
海外NEWS
14 May 2026
161

中国 太平嶺4号機が着工
海外NEWS
14 May 2026
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チェコ電力 英ロールス・ロイスSMRと先行作業契約
国内NEWS
14 May 2026
421

関西電力 中計で原子力を成長軸に
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13 May 2026
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米国 ガス火力先行・SMR移行モデルを計画 AI需要に対応
海外NEWS
13 May 2026
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米NRC 史上最速で原子炉運転認可更新
国内NEWS
13 May 2026
433

IAEA ALPS処理水の「第6回安全性レビュー」を開始
海外NEWS
13 May 2026
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仏アラベル・ソリューションズが熱交換器工場新設
国内NEWS
13 May 2026
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NEA事務局長「日本の原子力産業に世界が依存」 供給能力不足に懸念

中国の広東省恵州市で5月10日、中国広核集団(CGN)の太平嶺(Taipingling)原子力発電所4号機(PWR=華龍一号「HPR1000」、120.0万kWe)が着工した。太平嶺原子力発電プロジェクトは、広東・香港・マカオ大湾区で初めて「華龍一号」を採用。中国が独自開発した第3世代炉である同炉型の、昨年の平均稼働時間を基に試算すると、4号機の年間発電量は90億kWhを超えると見込だという。太平嶺原子力発電所プロジェクトでは、3期に分けて建設が進められており、最終的に6基の華龍一号を建設する計画。総投資額は1,200億元(約2.8兆円)を超えると見込まれている。太平嶺サイトでは、1号機が4月20日に営業運転を開始。同2-3号機がそれぞれ、2020年10月、2025年6月に着工しており、2号機では、5月3日に初となる燃料装荷作業を完了した。
14 May 2026
161

チェコ電力(ČEZ)は4月24日、英ロールス・ロイスSMR社と、テメリン原子力発電所サイトに隣接して建設するSMRプロジェクトの先行作業契約(Early Works Contract: EWC)を締結した。これにより、サイト固有設計や許認可準備など初期エンジニアリング作業が開始される。一方、ČEZは今回の契約について、機器供給や着工を含むものではなく、投資決定を意味していないと強調している。またČEZ は同日、チェコ産業貿易省とSMRプログラムに関する覚書を締結。SMRは、大型炉、ガス火力、再生可能エネルギーと並び、チェコの将来のエネルギーミックスを支える存在となることを確認。同覚書に基づき、作業部会を設置して以下を検討していくこととしている。投資モデル資金調達方法欧州委員会による認可プロセスチェコ・英国間の政府協力規制・法制度支援チェコ国内でのSMR建設条件整備ČEZのD. べネシュCEOは、「チェコはSMR計画によって、従来からの原子力技術ノウハウを活用し、さらに深化させることができる。政府との覚書も重要であり、ドコバニ・サイトでの増設と同様に、国家の支援が不可欠である」と述べた。ロールス・ロイスSMR社のC. チョラトンCEOは、「チェコは原子力の豊富な実績と高度な産業基盤を持っており、両国のサプライチェーンを連携強化し、SMRプロジェクトを成功裡に導くことが可能。当社は欧州においてSMR導入に向けた複数の契約・提携を進めている数少ない企業の一つであり、欧州優先のアプローチにより、英国やチェコを含む早期導入国に最大の経済的利益をもたらす」と語った。ČEZは、同社のトゥシミツェ(Tušimice)石炭火力発電所サイトにおいてもSMR計画を進めており、その他の候補地も調査中。既存の石炭火力発電所サイトは、送電・インフラ設備を活用できることに加え、SMRによる地域熱供給との親和性も期待されている。ČEZは2024年10月、ロールス・ロイスSMR社とチェコで合計最大300万kWeの電力供給を実現するための戦略的パートナーシップを締結し、SMR技術の開発・準備に直接関与。ロールス・ロイスSMR社の約20%の株式を取得し、戦略的少数株主となった。テメリン・サイトで計画されるSMRは、英国の北ウェールズ・アングルシー島ウィルヴァ・サイトで先行して進められている導入計画に続く案件となる見通し。ロールス・ロイスSMR社は2025年6月、英国初のSMRの導入を目指す英政府により、優先権者に選定され、同社製SMR(PWR、47万kWe)3基の建設をウィルヴァで計画。英政府系機関 Great British Energy – Nuclear(GBE-N)と今年4月、SMR導入に向けた技術設計契約を締結している。「ロールス・ロイスSMR」は一般にSMRとしてイメージされる30万kWe級以下の炉型より大型である一方、モジュール化、工場生産型のアプローチを活用し、大幅な工期短縮とプロジェクトリスクの低減により、コスト競争力の向上が期待されている。現在チェコでは約4割の電力をドコバニ原子力発電所(VVER-440×4基)とテメリン原子力発電所(VVER-1000×2基)が供給。チェコ政府はSMRに加え、ドコバニ・サイトに大型炉2基を増設する計画を進めている。2025年6月、プロジェクト会社のドコバニII原子力発電所(EDU II)は、韓国水力・原子力(KHNP)と2基増設のエンジニアリング・調達・建設(EPC)契約を締結した。
14 May 2026
166

米国の原子力プロジェクト開発企業ブルー・エナジー社は5月5日、GEベルノバ社とガス火力を先行導入し、その後原子力発電へ段階的に移行する発電モデルを発表した。同モデルは、米国における人工知能(AI)向け電力需要の急増に対応しつつ、早期の電力供給と建設リスク低減を図ることが狙い。両者はGEベルノバ社のガスタービンとGEベルノバ日立ニュークリア・エナジー(GVH)社製の小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」(30万kWe)を用いた発電所の設計・開発を行う。まず実績あるガス火力で早期に電力供給を開始し、その後SMR により長期的なクリーン電源へ移行する構想だ。初号機をテキサス州にあるブルー・エナジー社のサイトに建設し、近隣のデータセンター・キャンパスに電力を供給する計画である。両社はまた、2029年に同サイトへGEベルノバ社製7HA.02ガスタービン2基を納入し、早期に電力供給を実現するため、納入枠予約契約を締結した。さらに両社は、サイト現場での建設ではなく製造工場や造船所でモジュール生産し、バージで輸送・設置する方式を検討している。工期短縮や建設費削減に加え、サイト周辺の地域社会や州に至るまでのサプライチェーン全体で数千もの雇用創出効果も見込む。