子炉建屋基礎への初コンクリート打設を開始、着工した。新ハヌル3-4号機(旧名称: 新蔚珍3-4号機)は、2024年9月には規制当局である韓国原子力安全委員会(NSSC)から建設許可を取得し、サイトの土木工事を開始。2025年5月には、新ハヌル3号機が着工した。KHNPは2032年に新ハヌル3号機、2033年に同4号機の完成を目指している。両機は、慶尚北道地域の年間電力需要の約46%を供給すると見込まれている。新ハヌル3-4号機は、すでに運転中のセウル1-2号機(旧名称:新古里3-4号機)、新ハヌル1-2号機(旧名称:新蔚珍1-2号機)および建設中のセウル3-4号機(旧名称:新古里5-6号機)を含めると、韓国国内における7、8基目のAPR1400。海外では、韓国が初めて海外に輸出したアラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原子力発電所で同炉(計4基)が採用され、全基が運転中である。
01 Jun 2026
665
英会計検査院(NAO)は5月20日、イングランド東部のサフォーク州で建設準備作業が進む、サイズウェルC原子力発電所(SZC)に関する報告書を公表した。SZCの資金調達・事業実施モデルについて、投資家のリスク負担が限定される一方、納税者と消費者がより多くのリスクを負う可能性があるとして、政府に厳格な監視を求めた。SZCプロジェクトは、既存のサイズウェルB原子力発電所サイトに欧州加圧水型炉(EPR-1750、各172万kWe)を2基建設する計画。現在、サマセット州で建設中のヒンクリーポイントC(HPC)のEPR×2基のレプリカ版であり、HPCプロジェクトで得られた知見や教訓を活用し、建設遅延やコスト超過のリスク低減を目指している。SZCプロジェクトは、2022年7月に開発合意書(DCO)、2023年3月に環境許可、2024年5月にはサイト許可がそれぞれ発給されており、英エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)は2025年7月、最終投資決定(FID)を行った。英政府(44.9%)のほか、フランス電力(EDF, 12.5%)、カナダ・ケベック州の公的年金投資機関のラ・ケス(20%)、英エネルギー企業のセントリカ(15%)、英インフラ資産運用会社のアンバー・インフラストラクチャー(初期出資7.6%。後にDESNZから2.4%追加オプションあり)が出資する。SZCプロジェクトは、公共投資と民間資本の両方を使用する規制資産ベース(RAB)モデル((規制資産ベース(RAB)のコスト回収スキーム。個別の投資プロジェクトに対し、総括原価方式による料金設定を通じて建設工事の初期段階から、需要家(消費者)から費用(投資)を回収する。これにより投資家のリスクを軽減でき、資本コスト、ひいては総費用を抑制することが可能になる。))を適用。建設期間中から需要家(消費者)がコストの一部を電気料金に上乗せされる仕組みで、HPCに適用された差金決済取引(CfD)とは異なる。CfDでは、開発者が建設費を負担し、発電開始後にあらかじめ定められた価格で収益を得る。SZCプロジェクトの建設コストの見込額は382億ポンド(2024年価格ベース)と予測されており、2039年夏までに建設完了を予定。完成後は、60年間にわたり英国の600万戸分相当の電力供給が可能とされている。DESNZは、ネットゼロ達成のための他の電源と比べて電力システム全体のコストを下げられると主張している。一方、NAOは、同型炉で遅延やコスト超過なしに完成した例はまだないと指摘。HPCでは工期が7年遅れ、建設費も当初見込みの約2倍に膨らんでいることから、SZCにも重大な実施リスクが残るとした。DESNZの試算では、SZC運用期間中に消費者に最大180億ポンドの純利益をもたらす可能性がある。ただしNAOは、少なくとも2064年以降にならないと発生しないと指摘。将来的には、他の代替のネットゼロ技術がより安価または優れている可能性もあり、SZCのコスト低減効果には大きな不確実性があるとした。消費者は2025年11月からRABモデルのもとで電気料金を通じて建設費用の前払いを始めている。