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NUMO 新CMを公開
原子力発電環境整備機構(NUMO)は9月1日、幅広い世代への情報発信・コミュニケーション強化を目的とした新しいCMを公開した。テレビCM、新聞広告、ラジオ広告、Web広告、交通広告を実施するとともに、同機構のサイトのトップページでも大きく取り上げ、特設ページも開設された。新CMは、「日本中で考えよう。地層処分のこと。」をテーマとし、地層処分とは、原子力発電の利用で出る高レベル放射性廃棄物を地下に埋める処分方法であることを伝えた上で、CMを通じて地層処分について多くの国民が関心を持ち、考え始めるきっかけとなることを目指したという。NUMO広報部は、地層処分は特定の地域や一部の人たちだけで考える問題ではなく、電気を使用している国民全体で考える必要があり、あらゆるメディア・媒体を通して、その議論が深まることに期待を寄せている。テレビCM(交通広告も同じ内容)では、「地層処分の概要篇」と「NUMOの姿勢篇」の2パターンが作成され、いずれも登場人物の多くが若者で構成され、さまざまな世代が抱く素朴な疑問に誠実に答えていくという内容だ。地層処分の概要篇では、「地層処分って、なに?」「そのうち、なんとかなるんじゃないの?」と、地層処分になじみの薄い人々が抱く率直な疑問に答えながら、将来世代のために「今から考えることの大切さ」を訴えた構成となっている。NUMOの姿勢篇では、「それって、できるの?」「処分場ってもうあるの?」と、地層処分の安全性や進め方への疑問に対し、安全を最優先にできるだけ多くの地域で調査と対話をしながら進めていく、NUMOの姿勢を伝えている。新聞広告では、9/8~9/12にかけて、計5回シリーズの広告を掲出。朝日・毎日・読売・日経・産経といった大手5大紙に加え、北海道新聞、茨城新聞、愛媛新聞、福井新聞など、原子力発電所の立地地域をカバーする地方紙にも幅広く掲載される予定だ(計20紙)。また、日本全国の幅広い層への情報発信・コミュニケーション活動を強化するために、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する対話型全国説明会や、シンポジウム、全国各地でのイベント出展など幅広い活動を実施する。至近の9月、10月にも多くのイベントが開催される予定だ。
- 03 Sep 2025
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除染土の県外処分に向けたロードマップが具体化
政府は8月26日、福島県内に貯蔵されている除去土壌の県外処分へ向けたロードマップを明らかにした。2030年頃に最終処分場の候補地の選定を開始し、2035年をめどに処分場の仕様を具体化させ、候補地を選定する。これらの除染土は、福島県の大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設で一時保管されているが、2045年3月までに福島県外にて最終処分することが法律で定められている。政府は除染土処分の先行事例として、総理大臣官邸での除染土の再生利用をすでに発表し、今年7月には、中間貯蔵施設から官邸に運び込まれた除染土の上に普通の土をかぶせ、表面に芝生を張る作業が実施された。8月26日に再生利用等推進会議で配布された資料には、外務省南庁舎入口の盛土、霞が関の中央官庁の花壇など、合計9か所での除染土の復興再生利用の概要が示された。計79立方メートルの活用が予定され、その後、各府省庁の分庁舎、地方支分部局などに対象を広げる方針だ。いずれは、民間での再利用例の創出を目指すほか、対象の土を「復興再生土」といった呼称にする議論も予定されている。そして、前述の「ロードマップ」については、政府が今年5月に策定した「福島県内除去土壌等の県外最終処分に向けた基本方針」に則り、今後5年程度で復興再生利用を重点的に進める道筋を示した。同ロードマップは、「復興再生利用の推進」「理解醸成・リスクコミュニケーション」「県外最終処分の取組」の3本柱で構成され、今後、推進会議を年に1回程度開催し、進捗状況を継続的に確認する。また、必要に応じて環境省が福島県や関係自治体の意見を伺い、ガイドラインの見直しを行う。その他、IAEAのフォローアップを受けつつ、科学的根拠に基づき透明性の高い情報を発信する方針だ。政府は、復興再生利用の先行事例を創出しその拡大が見通せるよう「安心感・納得感」を醸成することを目標としている。そのために、ウェブやSNS 等を通じた情報発信をはじめ、中間貯蔵施設や飯舘村長泥地区環境再生事業の見学会など、理解醸成の取り組み等を引き続き実施し、実施地域・対象等を段階的に拡げていく。
- 29 Aug 2025
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NEMS2025 海外13か国から計28名が参加
将来の原子力業界を牽引する人材の育成を目指した研修コース、「Japan-IAEA 原子力マネジメントスクール(NEMS)2025」が8月19日に開講し、東京大学にて開講式が行われた。NEMSは、2010年にイタリアのトリエステで初めて開催されて以来、延べ2146名(112の加盟国)が参加してきた。日本での開催は今年で13回目。アジアや東欧、中近東など、原子力発電新規導入国等における若手リーダーの育成を主たる目的としている。今年は、海外13か国(ブルガリア、エストニア、インド、インドネシア、カザフスタン、マレーシア、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、サウジアラビア、シンガポール、スロベニア、タイ)から18名、日本からは10名、計28名の研修生が参加した。約3週間にわたる日程で開催され、東京大学本郷キャンパスでの講義やグループワークのほか、東京電力福島第一原子力発電所、東北電力女川原子力発電所とPRセンター、日本原子力研究開発機構(JAEA)原子力科学研究所の原子炉安全性研究炉(NSRR)と原子力人材育成・核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)、産業交流施設「CREVAおおくま」、「株式会社千代田テクノル大洗研究所」等へのテクニカルツアーを通じ、原子力に関連する幅広い課題について学ぶ。開催に先立ち、組織委員長の東京大学大学院工学系研究科の出町和之准教授は、研修生らを大いに歓迎し、研修生同士の関係性向上が将来の人脈に繋がると、指摘した。また、暑さの厳しい時期であることを鑑み、「体調管理に留意し、実りある時間にしてほしい」と研修生を労った。続いて挨拶に立った日本原子力産業協会の増井秀企理事長は、IAEAをはじめとする関係各位に謝辞を述べた上で、「グループワーク等では、主体的に、そして積極的に議論に参加してほしい」と期待を寄せた。IAEAからは、原子力エネルギー局計画・情報・知識管理部(NEPIK)部長を務めるファン・ウェイ氏が登壇。同氏は、「世界的に原子力の専門人材やリーダーシップの必要性が高まっている」と指摘し、「各国政府や教育機関と連携し、若手の知識や経験の共有、国際的なネットワークづくりを進めていくことが不可欠だ」と述べた。最後に挨拶に立った上坂充原子力委員会委員長は、「他国の知見や政策を積極的に学び、自国にとって最適な形を模索する上で、IAEAの基準や国際的な取り組みを参考にすることは、皆さんの将来にとって重要な学びになるだろう」とNEMSの意義を強調。また、「今回のプログラムで自身の目で見て理解したことを、帰国後にご家族や友人にも伝えてほしい。知識や経験の共有が、国際社会全体の原子力の未来を形づくることにつながるだろう」と述べた。
