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原子力AI学シンポジウム 都内で初開催
原子力AI学シンポジウムが10月6日、東京大学にて開催された。当日は、200名以上が参加した(オンラインを含む)。同シンポジウムは、東京大学大学院工学系研究科と日立GEベルノバニュークリアエナジーの共同研究として、2025年7月から3年間の計画で「原子力AI学講座」が設置されたことを受け、その具体的な研究内容について、幅広く意見を聴くことを目的に開催された。東京大学大学院工学系研究科原子力専攻の学生向け講座として実施される同講座は、原子力分野における「3S」(Safety, Security, Safeguards)を対象に、AI応用技術を俯瞰的にとらえた教育・研究を進め、最新の原子力AI技術を開発・実現する人材の育成と輩出を目指している。同研究科の岡本孝司教授によると、同講座の教育は机上の学習にとどまらず、原子力産業の現場を実際に訪問し、産業界が求めるAI活用の方向性を理解した上で、原⼦⼒への活用方法を自ら⾒出し、かつ道筋を⽴てられる人材の育成を目指すという。冒頭挨拶にて、同研究科の津本浩平副研究科長は「原子力分野では、長年にわたり蓄積されてきた運転・保守に関する膨大なデータや、熟練技術者の知見をいかに継承していくかが重要な課題となっている」と述べた上で、「AI技術の活用はこれらの課題解決に向けて有効な手段であり、そうした社会的要請に応えるべく同講座を設置した」と語った。また、「本講座が原子力の安全・安心を支える新たな知の創出と、未来を担う人材の育成に寄与すること」に期待を示した。続いて登壇した、日立GEベルノバニュークリアエナジーの久持康平取締役社長は「私たちがこれまで築いてきた原子力技術の土台は、丁寧な検証と長年の積み重ねの上に成り立っているが、今後はAIの力を借りて、より効率的かつ高度な設計・評価を進め、新たな進化へとつなげていきたい」と述べた。また、同社が開発した小型モジュール炉BWRX-300や原子力メタバースプラットフォームを例に挙げ、「グループの総合力を活かし、原子力関連の技術革新とスピードアップに取り組んでいきたい」と意欲を示した。原子力へのAI適用を紹介するセッションでは、東京大学の岡本孝司教授、出町和之特任教授、三輪修一郎准教授が登壇。原子力産業にAI技術を応用することで、核セキュリティのための物理的防護力の強化、運転・保守の合理化及び高度化による安全性と経済性の向上、過酷事故時におけるレジリエンス力の強化などが期待されることや、すでに米国では、AIを用いたオンラインメンテナンスが導入され、プラントの安全性が大幅に向上している実例が紹介された。シンポジウムの後半には、複数のパネリストが登壇し、「原子力AI学の展開、今後の教育・研究の方向性」をテーマに討論形式で活発な意見交換が行われた。
- 15 Oct 2025
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第2回日中原子力産業セミナーを開催 福島県と茨城県への視察も
日本原子力産業協会は9月25日、中国核能行業協会(CNEA)と共催で「第2回日中原子力産業セミナー」を7年ぶりに対面で開催した。中国からは、CNEA、中国核工業集団有限公司、中国広核集団有限公司、中国華能集団有限公司、香港核電投資有限公司、清華大学など関連企業・機関から16名が参加。日本からは、日本原子力産業協会、日本原子力発電、電気事業連合会など、関連企業・機関から43名(オンライン傍聴を含む)が参加した。同セミナーでは「原子力発電所の運転および新規建設」をテーマに、両国の原子力産業界がそれぞれ知見を共有し、対話を通じて一層の交流促進と協業の可能性を探った。特に、中国で次々と進められる新規建設プロジェクトに関する実践的な知見について、日本側の参加者から「多くの学びを得られた」との声が上がった。また、中国の訪問団一行は、日本滞在中に、福島県および茨城県内にある複数の原子力関連機関・施設を訪問した。福島県の東日本大震災・原子力災害伝承館、東京電力廃炉資料館への視察では、東日本大震災の発生から今日に至る復興への取り組みについて、映像や展示物を通じて説明があり、関係者との質疑を通じて現状理解を深める場が設けられた。東京電力福島第一原子力発電所構内の視察では、バスから乾式キャスク仮保管設備や多核種除去設備(ALPS)、ALPS処理水を保管するタンクなどを見学し、その後、展望デッキにて1~4号機の廃炉作業、さらに、ALPS処理水のサンプルを用いた海洋放出に関する説明が行われた。参加者からは、発電所構内での作業員の安全確保や放射線管理、今後の解体工程などに関する質問が多く寄せられ、現場の細部に至るまで強い関心が示された。福島県の日本原子力研究開発機構(JAEA)楢葉遠隔技術開発センターへの視察では、同センターの設立の経緯や役割、国内外の機関との連携実績や技術実証事例についての紹介があった。そして、VR/AR技術を活用したシステムのデモンストレーションの実施、施設内の試験棟の視察が行われ、関係者との質疑応答の時間には、将来的な技術交流の可能性に関する話があがった。茨城県のJAEA原子力科学研究所の視察では、世界最大級の加速器施設として幅広い研究に利用されているJ-PARCの見学、また、中性子利用研究の中核拠点であるJRR-3の見学が実施された。それぞれの施設の運用体制や、各分野への活用・応用事例が示され、中国出身の研究者による中国語での解説を交えた活発な質疑応答が行われた。〈詳細はこちら〉
- 14 Oct 2025
