
米先進炉開発企業のテラパワー社は4月22日、ワイオミング州ケンメラーで開発を進める先進炉「Natrium」の原子力部(Nuclear Island)の建設を開始した。米国で実用規模の先進炉が本格的な建設段階に入るのは初めてであり、次世代炉の商業化に向けた重要な節目となる。同プロジェクトは、ナトリウム冷却高速炉(約34.5万kWe)に加え、熔融塩を用いた蓄熱システムを組み合わせた設計が特徴。需要に応じて出力を一時的に50万kWeまで引き上げることが可能で、再生可能エネルギーの変動を補完する柔軟な電源として位置づけられている。米原子力規制委員会(NRC)は2026年3月初旬、同発電所の建設許可を発給した。建設地点は既存の石炭火力発電所に隣接しており、化石燃料から原子力への転換モデルとしても注目される。プロジェクトは米エネルギー省(DOE)の先進的原子炉実証プログラム(ARDP)の支援を受けて進められており、エンジニアリング・調達・建設(EPC)はBechtelが担当する。テラパワー社のC. レベスクCEOは建設開始について、「同発電所は信頼性が高く、調整可能な電力を送電網に供給する。今後、米国および世界でNatrium炉を採用した発電所フリートを展開するうえで実用的なモデルとなるだろう」と語った。同発電所の建設には約1,600人の作業員が参加予定。稼働後、約250人の常勤スタッフを雇用する。原子炉建屋基礎への初コンクリート打設は2027年を予定し、全体の完成は2030年を見込む。なお同プロジェクトは2024年6月に起工式が行われ、非原子力部の建設が先行して進められていた。テラパワー社は、Natrium炉の商業展開も視野に入れている。2026年1月にはIT大手のMeta社と、2035年までに最大8基の導入に向けた開発支援契約を締結。また2026年2月には、英国における包括的設計審査(GDA)が開始されており、海外展開も進みつつある。
27 Apr 2026
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米原子力新興企業のケイロス・パワー社は4月17日、テネシー州オークリッジにある米エネルギー省(DOE)の「東部テネシー技術パーク(ETTP)」で、フッ化物塩冷却高温実証炉「ヘルメス2」の起工式を開催した。ヘルメス2は、Google社との電力購入契約(PPA)の下で展開される初プロジェクト。最大5万kWeの電力をテネシー峡谷開発公社(TVA)の電力網に供給し、テネシー州およびアラバマ州にあるGoogle社のデータセンターへの電力の安定供給を支える。米原子力規制委員会(NRC)から2024年11月、ヘルメス2の建設許可を取得している。ヘルメス2は、2025年5月に同サイトで着工したフッ化物塩冷却高温実証炉「ヘルメス」(非発電炉、熱出力3.5万kW)から得られる知見を活用。ヘルメスは、NRCが半世紀ぶりに建設を許可した非水冷却炉で、TRISO(3重被覆層・燃料粒子)燃料やFlibe熔融フッ化物塩冷却材((Flibe(フリベ)と呼ばれる化学的に安定したフッ化リチウム塩とフッ化ベリリウム塩の混合物である熔融フッ化物塩冷却材))など、オークリッジ発の原子力技術を採用し、設計の簡素化、コスト低減、そして高い固有安全性を特徴とする。ケイロス社は、これらのヘルメス・シリーズで得られる運転データやノウハウを活用して、技術、許認可、サプライチェーン、および建設のリスクを軽減、コストを正確に算定し、商業規模の「KP-FHR」(熱出力32万kW、電気出力14万kW)の完成を目指している。ケイロス社は、ニューメキシコ州アルバカーキの製造開発拠点でヘルメス2の機器モジュールを製造し、オークリッジへ輸送して組み立てる計画。また、ヘルメス2の土木構造には、プレキャストコンクリート((建設現場でコンクリートを流し込む(=現場打ちコンクリート)のではなく、工場であらかじめ製造されたコンクリート部材))や免震基礎を取り入れたモジュール建設手法を採用。これにより建設期間の短縮、コスト削減、標準化設計の実現が期待されている。ヘルメス、ヘルメス2の両プロジェクトの建設工事は、Barnard Construction Companyが担当する。建設サイトは、かつて、オークリッジ・ガス拡散濃縮プラントK-33があり、DOEによる大規模な環境浄化の後、地域の経済開発用地として再利用されている。ケイロス社は2021年、隣接するガス拡散濃縮プラントK-31のサイトとともに取得している。
24 Apr 2026
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スウェーデンで計画されている小型モジュール炉(SMR)プロジェクトをめぐり、最終供給候補に残る米 GE ベルノバ日立 ニュークリアエナジー(GVH)社と英 ロールス・ロイス SMR 社が、相次いで現地企業との連携を強化している。2026年のサプライヤー選定を前に、両社はスウェーデンを拠点としたサプライチェーン構築を進め、欧州展開も視野に入れる。スウェーデン国営電力会社バッテンフォールは、リングハルス原子力発電所隣接地でのSMR建設に向け、GVH社とロールス・ロイスSMR社の2社を最終候補として選定している。計画では、採用炉型に応じて3~5基、合計出力約150万kWe規模の導入が想定されている。GVH社は4月7日、同社製SMR「BWRX-300」の導入に向けて、スウェーデンのエンジニアリング、プロジェクトマネジメント企業であるAFRY社と非独占的な主要サービス契約( Main Services Agreement: MSA)を締結したと発表した。AFRY社はエンジニアリングおよびコンサルティングサービスを提供。GVH社の実績ある技術とグローバルなプロジェクト経験を組み合わせ、欧州での複数プロジェクトで効率的かつ再現性・拡張性のある導入支援が想定されている。AFRY社は、エンジニアリング業務に加え、スウェーデン放射線安全局(SSM)へのBWRX-300の許認可申請も支援するという。一方、ロールス・ロイスSMR社は3月25日、スウェーデンの原子力関連技術サービス企業であるスタズビック(Studsvik)と、SMRプログラム支援に向け、幅広いサービス全体にわたる協力を検討する覚書を締結した。両社は、スタズビック社の技術力や保有施設を評価し、ロールス・ロイス SMR 社の工場製造型原子炉の導入において、同社がどのような役割を担えるかを検討していく。MOUでは、燃料の認証および試験、プラント寿命管理、ホットセル技術、炉心設計および運転モデリング、規制当局向け許認可支援などでの協力を検討していくこととしている。
24 Apr 2026