なお、ブルー・エナジー社は2025年12月、米原子力規制委員会(NRC)から、原子力発電所の建設段階を再編成するアプローチの承認を受けている。同アプローチでは、非原子力設備を先行整備し、早期に収益化することで、原子力プロジェクト特有の長期投資リスク低減を狙う。まず非原子力かつ安全性に直接関与しないインフラのオフサイト製造と現場設置から着手。原子力コンポーネントが許認可および建設段階を経ている間にも、機器製造やインフラ整備を進めつつ、ガス火力による電力供給を開始できる。ブルー・エナジー社は、これにより、従来の原子力発電所の建設工期を少なくとも5年短縮、ガス発電開始までの時間を48か月以下に大幅に短縮し、原子力発電プロジェクトでは初めて設備投資の大部分について、将来の売電収入を裏付けにプロジェクトファイナンスを成立させやすくなるとしている。両社は近い将来、ブルーエナジー社の建設許可申請に向け、サイトの予備的な安全分析作業など必要な開発や特性評価作業の実施で契約を締結する予定。ブルー・エナジー社は2027年には最終投資決定し、NRCに建設許可の申請を計画している。ガスタービンは早ければ2030年に約100万kWeの電力を供給すると見込んでいる。その後、蒸気供給に切り替え、BWRX-300は早ければ2032年に稼働を開始、合計約150万kWeの電力を供給する計画だ。
13 May 2026
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米原子力規制委員会(NRC)は4月23日、サウスカロナイナ州にあるH.B.ロビンソン原子力発電所2号機(PWR, 78万kWe)の2回目となる運転期間延長を承認した。これはNRC史上最速の許可更新審査であり、原子力規制迅速化を求める新たな連邦政府方針の下で完了した初の事例となった。同機はノースカロライナ州シャーロットに拠点を置くデューク・エナジー社が所有・運転。2025年4月1日に2回目となる運転期間延長をNRCに申請した。今回の20年間の更新により、同発電所の運転認可は2050年7月まで延長され、最大80年間の運転が可能になる。米政権は 2050 年までに原子力設備容量を現在の約4倍へ拡大する方針を掲げており、既設炉の長期運転はその中核施策の一つと位置づけられている。NRCのH. ニエ委員長は、「安全性を損なうことなく迅速に結果を出せることを証明した画期的な成果」と述べ、原子力発電所の安全上重要な項目に焦点を当て、過去の審査経験を活用することで、効率化と迅速な安全判断を実現したと指摘した。NRCは、同審査は、2025年5月の「NRC改革に関する大統領令」で定められた12か月の期間内に完了し、NRCの従来の審査期間である18か月から6か月短縮されたが、NRCの厳格な安全基準は維持されたと強調している。H.B.ロビンソン発電所2号機は、1971年3月より運転を開始。2025年3月のオコニー原子力発電所1~3号機に続き、デューク・エナジー社で2番目の運転期間延長の承認を受けた原子炉である。同社は、残る全7基(ブランズウィック1-2号機、 カトーバ1-2号機、シアロンハリス1号機、 ウィリアム・B・マクガイヤー1-2号機)の2度目の運転認可更新を申請する予定。NRCによると、これまでに2回目の運転期間延長(80年間運転)承認したのは23基。
13 May 2026
619

フランス電力(EDF)は4月26日、子会社のアラベル・ソリューションズ社が、フランス東部シャロン=シュル=ソーヌに大型熱交換器の新工場を建設すると発表した。投資額は約1億ユーロ(約170億円)。2030年の操業開始を予定している。新工場では、原子力発電所のタービン建屋に設置する湿分分離再熱器(MSR)、高圧・低圧給水加熱器などの大型熱交換器を製造する。工場の延べ床面積は約2万平方メートル。EPR2原子炉1基分に相当する大型熱交換器を年間で供給できる能力を整備する計画だ。同社は今年1月にも本拠地ベルフォールへの約3億5,000万ユーロ(約600億円)の投資計画を明らかにしており、蒸気タービンや発電機の生産能力拡充を進めている。今回の投資により、これまで国外のサプライヤーへの依存度が高かった大型熱交換器についてもフランス国内で生産できる体制を整備し、EPR2(改良型EPR)向け主要機器の国内調達を進める。EDFのB. フォンタナ会長兼CEOは、今回の投資により、EPR2の建設を支える国内の製造基盤を強化し、フランスおよび欧州における原子力サプライチェーンの強靭化につながるとの考えを示した。フランスでは、原子力を電力供給の柱とする方針の下、既設炉の長期運転に加え、新規建設計画も進めている。E. マクロン大統領は2022年2月、EPR2の6基建設と、さらに8基の追加建設を検討する方針を表明。第1弾として、パンリー、グラブリーヌ、ビュジェイの3地点で各2基の建設を計画しており、2027年の着工を目指している。シャロン=シュル=ソーヌ周辺には、フラマトム(Framatome)社のサン=マルセル工場が立地しており、原子炉圧力容器や蒸気発生器などの大型機器を製造している。ソーヌ川を利用した水運インフラにも恵まれており、大型機器輸送に適した立地とされる。
13 May 2026
450

米サウスカロライナ州コロンビアに本拠を置く原子力発電プロジェクト開発会社のThe Nuclear Company(TNC)は5月4日、カナダの資産運用会社であるブルックフィールド・アセット・マネジメント社と、世界各地で米ウェスチングハウス(WE)社製AP1000などを活用したプロジェクトに特化した新会社の設立に向けて提携したことを明らかにした。今後、最終契約締結に向け協議を進める。ブルックフィールド社は、カナダのカメコ社とともにWE社の大口株主。ブルックフィールド社は、新会社を V.C. サマー原子力発電所 2-3 号機プロジェクトで活用する考え。同サイトでは AP1000 ×2 基が建設途中で中断されている。サンティ・クーパー社は 2025 年、ブルックフィールド社とプロジェクト再開に向けた初期実行可能性調査(F/S)に関する覚書を締結。ブルックフィールド社は、最終投資判断(FID)に至るまでの検討を進めている。TNC は AI やデジタル技術を活用した原子力プロジェクト管理を掲げる新興企業。TNC社のJ. クレチャ最高原子力責任者はブルックフィールド社とのパートナーシップについて、人材・資本・実行能力を統合する体制構築の重要性を強調した。2008年3月に米原子力規制委員会(NRC)は、同2-3号機の建設・運転一括認可(COL)を2012年3月に発給。2013年3月に2号機、2013年11月に3号機が着工した。その後の工事遅延とコスト超過、WE社の破産を受け、2017年7月にプロジェクトは中止された。なお、2-3号機の建設プロジェクトが中止された時点で、工事進捗率48%(2号機)であり、既存インフラの一部が整備済みである点が再開時の利点とみられている。
12 May 2026