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エネ庁 革新炉ワーキンググループを1年ぶりに開催
総合資源エネルギー調査会の革新炉ワーキンググループ(以下WG、座長=斉藤拓巳・東京大学大学院工学系研究科教授)が10月3日、約1年ぶりに開催され、次世代革新炉の開発の道筋の具体化に向けた議論が行われた。前回のWG開催後に策定された第7次エネルギー基本計画では、原子力を脱炭素電源として活用することが明記され、次世代革新炉(革新軽水炉、高速炉、高温ガス炉、核融合)の研究開発を進める必要性が示された。今回のWGでは、実用化が間もなく見込まれる革新軽水炉と小型軽水炉に焦点を当てた議論が行われ、開発を進める各メーカー(三菱重工・日立GEベルノバニュークリアエナジー・東芝エネルギーシステムズ・日揮グローバル・IHI)から、安全性への取り組み、技術の進捗、今後の見通しなどの説明があった。三菱重工のSRZ-1200は、基本設計がおおむね完了しており、立地サイトが決まれば詳細設計に進む段階で、すでに原子力規制庁との意見交換も5回実施済み。規制の予見性向上に取り組んでいるとの報告があった。日立GEベルノバニュークリアエナジーからは、開発中の大型革新軽水炉HI-ABWRや小型軽水炉BWRX-300の説明があり、特にBWRX-300はカナダのオンタリオ州で建設が決定しているほか、米国やヨーロッパでも導入・許認可取得に向けた動きがあると述べた。東芝エネルギーシステムズは、開発中の革新軽水炉iBRに関して、頑健な建屋と静的安全システムの採用で更なる安全性向上を進めながら、設備・建屋の合理化を進め早期建設の実現を目指すと強調した。IHIと日揮ホールディングスは、米国のNuScale社が開発中の小型モジュール炉(SMR)について、米国では設計認証を取得し、ルーマニアで建設に向けた基本設計業務が進められていると伝えられた。両社は、経済産業省の補助事業を活用し、原子炉建屋のモジュール化や要求事項管理、大型機器の溶接技術、耐震化などの技術開発に取り組んでいるという。その後、参加した委員から多くの期待感が示されたが、同時に課題点の指摘があった。例えば、革新炉開発の技術ロードマップの定期的な見直しの必要性や、日本特有の自然条件への適合に関する議論の進展、また、各社が進める新型炉の開発状況に応じた規制要件や許認可プロセスの予見性向上の必要性など挙げられた。また、エネルギー安全保障の観点や立地地域との信頼の醸成など技術開発以外で取り組むべき事項についても意見があった。産業界の立場から参加している大野薫専門委員(日本原子力産業協会)は、ロードマップには技術開発だけでなく、投資判断の際に重視される事業環境整備やサプライチェーン、人材の維持・強化についても明示的に盛り込むよう要望。また、環境影響評価や設置許可などの行政手続きについては、標準的なタイムラインの提示が必要だと指摘した。 小型軽水炉のロードマップに関しては、国内での開発動向や新たな知見を反映したアップデートに加え、日本企業が参画する海外の小型軽水炉プロジェクトの導入可能性も視野に、ロードマップで取り上げることを提案。またGX関連支援では、革新技術だけでなく、サプライチェーンを支える製造基盤の維持に対する支援継続も不可欠と訴えた。
- 07 Oct 2025
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原子力小委 電力需給を見据えた将来像を議論
総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会(委員長=黒﨑健・京都大学複合原子力科学研究所所長)が10月1日に開催され、第7次エネルギー基本計画を踏まえた原子力発電の将来像と見通しが議論された。同委員会では、次世代革新炉の動向や立地地域との共生、燃料サイクル、サプライチェーン・人材確保、国際動向などさまざまな課題が示され、委員から幅広い意見が出された。特に、電気事業連合会(電事連)がまとめた資料には、運転期間60年を前提とした場合、2030年代半ば以降に廃止措置に入る原子炉が増えるため、2040年代に約550万kWのリプレースが必要との試算が示され(既報)、これを中長期議論の出発点とすべきといった提案がなされた。黒﨑委員長は、脱炭素電源不足を避けるため将来像を提示する意義を強調し、定量的見通しの重要性、そして、電事連が示した試算を議論の出発点とする妥当性を確認した。他の委員からも、「リプレースに必要なリードタイムを考慮すると、時間的な猶予はあまりないため早期に議論に着手すべき」との声や「2040年以降のシナリオも、海外事例を参考に、政府と産業界が共同で計画を検討すべきだ」との声が上がった。この試算について多くの委員が支持した一方で、電力需要の伸び方など、DXやGXの進展次第で大きく変わる不確実性を考慮し複数シナリオを提示する必要性や、安全文化の確立、規制の予見性向上に関する指摘があがった。専門委員として出席している日本原子力産業協会の増井秀企理事長は、電事連が示したリプレースに関する試算について「電力需要の見通しと原子力比率に基づいた試算であり穏当と受け止めた」と評価し、国が将来像を策定するに当たって、「中期・長期の二段階で見通しを提示すべき」との意見を示した。また、原子力産業の基盤維持・強化の取組みに関して、①原子力産業への就業確保②産業内での人材定着③シニアの活用、の3点を挙げ、原子力産業界全体の生産性向上に向け、省人化技術を積極的に活用することの重要性を訴えた。また、これらの課題について、「産官学の協力が必須であり、協会としても当事者意識をもってしっかり取り組みたい」と意欲を示した。〈発言内容はこちら〉