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米アイダホ国立研究所(INL)内の国立原子炉イノベーション・センター(NRIC)は4月8日、マイクロ炉実験機の実証(Demonstration of Microreactor Experiments: DOME)テストベッドの稼働を開始した。これにより、民間企業が開発した先進炉の迅速な開発、試験、実証を可能にする施設として、燃料装荷済みのマイクロ炉の実験を実施する準備が整った。DOMEは、先進原子力への需要拡大を背景に、産業界向けの実証用に開発された。こうしたニーズに対応できる専用の試験環境は、米エネルギー省(DOE)の国立研究所のみが提供可能とされている。さらに、2025年5月に発令された先進原子力の開発加速に関する大統領令を受け、テストベッドの建設は、当初計画より約1年前倒しで進められた。DOMEは、高さ約30m、直径約24m、高速増殖実験炉II(EBR-II)の格納容器構造を再利用して建設された。同施設で、実験用原子炉の概念試験や将来の商業用ライセンス申請に活用可能な性能データを収集する。原子炉デベロッパーの開発時間やコストの削減、プロジェクトリスクの低減につなげるのが目的。最大2万kWtの熱出力をもつマイクロ炉の実験用に特別に設計され、初臨界時には安全性を重視した閉じ込め機能を持つなど、世界で唯一の試験施設だという。マイクロ炉は、通常最大2万kWtの熱出力を発生し、その熱の直接利用や発電が可能なコンパクトな原子炉。工場で製造され、搬送可能な設計となっており、緊急時の復旧電源や現在ディーゼル発電機に依存する遠隔地のコミュニティへの電力供給に適しているとされる。その小型さと信頼性の高い電力供給能力により、宇宙や海洋分野での利用のほか、軍事施設の支援や拡大するデータセンターの電力需要への対応としても検討されている。DOEのR. バーラン次官補代理(原子炉担当)は、「DOMEテストベッドは先進原子力技術における米国のリーダーシップを再確立するための、DOEの包括的戦略の礎となるだろう」と述べた。DOMEテストベッドでは、ラディアント(Radiant Industries)社が開発する電気出力約0.12万kWのヘリウム冷却マイクロ炉「カレイドス」(Kaleidos)による1年間の試験プログラムがまもなく開始される予定で、原子炉の初起動は夏頃を見込む。同炉は、2025年8月にDOEの先進炉の実用化に向けた「原子炉パイロットプログラム」の対象炉に選定されている。DOMEでの実験は、毎年実施される競争的な申請プロセスを通じて計画され、技術の成熟度や燃料の入手可能性、規制当局の承認計画、さらには申請者が試験コストを自己資金で賄えるかなど、いくつかの基準に基づいて決定される。次回の申請受付は今春に開始予定。
23 Apr 2026
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ノルウェーのT. オースラン・エネルギー相は4月8日、ノルウェー原子力委員会(Nuclear Commission)から、同国における原子力発電をエネルギー源の一つとして検討する報告書を受け取った。同報告書は、原子力について長期的選択肢と位置付ける一方、短中期の気候目標への貢献は限定的とし、現時点で導入推進は推奨せず、将来に備えた知識基盤や規制などの整備を提案している。オースラン大臣はK. ハルヴォルセン原子力委員会委員長とともに記者会見に出席。同大臣は、「原子力委員会は包括的で綿密な作業を行っており、本報告書は原子力発電について知識と事実に基づいた議論を進めるにあたり良い基盤となる。労働党政権にとって、安全で適切なプロセスを踏み、広く徹底した議論を行うことが重要」と述べた。原子力委員会は2024年6月に設置され、委員長にはオスロにある国際気候・環境研究センター(CICERO)のK. ハルヴォルセン所長が任命された。同委員会は、ノルウェーにおける原子力発電所建設の将来的な可能性について、ノルウェーの電力システムへの適否、研究・技術開発の現状、導入コスト、発電所の立地やインフラ設備の要件、地域や環境への影響、廃棄物問題、原子力安全、セキュリティおよび不拡散、緊急時対応や人材育成、規制や許認可プロセスの必要性などの重要課題を検討し、4月1日までに政府に報告する任務を担っていた。本報告書では、ノルウェーのように原子力発電の新規参入国にとって、必要な規制の包括的な整備、当局間の責任分担の明確化、必要インフラの確立は、広範かつ長期にわたるプロセスであり、少なくとも20年はかかると明言。原子力は現状のコスト予測と市場価格を考慮すると採算性が乏しく、巨額投資は小規模な原子力発電の展開に見合わず、制度整備、人材確保、廃棄物管理など多くの課題があると指摘した。さらに、気候目標達成への寄与は当面限定的で、電力供給の安定性や気候目標など、原子力発電に対する国家補助を正当化する具体的な社会的根拠を見い出せず、原子力発電は2050年以前の主要対策にはなりにくいと結論付けた。一方で、将来の発展に関する不確実性、電力需要の伸びから、将来的に選択肢になる可能性があるとして、主に2050年以降の選択肢として捉える必要があるとした。よって、現時点で直ちに原子力発電の導入に向けた包括的プロセスを開始するのではなく、将来的に検討対象となった場合に備えて、知識基盤や規制の整備、スウェーデンやフィンランドとの協力を含む準備などを進めるべきと提言している。ノルウェーでは2024年時点で、総発電電力量の約9割を安価で排出ゼロの水力発電が占め、残りの大半を再生可能エネルギー源(風力、太陽光)が占めている。ノルウェーで原子力発電が公的委員会で検討されたのは1978年以来。ノルウェー国内では、地域偏在の電力需給ギャップや、電化の推進、データセンターの建設を見据えた電力不足への懸念、水力発電の拡大にも限界があることから、天候に左右されない排出ゼロで、電力供給の可能な原子力への関心が再び高まっている。また、技術の進展や、民間事業者が自治体と協力して原子力発電を計画していることも議論を押し上げる要因となっている。その例として、民間の事業者(ノルスク・シェルネクラフト社)は複数の地域で原子力発電所の設立を計画し、これまでに政府に対し、建設計画の提案について合計10件の届出を行っている。2026年2月には、エネルギー省、保健・ケアサービス省、気候・環境省が共同で、アウレ市およびハイム市にあるタフトイ(Taftøy)工業団地での複数の小型モジュール炉(SMR)発電所建設計画に関する環境影響評価プログラムを策定した。一方、政府は、他の届出についての対応を決定する前に、原子力委員会の評価を待つ方針を表明した。本報告書は、2026年10月8日まで公開協議に付され、その後、政府は今後の対応方針を検討し、国会に付議する予定。
22 Apr 2026
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中国の広東省恵州市で4月20日、中国広核集団(CGN)の太平嶺(Taipingling)原子力発電所1号機(PWR=華龍一号、112.6万kWe)が営業運転を開始した。広東・香港・マカオ大湾区初となる「華龍一号」である。年間発電量は90億kWhを超えると見込まれている。華龍一号は、中国が独自開発した第3世代炉で、別名「HPR1000」。中国の主力輸出炉としても位置付けられている。太平嶺原子力発電所プロジェクトでは、3期に分けて建設が進められ、最終的に6基の華龍一号を建設する計画。総投資額は1,200億元(約2.8兆円)を超えると見込まれている。太平嶺サイトでは、同2-3号機がそれぞれ、2020年10月、2025年6月に着工している。2号機では、近日中に燃料装荷が開始される予定である
21 Apr 2026