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韓国電力公社(KEPCO)のD. キム社長は4月22日、ベトナム・ハノイで韓国の李在明大統領とベトナムのT. ラム共産党書記長の立会いの下、ベトナム国家エネルギー産業公社(ペトロベトナム:PVN)と「原子力発電開発の協力可能性検討に関する覚書」を締結した。併せて、韓国輸出入銀行(KEXIM)、韓国貿易保険公社(K-SURE)とともに4者間で「原子力発電プロジェクトにおける金融協力に関する覚書」を締結し、ベトナムで原子力発電所建設プロジェクトを円滑に進めるための資金面での協力体制構築も進めている。今回のPVNとの覚書についてKEPCOは、昨年8月のベトナム共産党T. ラム書記長の韓国訪問を機に締結された「原子力分野の人材育成協力に関する覚書」と併せ、今後の協力拡大につながるとみている。PVNはニントゥアン第二原子力発電所プロジェクトの運営者である。翌23日、キム社長は「韓・越ビジネスフォーラム」に出席し、ベトナムの新規原子力発電所および電力インフラ事業への積極的な参加の意志を表明。同席上で、ベトナム電力公社(EVN)と「電力インフラ協力に関する覚書」を締結した。PVN のレ・ゴック・ソン会長は、韓国の原子力産業基盤や金融面での強みを評価。APR1400 や SMR の導入可能性に言及し、人材育成や技術協力を含めた幅広い連携に期待を示した。ベトナムのニントゥアン原子力発電所計画は、2016 年にいったん白紙となったが、政府は近年、エネルギー安全保障や脱炭素化を背景に計画を再始動している。第一原子力発電所については、ロシアとの間で VVER-1200 ×2 基の建設協力協定が締結されており、韓国側は第二サイトへの関与拡大を視野に入れているとみられる。
12 May 2026
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カナダのT. ホジソン・エネルギー・天然資源相は4月29日、カナダ原子力協会(CNA)年次総会において、カナダ天然資源省が「カナダ新原子力戦略」を策定中であることを明らかにした。同戦略は、2026年末までに公表予定である。同戦略では、カナダ型加圧重水炉(CANDU炉)技術などの国産技術革新、豊富なウラン資源、世界レベルの労働力と安全規制体制といった独自の強みを基盤としている。国内産業の成長を促進するとともに、国内の電力安定供給とエネルギー安全保障を強化するとともに、2030年までに年間最大2,000億加ドル(約23兆円)規模の成長が見込まれる世界市場への参画を目指すとしている。なお同戦略は、以下の4本の柱で構成されている。カナダ全土で新規原子炉建設を推進世界市場向け主要供給国・輸出国としての地位を確立ウラン生産および燃料ビジネスの機会を拡大カナダ発の原子力イノベーション(核分裂・核融合を含む)の開発その一環として、北部・遠隔地の防衛関連施設を対象に、熱と電力を供給できるカナダ管理下のマイクロ炉導入可能性を調査する。国防省を通じ、2026~2027年にかけて、4,000万加ドル(約46億円)を投じる。さらに、連邦政府は、カナダ原子力研究所(CNL)のチョークリバー研究所(オンタリオ州)に対し、今後10年間で22億加ドル(約2,525億円)の設備投資を行うことを決定。新たな先端材料研究センターに加え、CANDU炉の技術支援、原子力安全・セキュリティ研究、小型モジュール炉(SMR)や燃料の開発、電力会社の既存炉の寿命延長と信頼性向上支援など、同国の原子力分野におけるリーダーシップの維持強化を支えるため、カナダ原子力公社(AECL)の施設や研究設備の刷新を目的としている。カナダでは現在、オンタリオ州とニューブランズウィック州のCANDU炉17基が同国電力の約13%を供給している。原子力産業の経済貢献は年間220億加ドル(約2.5兆円)に上る。また同国は2024年時点で、世界第2位のウラン生産国で、世界生産量の約24%を占めた。政府は、国内技術と資源を組み合わせ、原子力をエネルギー安全保障と産業競争力の柱に位置づける考えだ。
11 May 2026
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ロシア国営原子力企業ロスアトムは4月22日、スヴェルドロフスク州ザレーチヌイにあるベロヤルスク原子力発電所4号機(高速炉BN-800、88.5万kWe)で、使用済み燃料中に含まれる長寿命核種のうち、特に放射性毒性の高いマイナーアクチノイド(MA)を含有したMOX燃料を商業炉で燃焼させる世界初の試験運転プログラムが成功裏に完了したことを明らかにした。MAとは、使用済み燃料中に生成される超ウラン元素のうち、プルトニウムを除いた元素群を指す。放射性毒性の強いMAであるアメリシウム241とネプツニウム237を含む試験用の燃料集合体3体が、2024年夏にBN-800の炉心に装荷され、約1年半にわたり、通常より短期間の3燃料サイクルで照射された。照射された集合体は、使用済み燃料プールで冷却後、照射後試験が実施される。発電炉でのMAの燃焼処理は、第4世代の原子力技術ならびにクローズド・サイクルの重要な要素。ネプツニウム、アメリシウム、キュリウムは、使用済み燃料の質量に占める割合は小さいが、放射性毒性と残留熱放出に大きく寄与し、非常に長寿命(半減期は数十万年に達する)である。そのため、放射性廃棄物を環境から隔離すべき期間や処分条件に大きな影響を与える。ロスアトムは、クローズド・サイクルの一環として、使用済み燃料由来の回収ウラン、プルトニウムの利用実績はあるが、長期的には、MA燃焼処理により深地層処分を必要とする放射性廃棄物の量と種類を大幅に削減したい考え。特に、MAをより安定した、または短寿命の核種に変換する高速炉利用が最適としている。ロスアトム燃料部門であるTVEL社のA. ウグリュモフ研究開発担当上級副社長によると、MA燃焼処理の産業規模への移行前に技術的可能性を実証するため、試験用MOX燃料集合体のMA含有量を増加させるほか、高速炉用のウラン・プルトニウム混合窒化物(MNUP)燃料へのMAの混合や、MAを別々の燃料棒または集合体に配置し、炉心の特定のゾーンに設置する燃焼試験も実施する計画であるという。ベロヤルスク原子力発電所のY. ノソフ所長は、高速炉で燃焼後、燃料に含まれるMAの量は大幅に減少、最終処分が必要な放射性廃棄物の量を、数十分の1に低減できる可能性があり、照射後試験の結果は、MA燃焼技術の概念を実証し、燃料サイクルにおけるその役割と重要性を定義するものとなる、と指摘。第4世代炉は、使用済み燃料を貯蔵するのではなく利用することで、原子力の環境安全性とエネルギーポテンシャルの向上に貢献するとし、高速炉は約60年間の運転で約4トンのMAを処理できる見込みであり、軽水炉数基で生成される量よりも多い、と補足した。
11 May 2026
633