- 03 Oct 2025
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中国電 新経営ビジョン2040を策定 原子力発電を最大限活用へ
中国電力は9月30日、「中国電力グループ経営ビジョン2040」を公表し、今後、原子力発電を最大限活用するなど、脱炭素化と成長を両立させる取り組みを打ち出した。経営ビジョンの改定は5年ぶり。中川賢剛代表取締役社長執行役員は冒頭メッセージで、「前回の経営ビジョンの策定以降、脱炭素化の潮流加速や電力システム改革の進展、国のエネルギー基本計画の改定など、当社をとりまく環境は大きく変化している」と指摘。そのうえで、中国地域の電力需要が、全国平均を上回るペースで増加する見通しをふまえ、「エネルギー供給の安定化や脱炭素化ニーズに応えていくことは当社の使命であり、経営環境の変化や社会課題の解決をグループ全体の成長の好機と捉えている」と述べた。新ビジョンでは、自己資本比率を現在の16.5%から2040年度までに25~30%へ引き上げ、経常利益は2040年度までに1,600億円とする目標を掲げた。その前提として、建設中の島根原子力発電所3号機(ABWR, 137.3万kWe)の営業運転開始を位置付けている。同社は今後、原子力発電所等の脱炭素関連設備への投資を行いつつも、負債の増加を抑制しながら利益を着実に上げる財務体質を目指し、同社グループ全体の飛躍に繋げたいとしている。同3号機は現在、新規制基準適合性審査の対応中で、2028年度を目途に安全対策工事を完了し、2030年度までの営業運転開始を目指している。昨年12月には13年ぶりに同2号機(BWR、82.0万kWe)が再稼働しており、2040年度までに発電電力量に占める原子力の割合を2割程度まで高める計画だ。さらに、使用済み燃料貯蔵対策の一環として、中間貯蔵施設の設置検討を加速させるほか、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、山口県上関町での原子力発電所建設計画にも取り組む方針を盛り込んだ。
- 01 Oct 2025
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「原子力産業セミナー2027」昨年を上回る盛況 大阪 福岡でも開催予定
原子力産業界の人材確保支援と理解促進を目的とした「原子力産業セミナー2027」(主催:日本原子力産業協会・関西原子力懇談会)が9月20日、新宿NSビル地下1階大ホールにて開催された。同セミナーは、原子力関連企業や関係機関が一堂に集う企業説明会で、今年で20回目の開催。9月27日には大阪市、10月18日には、福岡市内でも開催される。主に、2027年に卒業予定の大学・大学院生・高専生、既卒の学生らが対象。東京会場の出展企業・機関数は52社と、昨年の46社を上回ったほか、来場者数も239名と、昨年の223名を上回る結果となった。また、文系学生が全体の25%を占めるなど、専攻学科を問わず、原子力産業に対して熱意のある学生の姿が多く見られた。採用する企業側も人柄や意欲を重視した柔軟な採用活動、各々の個性に応じたキャリア支援を打ち出し、学生らに熱心に自社紹介をする様子が見られた。人口減少に伴ない人材獲得競争が激化している原子力産業界の現状について、主催者である日本原子力産業協会の増井秀企理事長は、「ここ数年、各企業の採用意欲の高さを感じているが、当協会が毎年実施している産業動向調査の結果を見ても、希望採用人数に到達していない会員企業が多い」と述べ、「人口減少に対応するためには、原子力産業界全体の省人・省力化が必要になるだろう」とコメントした。9月1日より「日本中で考えよう。地層処分のこと。」をテーマとした新CMを公開している原子力発電環境整備機構(NUMO)の担当者は、「CMを見て興味を持った」と話す学生が来場したことを踏まえ、地道な広報活動が採用活動にも良い影響を与えていると実感したと語った。また、NUMOのここ数年の採用人数は増加傾向にあり、「特に技術系の職種の採用を強化し、国内外の研究機関等との共同研究への参加を通じて若手人材の育成に力をいれている」と強調した。「地層処分事業の社会貢献性の高さに共鳴し、課題に誠実に向き合えるプロフェッショナルな人材を育んでいきたい」と、今回のセミナーで得た手応えと意欲を語った。今回、初出展したゼネコンの株式会社安藤・間は、茨城県つくば市に放射線実験室「安藤ハザマ技術研究所」を保有し、厚さ100cmの遮蔽扉を備えた高レベル実験室にて、各種材料の遮蔽性能試験や、がん治療などに用いられる医療施設の設計・施工のための技術開発を進めている。先般行われた「日本原子力学会 2025年秋の大会」に出展し、中性子の遮蔽性能を向上させた独自のコンクリート建材などを紹介したという。セミナーには、前述の「安藤ハザマ技術研究所」での採用を見越して出展したが、想定以上に文系学生がブースに多く来場したことを明かし、「当社は文系出身者が技術職に挑戦できる体制を整えており、そうした強みも採用活動にて発揮したい」と意欲を述べた。同じく初出展となった日本核燃料開発株式会社は、原子燃料や、原子炉を構成する材料等の研究・開発を行っている企業だが、担当者によると「3年ほど前から潮流が変わり、インターンシップや企業研究会に来場する学生数が増えた」と述べた。「決まった製品を作るのではなく、さまざまなニーズに合わせて研究や試験を行う会社であるため、自ら探究心を持って試行錯誤しながら取り組める人材を採用したい」と初参加に際しての意気込みを語った同じく初出展の西華産業株式会社は、エネルギー分野に強みを持つ総合機械商社として、関西エリアに拠点を多く構え、主に三菱重工グループの原子力発電関連設備の販売代理店の役割を担っている。同社の担当者は、「想定を上回る来場があり、大きな手ごたえを得た。来年度以降、新卒採用者数を増やす計画でいる。原子力事業は、当社が扱っている商材の一部ではあるが、関西エリアで原子力新設・リプレースのニュースを受け、当社としても良い潮流の中にあり、今後の採用活動に繋げていきたい」と意気込みを語った。