2025~26年度には1世帯あたりの負担増は年間約4ポンドとなり、2039年の完成予定までに年間17〜19ポンドに上昇する見通し。NAOはまた、政府がSZCに資金の大部分を提供しているにもかかわらず、44.9%の少数株主にとどまり、プロジェクトへの管理権を意図的に限定している点にも着目した。DESNZは同プロジェクトが完全に政府管理下に置かれた場合、建設コストは規制の上限シナリオ(477億ポンド)に達し、民間投資家の関与により建設コストの削減と納期の迅速化が可能になると説明する。しかしNAOは、民間投資家の期待利回りが年10.8~13%程度とされ、投資家の財務リターンが消費者に40~45億ポンドの負担をもたらすと指摘。投資家がその負担に見合うだけのコスト削減や工程短縮を実現できるかは不透明だとした。建設費が規制上限に近づいた場合でも、投資家は他の公益事業投資と同程度のリターンを得られる可能性があり、コスト抑制へのインセンティブがDESNZの想定どおりに働くかは明確でないとしている。さらにNAOは、SZCの建設コストはHPCより安く抑えられるはずだが、HPCの電力価格はコスト超過(EDFが負担)前に設定されており、借入コストもそれ以降上昇しているため、消費者はより多くの電力料金を支払う可能性が高いと指摘した。NAOのG. デービス長官は、SZCについて「安全で手頃なクリーン電力供給に向けた政府計画の重要な一部」と位置づけた上で、過去の原子力建設プロジェクトや大規模インフラ事業の教訓を踏まえた新たな資金調達構造であるからこそ、DESNZは納税者と電気料金負担者のリスクを厳格に監視する必要があると述べた。
01 Jun 2026
651
米ホルテック・インターナショナル社とルワンダ原子力委員会(RAEB)は5月19日、ルワンダの首都キガリにおいて、ホルテック社製小型モジュール炉のSMR-300(PWR, 30万kWe)の導入に向けた共同開発協定を締結した。ルワンダがエネルギーミックスの多様化やインフラ強化、信頼性の高い電力供給を目指す中、両者は本協定に基づき、建設サイトの調査、資金調達計画の策定を進める。ホルテック社が先進的な技術とノウハウを提供する一方、RAEBは現地での開発や地域社会との連携を主導する。同協定は、ルワンダ政府主催の「原子力エネルギー・イノベーション・サミット」(NEISA2026)で署名された。同サミットは、2025年にキガリで開催された第1回サミットに続く2回目の開催となる。署名したホルテック・ヨーロッパ社のR. マリン代表は、「ルワンダに最大で計約500万kWeのSMR-300の導入を計画する。ルワンダが、長期的に経済成長の原動力となる原子力発電へのエネルギー移行を実現し、アフリカにおいてSMR導入の先駆者となることを支援していく」と語った。また同サミットでルワンダは、米国と民生用原子力協力に関する覚書に署名した。米J. ヘルバーグ国務次官(経済担当)は、「米国はホルテック社とRAEBと協力してこの革新的なSMRプロジェクトを実現し、エネルギー安全保障と経済開発の目標を達成しようとする国々を支援し続けていく」と語った。ホルテック社のR. スプリングマン社長は、「SMR-300の導入に際し、EPC(韓ヒュンダイE&Cとの提携による)、使用済み燃料管理、運転支援、廃止措置を含む統合的な供給モデルは、ルワンダにおける包括的な商用原子力プログラムの加速に不可欠」と強調した。ルワンダはエネルギーミックスの60〜70%を原子力発電で供給することを目指しており、SMR初号機を2030年代初めに稼働させる計画である。SMR-300は、2基構成のツインユニットで、所要面積はわずか0.15㎢。事故時に運転員が現場を離れても安全性が保たれる特性(walk-away safe)を持つ。ホルテック社は米ミシガン州パリセード原子力発電所に2基のSMR-300をパイオニア1および2の名称で展開する計画。2025年12月、パイオニア発電所の建設許可申請(CPA)の第一部を米原子力規制委員会(NRC)に提出している。
29 May 2026
916