加オンタリオ州営電力のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社は4月22日、ダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)サイトで、初号機の原子炉建屋基礎となるベースマット・モジュールを設置した。DNNPでは、GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」(30万kWe)×4基を建設する計画。ベースマット・モジュールは直径37m、重量は約953トン。世界最大級のクローラークレーンを用いて、原子炉建屋シャフト地下約35mの所定位置に据え付けられた。原子炉建屋と格納容器構造に共通の基礎となる。カナダで、原子炉建屋基礎をモジュール方式で組み立てるのは初。SMRの「M」(モジュール:Module)を体現するもので、モジュール化鋼・コンクリート複合材である「ダイアフラム・プレート・スチール・コンポジット(Diaphragm Plate Steel Composite)」製の構成部品を、オンタリオ州各地の職人らが製造、溶接、組み立てた。今回の原子炉建屋基礎の設置により、カナダでは30年以上ぶりとなる新規建設プロジェクトである、SMR初号機の本格建設工事が始動した。2025年4月、加原子力安全委員会(CNSC)はOPG社にDNNP初号機の建設許可を発給。翌5月にはオンタリオ州政府も初号機の建設計画を承認した。さらに、OPG社は今年3月、CNSCに同機の運転認可(20年間)を申請。2030年末までの送電網接続を計画している。
08 May 2026
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中国の浙江省温州市で4月29日、中国広核集団(CGN)の三澳(Sanaocun)発電所1号機(PWR=華龍一号「HPR1000」、120.8万kWe)が営業運転を開始した。同機は、3月12日に送電を開始していた。三澳プロジェクトは2007年にサイト調査を開始し、2015年に国家能源局が、計6基の「華龍一号」の建設に向けたサイト取得・整備作業等の実施を承認。長江デルタ地域初の「華龍一号」となる。I期工事の1-2号機はそれぞれ2020年12月、2021年12月に着工し、Ⅱ期工事の3号機も2025年11月に着工した。長江デルタ地域はデータセンター需要が大きい。同プロジェクトが完成すると、温州市の現在の総電力消費量の約80%に相当する年間540億kWh超の電力供給が見込まれている。これは、標準石炭換算で年間約1,635万トンの削減に貢献するという。
07 May 2026
570

英政府系機関 Great British Energy – Nuclear(GBE-N)は4月13日、ロールス・ロイス SMR 社と、小型モジュール炉(SMR)導入に向けた技術設計契約を締結した。ロールス・ロイスSMR社は2025年6月、英国初の小型モジュール炉(SMR)の導入を目指す英政府により、優先権者に選定され、同社製SMR(PWR、47万kWe)を3基、北ウェールズのアングルシー島ウィルヴァへの建設を計画している。SMRは工場生産方式により、建設工程の効率化が期待されている。2030年4月までの歳出見直し(Spending Review)において、本契約および関連プログラム実施に向けて26億ポンドが割り当てられており、ロールス・ロイスSMR社は今回の契約により、今後、詳細設計や規制当局対応などを進め、将来的な最終投資決定につなげる。一方、英政府の主要投資家で政策銀行であるナショナル・ウェルス・ファンド(NWF)もロールス・ロイスSMR社に最大約5.99億ポンドを投資し、SMR開発を支援することとしている。なお、GBE-Nは今年第1四半期で、オーナーズ・エンジニア契約など、英国の主要企業を含むサプライチェーン全体ですでに約3.5億ポンドの契約を締結しており、英国初となるSMRを納品するチームの構築に向けて準備を進めている。英政府は、エネルギー安全保障強化の観点から、SMR導入を重視している。同国初のSMRプロジェクトにより、建設の最盛期には約3,000人の雇用を支え、さらに英国全体のサプライチェーンにおいて数千人規模の雇用創出が予想されている。ロールス・ロイス社は本契約の締結について、「英国初のSMR実現に向けた重要な前進」と評価した。
07 May 2026
597

関西電力は4月30日、2029年3月期まで3年間の中期経営計画を発表し、原子力分野では、美浜発電所のサイト内でのリプレースに向けた自主調査の実施、次世代革新炉の技術開発、原子燃料サイクルの推進を進めるとした。経営計画の中で、ゼロカーボン電源を強みの一つと位置付け、原子力事業を今後も最大限活用したい考えだ。そして、2040年に向け、需要増加や脱炭素化に対応する電源基盤の構築を進める方針を示した。更に原子力事業において、DXやAIの活用による業務効率化も進める。その中で、安全確保、効率化、人材育成を実現することを目標とする。今後3年間の具体的な施策としては、現場ネットワーク・発電設備の3Dマップの全プラント順次導入と活用、許認可データ基盤の整備・活用推進、AIの利活用による現場業務改善の定着を挙げた。美浜発電所について、昨年11月にはリプレースを見据えた地質調査が再開されており、2段階に分けられた調査は2030年ごろまで段階的に実施される予定。
14 May 2026
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国際原子力機関(IAEA)の職員と専門家で構成されるIAEAタスクフォース※1がこのほど来日し、福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の海洋放出に関する安全性及び規制面のレビュー(安全性レビュー)を、5月11日に開始した。また、同日、外務省にてオープニングセッションが開かれ、日本側から、外務省、原子力規制委員会、経済産業省、東京電力の関係者が出席した。安全性レビューは5日間の日程で実施され、今回はALPS処理水に関連するモニタリング活動に重点を置いたレビューが行われるという。2023年8月のALPS処理水の海洋放出開始後、IAEAタスクフォースによる「安全性レビュー」はすでに5回(2023年10月、2024年4月、2024年12月、2025年5月、2025年12月)実施されており、今回で6回目となった。オープニングセッションでは冒頭、外務省の松本恭典氏(軍縮不拡散・科学部審議官)が、「ALPS処理水の海洋放出が安全かつ着実に進められていることを、大変心強く感じている。また、IAEAが中立的かつ客観的な立場で継続的にレビュー活動を実施していることに対し、深く感謝申し上げる」と述べ、改めて謝意を表明した。また、経済産業省の宮﨑貴哉氏(大臣官房福島復興推進グループ原子力事故災害対処審議官)は、今後もIAEAによる同レビューを通じ、国際安全基準に沿ったALPS処理水海洋放出の安全確保に万全を期す考えを改めて表明。あわせて、IAEAと連携しつつ、国内外に向けた透明性の高い情報発信を継続し、理解促進に努めていく方針を示した。東京電力の佐藤学執行役員は、「2023年8月以降、計19回のALPS処理水放出を実施してきたが、いずれも安全かつ計画通りに進めてきた」と説明。また、IAEAによる同レビュー活動に加え、SNSを通じた情報発信や、IAEA常駐検査官・職員による監視活動が「透明性向上につながっている」と述べた上で、客観性と透明性の維持に向け、今後も常に改善に努めていく姿勢を強調した。