- 24 Sep 2025
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柏崎刈羽7号機 燃料を取り出しへ
東京電力は8月28日、柏崎刈羽原子力発電所7号機(ABWR、135.6万kWe)から、装荷済みの燃料を取り出すと発表した。同7号機は、特定重大事故等対処施設及び常設直流電源設備(特重施設等の設置)が法定の期限(2025年10月13日)内に完成しないことを受け、原子炉施設の冷温停止状態を継続する。同社は同日、原子力規制委員会に対し、原子炉施設の冷温停止状態を継続すること、また、工程・期日を見直した使用前確認変更書を提出した。今後、特重施設等の工事の進捗にあわせて、使用前確認変更等の申請を行う。同社は原子力規制委員会の審査に合格した6号機(ABWR、135.6万kWe)と7号機のうち、当初、7号機の再稼働を優先していたが、この度の決定を踏まえ、当面、6号機の再稼働を目指すことになる。すでに6号機は今年の6月、燃料装荷を開始し、新規制基準を踏まえた安全対策工事の施工や、使用前事業者検査を実施し、原子力規制委員会の承認を受けている。同社によると、7号機の燃料集合体を取り出す作業は、10月から2週間程度かけて行う。計872体を、より安全に管理するため燃料プールに移す予定だ。8月29日の新潟県知事定例記者会見で、記者から所感を求められた新潟県の花角英世知事は、「事業者の合理的な経営判断だと思う」と述べた上で、「6号機か7号機かという問題は議論の本筋ではない。いずれにしても原子力発電所とどう県民が向き合っていくのかが問題だと捉えている」と、引き続き県民の意向を見極める意向を示した。
- 05 Sep 2025
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NUMO 新CMを公開
原子力発電環境整備機構(NUMO)は9月1日、幅広い世代への情報発信・コミュニケーション強化を目的とした新しいCMを公開した。テレビCM、新聞広告、ラジオ広告、Web広告、交通広告を実施するとともに、同機構のサイトのトップページでも大きく取り上げ、特設ページも開設された。新CMは、「日本中で考えよう。地層処分のこと。」をテーマとし、地層処分とは、原子力発電の利用で出る高レベル放射性廃棄物を地下に埋める処分方法であることを伝えた上で、CMを通じて地層処分について多くの国民が関心を持ち、考え始めるきっかけとなることを目指したという。NUMO広報部は、地層処分は特定の地域や一部の人たちだけで考える問題ではなく、電気を使用している国民全体で考える必要があり、あらゆるメディア・媒体を通して、その議論が深まることに期待を寄せている。テレビCM(交通広告も同じ内容)では、「地層処分の概要篇」と「NUMOの姿勢篇」の2パターンが作成され、いずれも登場人物の多くが若者で構成され、さまざまな世代が抱く素朴な疑問に誠実に答えていくという内容だ。地層処分の概要篇では、「地層処分って、なに?」「そのうち、なんとかなるんじゃないの?」と、地層処分になじみの薄い人々が抱く率直な疑問に答えながら、将来世代のために「今から考えることの大切さ」を訴えた構成となっている。NUMOの姿勢篇では、「それって、できるの?」「処分場ってもうあるの?」と、地層処分の安全性や進め方への疑問に対し、安全を最優先にできるだけ多くの地域で調査と対話をしながら進めていく、NUMOの姿勢を伝えている。新聞広告では、9/8~9/12にかけて、計5回シリーズの広告を掲出。朝日・毎日・読売・日経・産経といった大手5大紙に加え、北海道新聞、茨城新聞、愛媛新聞、福井新聞など、原子力発電所の立地地域をカバーする地方紙にも幅広く掲載される予定だ(計20紙)。また、日本全国の幅広い層への情報発信・コミュニケーション活動を強化するために、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する対話型全国説明会や、シンポジウム、全国各地でのイベント出展など幅広い活動を実施する。至近の9月、10月にも多くのイベントが開催される予定だ。
- 03 Sep 2025
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立地自治体向け財政支援 30km圏に拡大