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南アフリカ原子力公社(Necsa)は3月31日、南アフリカにおける多目的用途の小型モジュール炉(SMR)の開発、実証、および導入に向けたパートナーシップへの関心表明(EOI)の募集を開始した。応募締め切りは5月29日。統合資源計画(IRP)2025では、将来的にSMR導入を掲げており、NecsaはEOIを通じて、協働する技術パートナーを特定したい考え。NecsaのL. タイアバッシュCEOは、「Necsaは利用可能なSMR技術、その成熟度、許認可手続きの経験、導入準備状況に関する詳細な情報を収集し、電力、プロセス熱、およびアイソトープを生産できるSMR技術を実証したい。既存の国内産業の能力や資金調達モデルを評価する機会ともなる。原子力建設プログラムを通じて国内の能力を強化し、グローバルなSMRサプライチェーンへの参画を図り、先進原子力技術の分野において南アフリカを最前線に位置付けるという戦略目標を達成したい」と述べ、次のステップとしては、EOIを通じて選定された候補機関向けに提案依頼書(RFP)の発行を予定していると説明した。NecsaのD. ニコルズ会長は、「EOIは、構造化された選定プロセスの第一段階。南アフリカの原子力政策とこれまでの実績との整合性、タイムリーな導入に向けた技術成熟度、長期的な事業遂行のための財政基盤、知的財産移転への取り組み、技能・技術の現地化などを考慮しながら、応募者の事前審査を行う」と補足した。NecsaはSMRプログラムには国内の産業界からの参加が必須として、戦略的パートナーシップにより国内外の専門的な知見を活用していくとしている。4月16日のEOIの説明会には、南アフリカを含む12か国から54機関が参加したという。南アフリカの電力・エネルギー省は2025年10月、IRP2025を発表。2039年までに約520万kWeの原子力発電設備を掲げ、翌11月には同国独自のペブルベッド・モジュール型高温ガス炉(PBMR)の開発計画をNecsaを中心にして再開する方針を発表した。現在、南アフリカではアフリカ大陸で唯一稼働する原子力発電所であるクバーグ1-2号機(PWR、各97万kWe)がそれぞれ1984年と1985年から運転中。1号機は国家原子力規制委員会(NNR)から2044年7月までの20年間の運転期間延長認可を取得。同2号機についても、2045年11月までの認可を取得している。
21 Apr 2026
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米ウェスチングハウス(WE)社は4月6日、同社製PWR「AP1000」のDesign Control Document(DCD)の改訂第20版を米原子力規制委員会(NRC)へ提出し、設計認証(DC)の更新を申請したことを明らかにした。WE社はこの更新により、米ジョージア州で運転中のアルビン・W・ボーグル原子力発電所4号機(125.0万kWe)をAP1000の新規フリート展開のリファレンスプラントとして位置づけ、許認可手続きの効率化と導入を加速させたい考え。WE社は2006年1月にNRCからAP1000のDCを取得したが、NRCからの新たな規制要求に対応して設計を補正し、2011年12月に承認された。NRCは2025年8月、重大な反対意見がない場合にそのまま発効する「直接最終規則」により、設計認証の有効期間を15年から40年に延長した。これによりAP1000のDCは2046年まで有効となっている。今回の申請ではボーグル3-4号機の許認可手続き、建設、運転から得た教訓をDCD改訂第20版に反映させている。DCDは、標準炉型の技術的詳細を定義し、すべての規制および安全要件を満たすことを保証するもので、新規炉の許認可手続きにおいて、主たる参照資料となる。今後、NRCの審査により承認されれば、運転中のボーグル4号機が、すべての新規AP1000プロジェクトの標準ユニットとして正式に採用され、AP1000の建設・運転一括認可(COL)申請の迅速化と、AP1000の迅速な大規模展開が可能になる。なおWE社はNRCに対し、2026年中の承認とともに、DCの有効期間の40年再延長を要請している。WE社のD. サムナー暫定CEOは、「今回、ボーグル4号機をリファレンスプラントとして確立することで、当社とパートナー企業はより高い予見可能性を持って、複数のAP1000を同時に迅速に提供できる。顧客にとっても、これまでに建設されたことのない初の設計に伴う技術的リスクを負うことなく、実績ある標準プラントの大規模導入の実現が可能になる」と強調した。今回の申請は、WE社の掲げる2030年までに国内に10基のAP1000の建設目標を後押しする。WE社は3月11日、同目標達成による経済的影響に関して、コンサルティングファームの英プライスウォーターハウスクーパース(PwC)による調査結果を発表。建設段階の13年間にわたり、米国に928億ドル以上の国内総生産(GDP)と年間44,300人の高レベルの雇用を生み出し、稼働開始後の80年間の運転期間を通じてさらに1.03兆ドルのGDPおよび年間22,500人の雇用を創出する見通しを示した。AP1000は、完全受動的安全システムとモジュール式構造設計を備えた第3世代+(プラス)炉で、現在6基(中国で4基、米国で2基)が運転中である。ポーランド、ウクライナ、ブルガリアの新設プロジェクトでもAP1000が採用されており、他欧州諸国や中東、北米でも採用が検討されている。
20 Apr 2026
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米テキサス州に拠点を置く新興企業のフラックスポイント・エナジー(FluxPoint Energy)社は3月26日、米国ヒューストンで開催された国際エネルギー会議「CERAWeek」において、テキサス州でウラン転換施設を建設する計画を明らかにした。同社は、国内の原子力インフラにおける重要な供給ギャップの一つを埋め、米国独自の垂直統合型の燃料供給能力を確立することで、エネルギー自立の支援と先進炉の配備を可能にし、国家安全保障の強化をめざしている。同社のM. チルトン創設者兼CEOは、「外国製の燃料に依存している限り、米国は原子力分野で主導権を握ることはできない」と述べ、国内の燃料サプライチェーンにおいてウラン転換が原子力発電を拡大する上で、「容認できないボトルネック」となっていると指摘、国内の転換能力の早急な回復の必要性を訴えた。2024年5月、米議会は「ロシア産濃縮ウラン輸入禁止法」を可決し、ロシア産の低濃縮ウランの輸入を禁止した。ロシア産濃縮ウランは、2023年時点で米国の濃縮ウラン需要の約24%を供給していた。この禁止措置は2028年に全面発効し、2040年まで有効とされる。これを受け、六フッ化ウラン(UF6)の価格は3倍に跳ね上がり、米国の政策立案者、公益事業者、原子炉デベロッパーは、燃料の入手可能性が米国の原子力発電の制約要因となるとの危機感を共有しているという。2030年頃には国内の燃料生産能力に不足が生じるとの予測もある。とりわけ、米国の転換施設は、イリノイ州南部に商用施設のメトロポリス・ワークス(MTW)があるのみ。MTWを操業していたハネウェル社(当時)は2017年、安価なロシア産低濃縮ウランの輸入の影響や、世界的なUF₆の供給過剰を背景に同プラントの操業を停止したが、2023年7月に再開した。ハネウェル社は2025年末に先端材料事業をソルスティス・アドバンスト・マテリアルズ社として分社化し、MTWは現在ソルスティス社が操業している。ソルスティス社の2月の発表では、20億ドルの受注残高と米エネルギー省(DOE)の支援を背景に、MTWは2026年に10,000トンを超えるUF₆を生産する見込みであり、これは2024年の計画生産能力から約20%の増加となる。同社は大手エンジニアリング・調達・建設(EPC)企業を起用し、生産能力拡張に向けた初期エンジニアリング分析を実施しており、顧客と長期供給に関する協議も開始している。