同レビューを総括しているIAEAのグスタヴォ・カルーソ調整官は、今後もIAEAがALPS処理水の放出に関する独立した監視機関の中心的役割を担うと説明。モナコやオーストリア・ザイバースドルフ、ウィーンのIAEA環境研究所およびIAEA福島ALPSラボにおいて、各種試料(処理水、希釈水、海洋環境サンプルなど)に関する分析、検証を継続し、分析・検証結果を国内外へと発信すると述べた。またカルーソ調整官によると、2025年から海洋環境、地下水、気象条件に関する追加モニタリングも開始しており、2026年には追加措置プログラムも本格化すると説明した。カルーソ調整官は、「IAEAは今後も、独立性、科学的根拠、透明性に基づくモニタリングを継続していく」と述べた上で、福島で行われているALPS処理水の放出が関連するすべての国際安全基準と整合していることを、引き続き検証していく考えを示した。※1 IAEAタスクフォースには、IAEAからは独立した立場で参加するアルゼンチン、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、韓国、マーシャル諸島、ロシア、英国、米国、ベトナム出身の11名の専門家が含まれる
13 May 2026
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経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)のW.D.マグウッド事務局長は4月15日、第59回原産年次大会に合わせて行われた記者会見で、世界的な原子力回帰が進む中、日本の原子力産業が国際的に極めて重要な役割を担うとの見方を示した。一方で、今後急増が見込まれる原子力機器・設備需要に対し、世界全体の供給能力が不足する可能性にも強い懸念を表明した。マグウッド事務局長は、世界各国がエネルギー安全保障や脱炭素化の観点から原子力を再評価していると説明。特に、各国が2030年代半ばを見据えて新規原子力発電所計画が相次ぐ中、製造基盤や人材などサプライチェーンの整備が追いついていないとの危機感を示した。「日本の原子力産業がこの15年間でより強くなったと評価しているが、今後どのような役割が期待されるのか」との質問に対し、事務局長はNEAが約2年前に日本で実施した「国別安全文化フォーラム」に言及。「日本の安全文化の現状について非常に深く理解することができた。ここ数年の進展には非常に強い印象を受けた」と述べ、日本の原子力産業の改善を高く評価した。その上で、「世界的な原子力回帰が進む中、日本の製造業への依存は今後一段と高まる」と強調。特に、圧力容器や蒸気発生器といった大型機器に加え、タービン発電機などのBOP機器分野でも、日本企業の存在感が大きいとの認識を示した。一方で、「今後数年間にわたり生じる需要に対して、(機器や設備の)供給能力が十分ではない可能性がある」と指摘。各国のエネルギー担当閣僚との対話では、「2030年代半ばまでに新規原子力発電所を建設したい」との声を多く聞くとした上で、「現在の世界全体の供給能力では、それを支えるには不十分だ」と述べた。また、メーカー側には生産能力増強に向けた設備投資が必要となる一方、「多くの企業は、本当に市場が立ち上がるのかという確実なシグナルを待っている」と説明。さらに、「新規プロジェクトを検討する際、最初に日本の同業者へ連絡する」と述べ、原子力産業界における日本企業への信頼の高さを示唆した。 会見ではこのほか、人材不足や小型モジュール炉(SMR)の初号機リスク、地政学リスクなどについても質問が出た。人材面では、OECD諸国全体で科学技術分野に進む若者の数が退職者数を補えていない状況にあると説明。特に日本については、少子化が長期的課題になっているとした上で、「人材育成に重点的に取り組む必要がある」と指摘した。また、SMRについては、「コストそのものよりも不確実性が大きな課題」と説明。初号機建設には大きなリスクが伴う一方、MicrosoftやGoogleなどの大手IT企業が、そうしたリスクを引き受ける“ファーストムーバー”として重要な役割を担う可能性があるとの見方を示した。さらに、ロシアによるウクライナ侵攻を踏まえた原子力施設の安全性については、「原子力施設は極めて堅牢」としつつも、「武力紛争時に原子力施設を保護するための国際的な枠組みは、現状では不十分」と指摘。将来的には、新たな国際的合意形成が必要になるとの見方を示した。福島第一原子力発電所の廃炉については、「多くの安全上のリスクは既に低減または除去されている」と評価。英国セラフィールドや米国ハンフォードの例を挙げながら、「こうしたクリーンアップには数十年単位の時間が必要」と説明した。その上で、「慎重な分析なしに問題解決を急ぐ方がむしろ懸念される」と述べ、日本政府や東京電力による現在の段階的対応に信頼感を示した。
13 May 2026
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IHIは5月8日の決算説明会で、2026年度からの中長期経営計画を公表した。エネルギー分野では原子力事業を成長分野の一つに位置づけ、生産体制や人材の強化、次世代炉分野への投資を進める方針を示した。同社はエネルギー分野における2040年に向けた成長シナリオとして、原子力事業に関し、国内原子力分野での基盤強化を打ち出した。その実現に向け、原子力発電所の再稼働に備えた生産体制および人員の強化、六ケ所再処理工場の竣工対応と運転・技術支援、再処理から廃棄物処理・最終処分までを含む事業体制の構築を目指す。同社は原子力事業を、投資を加速することで売上高を伸ばす「成長事業」の一つに位置付け、国内のみならず海外市場も視野に入れた上で、生産力を強化する。同日に発表された同社の2025年度決算説明資料においても、今後2026年度から2028年度にかけて、原子力事業を含む成長・育成事業に優先的に資金を配分すると説明。原子力事業の具体的な投資テーマとして、圧力容器や鋼製モジュールの製造技術力・生産性向上や小型モジュール炉(SMR)などの次世代原子炉の開発を挙げた。同社は今年3月、米国のX-energy社と高温ガス炉技術分野における協業の可能性を検討・推進することを目的とした非拘束の覚書(MOU)を締結。昨年は、ルーマニアのSMR計画向けにでの鋼製モジュールのモックアップ製作を受注するなど、同社は近年、SMR関連や高温ガス炉分野で海外案件への関与を進めている。
12 May 2026