- 22 Aug 2025
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大林組 総合展示会「OBAYASHI VISION SHOWCASE 2025」を開催
大手ゼネコンの大林組はこのほど、脱炭素をテーマにしたさまざまなソリューションや技術を紹介する総合展示会、「OBAYASHI VISION SHOWCASE 2025」を開催した。同社では「MAKE BEYOND つくるを拓く」をブランドビジョンに掲げ、脱炭素や資源循環、自然共生を目的としたサステナブルな社会の実現を目指している。同展示会では、「SOLUTION」「VISION」「CREATION」と大きく3つのテーマに分け、さまざまな技術や施工実績、同社が掲げる構想などを紹介した。例えば、建設プロセスにおける低炭素技術を紹介するセクションでは、建設に欠かせない資材であるセメントの量を減らし、別の材料に置き換えることでCO2排出量を抑えた低炭素型のコンクリート、「クリーンクリート」が紹介された。また、ロボットやドローン技術を活用し、工程の簡素化やCO2の排出を最小限に抑える試みとして、AIを活用した図面の照合システムや、施工箇所にBIMデータを重ね合わせて施工確認や検査などを行う品質管理システム等の展示があった。他にも、建設機械の操作レバーなどに装置を装着することで遠隔からの無人化運転を可能にした汎用遠隔操縦装置(サロゲート®)のシミュレーターを展示。同装置は、搭乗操縦と遠隔操縦の切り替えが容易なため、施工場所の作業環境に応じて、柔軟に工事を進めることができ、危険な場所や災害復旧作業において、最大限効果が発揮される。令和6年能登半島地震の災害復旧作業にも使われており、同展示会では、実際に現場で作業する社員による実演など、来場者が間近で見学することができた。そして、日本全国で高速道路のリニューアル工事を手掛ける同社では、トンネル覆工のスピードをより高めたワンバインドクロスや、高速道路の橋の更新作業にかかる時間を従来の半分に短縮した工法「HOLLOWAL(ホローワル)」の紹介、そして、文化財の恒久的な保存を目指し鉄骨を使わない耐震強化技術など、多様な分野で活用される同社の高い技術力が社会インフラの安全性向上や効率化に寄与するとともに、未来志向のものづくりを支える原動力となっていることが来場者に強く印象付けられた。また、会場にて放映されたプロモーションビデオ内には、原子力産業界で大きく注目を浴びている自律4足歩行ロボット「Spot」の紹介があった。将来的には、原子力発電所の廃止措置における建屋周辺および内部のモニタリング、放射性廃棄物の埋設後の点検作業において活躍が期待されている。そして、核融合発電への取り組みを紹介するコーナーでは、同社が出資する核融合炉開発のスタートアップ「株式会社 LINEA イノベーション」が構想する核融合発電施設のイメージ模型が展示され、ITER プロジェクトにも出向経験のある同社の社員による解説があった。ここでも、同社が培ってきた安全管理のノウハウや、耐震・免震技術を活かした建屋設計の観点が核融合発電の開発事業においても、いかんなく発揮されていることが紹介された。同施設は、「FRC ミラーハイブリッド方式」の先進燃料核融合で、中性子フリーの環境にやさしい核融合炉として期待されている。FRC とは、(Field-Reversed Configuration)、磁場反転配位と呼ばれるプラズマの磁場閉じ込め方式のひとつで、炉構造がシンプルであるため、メンテナンス性が高く経済的な核融合炉として注目されている。
- 21 Aug 2025
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高速実験炉「常陽」 RI製造などにも活用へ
文部科学省の諮問機関である科学技術・学術審議会原子力科学技術委員会は8月18日、革新炉の取組や原子力基礎研究支援の在り方について議論する「第26回原子力研究開発・基盤・人材作業部会」を開催した。まず、革新炉の取組について、日本原子力研究開発機構(JAEA)から、高速実験炉「常陽」の現在の状況説明が行われた。「常陽」は、「高速炉」を開発するための小型の実験炉である。事業者のJAEAは昨年9月、茨城県及び大洗町から地元了解を得て、現在、新規制基準に適合するための工事を行っている。2026年度半ばの運転再開を目指しており、実現すれば、国内唯一の高速炉の実験施設として、放射性廃棄物の有害度を低減する研究や、がん治療への活用が期待される医療用RIの製造実証など、さまざまな活用方法が期待されている。同作業部会に委員として参加した日本原子力産業協会の上田欽一委員は、「国内外との連携を強化して、世界最先端の高速炉研究拠点としての役割を発揮してほしい。また、医療用RIの安定供給や先端利用など、社会的価値の高い活用に向けて、学生や若手研究者の関心を高め、研究開発や人材育成を強化する必要がある」と指摘した。また、原子力基礎研究支援の在り方について同作業部会では、原子力をエネルギー源として利用するだけでなく、様々な課題解決につながる総合科学技術として捉える必要性が示され、2050年のカーボンニュートラル実現や、健康・医療、製造業等の産業競争⼒の強化に繋がる可能性を秘めていることが改めて共有された。そして、これまで⼤学・研究機関等を中⼼に、⾼い研究⽔準を維持してきたが、さらに安定的・継続的に原⼦⼒利⽤を推進させていくために、国として中⻑期にわたり支援する必要性が議論された。
- 19 Aug 2025
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全国知事会 各省庁へ提言書を提出