MTWで生産されるUF₆の独占的販売代理を務めるコンバーダイン(ConverDyn)社((ソルスティス社とゼネラル・アトミックス社の折半出資の合弁会社))のH. ラマタラ・マーケティング・営業部長は、4月14~16日にモナコで開催されたWNFC2026((NEIとWNAが共催する燃料サイクルをテーマとした国際会議))に出席。MTWの増産計画に加え、ソルティス社が新規プラント「メトロポリス2.0」の建設計画について市場状況を踏まえ評価中であると紹介している。フラックスポイント社の転換プラントは、単一の大型ユニットではなく、市場の需要状況に応じて調整できるモジュール式であり、最初の生産ラインはUF₆換算で年間約2,500トンの生産能力。市況によりラインを1つずつ追加建設し、最大4ラインで年間計10,000トンの生産能力を想定している。サイトはすでに確保ずみで、技術的実現可能性および市場調査を完了し、基本設計(FEED)調査と米原子力規制委員会(NRC)との事前申請の協議を開始しており、2030~2031年の操業開始を目指しているという。なお、フラックスポイント社だけが転換市場への新規参入者ではない。米国最大のウラン企業であるウラニウム・エナジー(UEC)社の完全子会社である米国ウラン製錬・転換会社(Uranium Refining & Conversion Corp: UR&C)は3月18日、NRCから、同社が計画中のウラン転換施設に案件番号が割り当てられた。UEC社は、許認可取得に向けた意向書(LOI)をNRCに提出しており、次のステップはNRCとの事前申請の協議となる。正式な許認可申請は、現在進行中の大手EPC契約企業のフルアー(Fluor)社によるエンジニアリングおよび設計が完了し、サイト選定後に提出する予定であり、複数の州で有力なサイトを特定しているという。計画中の施設は、UF₆換算で年間約10,000トンの生産能力を目標としており、米国の年間需要推定量18,000トンの内、相当な割合を占める。同社は、採掘から転換までを手掛ける米国唯一の垂直統合型燃料サプライヤーとなるべく、この取り組みを推進している。
20 Apr 2026
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米ホルテック・インターナショナル社は3月31日、同社が開発する小型モジュール炉(SMR)「SMR-300」(PWR, 30万kWe)が英国の包括的設計審査(GDA)のステップ2(実質的な技術評価段階)を完了したことを明らかにした。GDAとは英国で初めて建設される炉型に対して行われる設計認証審査で、原子力規制庁(ONR)が設計の安全性とセキュリティの観点から、環境庁(EA)およびウェールズ自然保護機関(NRW)が環境影響の観点から、英国の基準を満たしているかを、規制プロセスの早い段階から、立地サイト特定後の建設申請とは別に評価する。本GDAにより、SMR-300の安全性、設計、セキュリティ、保障措置に、英国の規制要件に対する根本的な不備はなく、導入準備が整っていると結論付けられた。SMR-300は2024年8月にGDAのステップ1(GDA範囲とスケジュールの合意段階)を完了している。ホルテック社は現時点で、GDAのステップ3(詳細評価)の実施を求めていない。ホルテック社はこの規制上のマイルストーンを足掛かりに、英EDFエナジー社と提携して、英国ノッティンガムシャー州にある旧コッタム石炭火力発電所サイトにSMR-300を建設し、データセンターと併設する計画だ。両社は今後、英政府による先進原子力プロジェクトを推進する政策パッケージ「先進原子力フレームワーク(Advanced Nuclear Framework)」を活用していくとしている。ホルテック社は本プロジェクトコストを約110億ポンドと見積り、数千人の高レベルの雇用の創出と、地域社会への長期にわたる経済効果を見込んでいる。ホルテック社は米ミシガン州のパリセード・サイトでパイオニア1-2号機(SMR-300採用)の2030年代初めの稼働をめざし、初期サイト準備作業を実施中。米英両国の規制当局間では2025年9月、規制を効率化し、先進原子力導入を安全に加速させるための新たな規制合意が締結されており、その後押しも受けながら、英国における効率的な許認可取得と政府による開発支援により、本プロジェクトを迅速に実施していく方針である。長年にわたる米原子力規制委員会(NRC)との事前申請の協議を経て、ホルテック社は2025年末、パイオニア1-2号機の建設許可申請(CPA)の第一部を提出した。NRCは今年2月、同申請を正式に受理し、安全評価および環境影響評価を2027年初めから半ばまでに完了させる見込みであるいう。ホルテック社のグローバルクリーンエネルギー部門トップであるR. スプリングマン氏は、「GDAステップ2における規制当局の評価は、SMR-300国際展開プログラムにとってリスク低減の重要なマイルストーン。設計および安全アプローチがNRCの規制要件に加え、国際的な規制当局の期待にも合致していることを示しており、SMR-300は世界的に展開可能な設計だ」と語った。ホルテック社は、英国のGDAプロセスを参考にして国内での許認可手続きの加速をめざす複数国の規制当局とも積極的に連携しており、英国のみならず、他欧州やアジア諸国でもプロジェクトを展開していきたい考えだ。
13 Apr 2026
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セルビアのD. ハンダノヴィッチ鉱業・エネルギー大臣は3月13日、フランス電力(EDF)のB. フォンタナ会長兼CEO一行と会談。セルビアにおける原子力分野における協力の継続について協議した。セルビアでは2024年11月、エネルギー安全保障の確保に向けて、エネルギー法改正法案が採択され、旧ユーゴスラビア時代の1989年、チョルノービリ事故から3年後に施行された原子力発電所建設のモラトリアムが、35年ぶりに解除されている。ハンダノヴィッチ大臣は、セルビアではまだ原子力開発に必要な法制度および組織的枠組みが整っていないため、その分析と整備も協力分野の一つであると指摘。原子力プログラム実施のための組織(NEPIO)については近い将来に設立されることも明らかにした。加えて、原子力発電所の建設とプログラム開発が、経済成長の促進、サプライチェーンの形成、雇用創出をもたらすとし、人材面では国内専門家の活用に加え、特に教育・訓練の強化を重視しており、海外での人材育成実績のあるEDFとの協力に期待を寄せた。さらに、ハンダノヴィッチ大臣は4月7日、原子力発電導入計画の第1段階における調査準備に関して、省庁間専門家作業部会の分科会リーダーらと協議。政府が原子力発電導入計画について十分な情報に基づく意思決定を行うために必要なすべての調査を完了させ、2032年までに炉型選定と建設契約の入札に向けた準備を整え、2040年以降に原子力発電所を稼働させる考えを示した。なお、ロシア国営原子力企業ロスアトムのA. リハチョフ総裁は2月23日、セルビアのA. ブチッチ大統領ならびにハンダノヴィッチ大臣と会談。原子力分野における協力拡大、ロスアトムの海外プロジェクトへのセルビア企業の参加、ロシアの大学におけるセルビア人学生への原子力関連分野の教育・研修機会の提供について協議。リハチョフ総裁は、ロシアは小規模から大規模プロジェクトまであらゆる原子力ソリューションをセルビアに提供する用意があると述べた。