政府は8月29日、首相官邸で原子力関係閣僚会議を開き、「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法(原子力立地地域特措法)」に基づく自治体向けの財政支援対象を、原子力発電所の半径10キロ圏から30キロ圏に拡大する方針を決定した。第13回目となった同会議は、「柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に向けた対応」が議題にあがり、以前より新潟県などから出ていた要望を踏まえた形となった。同特措法は原子力発電所の周辺地域の防災に配慮しつつ、地域の振興を図ることを目的に、2001年に施行された。同特措法の対象地域になると道路、港湾、漁港、消防施設、義務教育施設などの「特定事業」にかかる国の補助率が50%から最大55%に引きあがる。地方債への交付税措置(70%)も併せて利用することで、地方自治体の負担は最小で13.5%に低減。その他、企業投資・誘致への支援も同法の支援措置の対象範囲内に含まれている。今回の対象範囲の拡大により、対象地域はこれまでの14道府県76市町村から22道府県の約150市町村に拡がる見込みだ。対象エリアの道府県知事は、振興計画を策定し、原子力立地会議の審議を経て計画が決定されると、同支援を受けられるようになる。政府は、第7次エネルギー基本計画で位置づけた「原子力の最大限活用」を実現すべく、立地地域の支援範囲を拡大し、各地の原子力発電所の再稼働を後押しする狙いがある。また、政府は同日、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に向けて、関係省庁の緊密な連携を確保し、同発電所の運営の監視に万全を期すため、内閣官房副長官をトップとする監視強化チームの設置を決めた。
- 02 Sep 2025
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関電 福井県などに毎年50億円拠出へ
関西電力は8月25日、原子力発電所の立地地域の振興や課題解決のための財源として、2025年度から当面の間、毎年50億円前後を拠出する新たな仕組みを福井県に報告した。同社では、2021年度に設置された「福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議」において、医療・交通インフラ整備事業など、地域振興事業費用の活用を検討してきた。この度、その具体的な取り組みとして、客観性と透明性の高い新たな地域振興の仕組みを構築。これまでも自治体への寄付活動は行ってきたが、金額を大幅に増額し一本化した形だ。開始年度の2025年度は、初期的な財源基盤も含めて約207億8,000万円を拠出する。同社は、信託銀行に信託を設定して、7基の原子力発電所の稼働実績および燃料価格の実績に応じて、毎年度、資金を拠出する。福井県や立地自治体は、地域振興の事業計画や、それに係る金額を信託銀行に申請し、第三者機関が適切と判断した場合、寄付が行われる仕組みだ。
- 26 Aug 2025
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高速実験炉「常陽」 RI製造などにも活用へ
文部科学省の諮問機関である科学技術・学術審議会原子力科学技術委員会は8月18日、革新炉の取組や原子力基礎研究支援の在り方について議論する「第26回原子力研究開発・基盤・人材作業部会」を開催した。まず、革新炉の取組について、日本原子力研究開発機構(JAEA)から、高速実験炉「常陽」の現在の状況説明が行われた。「常陽」は、「高速炉」を開発するための小型の実験炉である。事業者のJAEAは昨年9月、茨城県及び大洗町から地元了解を得て、現在、新規制基準に適合するための工事を行っている。2026年度半ばの運転再開を目指しており、実現すれば、国内唯一の高速炉の実験施設として、放射性廃棄物の有害度を低減する研究や、がん治療への活用が期待される医療用RIの製造実証など、さまざまな活用方法が期待されている。同作業部会に委員として参加した日本原子力産業協会の上田欽一委員は、「国内外との連携を強化して、世界最先端の高速炉研究拠点としての役割を発揮してほしい。また、医療用RIの安定供給や先端利用など、社会的価値の高い活用に向けて、学生や若手研究者の関心を高め、研究開発や人材育成を強化する必要がある」と指摘した。また、原子力基礎研究支援の在り方について同作業部会では、原子力をエネルギー源として利用するだけでなく、様々な課題解決につながる総合科学技術として捉える必要性が示され、2050年のカーボンニュートラル実現や、健康・医療、製造業等の産業競争⼒の強化に繋がる可能性を秘めていることが改めて共有された。そして、これまで⼤学・研究機関等を中⼼に、⾼い研究⽔準を維持してきたが、さらに安定的・継続的に原⼦⼒利⽤を推進させていくために、国として中⻑期にわたり支援する必要性が議論された。
- 19 Aug 2025
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全国知事会 各省庁へ提言書を提出
全国知事会で原子力発電対策特別委員会委員長を務める中村時広愛媛県知事は8月4日、原子力規制庁を訪れ、「原子力発電所の安全対策及び防災対策に対する提言」と題した提言書を金子修一長官に手渡した。また、中村知事は翌8月5日、経済産業省と内閣府を訪れ、加藤明良経済産業大臣政務官、城内実内閣府特命担当大臣(科学技術政策)、勝目康内閣府大臣政務官(原子力防災)に対し、同提言書をそれぞれ提出した。提言書は、国が責任をもって早急に取り組むべき「原子力発電所の安全・防災対策」について、3つの章に分けて記述。第1章では、東京電力福島第一原子力発電所の事故に関し、特に廃止措置とALPS処理水を取り上げ、適切な支援と風評の払拭、原子力災害の風化防止対策など、政府一丸となって取り組むことを求めた。第2章では、原子力施設の安全対策に関し、2024年1月に発生した能登半島地震を受けて、原子力発電所の安全性や避難計画の実効性を懸念する声が上がったことを踏まえ、「全国に立地している原子力施設の安全確保に向けて、原子力規制委員会には、常に最新の知見を踏まえた新規制基準の見直し、厳正かつ迅速な適合性審査の実施、そして、その結果を国民全体に明確かつ責任ある説明を行ってほしい」と訴えた。