全国知事会で原子力発電対策特別委員会委員長を務める中村時広愛媛県知事は8月4日、原子力規制庁を訪れ、「原子力発電所の安全対策及び防災対策に対する提言」と題した提言書を金子修一長官に手渡した。また、中村知事は翌8月5日、経済産業省と内閣府を訪れ、加藤明良経済産業大臣政務官、城内実内閣府特命担当大臣(科学技術政策)、勝目康内閣府大臣政務官(原子力防災)に対し、同提言書をそれぞれ提出した。提言書は、国が責任をもって早急に取り組むべき「原子力発電所の安全・防災対策」について、3つの章に分けて記述。第1章では、東京電力福島第一原子力発電所の事故に関し、特に廃止措置とALPS処理水を取り上げ、適切な支援と風評の払拭、原子力災害の風化防止対策など、政府一丸となって取り組むことを求めた。第2章では、原子力施設の安全対策に関し、2024年1月に発生した能登半島地震を受けて、原子力発電所の安全性や避難計画の実効性を懸念する声が上がったことを踏まえ、「全国に立地している原子力施設の安全確保に向けて、原子力規制委員会には、常に最新の知見を踏まえた新規制基準の見直し、厳正かつ迅速な適合性審査の実施、そして、その結果を国民全体に明確かつ責任ある説明を行ってほしい」と訴えた。また、同地震の教訓から得られた知見や安全研究の成果を、今後の対策に活かすことを求めた。そのほか、使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定など、バックエンド対策の加速も要請され、使用済み燃料の最終処分地については「国全体で負担を分かち合うべき課題」として、都市部を含む全国的な議論と情報公開を呼びかけた。さらに、原子力分野の人材不足や技能継承への懸念を示し、研究開発や安全対策に必要な予算・人材を長期的視点で確保するよう国に求めている。第3章では、原子力防災の強化に関し、自治体が制定する原子力防災対策の幅が広がっていることを踏まえ、国が前面に立ち、予算面から立地自治体を支援する必要性を強調。2024年9月の原子力関係閣僚会議で確認された「避難対策を中心とする具体的対応方針」を踏まえ、自治体の意見を十分反映させることや、複合災害時における省庁間のスムーズな連携を求めた。
- 18 Aug 2025
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除染土の県外処分 月内にロードマップを策定へ
林芳正内閣官房長官は8月10日、就任後初めて福島第一原子力発電所や中間貯蔵施設を訪問し、廃炉に向けた取り組みを視察した。東京電力の小早川智明社長らとの意見交換会も実施し、「安全かつ着実な廃炉、福島の復興は政権の最重要課題。安全確保を最優先し、廃炉作業を一歩一歩進めてほしい」と発言した。その後、記者団の取材に対し、福島県に残る除染土の県外処分に向けたロードマップ(工程表)を、今月中に策定すると明らかにした。このロードマップには今後5年間で取り組むべき課題が盛り込まれ、候補地選定条件の具体化に入る方針だ。その上で「県外での最終処分に向けては、最終処分場の構造や必要な面積などをまとめた複数の選択肢を示しており、候補地の選定を進めたい。国民への理解醸成が特に重要で、政府を挙げて積極的な情報発信に取り組んでいく」と述べた。これらの除染土は、福島県の大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設で一時的に保管されているが、2045年3月までに福島県外にて最終処分することが法律で定められている。政府はこの最終処分量を減らすために、放射性物質の濃度が低い土を、全国の公共工事の盛り土などに用いて再生利用する方針だ。その除染土処分の第一歩として政府は、総理大臣官邸にて除染土を再生利用することをすでに発表している。7月19日~20日にかけて、中間貯蔵施設から除染土を積んだ10トントラックが官邸に到着し、前庭にて、除染土の上から普通の土をかぶせ、表面に芝生を張る作業を実施した。除染土事業を管轄している環境省は今後、1週間に1回程度、放射線量を測定し、ホームページなどで情報を発信する方針。官邸での再生利用をきっかけに除染土への理解醸成につなげる狙いがある。
- 13 Aug 2025
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放射線の知識をアップデート ぐぐるプロジェクト
環境省は7月31日、「令和7年度ぐぐるプロジェクト キックオフミーティング」を東京都内で開催した。同プロジェクトは、放射線に関する正しい情報発信を目的に2021年に始まった活動で、今年、最終年度となる5年目を迎えた。一般的に放射線はなじみが薄く、情報をアップデートする機会が少ないと言われている。そのため、過去に得た古い情報のまま、知識が止まっているケースが多々あり、放射線の健康影響に関する全国調査においても、「正しい知識を持つ人」の割合は未だ61.7%ほどに留まるという。こうした放射線の健康影響に関する誤解や風評、差別、偏見の解消を目指し、同プロジェクトでは、メディア向け公開講座や、ラジエーションカレッジ(全国の企業や学校での学びの場)によるセミナーの開催、学んだことを発信するための作品コンテストなど、幅広い活動を行ってきた。同プロジェクトでは、今年度までに「正しい知識を持つ人」の割合を80%にする目標を掲げ、昨年度発足した、福島の未来を担う若い世代で構成された「ふくしまメッセンジャーズ」による取り組みをパワーアップさせる方針だ。「ふくしまメッセンジャーズ」は昨年度、中高校生向けの絵本「木と鳥」やポスターの創作、福島県内でのフィールドワークやワークショップなど、さまざまな活動を通じて情報発信に努めてきた。今年度は活動の場を福島県外へと広げ、秋以降には全国8か所程度でのイベントにメンバーを派遣する。なお、活動の様子は動画にまとめられ、YouTube公式チャンネルなどで全国に発信される。早速、8/6(水)~8/7(木)には「こども霞が関見学デー」と題した小中学生向けの省庁見学イベント(環境省22階第一会議室で開催)にて、メンバーが先生役となって活動を紹介する予定だ。この日は、4名のふくしまメッセンジャーズのメンバーが登壇し、ロールプレイ形式で活動の様子が披露された。また、昨年度から同活動のサポーターに起用されている俳優・タレントとして活躍する箭内夢菜さん(福島県郡山市出身)も登壇。箭内さんは、「ふくしまメッセンジャーズの活動は、福島の今を知らない人たちの心を動かすきっかけになると思っています。私もサポーターとして、今年度も精一杯応援させていただきたいです」と意気込みを語った。
- 04 Aug 2025
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日本政策投資銀行 SMRの動向と産業戦略に関する調査研究を公表