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AI(人工知能)の研究の国内第一人者である、東京大学松尾・岩澤研究室発のスタートアップ企業である株式会社EQUES(エクエス)は5月8日、原子力産業向けAI事業の構想を発表した。同社は、目指す事業内容として、AIを使用したロボットによる原子力施設の保守・点検作業の実施、設備やセンサーのデータを学習したAIによる施設の異常の早期検知などを挙げている。原子力産業においては、安全基準のクリアにあたって判断の根拠の提示が重要となっているが、同社の今回の事業では「説明可能なAI(Explainable AI)」を使用することで、AIがなぜその思考・判断に至ったのか明示出来るようにし、厳格な規制への対応に挑戦するという。原子力施設での保守・点検作業については、巡回点検ロボット、画像解析AI、遠隔支援AIなどとの連携を、異常の早期検知については、デジタルツイン((現実の発電設備などを仮想空間上に再現し、動作や変化を事前に検証する技術))やリアルタイム解析との連携を視野に入れるとしている。同社がエネルギー分野へ参入するのはこれが初めて。今後、原子力事業に留まらず、エネルギープラントやインフラ保守におけるAI導入を狙う。今年3月に米マイクロソフト社がエヌビディア社と連携して、原子力分野の全工程を対象としたAI活用の枠組みを発表したほか、米エネルギー省(DOE)はAI活用推進プログラム「ジェネシス・ミッション」を進めるなど、原子力産業におけるAIの活用には注目が集まっている。
11 May 2026
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日本独自のヘリカル型核融合炉の開発を目指すHelical Fusion(ヘリカルフュージョン)は4月28日、都内で記者会見を開き、「公式パートナー制度」を新設し、その第一弾として、ニチアス、長谷虎紡績、瀬野汽船の3社の参画決定を発表した。同社は現在、最終実証装置「Helix HARUKA」の製造・建設を岐阜県土岐市の核融合科学研究所(NIFS)内で進めており、2030年前後の統合実証を目指している。すでに全国各地の企業と協力関係を構築している同社は、今後、一定の基準を設けた「公式パートナー制度」を通じて、連携企業のさらなる拡大を図る方針だ。公式パートナーは、事業・技術面での連携、一定規模以上の資本提携の両要件を満たす企業を対象とし、最終実証装置「Helix HARUKA」や将来的な発電初号機「Helix KANATA」の製造・建設を主体的に推進する役割を担う。同社の田口昂哉CEOは公式パートナーについて、「主体的にリスクテイクし、自分ごととして覚悟を持って共に進めるパートナーと位置付けている」と説明。また、「さらなる輪を広げていきたい」と述べ、今後の公式パートナーの拡大に意欲を示した。また、田口CEOは、フュージョンエネルギー産業を「日本の産業構造転換に繋げたい」と抱負を示した。半導体やスマートフォン産業を例に、「日本は優れた部品や素材を持ちながら、全体を統合するインテグレーターの立場を十分に取れてこなかった」と指摘。その上で、同分野では単なる要素技術の供給にとどまらず、システム全体を統合し完成品を提供する「インテグレーター」や「プラットフォーマー」として主導権を握ることで、「日本全体の産業構造改革、国内ものづくり産業の再活性化、地域創生につなげていきたい」と述べた。さらに、公式パートナーに参画したニチアスの亀津克己社長、長谷虎紡績の長谷享治社長らも登壇し、最終実証装置「Helix HARUKA」における具体的な役割について説明。ニチアスは高温・極低温環境下に対応する断熱・シール技術、長谷虎紡績はロケット用途にも用いられる耐熱繊維素材などを通じた貢献を紹介した。あわせて会見では、同社が開発を進める「Helix HARUKA」の内部構造映像を初公開。さらに、約27億円の資金調達を完了したことも明らかにし、東京都の「ゼロエミッション東京の実現等に向けたイノベーション促進事業」を含めた累計調達額は約98億円に達したという。
08 May 2026
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原子力産業新聞が電力各社から入手したデータによると、2025年度の国内原子力発電所の平均設備利用率は33.6%、総発電電力量は972億3,191万kWhで、それぞれ対前年度比1.3ポイント増、同4.0%増となった。いずれも新規制基準が施行された2015年度以降で最高の水準を更新した。2025年度には、柏崎刈羽6号機(2026年2月16日送電再開、同4月16日営業運転再開)がABWRとして初めて新規制基準をクリアし、再稼働した。これにより、再稼働した原子力発電所は、女川2号機、柏崎刈羽6号機、美浜3号機、高浜1~4号機、大飯3-4号機、島根2号機、伊方3号機、玄海3-4号機、川内1-2号機の計15基・1,460.9万kWとなった。再稼働していないものも含めた国内の原子力発電プラントは、前年度と同じく計33基・3,308.3万kWとなっている。国内の長期運転プラントは、高浜2号機が2025年11月14日に運転開始から50年に達し、同1号機に次いで国内2基目の50年超運転入りとなった。また、川内2号機が同年11月に40年超運転入りした。これにより、再稼働済みプラントのうち40年超運転は計6基となっている。なお、原子力発電所の高経年化対策に関して、「GX脱炭素電源法」に基づく新たな規制が同年6月6日に施行された。2025年度に最も高い設備利用率を記録したのは、大飯原子力発電所4号機で95.0%。これに美浜3号機の88.8%、島根2号機の87.9%が続き、柏崎刈羽6号機を除いた稼働中の全ての原子力発電所の設備利用率は70%を超えた。※2025年度の各プラントの稼働状況はこちらをご覧ください。
07 May 2026
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福井県の石田嵩人知事は4月28日、経済産業省を訪問し、「エネルギー政策の実行・原子力発電所の安全対策の強化及び原子力発電所立地地域の振興」に関する要望書を、赤沢亮正経済産業大臣に手交した。石田知事は、エネルギー政策は国民生活の安定や産業の発展、国家の安全保障に直結する重要事項だと強調したうえで、第7次エネルギー基本計画に基づく原子力政策の明確化と着実な実行が求められているとの認識を示した。そして、福井県に立地する原子力発電所15基のうち、運転中が7基、廃止措置中が7基(敦賀2号機が停止中)である現状に触れ、同県が安全対策や使用済み燃料対策、立地地域の振興などの分野で全国に先行したさまざまな取り組みを進めていると説明。そのうえで、半世紀以上にわたり、国策である原子力政策に志を持って協力してきた県の首長という立場から、現場の声や課題を踏まえたエネルギー政策を要望した。要望書には、「エネルギー政策の実行・原子力発電所の安全対策の強化」と「原子力発電所立地地域の振興」の2項目が示された。「エネルギー政策の実行・原子力発電所の安全対策の強化」について石田知事は、4点を要請した。まず、2050年以降を見据えた原子力政策の将来像を明確化し、安全投資や人材確保を後押しするよう求めた。次に、関西電力の使用済み燃料対策ロードマップの着実な実行と、事業者間連携による搬出の加速を要請。あわせて、六ヶ所再処理工場の竣工に向けた国の厳格な審査と進捗管理を求めた。乾式貯蔵については発電所内の一時措置であることを国が説明し理解を得る必要性を指摘したほか、使用済みMOX燃料については仏での実証研究を踏まえた技術開発の加速と具体策の提示を求めた。このほか、国民理解の促進と、安全対策への投資を支える事業環境の整備を求めた。また、「原子力発電所立地地域の振興」では3点を要請。