米原子力規制委員会(NRC)は5月18日、ダウ・ケミカル社がテキサス州メキシコ湾沿いにあるシードリフト・サイトにおいて建設を計画するロング・モット(Long Mott)発電所の環境アセスメントを予定より前倒しで完了し、「重大な影響なし(FONSI)」と判断したことを明らかにした。米国の大手化学メーカーであるダウ社とX-エナジー社は2025年3月末、X-エナジー社製SMRの高温ガス炉(HTGR)「Xe-100」(電気出力8万kW)を採用したロング・モット発電所の建設許可をNRCに申請した。シードリフト・サイトで、運転期間満了間近の既存の発電・蒸気設備をリプレースし、化学製品の生産に必要な電力・産業用蒸気を供給する。申請書には、1年間の現地調査や地下水モニタリング(水質測定を含む)、複数の州機関との連携による1,000ページ以上の環境報告書が含まれていた。Xe-100 は、米エネルギー省(DOE) の先進的原子炉実証プログラム(ARDP)で支援対象に選定された2設計の一つ。5~7年以内の実証運転開始を目指している。NRCは、既存の工業地帯における本プロジェクトの環境への影響が限定的であることから、より詳細な環境影響評価(EIS)ではなく、環境アセスメント(EA)が適切と判断した。環境アセスメントは2025年6月10日に開始され、1年未満で完了した。このアプローチにより、厳格な環境基準を維持しつつ、審査期間の短縮につながった。NRCは、「NRC改革に関する大統領令」で定められた18か月の期限に沿い、今年後半に建設許可申請の安全性審査を完了する見込み。その後、許可に関する最終決定となる。運転認可については別途申請を行う必要がある。
27 May 2026
640
ロシア国営原子力企業ロスアトムのA. リハチョフ総裁は5月16日、ロスアトムがイランで建設中のブシェール原子力発電所2号機(VVER-1000, 105.7万kWe)の建設作業が再開されたことを明らかにした。ロスアトムは、ブシェールの建設事業は優先事項としながらも、イラン戦争が続く中、作業を中断し、ロシア人スタッフの多くを段階的にイランから退避させていた。現在、現地に残る少数のスタッフ約20名がイラン側との対話を進めており、技術コンサルティング支援もリモートで展開中。イラン側請負業者の作業員約2,200人がすでに建設現場に戻ってきており、2号機の補強とコンクリート施工を中心に作業が再開された。イラン人作業員の数は増え続けているという。リハチョフ総裁によると、2号機の原子炉の完成度はすでに60%以上、蒸気発生器なども50%完成しており、2027年から主要機器の出荷を開始する予定。3号機(VVER-1000採用)の設備用金属部材が鋳造および鍛造中であるという。ブシェール1号機(VVER-1000, 100.0万kWe)は、原子力発電開発会社(NPPD)が2013年9月に営業運転を開始。ロスアトムによると、同機は100%出力で運転を続けているという。同2号機もVVER-1000を採用し、2019年11月に着工した。2024年9月の国際原子力機関(IAEA)通常総会において、イラン原子力庁(AEOI)は2号機を2029年に稼働する目標を示し、2040年までに計2,000万kWeの原子力発電設備容量を達成する意向を表明している。2025年9月、ロスアトムとAEOIはイランにおける小型モジュール炉(SMR)建設に関する協力に関する覚書を締結した。さらにAEOIは、同国南部のホルムズガーン州にロシア製大型炉4基を採用した原子力発電所を新たに建設する計画を明らかにしている。
27 May 2026
656
スウェーデンの先進炉開発企業であるブリカラ(Blykalla)社は5月18日、首都ストックホルムの北約200kmに位置するノルスンデット(Norrsundet)に、同国初となる先進炉を採用した商用発電所を建設するため、スウェーデン政府に申請書を提出した。同社製鉛冷却の先進モジュール炉(AMR)「SEALER(5.5万kWe)」を6基、合計33.0万kWeを設置する計画だ。ブリカラ社は、イェヴレ市(Gävle)にある産業遺産の地であるノルスンデットを建設地として選定。既存の港湾、重要なインフラを活用し、地域の電力不足への対応も視野に入れている。計画は、土地・環境裁判所やスウェーデン放射線安全局(SSM)などによる審査を経るほか、イェヴレ市の承認も必要となる。SEALERはブリカラ社が開発を進める鉛冷却高速炉。小型のモジュール設計を採用し、出力拡張にも対応する。同社は、独自開発したアルミニウム添加鋼材により、液体鉛環境下での耐腐食性を向上させたとしている。鉛冷却方式については、高い冷却性能や柔軟な立地対応が可能で、産業施設と併設にも適すると説明している。ブリカラ社は、米先進炉開発企業オクロ社とも協力関係にあり、米国市場での展開も視野に入れている。両社は中性子解析や熱水力解析などで連携している。