日本政策投資銀行は7月11日、「電力需要増加への対応と脱炭素化実現に向けた原子力への注目~海外で取り組みが進むSMRの動向と産業戦略~」と題した調査研究レポートを発表した。著者は同行産業調査部の村松周平氏。同レポートでは、電力需要の増加と脱炭素化の実現に向け、世界的に原子力発電の重要性が再認識されていると指摘。革新軽水炉・高温ガス炉・高速炉・小型モジュール炉(SMR)および核融合などの次世代革新炉の開発が加速するなか、それらの導入に向けた論点や日本の産業競争力強化に向けたあり方を提言している。特にSMRは、技術成熟度の観点から実現可能性が高く、大型軽水炉における課題を克服し得る特徴を有しており、米国などではSMR導入に向けた規制や政策的支援の整備が進んでいる。日本もこうした動きに呼応し、先行する海外プロジェクトへの参画が大きな意味を持つ、との見方を示した。一方で、次世代革新炉の初期の実装においては、多様な不確実性に対処する必要があり、サプライチェーンの整備、規制と許認可プロセスの合理化と確立、政府や電力需要家を含めた適切なリスクシェアなどの議論が不可欠と強調している。また、日本では2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において、「原子力の最大限活用」が明記され、単一電源種に依存しない電力システムの構築が急務となっていることを指摘。太陽光や風力といった再生可能エネルギーの導入が進む一方で、その発電量の不安定さから需給バランスの課題についても言及されている。さらに、西側諸国で長期間にわたり新規建設が途絶え、1,000万点にも及ぶ原子力サプライチェーンが崩壊の危機に瀕したこと、また、その間に中国とロシアは政府が主導して原子力サプライチェーンを戦略的・継続的に強化したことを踏まえ、原子力発電所の新設やサプライチェーンの維持・強化は自国の電力システムのみならず、国際的な安全保障や産業競争力にとっても重要な意味を持つとした。その他、同レポートでは、各種次世代炉の技術的特性、また、FOAKリスク(First of a Kind、初号機)への対応の必要性が記されている。同様に、諸外国のSMR開発・社会実装の動向を踏まえ、日本としても、中長期的なSMRの導入可能性を見据えて、海外プロジェクトへの参画や人材・部品供給の支援を通じて、競争力強化と安全保障上の優位性確保が急務であるとした。そして最後に、安全性への客観的な判断と丁寧な対話を通じた社会的受容も不可欠であり、脱炭素化やエネルギー安全保障の実現に向け、政治・産業界による継続的な支援の必要性を強調している。
- 18 Jul 2025
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デジタルインフラなどを議論 エネ研シンポ
日本エネルギー経済研究所(IEEJ)と東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA:Economic Research Institute for ASEAN and East Asia)は7月11日、「GX 実現に向けた電源確保と地域振興における原子力の役割」と題したシンポジウムを東京都内で開催した。同シンポジウムは、原子力の役割を再確認すると同時に、立地地域の振興という観点を取り入れ、今後の脱炭素電源確保に向けた課題を、国内およびアジア諸国の関係者間で共有し、政策提言に繋げることを目的に行われた。2018年の初開催を皮切りに、新型コロナウイルス拡大に伴う中断期間を挟んで今回が5回目の開催となった。開会に際し、日本エネルギー経済研究所の寺澤達也理事長は、「原子力は大規模な脱炭素電源として期待されているほか、再生可能エネルギーの変動性を補完するベースロード電源としての役割を担っている」と述べた上で、「原子力発電所が地域の発展に寄与し、地域と共生していくことの重要性」を説いた。また、原子力政策の推進を実現するためには、欧米の先行事例を参考に、そのあり方を学ぶ必要性を指摘。そして、ASEAN諸国の原子力導入への関心にも言及し、そうした国々に向けては、今以上の国民理解促進活動が重要であることを強調した。その後、海外事例を紹介するセッションでは、米国から原子力エネルギー協会(NEI)のマーク・ニコル次世代原子力担当執行理事、英ウェールズからバンガー大学原子力未来研究所教授兼メナイサイエンスパーク理事のマイケル・ラシュトン氏、フィンランドから欧州経済社会評議会 産業変化諮問委員会委員のエイヤ・リッタ氏、また、同国の原子力産業団体FinNuclearのハッリ・ヴァルヨネン事務局長の計4名が登壇。原子力発電所や運転事業者とその立地自治体の共存事例が紹介された。特に、フィンランドでは、地域暖房やデータセンターなどの安定的なエネルギー需要に応える手段として、小型モジュール炉(SMR)への期待が高まっており、脱炭素化を目指す国家プログラムが整備され、補助金や税制優遇を通じて、雇用、地域経済にも波及効果をもたらしていると説明された。また、世界初となる使用済み燃料の地層処分場が2026年に稼働予定で、厳格な規制の下で、プロジェクトが順調に進んでいることを強調した。また、国内GXと地域振興のセッションにおいては、世界のクラウドサービスを代表するAWS(アマゾンウェブサービス )社から、エネルギー戦略担当のパトリック・レオナード氏と、エネルギー調達担当のベノワット・ドュボー氏の2名が登壇し、脱炭素電源を活用したデジタルインフラの整備について、産業界の視点を提供する機会が設けられた。さらに、資源エネルギー庁電力ガス事業部電力基盤整備課の筑紫正宏課長と、経済同友会の元副代表幹事である栗原美津枝氏が登壇。GX産業立地の実現に向けた政府の施策や、経済界におけるエネルギー問題の位置づけと課題について、それぞれの立場から具体的な見解が示された。また、海外登壇者を交えたパネルディスカッションでは、原子力をめぐる国際的な視点を交えた活発な意見交換が行われた。
- 14 Jul 2025
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金子規制庁新長官 「新型炉の規制で事業者らと連携」
原子力規制庁で7月3日、1日付で原子力規制庁長官に新たに就任した金子修一氏(59)の就任会見が開かれた。6代目長官の金子氏は、前任の片山啓氏(62)に続く経済産業省の出身。2012年の原子力規制委員会の発足準備段階から携わっているひとりだ。2011年の福島第一原子力発電所の事故対応の経験を持つ同氏は、「事故対応の経験を持つ職員は一定数いるが、数としては少なくなった。事故から学んだことは、準備ができていないことは実行できないということ。危機感や臨場感を口頭で伝えるだけではなかなか伝わらないという課題もあるが、規制庁で培われてきた独立性や継続的改善の姿勢を継承し、当時の状況や意識を伝え続けていく」と抱負を述べた。その後、記者から、「準備に万全はないという発言は、安全規制には終わりがないという意味が込められていると思うが、特に力を入れたいことは何か」を問われ、金子長官は、「最近は、新型炉の規制や核融合といった新しい技術に対応する規制のあり方など、幅広い課題に取り組んでいる。そういった技術の動向や政策の方向性については関心を持って見ており、事業者や研究機関と密に連携していくつもりだ。また、4月から新しい中期目標を設定し、今後5年間で重点的に取り組むべき課題をその中に盛り込んだ。これら課題を着実に解決したい」と述べた。そして、他の記者から「審査期間の長期化によって、膨大なコストをもたらすと懸念されているが、審査や規制の効率化について、どのように考えているか」と問われ、金子長官は「先述の中期目標において審査の効率化は大きな柱として掲げた。過去の経験や実績を活かし、確認済み事項については再確認を不要とするなど、事業者と連携しながら効率化は図れるだろう」と述べた。また「規制庁の職員は1000人を超え、大きな組織となっている。職員1人ひとりがやりがいを感じ、積極的に、前向きに仕事ができる環境を整えることも私の重要な役割だ」と働き方改革にも意欲を見せた。