13 Apr 2026
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仏パリに拠点を置く先進炉開発企業のニュークレオ社は3月25日、米国における鉛冷却高速炉(LFR、48万kWt)および関連するMOX燃料製造施設の設置に係る将来的な許認可取得に向け、米原子力規制委員会(NRC)との事前申請の協議(pre-application engagement)を開始したと発表した。同社はこれに先立ち、2月下旬に意向書(Letter of Intent)を提出しており、今回の協議開始は米国市場参入に向けた規制プロセスへの本格的な着手となる。今回の協議は、LFRおよび燃料製造施設の設計や安全アプローチについて、NRCとの認識を早期にすり合わせるとともに、核物質の保有・使用・輸送を含む将来の許認可申請に向けた規制戦略の明確化を図るもの。事前段階から規制当局と対話を重ねることで、審査の予見可能性を高める狙いがある。鉛冷却高速炉は、冷却材に鉛を用いる第4世代炉の一つで、ナトリウム冷却炉と比べて化学的安定性が高いとされる。一方で、NRCにとって鉛冷却技術の審査経験は限られており、今後の審査は長期化する可能性がある。今回の取り組みは、将来的なLFRの許認可に向けた先例となる可能性もある。ニュークレオは欧州でも開発を進めており、フランス中部では出力3万kWe級の原型炉「LFR-AS-30」の建設を計画、2032年までの稼働を目指している。また、同炉の燃料となるMOX燃料製造施設についてもフランス国内での整備を構想している。なお、今回の動きは、ニュークレオ社と米国の先進炉・燃料サイクル開発企業オクロ(Oklo)社との戦略的パートナーシップの一環。ニュークレオ社は2025年10月、オクロ社が開発する発電所向けに、米国内での先進燃料製造・供給インフラ開発に関する共同契約を締結、最大20億ドル規模を投資する計画を発表しており、NRCとの早期協議を通じて、米国でのプロジェクトの許認可取得に向けて規制の予見可能性を高めていく方針である。
10 Apr 2026
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フィンランド政府は3月12日、新原子力法案を議会に提出した。原子力施設の安全性を確保しつつ、より柔軟な規制体系を構築して許認可プロセスを簡素化。プロジェクトのリスクを管理し、小型モジュール炉(SMR)などの新技術の利用促進を目的とする。現行の原子力法は廃止され、放射線法や刑法を含む14の法律が改正予定である。経済・雇用省は法改正により、原子力発電への投資を促進したい考えだ。また、より柔軟な許認可手続きを導入し、これにより、エネルギー消費地に近接したSMR発電所が実現可能になるという。新規発電所プロジェクトにおいて、社会全体の公益への適合性に関する最初の包括的な評価は、現行のものよりもより一般的な性質を持つ「原則決定」により内閣が行う。但し、最大熱出力5万kWt以下の原子力発電所プロジェクトについては、経済・雇用省が評価するという。ムルタラ気候・環境相は、「フィンランドには、原子力発電のような炭素排出ゼロで、低廉かつ安定供給が確実なエネルギーが常に必要。今回の法改正により、様々な技術の選択肢や技術の進歩への適応が可能になる。同時に、多様な原子力施設プロジェクトについて、開発者のリスク管理や原子力施設への投資の予見性を向上させ、資金調達の環境を改善を図っていく」と述べ、不必要に詳細な技術的規制を緩和する一方で、安全性、供給の確実性、核物質の管理面では、当局による監督を強化するとしている。新法は2027年1月1日に施行予定。現行の政権期間中に、改正された規則に基づき原則決定の申請を行うことが可能。
10 Apr 2026
1062
中国の浙江省寧波市で4月4日、中国核工業集団公司(CNNC)の金七門(Jinqimen)第Ⅰ原子力発電所2号機(PWR=華龍一号「HPR1000」、120万kWe)が着工した。「華龍一号」は、中国が第三世代炉として独自に開発した量産型建設における主力炉型。同発電所1-2号機の建設計画は2023年12月に国務院常務会議で承認され、国家核安全局(NNSA)が2025年8月5日、両機の建設許可を発給。同サイトでは2号機と同型の1号機が2025年8月に着工している。それぞれ2030年、2031年に送電を開始する計画だ。金七門プロジェクトは全6基の「華龍一号」を建設する計画であり、全基が稼働すると合計設備容量は約720万kWeとなる。年間発電量は550億kWhに達する見込みで、年間約4,500万トンのCO2削減に貢献するという。
09 Apr 2026
985
韓国のHD現代(ヒュンダイ)傘下の韓国造船海洋エンジニアリング(KSOE)とHD現代三湖(HSHI)は3月9日、次世代のカーボンフリー船舶を開発するため、米国船級協会(ABS)と、大型コンテナ船向け原子力電気推進システムの概念設計に関する共同開発契約(Joint Development Agreement: JDA)を締結した。本契約により、16,000 TEU(20フィートコンテナ換算)級のコンテナ船に特化した、原子力電気推進システムの技術的実現可能性を評価。海運業界の脱炭素化基準を満たすため、コンテナ船向けに最適化された原子力電気推進システムの基本設計、電子製品仕様の選定、動力設備のレイアウト設計などで協力する。特に、最大10万kWe級の安定供給が可能な小型モジュール炉(SMR)を船舶動力源として利用したい考えだ。加えて、衝突・浸水などの緊急事態でも安全性を確保できるよう強化された安全基準を設計に反映。国際海事機関(IMO)の規定および国際原子力機関(IAEA)の安全基準に適合する船内電力システムを適用することで、国際規制への適合性と運航の信頼性を確保する方針である。またHD現代は、長時間の航海および高速運航が求められる大型コンテナ船向けに、ツインスクリュー(Twin Screw)プロペラ推進システムを適用し、推進力と機動性の向上を図る。また、エンジンモーターをプロペラに直接連結する直結推進方式を採用し、動力伝達過程で発生するエネルギー損失を最小限に抑え、運転効率を高める計画だ。電力消費の大きい冷凍・冷蔵貨物輸送用のリーファーコンテナの積載拡大も可能となり、荷主の輸送需要に柔軟に対応するという。ABSのM. ミューラー北太平洋事業開発担当副社長は「本協業は、大型コンテナ船向けの原子力電気推進システムの可能性を検証する極めて重要なプロジェクト。HD現代の造船技術とABSの海事安全分野におけるエンジニアリングのノウハウを組合わせ、次世代推進ソリューションの安全性、効率性、環境性能を総合的に検証する」と語った。一方、KSOEのB. クォン電動化センター長は、「環境に優しい船舶の需要増加に応え、原子力電気推進システムの研究開発を拡大し、技術競争力を強化していく」と意欲を示した。HD現代は2025年2月、米ヒューストンで開催された「New Nuclear for Maritime Houston Summit」で、15,000 TEU級SMR駆動コンテナ船の設計モデルを初公開した。今回、共同開発するコンテナ船はそれを上回る規模となる。同年9月に伊ミラノで開催された「Gastech 2025」において、KSOEとHD現代重工業(HD HHI)は、電気推進システムを搭載した16,000 TEUコンテナ船の概念設計について、ABSから基本設計承認(AiP)を取得し、開発の第1フェーズを完了している。
09 Apr 2026