また、同地震の教訓から得られた知見や安全研究の成果を、今後の対策に活かすことを求めた。そのほか、使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定など、バックエンド対策の加速も要請され、使用済み燃料の最終処分地については「国全体で負担を分かち合うべき課題」として、都市部を含む全国的な議論と情報公開を呼びかけた。さらに、原子力分野の人材不足や技能継承への懸念を示し、研究開発や安全対策に必要な予算・人材を長期的視点で確保するよう国に求めている。第3章では、原子力防災の強化に関し、自治体が制定する原子力防災対策の幅が広がっていることを踏まえ、国が前面に立ち、予算面から立地自治体を支援する必要性を強調。2024年9月の原子力関係閣僚会議で確認された「避難対策を中心とする具体的対応方針」を踏まえ、自治体の意見を十分反映させることや、複合災害時における省庁間のスムーズな連携を求めた。
- 18 Aug 2025
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東北電力 乾式貯蔵施設を新設へ
東北電力は7月29日、女川原子力発電所の敷地内に新設を目指す乾式貯蔵施設について、宮城県および女川町と石巻市より、安全協定に基づく事前了解を得て、着工の了解を受けたと発表した。宮城県庁を訪れた東北電力原子力本部の阿部正信原子力部長に、県の担当者が「一時的に貯蔵するための施設であることを前提に了解する」とした回答書を手渡した。なお、同施設の基本設計に係る「原子炉設置変更許可申請」は、2024年2月28日に原子力規制委員会へ申請し、2025年5月28日に許可されていた。使用済み燃料乾式貯蔵施設とは、使用済み燃料を原子力発電所から搬出するまでの間、一時的に貯蔵するための施設で、「使用済み燃料乾式貯蔵建屋」と「使用済み燃料乾式貯蔵容器」で構成される。女川原子力発電所2号機(BWR、82.5万kWe)の使用済み燃料プールにて十分に冷却された使用済み燃料を、金属製の乾式貯蔵容器(キャスク)に収納し、空気の自然対流によって冷却する。同社の計画では、施設は鉄筋コンクリート造で2棟を建設し、最大で計約1,300体の燃料が入る。1棟目は来年5月に着工する予定だ。同社によると、昨年10月に再稼働した2号機原子炉建屋内の使用済み燃料プールは、7月29日時点で貯蔵率が79%を超えていた。
- 30 Jul 2025
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JAEA 核物質量を非破壊で把握する新技術を開発
日本原子力研究開発機構(JAEA)は7月18日、燃料デブリの核物質を非破壊で測定する新技術「高速核分裂中性子同時計数法(FFCC)」を開発したと発表した。開発の背景には、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業をめぐる安全遵守と効率化の課題がある。原子炉から取り出される回収物は、核燃料が溶けて冷え固まった溶融デブリのように核物質を大量に含むものから、溶融物が原子炉構造材などに付着しただけでほとんど核物質を含まないものまで、多岐にわたる。そのため、回収物の核物質量に応じて分類し、管理・保管方法を最適化できれば、燃料デブリの取り出しから保管に至るまでの各工程の合理化が期待できる。本来、核物質は中性子による反応を利用することで非破壊測定ができるが、燃料デブリには制御棒由来の中性子吸収材が混ざっており、測定を妨害してしまうという。そのため、燃料デブリは「最も測定が困難な核物質」のひとつとされ、内部に含まれる核物質の量を非破壊で正確に把握する技術の開発が、以前から求められていた。こうした課題に対しJAEAでは、高エネルギーの高速中性子が中性子吸収材の影響を受けにくいという性質に着目し、「高速核分裂中性子同時計数法(FFCC)」という新たな非破壊測定法を開発。原理実証実験にも成功した。JAEAはこのFFCCの早期実用化を目指し、試験および検討を進めていく方針。この技術は、福島第一原子力発電所の廃炉作業における燃料デブリ中の核物質の非破壊計測に有効であるほか、核セキュリティ対策として手荷物などに隠匿された核物質検知などへの応用も期待されている。
- 23 Jul 2025
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デジタルインフラなどを議論 エネ研シンポ
日本エネルギー経済研究所(IEEJ)と東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA:Economic Research Institute for ASEAN and East Asia)は7月11日、「GX 実現に向けた電源確保と地域振興における原子力の役割」と題したシンポジウムを東京都内で開催した。同シンポジウムは、原子力の役割を再確認すると同時に、立地地域の振興という観点を取り入れ、今後の脱炭素電源確保に向けた課題を、国内およびアジア諸国の関係者間で共有し、政策提言に繋げることを目的に行われた。2018年の初開催を皮切りに、新型コロナウイルス拡大に伴う中断期間を挟んで今回が5回目の開催となった。