- 07 Jul 2025
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柏崎刈羽の再稼働めぐり県民公聴会
新潟県は6月29日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関する県民公聴会を実施した。同公聴会は、新潟県の花角英世知事が再稼働をめぐる是非を県民に問う場として掲げ、8月末までに県内5か所で開催する。初回の同日は、柏崎・刈羽エリアの住民が対象となった。18名の参加を予定していたが、2名が欠席し、新潟県商工会議所連合会など6団体から8名、一般公募が8名の計16名が参加した。賛成7名、反対5名、条件付き賛成2名、1人が再稼働に「疑義がある」とし、残る1名は賛否を明かさなかった。県トラック協会の推薦を受けて出席した柏崎市在住の70代の男性は、「日本は化石燃料に大きく依存しており、国内に資源がない。エネルギー供給の不安定さを解消するため、また、脱炭素電源として原子力が担う役割は大きいと考えている。柏崎刈羽原子力発電所は同地域や新潟県のみならず、国にとっても重要な資産。私自身、発電所周辺のUPZ(緊急防護措置区域)に住んでいるが、活用しない手はない」と述べ、賛成の立場を示した。また、新潟県商工会議所連合会から推薦を受けた柏崎市在住の60代の男性は、「現在、発電所では多くの新潟県民が勤務し、その中でも多数が柏崎刈羽地域に住む人々である。再稼働が進む西日本と比べ、電気料金の地域格差も広がっており、これは産業界や家庭にも影響を及ぼしている」と述べた。その一方で、「立地地域にとっての真の安心・安全は、原子燃料サイクル全体の完成であり、その責任を国に果たしてほしいと思う」と述べ、今後の課題を口にした。一方で、柏崎市在住の70代男性からは「避難道路がまだ完成していないほか、内閣府が定めた広域避難計画の緊急時対応の実効性を疑問視している」といった声もあがるなど、賛否が交錯する公聴会となった。花角英世知事は、県内市町村長との懇談会を5月下旬から行っており、これを「夏いっぱい」まで実施する見解を示している。そのため、同公聴会の開催終了を見込む8月末以降に、再稼働の是非の判断がくだされる見通しだ。
- 01 Jul 2025
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2024年度版 エネルギー白書を閣議決定
日本政府は6月13日、2024年度版のエネルギーに関する年次報告(通称:エネルギー白書)を閣議決定した。本白書は、エネルギー政策基本法に基づく法定白書で、2004年から毎年作成され、今回が21回目となる。同白書は例年3部構成となっており、第1部は、福島復興の進捗と原子力安全対策、各年度のエネルギーを取り巻く動向を踏まえた分析など、第2部は国内外のエネルギーに関するデータ、第3部は前年度に講じたエネルギー政策や支援策の実施状況、を中心にまとめられている。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が長期化しているほか、直近では、イランと米国の間で新たな緊張の火種が生じており、各地で情勢の不安定化が懸念されている。それに伴い、化石燃料の需給バランスが崩れ、以前から日本でも電気・ガス代やガソリン価格が高止まりしているが、回復の兆しは見えない。そして、米トランプ政権は、脱炭素政策を転換し、アラスカ州での資源開発の加速に意欲を示したことにも触れ、「安定供給や価格に影響を与えるリスクが顕在化している」と分析した。そのため、既存の原子力発電所よりも安全性や燃料の燃焼効率が高い「次世代革新炉」の早期実用化や、薄く折り曲げられる「ペロブスカイト太陽電池」など、次世代技術の活用を推進し、脱炭素化と電力の安定供給を両立する必要性を強調している。また、発生から14年が経過した東京電力福島第一原子力発電所の事故に関しては、デブリの取り出しや処理水の処分を着実に進めることで「復興に向けた道筋をこれまで以上に明確にしていく」と記されている。
- 24 Jun 2025
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原産協会 定時社員総会を開催
日本原子力産業協会は6月13日、定時社員総会を日本工業倶楽部(東京・千代田区)で開催し、2024年度決算および事業計画、2025年度の事業計画・予算案がそれぞれ報告、承認された。総会には、委任状を含む合計322人の会員が出席した。新理事には安藤康志電気事業連合会副会長、竹内努東芝エネルギーシステムズ取締役パワーシステム事業部長CNO、中西宏典発電設備技術検査協会理事長の3氏が就任した。総会の冒頭、日本原子力産業協会の三村明夫会長は、「今年は第7次エネルギー基本計画が閣議決定し、原子力の最大限活用が明確に打ち出され、ファイナンス、サプライチェーン、人材確保・育成といった課題への対応が盛り込まれた。原子力政策がようやく正常化し、力強く前に進みはじめたことは、原子力産業界全体にとって心強いかぎりだ」とコメント。その上で、原子力最大限活用の課題として、1.既設炉の再稼働と建設中プラントの早期完成2.新規建設の具体化3.原子燃料サイクルの確立と高レベル放射性廃棄物の最終処分を挙げた。そして、既設炉の再稼働と建設中プラントの早期完成について、「昨年の女川原子力発電所2号機(BWR、82.5万kWe)と島根原子力発電所2号機(BWR、82.0万kWe)の再稼働により、BWRのサプライチェーンにも動きが見られた一方で、全国には運転開始に至っていないプラントも多く、再稼働の加速が求められる」と指摘。「次世代に安心感と使命感を伝えるには、早期再稼働と現場の安定運営が必要だ」と語った。新規建設の具体化については、「持続可能な技術力の活用やサプライチェーン、人材の確保を支えるためにも、新設計画の着手は喫緊の課題」と述べ、政府に対して、「資金調達や投資回収の事業環境整備を早急に進めるよう求めていきたい」と語った。原子燃料サイクルと高レベル放射性廃棄物の最終処分については、「原子燃料サイクルの確立は、原子力の安定的な活用の前提条件」とした上で、関係者の連携によるさらなる前進を呼びかけた。また、来賓として挨拶に立った加藤明良経済産業大臣政務官は、「世界的に原子力の導入・再稼働が加速する中で、日本も脱炭素・エネルギー安定供給の柱として原子力を最大限活用するために、再稼働や新設、次世代革新炉の開発が重要」と強調。国内原子力産業の基盤・人材の維持強化、海外展開支援にも取り組む意向を示した。政府は政策と予算面で環境整備を進め、産業界には具体化と加速を期待。官民連携で原子力政策の実行を進める必要性を訴えた。同じく来賓の赤松健文部科学大臣政務官は、文部科学省として、次世代革新炉の研究開発や人材育成を強化していく方針を示し、高速実験炉「常陽」や、高温ガス炉のHTTRを活用した実証、核融合エネルギーの官民連携に言及した。さらに、先進的原子力教育コンソーシアム(ANEC)を軸とした産学連携による人材育成の取り組みを重視する考えを強調。産業界の協力を求めつつ、同分野での今後の連携強化に期待を寄せた。