988
インド南部のタミルナドゥ州にあるカルパッカム原子力複合施設で4月6日、国産の高速増殖原型炉(PFBR)が初臨界を達成した。完全に稼働すれば、インドはロシアに次いで、世界で2番目の商用高速増殖炉を運用する国となる。PFBRは、原子力省(DAE)傘下のバラティヤ・ナビキヤ・ビデュト・ニガム(BHAVINI)が所有・運転する、出力50万kWeのナトリウム冷却高速増殖原型炉。DAE傘下の研究開発センターであるインディラ・ガンジー原子力研究センター(IGCAR)がPFBRの技術開発および設計を担当。2004年10月に着工、2024年3月に燃料装荷が開始された。PFBRの初臨界により、インドは3段階からなる長期原子力発電計画の第2段階に入った。インドの原子力発電開発計画は、国内で豊富なトリウムを燃料とする「トリウム・サイクル」が開発初期からの一貫した基本方針。第1段階は従来の重水炉・軽水炉、第2段階は高速増殖炉、第3段階は改良型重水炉を基軸とする。第2段階にあるPFBRはウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用。PFBRの炉心はウラン238のブランケットに囲まれ、高速中性子は、核分裂しにくいウラン238を核分裂性のプルトニウム239に変換し、これにより原子炉は消費する燃料よりも多くの燃料を生産する。またPFBRは、将来的にはブランケットにトリウム232を使用するように設計されており、核変換により、トリウム232はウラン233に変換されて増殖し、これがインドの原子力計画の第3段階にある改良型重水炉(AHWR)の燃料に利用される。これにより、燃料資源の利用効率が大幅に向上し、限られたウラン埋蔵量からはるかに多くのエネルギーを引き出すことが可能になる。またPFBRにより、使用済み燃料を再利用するクローズド・サイクルが完成するため、持続可能性が向上し、廃棄物の減容や有害度を低減し、大規模な地層処分施設の必要性を回避できるという。高速増殖炉は現在の加圧重水炉群と将来のトリウム系原子炉の導入との間のつなぎとして重要であり、将来的には同国の豊富なトリウム資源を活用して長期的なクリーンエネルギー発電を実現していく方針である。
08 Apr 2026
3390
米航空宇宙局(NASA)は3月24日、今後の宇宙開発計画に関する施策を発表し、原子力推進宇宙船を2028年末に打ち上げる方針を示した。将来的な火星探査など深宇宙ミッションを見据え、長距離輸送能力の強化を図る。同計画は、NASAが打ち出した一連の施策の一環。米エネルギー省(DOE)と連携し、原子力電気推進(NEP)を採用する惑星間宇宙船「スペース・リアクター1(SR-1)フリーダム」を、2028年末までの打ち上げを目指し開発する。機体には小型原子炉を搭載し、発電した電力により推進装置を動かす。従来の化学推進に比べ、長期間にわたり効率的な推進が可能となるほか、太陽光が弱い深宇宙環境においても、安定した電力供給が可能な点が特徴である。SR-1フリーダムにはヘリコプター型の無人探査機「スカイフォール」を搭載する。火星到達後にこれを展開し、表面の観測・探査を実施する構想とされる。「SR-1」は探査機の長距離輸送を担い、現地での探査は無人機が担う構成とすることで、探査活動の効率化を図る。米専門メディア「SpaceNews」によると、原子炉の燃料にはHALEUを用い、数十kW級の発電能力が想定されている。米国では、月面探査計画「アルテミス」を軸に宇宙開発が進められており、4月には有人月周回ミッションの打ち上げに成功するなど、探査活動は具体的な段階に移行しつつある。一方、火星を含む深宇宙探査に向けては、従来技術では輸送期間や搭載能力に制約があることが課題とされており、原子力の活用は長年検討が続けられてきた。計画はその実証に向けた取り組みとなる。また、NASAとDOEは今年1月、月面における原子力電源の研究開発に向けた覚書(MOU)を締結しており、2030年までの実現を目標に協力を進める方針を示している。
08 Apr 2026
1599
米原子力規制委員会(NRC)は4月2日、カリフォルニア州のディアブロキャニオン原子力発電所(DCPP)1-2号機(PWR、各119.7万kWe)の20年間の運転期間延長を認可した。これにより米国の商用炉の運転認可更新の件数は100件に達した。DCPPはカリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置く、パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)社が所有・運転する。1号機は1985年5月、2号機は1986年3月に営業運転を開始。今回の認可更新により、各機の運転認可期限は、それぞれ2044年11月2日、2045年8月26日となる。DCPPによる発電電力量は現在、カリフォルニア州の総発電電力量の約10%、クリーンエネルギーの約20%を占める。DCPPは州最大のクリーンエネルギー源であるだけでなく、州全体で2045年までにピーク電力需要が2,000万kWe以上増加すると予想される中、安定供給が可能で、電力システムの信頼性向上に資する電源とみなされている。今回のNRCの審査と並行して、カリフォルニア州公益事業委員会、州土地委員会、カリフォルニア州沿岸委員会、およびセントラルコースト地域水質管理委員会など各機関による審査・承認も行われた。NRCはDCPPが今後20年間の運転継続が安全かつ環境的に適合していると判断したが、PG&E社は、2030年以降の運転継続には、カリフォルニア州議会の対応が必要になるとの見通しを示している。■これまでの経緯PG&E社は2016年、電力需要の減少ならびに州の太陽光・風力発電の増強目標により、2024年11月に1号機、2025年8月に2号機を閉鎖することで環境団体や労組と合意。州の規制当局は2018年に同合意を承認した。しかし、2020年の熱波による州全域の計画停電と2022年に発表された新たな需要予測を受け、電力供給の安定確保とクリーンなエネルギー供給のために、カリフォルニア州議会は2022年9月、DCPPの2030年までの稼働を支持する法案を可決し、G. ニューサム知事(民主党)が署名・成立した。2023年11月、PG&E社はカリフォルニア州議会の指示により、NRCにDCPPの運転認可延長を申請した。なおNRCの規定では、運転認可の更新申請は現行認可が満了する少なくとも5年前までに提出しなければならない。NRCは2023年2月、同規定の適用免除を求めるPG&E社の要請書を審査した上で、同社が2023年末までに20年の運転認可延長を申請することを条件に、適用を免除した。また、米エネルギー省(DOE)も2022年11月、早期閉鎖のリスクにさらされている商業炉を短期的に救済するために設置した「民生用原子力発電クレジット(CNC)プログラム」で、DCPPを最初の適用対象に認定。両機の運転期間の5年延長に向けて、最大11億ドルの拠出を発表していた。
07 Apr 2026
1148