避難道路整備のための別枠財源の確保や、北陸新幹線(小浜・京都ルート)の早期認可・着工、舞鶴若狭自動車道の4車線化などを挙げ、これらが有事の安全確保にも資すると強調した。あわせて、クリアランス制度推進に向けた関連事業者への支援具体化と、電源三法交付金の充実も求めた。これに対し赤沢大臣は、電力需要の増加を踏まえ、「原子力と再エネの二項対立ではなく、双方を最大限活用することが重要」と述べ、エネルギー安全保障の観点からも、脱炭素電源を最大限活用することが不可欠との認識を示した。その上で、原子力の将来像に関する議論を深めるとともに、事業環境整備を進める考えを表明。使用済み燃料対策では、関西電力のロードマップの着実な実行と事業者間の連携強化の重要性を指摘。六ヶ所再処理工場の竣工に向けて国として進捗管理と支援を行う方針を示した。さらに、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する理解促進に取り組むとともに、使用済みMOX燃料については日仏協力のもとで実証研究を進め、2030年代後半の技術確立を目指すとした。立地地域振興や、クリアランス制度の活用、電源三法交付金のあり方についても関係省庁と連携し対応していく考えを示し、電源三法交付金のあり方についても検討を進める考えを示した。そして最後に、「福井県の皆様の声をしっかり受け止め、政策に反映していく」と述べた。
01 May 2026
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三菱総合研究所(MRI)は4月15日、「高レベル放射性廃棄物最終処分地選定への提言 実行性のある選定プロセス構築に何が必要か?」と題したコラムを公表。高レベル放射性廃棄物(HLW)の最終処分地選定プロセス(文献調査→概要調査→精密調査→処分地選定)の実態と課題を明らかにしたうえで、意思決定を地域任せにしない環境整備に向けた方策を提言した。同コラムは冒頭、現行の最終処分地選定プロセスの制度化から25年以上が経過した現在も、文献調査の実施地点が3地点(※コラム執筆時、現在4地点)に留まっていることに言及。なぜ現行プロセスでは、「文献調査地点が広がらないのか」「選定プロセスが次段階(概要・精密調査)へ進まないのか」の2点を課題に挙げ、停滞状況にある現状を憂いた。その理由のひとつとして、選定プロセスの進展が実質的に地域の発意や意思決定に委ねられている点にあると記された。国が定めた「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(最終処分法)」では、文献調査の受け入れや次段階への移行には、「国が都道府県知事や市町村長の意見を聴き、これを尊重しなければならない」と定められた規定(尊重規定)が存在し、調査の進展が地域の判断に大きく左右される構造であると指摘した。無論、この尊重規定は、選定プロセスの可逆性と地域による実質的な拒否権を担保するもので、地域の意向に反して国が一方的に進めることを避けるための規定であるが、同コラムでは、この尊重規定を踏まえつつ、調査地点の拡大とプロセスの進展を進める方策を3点、提言した。【意思決定を地域任せにしない環境整備に取り組む方策】①国として積極的な申し入れや意思の提示を行い地域の意思決定の一助とすること②責任の分担方策の導入と地域インセンティブに関する議論機会の設定③柔軟性のある調査ステップへの見直し同コラムでは、この状況を打破するカギは「地域の意思決定の一助」にあるとし、国が主体的に関与し、地域の意思決定を後押しする必要性を挙げた。今年1月、赤沢経済産業大臣が全都道府県知事に対し、処分地選定に向けた調査について「地域任せにすることなく、国の責任で協力を求めていく」とした文書を発出。そして、今年4月、新たに東京都小笠原村での文献調査の実施が決定。同件は、国が主導して地方自治体に文献調査を申し入れ、受け入れが正式に決定した初の事例となり、まさに、国が主導してHLWの処分地選定プロセスを進めていく姿勢の表れであり、一歩前進したと評している。コラムを執筆したMRIの防災・レジリエンス政策本部の小野寺将規氏と、インフラ・都市政策本部の伊原隼人氏は、南鳥島の特殊性を加味すると、必ずしも後続地域への調査申し入れ・選定プロセスの進展がスムーズに進むとは限らない可能性にも言及する。また、最終処分法における尊重規定は、「概要調査地区等の所在地を定めようとするときは…」と規定されており、文献調査から概要調査、概要調査から精密調査、精密調査から処分地選定、といったタイミングで発生するものだと解釈されると指摘。そのため、今回の小笠原村の事例のように、文献調査申し入れ時、厳密には尊重規定の適用対象外と考えられるため、法令上の観点で構造の変化、大きな影響は無いものと言える。こうした事例を今後、増やしていけるかがカギとなる。MRIは2点目として、責任の分担と地域インセンティブに関する議論の必要性を指摘。調査受け入れの判断は地域に大きな影響を及ぼすことから、特定の個人や組織に責任が集中しない仕組みが求められるとし、住民や議会などの意見を意思決定の前提に位置付けるなど、地域参画の枠組みを組み込むことを提言した。また、処分場受け入れに伴うリスクを踏まえ、地域振興策などについて国と議論・調整できる場の整備も必要だと訴えた。当該自治体は文献調査で最大20億円、概要調査で最大70億円の交付金を得ることが可能だが、そうした金銭的なインセンティブ以外の提示も重要だと訴えた。そして第3に、調査ステップの柔軟化を挙げた。現行の3段階の処分地選定プロセスについて、文献調査と概要調査を一体的に扱うなどの見直しを行うことで、より実態に即した情報に基づく判断が可能になるとし、地域の要望に応じた柔軟な運用を検討すべきだと記した。
28 Apr 2026
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原子力発電環境整備機構(NUMO)は4月8日、高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分に用いるオーバーパックの製作技術について、今後の技術展望を取りまとめた報告書を公開した。検討の結果、炭素鋼製および銅コーティング型のいずれについても、既存の産業技術を活用して製作可能であることが確認され、処分システムの実現性を支える重要な技術基盤が整いつつあることが示された。オーバーパックとは、ガラス固化体を入れて密封する金属製の容器を指し、ガラス固化体と地下水の接触を防ぐ役割を担うもの。ガラス固化体の放射能や発熱の影響が大きい初期段階において、閉じ込め機能を確実に維持するために必要で、その性能確保こそ、地層処分の安全性を支える重要な要素となる。そのためNUMOでは、品質を確保した上で、より効率的にオーバーパックを製作する技術が求められており、長年、研究が進められてきた。オーバーパックの材料は、腐食特性や材料強度、耐放射線性、調達性やコスト、使用実績など、様々な観点から検討され、これまでのところ鉄(炭素鋼製)が有力候補である。一方で炭素鋼を標準設計の材料としつつも、代替材料として腐食に強い銅を表面にコーティングする技術(銅コーティング型)も長年検討され、最近はこの溶接方法の効率化の検討が進んでいた。同報告書によれば、炭素鋼製と銅コーティング型のいずれの方式についても、一般産業で確立された技術を活用することで製作が可能であり、必要な技術基盤はすでに整っていることが確認されたという。さらに、複数のガラス固化体を収納する大型のオーバーパックについても、既存の製作・接合技術を基本に適用可能であることが確認され、将来的な処分作業の効率化や設計の幅の拡大につながる知見が得られたと記された。NUMOはあわせて、ガラス固化体の設置方式として検討している「横置き・PEM方式」の高度化についても言及。同方式では構造の見直しにより、オーバーパックおよび緩衝材の重量を従来比で約3分の1に軽減できる可能性が示されており、設備の小型化や搬送・設置作業の効率化につながるとみられる。NUMOは、これらの技術的知見を今後の処分事業や安全評価に反映し、操業時の安全性を確保しつつ、より柔軟な処分場設計の実現につなげていく方針。