- 16 Jun 2025
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女性対象の原子力人材育成研修が日本でスタート
「リーゼ・マイトナー・プログラム(LMP)」の開講式が、6月9日、国際原子力機関(IAEA)と内閣府の共催で、東京大学で開かれた。原子力分野の実務経験者や、博士課程等を専攻する女性を対象とした人材育成研修プログラムで、今回が初の日本開催となる。LMPはIAEAのリーダーシップの下、原子力分野の実務者や博士課程を専攻する女性を対象とした人材育成研修として2023年にスタート。これまで米国、韓国、アルゼンチンで開催された。今回は81か国から373名の応募があり、選ばれた15名が参加した。多くの応募があったことについて、東京大学大学院工学系研究科原子力専攻の出町和之准教授は「日本という国に魅力を感じている応募者が多いようだ。また、福島第一原子力発電所の視察など、日本ならではのプログラムの前評判も良い」と話した。また、同プログラムを通して、参加者の技術的知識やリーダーシップ・スキルの強化が図られ、原子力分野でより多くの女性の活躍が促進されるよう期待を示した。約2週間にわたり開催される同プログラムでは、前半は座学研修、後半は原子力関連施設への視察が予定されている。座学研修では、IAEA、東京大学、東京電力、原子力関連メーカーなどの担当者より、原子力安全や廃棄物管理などをテーマに講義を実施。また、現地視察では、中部電力の浜岡原子力発電所、東京電力の福島第一原子力発電所や廃炉資料館、日本原子力研究開発機構の原子力人材育成・核不拡散・核セキュリティ総合支援センター、大洗研究所、原子炉安全性研究炉(NSRR)、楢葉町遠隔技術開発センターなどを視察する予定だ。また、静岡県内では日本文化を体験するプログラムも用意されており、事務局担当者は、「以前、韓国で実施された際には文化体験の評価が高かったと聞いている。日本ならではの企画を通じて、参加者同士の円滑なコミュニケーションの促進につながれば」と話している。
- 11 Jun 2025
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原産協会・増井理事長 年次大会を総括
日本原子力産業協会の増井秀企理事長は5月30日、定例の記者会見を行い、4月に開催された「第58回原産年次大会」の総括をはじめ、最近の海外出張の報告や今後の取組みについて説明した。増井理事長はまず、4月8日、9日に開催された原産年次大会の総括が30日に公表されたことを受け、その概要を報告。「原子力利用のさらなる加速―新規建設の実現に向けて」を基調テーマとして掲げた同大会について、「安定したサプライチェーンと人材確保、国による明確なビジョンと戦略が不可欠という認識が改めて共有された」と総括した。さらに、海外登壇者を招いたセッションでは、海外の成功事例や教訓を踏まえた課題と対応策の議論を通じて、「新規建設の重要性を改めて発信する機会となった」と振り返った。記者から、「国内外の若手技術者による講演や、学生パネリストを交えたグループディスカッションに特に大きな盛り上がりを感じたが、この熱気をどのように一般の人に伝えていくか」と問われたのに対し、増井理事長は、「当協会が長年実施している出前授業が果たす役割は大きい。エネルギー問題への関心が高まるような施策を、これからも進めていきたい」と今後に意欲を示した。 また、増井理事長は、4月15日~17日にカナダ・オタワで開催されたカナダ原子力協会(CNA)の年次大会に参加。さらに、4月29日~30日に韓国・ソウルで開催された「第40周年記念韓国原子力産業協会(KAIF)年次大会」にも出席し、それぞれの参加概要を報告した。韓国では、日本の原子力発電の現況を発信するとともに、国際展開を志向する会員企業を海外企業に紹介したことなどを説明した。このほか、中国核能行業協会(CNEA)主催の「中国原子力開発フォーラム―2025年国際サミット春(CNESDS)」や、同時開催された「第16回中国原子力産業国際展示会(CIENPI)」にも参加。JAIFブースの出展に加え、CNEA協力のもと、中国の原子力関係施設への視察を行ったことも明らかにした。
- 02 Jun 2025
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電気事業連合会 新CMを公開
電気事業連合会は、5月20日、俳優の今田美桜さんが出演する新テレビCM「電気とひとの物語・冷蔵庫あけたら」篇、「電気とひとの物語・この撮影も」篇(各30秒)を、全国で放映開始した。また、5月27日から、新Webムービー「伝わるのは今だ-episode1-」の配信をスタートさせている。先行して公開されたテレビ CM では、日常のなかにある電気のありがたさや、そこに込められた人の思いをやさしく伝える内容となっている。新Webムービーでは、今後の電力需要の増加を見据え、CO₂を排出しない原子力や再生可能エネルギーの活用、火力の脱炭素化といった課題への取り組みを、ドラマ仕立てで紹介。日本のエネルギー自給率が約15%と低い現状を背景に、各電源をバランスよく組み合わせる「エネルギーミックス」の重要性を訴える内容となっている。今田さんがシリアスな表情を崩さずに、若干強引気味に説明するシーンがコミカルで、SNS上では早くも話題になっているようだ。Webムービーの最後には「エネルギーのこと、知ってほしいのは今だから」というメッセージが添えられており、若い世代をはじめ、多くの人にエネルギー問題を身近に感じてもらいたいという思いが込められている。また、電事連では安全性を最優先に、「安定供給」「経済効率性」「環境への適合」の3要素を同時に満たす「S+3E」の実現を掲げており、新しいテレビCMとWebムービーを通じて、こうした取り組みを伝えている。
- 28 May 2025
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カドミウムの基準超え事件 一石四鳥の「あきたこまちR」が救世主へ!