26 May 2026
858
米原子力規制委員会(NRC)のH. ニー委員長ほか委員4名は5月13日、上院環境・公共事業(EPW)委員会の公聴会に出席し、規制改革や2027会計年度予算案について説明した。先進的な原子力展開の加速化法(ADVANCE法)や大統領令を背景に進められている許認可審査の効率化や組織改革の成果が示される一方、委員や民主党議員からは、人員減少や独立性低下による安全性への影響を懸念する声も上がった。ニー委員長は許認可審査の効率化により、H.B.ロビンソン原子力発電所の運転認可更新を12か月未満で完了したほか、テラパワー社のSMR「Natrium」炉の建設許可を予定より数か月前倒しで発給したと説明。2年前と比べ、許認可業務や原子炉監督活動に要する時間・コストを大幅に削減したと述べた。一方で、改革の加速に対する懸念も示された。B.クロウェル委員は、過去16か月で510人が離職した一方、新規採用は59人にとどまっていると指摘。短期間での改革推進により、スタッフへの負担増加や専門人材流出が進み、安全性や国民からの信頼に影響を及ぼす可能性があると警告した。2027年度予算案については、S. カピトEPW委員長ならびにニー委員長は、規制合理化や組織再編によるコスト削減の成果を反映したものだと説明。一方、クロウェル委員は、今後増加が見込まれる先進炉審査への対応力低下を懸念した。
25 May 2026
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西欧原子力規制者協会(WENRA)は5月13日、原子力推進を利用する商船について、各国で一貫した安全審査を可能にする国際的な規制枠組みが必要だとする声明を発表した。国際海事機関(IMO)が「原子力商船の安全コード(Code of Safety for Nuclear Merchant Ships)」の改定に着手する方針を示したことを歓迎しつつ、国際原子力機関(IAEA)との緊密な連携を求めた。同コードは1981年に策定されたもので、当時の主流であった加圧水型炉(PWR)を前提としている。その後、気候変動対策への関心の高まりや、小型モジュール炉(SMR)、高温ガス炉、熔融塩炉など先進炉の開発が進展したことから、現行コードでは新技術への対応が十分ではないとの指摘が出ている。IMOは2025年6月、同コードが時代遅れとなっており、先進的な原子力技術の船舶利用に向けた障害となっているとして、改定を進めることで合意している。一方、IAEAは、商船や浮体式原子力発電所など海上での民生用原子力技術の安全・セキュリティ・保障措置に関する枠組みづくりを目的とした「ATLAS(Atomic Technologies Licensed for Applications at Sea)」プロジェクトを立ち上げる予定。WENRAは、IMOによるコード改定とIAEAのATLASの整合性は不可欠とし、改定後のコードを最新のIAEA安全基準に沿ったものとするよう求めている。WENRAは、海上での原子力利用には、陸上の原子力施設とは異なるリスクが伴うと指摘。特に、開発中の炉型には技術成熟度に差があることから、原子炉設計、安全解析、事業者の能力が十分に成熟していることが確認されない限り、海上利用を認可すべきではないとの考えを示した。そして、商船は国境を越えて運航されるため、各国ごとにばらつきのある規制ではなく、国際的に調和した安全要件の整備が不可欠だとしている。そのうえでWENRAは、IMOに対し、IAEAと連携しながら安全目標を明確化し、各国当局が原子力推進船の航行認可を判断する際に活用できる、包括的で詳細な安全要件をコードに盛り込むよう促した。WENRA加盟国も、それぞれの専門分野でコード改定に協力していく方針を示している。
25 May 2026