開会に際し、日本エネルギー経済研究所の寺澤達也理事長は、「原子力は大規模な脱炭素電源として期待されているほか、再生可能エネルギーの変動性を補完するベースロード電源としての役割を担っている」と述べた上で、「原子力発電所が地域の発展に寄与し、地域と共生していくことの重要性」を説いた。また、原子力政策の推進を実現するためには、欧米の先行事例を参考に、そのあり方を学ぶ必要性を指摘。そして、ASEAN諸国の原子力導入への関心にも言及し、そうした国々に向けては、今以上の国民理解促進活動が重要であることを強調した。その後、海外事例を紹介するセッションでは、米国から原子力エネルギー協会(NEI)のマーク・ニコル次世代原子力担当執行理事、英ウェールズからバンガー大学原子力未来研究所教授兼メナイサイエンスパーク理事のマイケル・ラシュトン氏、フィンランドから欧州経済社会評議会 産業変化諮問委員会委員のエイヤ・リッタ氏、また、同国の原子力産業団体FinNuclearのハッリ・ヴァルヨネン事務局長の計4名が登壇。原子力発電所や運転事業者とその立地自治体の共存事例が紹介された。特に、フィンランドでは、地域暖房やデータセンターなどの安定的なエネルギー需要に応える手段として、小型モジュール炉(SMR)への期待が高まっており、脱炭素化を目指す国家プログラムが整備され、補助金や税制優遇を通じて、雇用、地域経済にも波及効果をもたらしていると説明された。また、世界初となる使用済み燃料の地層処分場が2026年に稼働予定で、厳格な規制の下で、プロジェクトが順調に進んでいることを強調した。また、国内GXと地域振興のセッションにおいては、世界のクラウドサービスを代表するAWS(アマゾンウェブサービス )社から、エネルギー戦略担当のパトリック・レオナード氏と、エネルギー調達担当のベノワット・ドュボー氏の2名が登壇し、脱炭素電源を活用したデジタルインフラの整備について、産業界の視点を提供する機会が設けられた。さらに、資源エネルギー庁電力ガス事業部電力基盤整備課の筑紫正宏課長と、経済同友会の元副代表幹事である栗原美津枝氏が登壇。GX産業立地の実現に向けた政府の施策や、経済界におけるエネルギー問題の位置づけと課題について、それぞれの立場から具体的な見解が示された。また、海外登壇者を交えたパネルディスカッションでは、原子力をめぐる国際的な視点を交えた活発な意見交換が行われた。
- 14 Jul 2025
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MOX燃料工場の認可申請 日本原燃
日本原燃は7月7日、MOX燃料工場に関する設計および工事計画について、第3回目となる変更認可申請および新たな認可申請を原子力規制委員会に提出した。申請は全4回に分けて行われ、これまでに第1回(認可日=2022年9月)と第2回(認可日=2025年3月)の認可をすでに取得している。今回の申請では、一次・二次混合設備、圧縮成形設備、研削設備、ペレット検査設備といった成形施設をはじめ、火災防護設備、非常用所内電源設備、放射線監視設備など、約500点の設備が対象となった。申請内容には、新規制基準が施行される前に認可を受けた設計・工事計画(設工認)の変更に加え、新たな設工認の取得も含まれる。これにより、新規制基準への確実な適合を図りつつ、使用済み燃料の有効活用に向けた取り組みを一層加速させる方針だ。建設が進められているMOX燃料工場は、隣接する六ヶ所再処理工場で回収されたウランとプルトニウムを原料に、MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を製造する。日本の燃料サイクルを支える中核拠点として、2027年度中の竣工を目指している。地政学リスクやウラン価格の高騰が続く中、エネルギーの安定供給と安全保障の観点から、MOX燃料の国内製造体制の強化が課題となっていた。日本原燃は、「オールジャパン体制」で、早期の認可取得と工場完成に向けて全力で取り組む姿勢を示している。
- 09 Jul 2025
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東京電力 青森県知事へ使用済み燃料の搬入を説明
東京電力が7月7日、福島第一原子力発電所5、6号機と福島第二原子力発電所の1~4号機で保管していた使用済み燃料を、青森県むつ市の中間貯蔵施設へ搬出する方針を示した。同社の小早川智明社長は同日、青森県庁で宮下宗一郎知事と会談。中間貯蔵施設に関する中長期の搬入・搬出計画を提示し、「事故後の点検や技術評価の結果、中間貯蔵と再処理を行うことは十分技術的に可能だ」と説明した。なお、発電所からの搬出に当たっては、原子炉等規制法に基づき、事前に発送前検査を実施し、中間貯蔵および再処理に問題がないことを改めて確認する。むつ市にある中間貯蔵施設は、東京電力と日本原子力発電が出資するリサイクル燃料貯蔵(RFS)によって運営され、昨年9月には柏崎刈羽原子力発電所の使用済み燃料を受け入れている。同施設は、使用済み燃料を空気で冷やす「乾式貯蔵」方式が採用されている。中間貯蔵施設への具体的な搬入時期等は未定だが、2030年代には年間200~300トン程度の使用済み燃料を搬入する考えだ。同施設で、使用済み燃料を最大50年間保管した後、日本原燃再処理工場(2026年度に竣工予定)へ搬出する計画だが、搬出は貯蔵期限に間に合うよう、年間約300トンのペースで進められる想定となっている。東京電力は、現時点で保有する原子力発電所の稼働基数を確定できていないものの、少なくとも3基の稼働を想定し、安定的な運転の継続や、運転終了後の計画的な廃炉に向けて、使用済み燃料を順次搬出していく方針。また、日本原子力発電も同様に、東海第二原子力発電所(BWR、110万kWe)および敦賀2号機(PWR、116万kWe)の運転を想定し、使用済み燃料の早期搬出を進める考えだ。