二〇二五年四月二十一日 四月上旬、秋田県内の農事組合法人が出荷したコメから基準値を超えるカドミウムが検出された。コメは首都圏の広範囲の店で販売され、自主回収が進む。こうした悲劇的事件を避ける救世主が、カドミウムをほとんど含まない画期的な新品種「あきたこまちR」だということを重ねて強調したい。これを大きく報じないのは、メディアの怠慢だろう。基準超えは重大な失態 秋田県が四月四日に公表したリリースによると、農事組合法人・熊谷農進(秋田県小坂町)が出荷した約八六トンのコメの一部から食品衛生法で定められた基準値〇・四ppm(ppmは百万分の一の単位。一ppm=〇・〇〇〇一%)を超える〇・四七~〇・八七ppmのカドミウムが検出された。販売先は加工・卸売業者も含め、青森、茨城、埼玉、東京、神奈川、千葉など広範囲に及んだ。 基準超えのコメを知らずに販売した青森県の老舗米穀会社の社長は「裏切られた。農家の生産者として、全くプロ意識がなく、憤っています」(四月八日の青森朝日放送)と怒った。自主回収の対象となった数多くの販売店も同様の思いだろう。 基準超えのコメを一時的に食べても健康への影響はないが、今回の失態は「あきたこまち」のイメージ悪化につながる重大な事件だと認識したい。小坂町はかつて鉱山の町 不思議なのは、この基準値超えを報じるメディアが、カドミウムをほとんど含まない「あきたこまちR」が登場すれば、今回のような悲劇的事件を避けることができるという事実に触れていない点だ。 コメに含まれるカドミウムは稲が土壌中から吸収したものだ。今回の事件で基準超えのコメを出荷した熊谷農進はカドミウムが高くなった原因について、「去年は水不足が発生し、田んぼに水が入っていない状況が続いた」(四月八日の青森朝日放送)と語っている。どの農家もカドミウムの吸収を抑えるために夏場に水をはるのだが、その湛水管理に失敗したというわけだ。 熊谷農進のある小坂町にはかつて小坂鉱山があり、周辺地域の土壌は他の地域に比べてカドミウムの濃度が高かった。一九七〇年代に土壌汚染対策地域に指定され、九〇年代に対策は完了していた。そうした苦い過去を考えると、生産者はより強い注意深さが求められていたのだが、ちょっとした油断が今回の悲劇を生んだといえる。カドミウムとヒ素はトレードオフ ただ、生産者を責めるには酷な面もある。 首尾よく田んぼに水をはれば、確かにカドミウムの吸収は抑制されるが、逆に無機ヒ素の吸収は促進されてしまう。ヒ素はカドミウムと同様に国際がん研究機関(IARC)によるグループ分類で「発がん性あり」のグループ1に属する重金属だ。仮に湛水管理がうまくいっても、ヒ素が増えてしまうため、カドミウムとヒ素は相反するトレードオフの関係にある。 さらに言えば、田んぼに水をはると地球温暖化の原因となるメタンガスの発生量も増える。つまり、コメのカドミウムを低くしようとすると、ヒ素とメタンガスの両方が増えてしまうのだ。 日本列島を見渡せば、土壌中のカドミウムが高い地域があちこちにある。環境省によると、基準値を超えるおそれのあるカドミウムの土壌中濃度の高い地域(二〇二二年度)は秋田、富山、愛知、群馬、島根、福岡など九十七地域(面積約六七〇九ヘクタール)もある。 ではどうすべきか。結論を先に言えば、それを同時解決するのが「あきたこまちR」なのである。「あきたこまちR」なら、手間のかかる湛水管理が不要となるため、カドミウムが減るだけでなく、ヒ素もメタンも減らすことができる。そして、その先に日本人のコメを通じた健康リスクも低下する。つまり、カドミウムの吸収を抑制する新品種「あきたこまちR」はまさに一石四鳥の救世主なのである。カドミウムとヒ素の相対的リスクは高い では、なぜ日本の記者たちはこのことをあまり報じないのだろうか。それはおそらく、記者たちが日本のカドミウムのリスクの現状をあまり知らないからだろう。この「あきたこまちR」に関しては、このコラムで過去に2回(「放射線を活用したコシヒカリの画期的な育種に反対運動 いまこそ放射線教育を!」、「汚染土の行方にも影響する『あきたこまちR』問題 いまは関ヶ原の戦いなり!」)書いているので重複する説明は省くが、日本人がコメから摂取しているカドミウムとヒ素による健康リスクは、食品中に残留していてよく話題になる農薬や食品添加物のリスクよりもはるかに高いという事実を知っておく必要がある。 もちろんコメを食べて危ないという意味ではない。日本人が平均的にコメから摂取しているカドミウムやヒ素の量は、健康影響の目安とされる耐容摂取量より低い(耐容摂取量の数分の一‘程度)ものの、農薬や食品添加物(許容摂取量の百分の一~千分の一程度)と比べると許容量に近いため、相対的なリスクが高いという意味だ。 日本人はカドミウムの約四~五割をコメから摂取している。天候に左右されず、土壌中のカドミウムをほとんど吸収しない形質をもった「あきたこまちR」の存在意義が高いのは、これでお分かりだろう。自家採種は可能 こういう説明をすれば、どの消費者も「あきたこまちR」を食べたいはずだと思うが、残念ながら、それでも「あきたこまちR」を阻止しようとする反対運動が起きている。栽培意欲のある農家に対して、電話の抗議が来たり、「死ね」といったメールまで送られてくるケースがあるという。 反対派の主張の中に「県は一斉にあきたこまちRに切り替えるのではなく、従来の品種を栽培したいと思う個人の権利を守るべきだ」という声がある。確かに個人の選択を守ることは必要だろう。これに対して、県は「全農家に強制するものではない。従来の品種を希望する農家は自家採種してよい。県外産あきたこまちの種子を購入することも可能だ」と答えている。「あきたこまち」は品種登録されていないため、農家は自分で種子を採種(自家採種)できる。ならば個人の選択は守られているはずだ。難しい表示の問題 二五年産米からは、従来の「あきたこまち」も新しい「あきたこまちR」も、「あきたこまち」として販売される。これに対して、反対派は「従来の品種とあきたこまちRの区別がつかないため、あきたこまちRと表示して販売すべきだ」と訴える。 この表示の問題はちょっと複雑な心境になる。私としては「あきたこまちR」を食べたいので、たとえば「あきたこまちR」が「しんあきたこまち」といったネーミングになれば、「しんあきたこまち」を選んで購入したい。従来の「あきたこまち」を避けたいからだ。 一方、カドミウムやヒ素の含有量が高くても、従来の「あきたこまち」を食べたい人もいるだろう。そういう意味では表示の区別があってもよいと考えるが、消費者に混乱をもたらす恐れもあり、「あきたこまち」(秋田産あきたこまちの大半は「あきたこまちR」なので)という統一表記でもよいかと思う。乾田直播にも最適 今後、「あきたこまちR」が他県にも普及していくことを期待したいが、その理由は日本の稲作農業をさらに強くしたいという思いがあるからだ。カドミウムのコメの国際基準値は〇・四ppmだが、中国や香港、シンガポールは〇・二ppm、EU(欧州連合)は〇・一五ppmと日本より厳しい国もある。そういう国へコメを輸出する場合、カドミウムの基準値クリアーは必須要件だ。その意味からも「あきたこまちR」は優等生である。 さらに今後、日本の稲作では、田んぼに水をはらず、乾いた田んぼに直接、種子をまく乾田直播(かんでんちょくは)が増えていくだろう。この技術は育苗、代掻き、田植えという工程がなくなるため、大幅な省力化や低コストにつながる。そういう未来の稲作に対しても、「あきたこまちR」は大きく貢献できる。 知り合いの大手新聞記者に「なぜ、あきたこまちRの意義を記事にしないのか」と聞いてみた。すると「育種交配など問題が複雑で短めに分かりやすく書くことが難しい」との返答が返ってきた。難しいことを分かりやすく記事にするのが記者の仕事だ。記者の矜持をぜひ見せてほしい。