629
スイス連邦政府は5月13日、同国で運転中のゲスゲンおよびライプシュタット各原子力発電所について、最大80年間の長期運転が技術的に可能であり、大半のケースでは経済的にも成り立つとの報告書を採択した。連邦議会上院からの要請を受けて、連邦エネルギー庁(BFE)がとりまとめたもの。政府は現時点で、長期運転に対する財政支援は不要との見解も示した。報告書では、両発電所を80年まで運転する場合に必要となる技術的改修費について、発電所あたり約7億~12億スイスフラン(約1,414億~2,424億円)と試算。現実的な電力価格やコストを前提とすれば、経済的に採算が取れる可能性が高いと指摘。一方で、原子力発電所の早期閉鎖や安全基準の強化など、政治的・規制上の不確実性はリスク要因であり、安定した規制環境や専門人材の維持が重要と指摘している。また報告書は、既設原子力発電所の長期運転と再生可能エネルギーの拡大を組み合わせることで、冬季の電力輸入依存を低減し、供給安全性は大きく向上すると評価。再生可能エネルギーの拡大が十分に進まない場合には、原子力新設も将来の供給力確保の選択肢になりうるとしている。スイスでは現在、4基の原子炉が運転中。ゲスゲン発電所はPWR単機、出力106.0万kWe、1979年11月に営業運転を開始している。ライプシュタット発電所はBWR単機、出力128.5万kWe、1984年12月に営業運転を開始している。スイスでは、2011年の福島第一原子力発電所事故後、脱原子力の方針が示され、2018年施行の改正エネルギー法により原子炉の新設は禁止された。ただし、既設炉については、安全性が確保される限り運転継続が認められている。近年は、気候変動対策や電力需要の増加、冬季の供給不安を背景に、原子力をめぐる議論が再燃。政府は原子力発電所の新設禁止を原子力法から削除する改正法案を示しており、議会上院は今年3月にこれを可決、8月までに下院でも決議される見込み。
21 May 2026
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韓国では、米原子力関連企業との協力拡大の動きが相次いでいる。韓国水力・原子力(KHNP)は、米国の原子力発電運転会社であるサザン・ニュークリア社と覚書(MOU)を締結し、原子力エンジニアリング体制の強化に乗り出す。一方、小型モジュール炉(SMR)開発企業の米ニュースケール・パワー社は、米国の原子力セクターへの投資の可能性について、韓国政府との協議が進行中であることを明らかにした。KHNPは5月12日、韓国・慶州にあるKHNP本社にて、サザン・ニュークリア社と、原子力発電所の運転、設備の保守・点検、設備信頼性およびエンジニアリング全般にわたる協力体制の構築を目的とする覚書を締結した。両社は今後、技術交流プログラムの運営、ワークショップや良好事例の共有などを通じてパートナーシップを強化し、エンジニアリング能力の向上と運転パフォーマンスの改善を図る方針。KHNPのY. キム・エンジニアリング本部長は、「当社のエンジニアの視野を世界へと広げ、国内の技術体制を飛躍的に強化する契機になると期待している」とし、「今後も海外の運営会社や国際機関と緊密に協力し、韓国型エンジニアリング体制の完成に向けて尽力する」と述べた。一方、ニュースケール・パワー社は、5月7日に開催した2026年第1四半期の決算説明会で、今年3月に韓国国会で承認された米国に対する総額3,500億ドル規模の戦略的投資公約に言及。同社のJ. ホプキンスCEOは、同公約のうち2,000億ドルが、両国間の経済的結びつきの強化と関税の引き下げを目的に、小型モジュール炉(SMR)を含む原子力の新規建設、AI、半導体などの分野に充てられるとし、前週にワシントンD.C.で韓国政府と行った協議において確認されたと説明した。R. ハマディ最高財務責任者(CFO)は、韓国および日本の企業が出資者やサプライチェーンパートナーとなり、長きにわたり非常に強固な関係を築いてきたと補足し、プロジェクトにおいて出資面でも重要な役目を果たしうるとの考えを示した。
20 May 2026
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