- 08 Jul 2025
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日本原燃 新型遠心分離機を増設へ
日本原燃は6月30日、青森県六ヶ所村のウラン濃縮工場において、新型に更新した遠心分離機の設計・工事計画認可(設工認)の申請が、原子力規制委員会(NRA)から認可されたと発表した。同工場は、濃縮ウランを製造する国内唯一の施設で、これまで新型の遠心分離機への更新作業を4つに分けて進めてきたが、その最後のひとつが、認可された形だ。同工場では現在、原子炉約1基分に相当する年間112.5トンSWU(分離作業単位)の濃縮ウランを生産しており、2028年度中に、年450トンSWUのウラン生産が可能な体制を目指している。ウラン燃料は、転換・濃縮・成形などの工程を経て、原子力発電所で利用されるが、世界では転換の3割、濃縮の約4割をロシアが担っており、ロシアが世界的なシェアを占めている。増大する電力需要に対応するため、世界では原子力発電を積極的に活用する流れが加速しており、ウランの需要増が見込まれるが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻の長期化によって、ロシア産ウランの依存度低減に向けた動きが欧米で進展している。日本においても、ウラン濃縮の国産能力を維持・強化することは課題となっている。
- 03 Jul 2025
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伊方発電所 乾式貯蔵施設の運用開始
四国電力は7月1日、伊方原子力発電所の敷地内で、「乾式貯蔵施設」の運用を開始したと発表した。同施設は、キャスクに入れた使用済み燃料を空気で冷却しながら保管する施設で、青森県の六ケ所再処理工場へ搬出するまでの間、一時的に貯蔵される。同発電所は、年間およそ35〜40体の使用済み燃料が発生し、これまで主に水中で冷却・保管(湿式貯蔵)されてきた。電力各社で進められている乾式貯蔵は、2011年の東日本大震災時、福島第一原子力発電所でもその頑健性が確認されており、原子力規制委員会でもその普及を推奨している。伊方発電所は現在、3号機(PWR、89.0万kWe)が運転中で、1・2号機はすでに廃止措置に入っている。2020年9月にサイト内での乾式貯蔵施設設置に係る原子炉設置変更許可を取得し、2021年11月に工事を開始していた。運用開始となった乾式貯蔵施設は、鉄筋コンクリート造り(東西約40m、南北約60m、高さ約20m)の建屋で、貯蔵容量は、乾式キャスク45基分、最大約1,200体の燃料集合体を収納できる。使用される乾式キャスクは、4つの安全機能(閉じ込め、臨界防止、遮へい、除熱)を有し、六ヶ所再処理工場等への輸送容器としても転用できるため、容易に発電所外へ搬出することが可能だ。四国電力は、「更なる安全性・信頼性向上に向けて不断の努力を重ね、一層の安全確保に万全を期してまいります」とコメントしている。
- 02 Jul 2025
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柏崎刈羽の再稼働めぐり県民公聴会
新潟県は6月29日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関する県民公聴会を実施した。同公聴会は、新潟県の花角英世知事が再稼働をめぐる是非を県民に問う場として掲げ、8月末までに県内5か所で開催する。初回の同日は、柏崎・刈羽エリアの住民が対象となった。18名の参加を予定していたが、2名が欠席し、新潟県商工会議所連合会など6団体から8名、一般公募が8名の計16名が参加した。賛成7名、反対5名、条件付き賛成2名、1人が再稼働に「疑義がある」とし、残る1名は賛否を明かさなかった。県トラック協会の推薦を受けて出席した柏崎市在住の70代の男性は、「日本は化石燃料に大きく依存しており、国内に資源がない。エネルギー供給の不安定さを解消するため、また、脱炭素電源として原子力が担う役割は大きいと考えている。柏崎刈羽原子力発電所は同地域や新潟県のみならず、国にとっても重要な資産。私自身、発電所周辺のUPZ(緊急防護措置区域)に住んでいるが、活用しない手はない」と述べ、賛成の立場を示した。また、新潟県商工会議所連合会から推薦を受けた柏崎市在住の60代の男性は、「現在、発電所では多くの新潟県民が勤務し、その中でも多数が柏崎刈羽地域に住む人々である。再稼働が進む西日本と比べ、電気料金の地域格差も広がっており、これは産業界や家庭にも影響を及ぼしている」と述べた。その一方で、「立地地域にとっての真の安心・安全は、原子燃料サイクル全体の完成であり、その責任を国に果たしてほしいと思う」と述べ、今後の課題を口にした。一方で、柏崎市在住の70代男性からは「避難道路がまだ完成していないほか、内閣府が定めた広域避難計画の緊急時対応の実効性を疑問視している」といった声もあがるなど、賛否が交錯する公聴会となった。花角英世知事は、県内市町村長との懇談会を5月下旬から行っており、これを「夏いっぱい」まで実施する見解を示している。そのため、同公聴会の開催終了を見込む8月末以降に、再稼働の是非の判断がくだされる見通しだ。
- 01 Jul 2025
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