加オンタリオ州営電力のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社は3月25日、加原子力安全委員会(CNSC)に、ダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)サイトで建設工事が進行中の米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製SMR「BWRX-300」(30万kWe)初号機の運転認可を申請した。同機は2025年4月にCNSCから建設許可を発給されている。また併せて、同サイトでの低・中レベル放射性廃棄物貯蔵施設の操業許可を申請した。OPG社は同日の3月25日、同機の原子炉建屋の基礎工事(コンクリート打設)に係る最初の規制ホールドポイント(RHP-1)の解除も申請していたが、CNSCは3月30日、RHP-1解除のために規定されたすべての前提条件を満たしていると結論づけ、解除を承認。これによりOPG社は原子炉建屋の基礎工事を開始することが可能になる。RHPとは建設許可の取得時に設定された段階的な条件で、許可取得者は事前に規制当局による承認を受けなければならない。DNNPの初号機の建設許可においては、3つのRHP、①原子炉建屋の基礎工事、②原子炉圧力容器の設置、③燃料未装荷の設備一式のフルスケール試験- が定められている。DNNPでは、G7諸国で初めてとなる4基構成の商用SMRを建設予定。OPG社は初号機の建設を2029年末までに完了させ、2030年末までに送電を開始したい考えだ。後続の2~4号機の建設は、2030年代半ばの完了を見込んでいる。
06 Apr 2026
1779
スウェーデンの小型モジュール炉(SMR)プロジェクト開発企業シャーンフル・ネキスト(KNXT)社は3月23日、スウェーデンの新法「原子力施設の政府承認に関する法律」に基づく、同国初となる申請をJ. ブリッツ雇用大臣兼気候・環境担当代理大臣に提出した。KNXT社は、スウェーデン南部のバルデマーシュビーク(Valdemarsvik)のマルメ(Målma)SMR パークに出力30万kWe級のSMR×4~6基を建設する計画だ。2029年から2030年までの着工を見込んでいる。政府は2035年までに少なくとも250万kWe、2045年までに1,000万kWeの新規原子力発電設備容量を建設するという目標を掲げており、マルメSMRパークの建設が完成すれば、2035年までの政府目標を達成するために必要な原子力発電設備容量の多くをまかなうことができると指摘している。政府は3月5日、新規原子力発電所の建設を容易にするための沿岸部における原子力発電所の建設候補地の拡大、新規原子力施設に対するより適切な許認可審査、およびウラン採掘・製錬に係わる施設を原子力施設とみなさないようにする、原子力施設の定義に関する法改正を伴う3つの法案を議会に出すことを決定した。新規原子力施設向けの許認可審査にあたり、現行の制度に比べて予見可能性を高め、新規原子力発電所の導入加速を目的に、政府および関係自治体による早期の承認を可能にする新法を提案しており、今回のKNXT社の申請はこの新法に沿ったもの。この許認可審査に関する改正は2026年6月17日に発効予定であり、政府は2026年3月10日以降の申請は新制度適用として受付けている。マルメSMRパーク・プロジェクトは、KNXT社が同国南部全域でSMR導入に向けて開発を進めているサイト群である「ReFirm South」プログラムの一環。すでに発電設備容量が逼迫している同国南部では、電力需要の増加が見込まれており、KNXT社は消費地に近接してSMRを設置することで電力網の負担を軽減し、化石燃料に依存しない電力供給の安定性を高めたい考えだ。KNXT社は、他のReFirmサイトについても、プロジェクトが同程度の進捗に達した時点で、今年後半に追加申請を行う予定である。なおKNXT社は3月初め、スウェーデンの原子力関連技術サービス企業であるスタズビック(Studsvik)社による買収を発表。スタズビック社はこれにより、既存の原子力施設向けの技術サービスに加え、新規建設プロジェクトまで事業領域を拡大する。KNXT社のプロジェクト開発力とスタズビック社の技術基盤の統合により、スウェーデンにおける新規原子力プロジェクトの実現に向けた体制強化が図られる見通しであり、今回の申請とあわせ、同国の原子力導入政策が具体的な事業段階へ移行しつつあることを示す動きといえる。
06 Apr 2026
1339
米マイクロソフト社は3月24日、エヌビディア社と連携し、原子力分野の設計・許認可・運用に至る全工程を対象としたAI活用の枠組みを発表した。従来ボトルネックとされてきた許認可手続きの効率化を前面に打ち出しており、原子力プロジェクトの開発期間短縮につながる可能性がある。設計段階ではデジタルツイン((現実の発電設備などを仮想空間上に再現し、動作や変化を事前に検証する技術))や高精度シミュレーションを活用し、設計変更の影響を迅速に評価する。許認可段階では生成AIが文書作成や不整合の検出を支援し、申請手続きの効率化を図る。さらに建設段階では工程やコストのシミュレーションを通じた施工管理の高度化、運用段階では異常検知や予知保全による稼働率向上を見込む。また、設計から運用までのデータとシミュレーションを統合することで、各工程の進捗や設計内容、コスト情報の一元管理を可能とし、事業者や規制当局による確認作業の効率化と意思決定の迅速化につなげるとしている。こうした民間主導の動きと並行し、米国では政府・研究機関を巻き込んだAI活用の実証も進んでいる。ニューヨークに拠点を置く原子力分野向けAI開発企業、Everstar(エバースター)社は3月26日、マイクロソフト社、米エネルギー省(DOE)、アイダホ国立研究所、アルゴンヌ国立研究所との連携を発表した。DOEが主導するAI活用推進プログラム「ジェネシス・ミッション」の一環で、原子力分野におけるAI活用の具体化を図る。エバースター社は、同社開発のAIプラットフォーム「Gordian」を用い、DOEの安全解析報告書を米原子力規制委員会(NRC)の許認可申請書に相当する形式へ変換する実証を実施。同社によると、従来は専門家チームが4~6週間を要していた作業を、1日で完了したとしている。エバースター社では許認可分野での活用が実証段階に入りつつあり、マイクロソフト社が提示するAI活用の枠組みと合わせ、AIの適用範囲が設計・許認可といった中核領域におよび始めたことで、原子力プロジェクトの開発期間やコスト構造に影響を与える可能性がある。
06 Apr 2026
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韓国水力・原子力(KHNP)は、3月上旬にシンガポール、フィリピン、タイの各国と小型モジュール炉(SMR)を含む、原子力協力の推進に関する協力覚書(MOU)の締結や技術セミナーを開催。ASEAN地域におけるビジネス機会の拡大をめざし、エネルギー移行に貢献する協力枠組みの構築を進めている。■シンガポールKHNPは3月1日、シンガポールで、SMR分野における技術交流と協力を促進するため、シンガポールのエネルギー市場監督庁(EMA)と協力覚書(MOU)を締結した。両国は、シンガポール国内でのSMR適用可能性の共同調査、人材育成、先進原子力技術の情報やベストプラクティスの共有において協力を進める方針だ。EMAのコック・キョン・プアCEOは、「国内エネルギー資源が非常に限られている小国にとって、低炭素移行プロセスにおいて、エネルギー安全保障とレジリエンス強化のあらゆる可能性を探ることが極めて重要」とし、KHNPとの協力により、SMRに関する技術的理解を深め、原子力エネルギーの適合性について慎重かつ厳密に評価できるようになると期待を示した。KHNPのD. チョン暫定CEOは、「EMA がSMRの安全性と実現可能性を評価する中で、当社は責任あるパートナーとして、原子力発電所の運用において蓄積された経験とノウハウが、成果につながるよう全力を尽くす」と語った。