- 21 Apr 2025
- COLUMN
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原文財団「原子力に関する世論調査」の最新版を発表
日本原子力文化財団はこのほど、2024年の10月に実施した「原子力に関する世論調査」の調査結果を発表した。18回目となるこの調査は、原子力に関する世論の動向や情報の受け手の意識を正確に把握することを目的として実施している。なお、同財団のウェブサイトでは、2010年度以降の報告書データを全て公開している。今回の調査で、「原子力発電を増やしていくべきだ」または「東日本大震災以前の原子力発電の状況を維持していくべきだ」と回答した割合は合わせて18.3%となった。一方、「しばらく利用するが、徐々に廃止していくべきだ」との回答が39.8%となり、両者を合わせると原子力の利用に肯定的な意見は過半数(58.1%)を超えた。このことから、現状においては、原子力発電が利用すべき発電方法と認識されていることが確認できる。一方、「わからない」と回答した割合が過去最大の33.1%に達し、10年前から12.5ポイントも増加していることが明らかになった。「わからない」と回答した理由を問うたところ、「どの情報を信じてよいかわからない」が33.5%、「情報が多すぎるので決められない」が27.0%、「情報が足りないので決められない」が25.9%、「考えるのが難しい、面倒くさい、考えたくない」が20.9%となっている。この「わからない」と回答した割合はすべての年代で増加しているが、特に若年世代(24歳以下)の間で増加傾向が高かった。また、同調査は、「原子力やエネルギー、放射線に関する情報源」についても分析を行っている。その結果、若年世代(24歳以下)は、「小・中・高等学校の教員」(27.2%)を主な情報源として挙げており、また、SNSを通じて情報を得る割合が、他の年代と比較して高いことがわかった。原文財団では、若年世代には、学校での情報提供とともに、SNS・インターネット経由で情報を得るための情報体系の整備が重要だと分析している。また、テレビニュースは年代を問わず、日頃の情報源として定着しているが、高齢世代(65歳以上)においても、ここ数年でインターネット関連の回答が増加している。「原子力という言葉を聞いたときに、どのようなイメージを思い浮かべるか」との問いには、「必要」(26.8%)、「役に立つ」(24.8%)との回答が2018年度から安定的に推移している。「今後利用すべきエネルギー」については、2011年以降、再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力・地熱)が上位を占めているものの、原子力発電利用の意見は高水準だった2022年の割合を今も維持していることがわかった。再稼働については、「電力の安定供給」「地球温暖化対策」「日本経済への影響」「新規制基準への適合」などの観点から、肯定的な意見が優勢だった。しかし、再稼働推進への国民理解という観点では否定的な意見が多く、再稼働を進めるためには理解促進に向けた取り組みが必要であることが浮き彫りとなった。また、高レベル放射性廃棄物の処分についての認知は全体的に低く、「どの項目も聞いたことがない」と回答した割合が51.9%に上った。4年前と比較しても、多くの項目で認知が低下傾向にあり、原文財団では、国民全体でこの問題を考えていくためにも、同情報をいかに全国へ届けるかが重要だと分析している。
- 28 Mar 2025
- NEWS
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中高生からの政策提案を表彰 エネ庁
資源エネルギー庁はこのほど、中高生を対象として、「エネルギー政策~エネルギー安定供給と脱炭素社会の実現の両立~」とのテーマで、政策提案型パブリック・ディベート全国大会(実行委員会委員長=江間史明・山形大学大学院教育実践研究科教授)をオンラインで開催。3月1日に日本科学未来館(東京都江東区)において、優勝チームらの表彰式が行われた。〈エネ庁発表資料は こちら〉本大会は、ディベート形式を通じた直接討論を通じて、地域を越えた交流を図り、次世代層に対し日本のエネルギーの未来について考えさせるのがねらい。2回目となる今回、折しも第7次エネルギー基本計画の検討時期となったが、「エネルギーの未来をつくるのは君だ!」と標榜し、提案を募集。中学生16校37チーム、高校生24校47チームから応募があり、それぞれ16チームがリーグ戦討論に参加。高校生の部では岐阜県立岐阜高校、中学生の部では慶進中学校(山口県)が優勝した。ディベートでは、 (1)社会の課題を解決するための従来にない着眼点があるか (2)政策を支える大事な理念や価値観を示すとともに実現可能な実施方法が考えられているか (3)提案された政策の実行によりどの程度の効果が見込まれるか――との観点から審査。高校生の部で2連覇を果たした岐阜高校は今回、送電ロスの課題に着目。フレキシブルな着脱が可能なペロブスカイト型太陽電池、マイクロ水力発電の活用などにより、年間約9.35億kWhの送電ロスを軽減する試算を示した。中学生の部で準優勝を獲得した中央大学附属中学校(東京都)は、「CARBON 30+30」(カーボンサーティサーティ)と題する政策を提案。カーボンニュートラルの実現につき「2030年から30年かけて実行する」ことを目指し、2030年以降の原子力発電所の再稼働推進、火力発電の依存度低減、再生可能エネルギーの技術向上などを展望している。実行委員長の江間氏は、「実によくリサーチをして政策を提案してくれた」と高く評価。将来の革新炉開発に関しても、高温ガス炉を利用した政策提案などもあったことから、今大会を出発点に「中学生や高校生の皆様のエネルギー問題への関心がさらに広がっていくことを期待する」とのメッセージを送った。
- 06 Mar 2025
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