27 Apr 2026
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量子科学技術研究開発機構(QST)と日本原子力研究開発機構(JAEA)は4月13日、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR) ※1が、2月12日に公表した最新の報告書「UNSCEAR 2024年報告書 (Volume.2)」において、JAEAが開発した宇宙線挙動解析モデル「PARMA」が採用されたと発表。あわせて、QSTが同モデルを用いて算出した公衆の宇宙線被ばく線量も同報告書に採用された。高精度な「世界の宇宙線被ばく線量地図」の作成に両機構が大きく貢献し、世界の公衆被ばくにおける影響評価の基礎データへの利用が期待されるという。同報告書によると、自然放射線源からの世界平均年間実効線量は約3.0mSv(ミリシーベルト)と推定される。地球上では、自然放射線による被ばくは日常的に生じており、その線量の把握はリスク評価の基礎となっている。UNSCEARは自然放射線による被ばく線量を最新の科学的知見に基づき、適宜見直しを行ってきた。自然放射線のうち宇宙から飛んでくる宇宙線は、高度や緯度、太陽活動によって大きく変動するため、従来の評価手法では十分に反映しきれず、以前から、世界平均線量が過大に評価される課題が指摘されてきた。しかし、JAEAが開発したPARMAモデルは、大気中での宇宙線の挙動を物理学的に精緻にシミュレーションし、あらゆる条件下での線量を解析的な数式で与えることができるという。この、画期的なモデルを用いることで、地球上のあらゆる地点における高度や緯度・経度、さらには日付に対する宇宙線強度や被ばく線量を導き出すことが可能になった。同報告書はこのPARMAモデルを、「現在利用可能な最も信頼性の高いモデル」と位置付けており、QSTはこれを用いて、地球上の居住地域を1km四方のグリッドで約3,000万地点の宇宙線被ばく線量を解析。人口分布データも組み合わせることで、世界各地の実態に即した線量評価を行った結果、「世界の宇宙線被ばく線量地図」が完成。報告書の基礎データとして全面的に採用された。なお、宇宙線による全世界平均の年間実効線量は、従来の0.38mSv/年から0.30mSv/年へと見直された。今回、日本発の解析モデルが採用されたことで、宇宙線による被ばく線量の評価精度は一段と向上。こうした成果は、日本の放射線科学分野における国際的な存在感を示すとともに、今後の放射線防護や被ばく評価の高度化につながるものとして期待される。※1 1955年設立。日本を含む31の加盟国から任命された科学分野の専門家で構成され、人やその環境が受ける放射線被ばくのレベル、影響、リスクについて評価し報告が任務。
23 Apr 2026
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東京都小笠原村の渋谷正昭村長は4月20日、高レベル放射性廃棄物(HLW)の最終処分に関する文献調査について、国の申し入れを受け入れる考えを表明した。翌21日、経済産業省を訪れ、赤沢経済産業大臣に回答書を手交。これにより、南鳥島での文献調査の受け入れが正式に決まった。文献調査を実施する自治体は、北海道寿都町、神恵内村、佐賀県玄海町に続き、南鳥島が国内で4例目。他の3地点と異なり、南鳥島は全域が国有地で、民間人は居住していない。また、国が主導して地方自治体に文献調査を申し入れ、受け入れが正式に決定した初の事例となる。渋谷村長は会談の冒頭、3月3日の赤沢大臣の申し入れ以降、村民や議員との意見交換に加え、村内外から多様な意見が寄せられたことに言及。そのうえで、「賛否を一つに絞るのではなく、寄せられた意見をそのまま国に返すべきだと考えた」と述べ、文献調査の実施可否について「国の責任で判断すべき」との認識を改めて示した。さらに渋谷村長は、4月13日に同村が公開した「文献調査申し入れに対する村長見解」に記された5つの要請事項の順守を徹底するよう、赤沢大臣に直接要請した。そして、住民説明会が1度行われたのみであることや、村民が抱く風評被害への懸念等に触れ、「引き続き情報提供の場を設けるとともに、住民が理解を深める機会を確保してほしい」と強調した。渋谷村長が提示した5つの要請事項は、次のとおり。①エネルギー政策や処分方法に関する長期的な検討の継続②他地域への調査拡大③住民向け説明会や専門家による情報提供の強化④遠隔地である地理的条件への配慮・風評被害対策⑤文献調査が最終処分場の建設決定に直結しないことの明確化これに対し赤沢大臣は、エネルギー政策の基本である「S+3E(安全性+安定供給、経済効率性、環境適合)」のバランスをふまえ、責任ある政策を進めていく考えを示した。そのうえで、最終処分については将来世代への負担軽減の観点から、減容化に向けた技術開発を着実に進めるとした。また、諸外国の事例もふまえ、科学的に適地を選定するためには多角的な調査が必要との認識を示すとともに、対象地域の拡大に向けて今後も国が前面に立って取り組む考えを示した。さらに、新たな説明会の場を設けるなどして「村民の理解促進に努める」とコメント。加えて、南鳥島の地理的条件をふまえ、誤解が生じないよう正確な情報発信に取り組む考えを示したほか、文献調査が最終処分施設の建設決定に直結するものではないことを改めて明確にした。そのうえで赤沢大臣は、「今後の文献調査の実施にあたっては、これら5つの要請事項を踏まえ、小笠原村の皆様と丁寧にコミュニケーションを取りながら進めていきたい」とし、「国の判断を受け入れていただいたことに心より感謝申し上げたい」と述べた。一方、文献調査を実施する原子力発電環境整備機構(NUMO)の山口彰理事長は21日、ウェブサイト上で、村民説明会などへの参加を通じてHLWの議論に向き合ってきた小笠原村民に謝意を示した。そのうえで、HLWの最終処分は社会全体で解決すべき課題であると強調し、今後は国と連携しながら、小笠原村から示された要請事項に誠実に対応していく考えを示した。あわせて、村民らの疑問や不安に丁寧に応え、理解の深化に努めていく方針を示している。
22 Apr 2026
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