シンガポール政府は原子力導入を決定してはいないが、先進原子力技術、特にSMRに焦点を当て、その安全性、技術の成熟度、商業化の準備状況に基づき、安全性能、技術的実現可能性を評価していく方針を示している。■フィリピンKHNPは3月4日、マニラで、韓国輸出入銀行(KEXIM)およびフィリピン最大の配電会社であるマニラ電力(メラルコ社: Meralco)と、新規原子力発電プロジェクト協力に関する3国間MOUを締結した。署名式には、KHNP のD. チョン暫定CEO、韓国輸出入銀行のK. ファン頭取、メラルコ社のM. パンギリナンCEOが出席し、韓国産業通商部のJ. キム長官とフィリピン貿易産業省のM. ロケ長官が同席した。本覚書は、フィリピンにおける新たな原子力発電所の推進に向けた技術、人材育成、実現可能性分析、資金調達の面において、戦略的協力の枠組みを確立することが目的。具体的には、原子力導入について共同で議論し、教育と訓練を通じた人材育成の強化、原子力発電所の初期開発段階におけるサイト選定やPAの向上、プロジェクトの実現可能な資金調達案の模索などで緊密に連携することとしている。■タイKHNPは3月5日~6日、バンコクで、国営タイ電力公社(EGAT)と「KHNP-EGAT SMR 技術セミナー」を共催した。2025年6月に締結されたSMR協力に関する覚書(MOU)の下、両組織間の実務的な技術協力の具現化のために開催された。同セミナーには、KHNP、タイのエネルギー省、規制当局、産学界の関係者を含む、約80名の専門家が参加。両国のエネルギー政策を共有するとともに、革新的なSMR(i-SMR)の開発状況、サプライチェーンなど様々なテーマについて発表し、タイにおけるSMR導入の条件や今後の協力の方向性について幅広く意見交換を行った。
03 Apr 2026
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ポーランド国営原子力事業者であるPolskie Elektrownie Jądrowe(PEJ)は3月31日、国家原子力機関(PAA)に対して、ポーランド初の原子力発電所の建設許可を申請した。同国北部のポモージェ県ホチェボ自治体内のルビアトボ–コパリノ・サイトにおいて、米ウェスチングハウス(WE)社製AP1000(125万kWe)×3基を建設する計画で、WE社とベクテルの米コンソーシアムが建設を請負う。立地決定や環境条件に関する決定など主要な行政決定はすでに取得しており、同サイトでは2025年以降、建設準備作業が進行中である。エネルギー省のW. ヴロースナ次官兼戦略エネルギー・インフラ担当政府全権代表は、「今日は、ポーランド初の原子力発電所建設プロジェクトにとって最も重要な日の一つ。1989年以降のポーランドの歴史において、初めてかつ現時点で唯一の申請となる。申請の効率的な処理・評価のため、PAAと長期にわたり綿密に事前認可協議を行ってきた」と語った。許可申請書は、添付書類を含め4万ページを超え、主に原子力安全および放射線防護の分野の200名以上の専門家が作成に携わった。最も重要な付属文書の一つである予備安全解析報告書(PSAR)では、発電所の設計および建設予定サイトについて詳述。原子力安全、セキュリティ対策、放射線防護、ならびに保障措置に関するすべての要件を満たしていることを示す、技術的および環境的側面からの包括的な分析を実施。また、本プロジェクト遂行に必要な技術的・人的・組織的リソースを有していることを証明する文書などが含まれているという。PEJは本申請にあたり、計画中の原子力発電所が世界で最も厳しい基準を満たし、住民や環境にとって安全であることに妥協の余地はないと強調している。なお、PAA長官からの建設許可に加え、ポモージェ県知事による建設許可も必要であり、PEJは2027年に知事に建設許可を申請する計画で、2028年10~12月の着工、2036年の初号基運開を目指している。
02 Apr 2026
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フランス・イヴリーヌ県のヴォー・ド・セルネ修道院で開催されたG7外相会合の「セッション2: 復興(3月26日)」に欧州復興開発銀行(EBRD)のO. ルノーバッソ総裁が出席。各国に対し、ウクライナのチョルノービリ原子力発電所4号機の事故から40年の節目を目前に控え、損傷した新シェルター(New Safe Confinement: NSC)の修復へ向けた支援を要請、チョルノービリでの原子力安全の回復の緊急性を強調した。1986年4月のチョルノービリ発電所4号機事故の影響を封じ込めるために設計されたNSCは、2025年2月のロシアのドローン攻撃により損傷を受けた。NSCは4号機を収容した巨大なアーチ型構造物。高さは110m(通路と上部通気口を含む)、幅257m、長さ162mで、これまでに建造された最大級の可動構造物の一つ。建設作業員の放射線被曝を減らすために原子炉から離れた場所で組立てられ、2016年に石棺上部までレールでスライドして設置。2019年に正式にウクライナに引き渡され、稼働を開始した。ルノーバッソ総裁は修復の総費用はまだ不明としながらも、初期の評価では5億ユーロを超える可能性があると指摘。Novarka 2(元のNSC設計・建設会社であるフランスのBouygues Travaux Publics社とVINCI Construction Grands Projets社による合弁企業)による予備評価では、鋼鉄アーチの腐食がNSCの長期的な安全性を脅かし、2030年までに構造物を完全に機能させる修復作業が必要と推定。2030年までにNSCを元の閉鎖・換気基準に復元できなければ、100年の設計寿命が深刻な危機に瀕し、数十年にわたる国際投資が損なわれ、環境や安全上のリスクが生じるとしている。EBRDが管理する国際チョルノービリ協力基金(International Chernobyl Cooperation Account: ICCA)のドナー国は3月31日、EBRDによるNSCの機能を回復するための早期のエンジニアリングおよび調達作業計画を承認し、3,000万ユーロの割当てを決定した。ICCAはウクライナの要請によりEBRDによって2020年に設立された、ドナー国による多国間基金。2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵略を受けて、ICCAの活動範囲はチョルノービリだけでなくウクライナ全土の原子力安全支援にも拡大。ICCAは現在、約7,000万ユーロのドナー資金を保有している。EBRDは1995年より国際的なチョルノービリ関連の活動の中心に立ち、資金調達、原子力安全および廃止措置の管理など、ウクライナの長期的な環境・原子力安全課題への対応支援にむけた国際的な取組みを主導。1995年以降、これまでに国際社会はEBRDが管理するチョルノービリ計画に約20億ユーロを拠出しているという。なおEBRDは3月31日、「40年後: チョルノービリの安全確保」と題する、新たに制作した独占ドキュメンタリーを公開した。1986年から現在に至るまで、チョルノービリ4号機の封じ込めに向けた数十年にわたる取組みをたどっている。
02 Apr 2026
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