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米国 V. C. サマー発電所の増設に向けた提案を募集
米国サウスカロライナ州営の電力会社であるサンティー・クーパー社は1月22日、同州ジェンキンズビルに建設された、バージル・C・サマー原子力発電所(PWR×1基、100.6万kW)の増設に向け提案を求めるプロセスを開始した。米国では、増大する電力需要を満たすため、新規原子力発電所に注目が集まっている。サンティー・クーパー社は、米投資銀行のセンタービュー・パートナーズ社と協力して提案依頼書(RFP)の募集を実施。同発電所サイトで建設が中断されている2、3号機のうち1基または両機の完成、あるいは両機の代替用途の追求に関心のある企業を探している。募集締め切りは2025年5月5日。サンティー・クーパー社のJ. ステートンCEOは、「新規の原子力発電所を稼働させるには長いリードタイムを要する。信頼性が高く、クリーンな電力を短期で供給可能な、V. C. サマー発電所の2、3号機とその関連資産のオプションを模索する好機である」と強調した。また、サンティー・クーパー社が2、3号機を所有や運転する計画はない、と明言。「RFPを通じて顧客に利益をもたらし、経済発展を支援する実行可能な利用計画を示し、サウスカロライナ州に新たな価値を提供するだろう」と期待を示した。サンティー・クーパー社がRFPプロセスを開始することを決定した要因に、データセンターの急激な成長、先進的な製造業への投資意欲、火力発電所の閉鎖に伴う、新たな発電設備の必要性に加え、原子力発電プロジェクトの工期短縮のために、すでに運転を終了、閉鎖された原子力発電所の運転再開などへの大きな関心がある。また、アルビン・W・ボーグル原子力発電所3、4号機のウェスチングハウス(WE)社製AP1000×2基の運転開始や、税額控除や融資保証の提供を含む、原子力発電所の建設に対する連邦政府の支援制度の存在も大きい。なお、2、3号機の建設プロジェクトが中止された時点で、工事進捗率48%(2号機)であり、増設に伴う冷却水、送電インフラの準備もされており、増設には優位性がある。建設プロジェクトの過半数(55%)を所有していたスキャナ(SCANA)社傘下のSCE&G社(2019年1月にドミニオン・エナジー社が買収)は、2、3号機(WE社製AP1000)の建設・運転一括認可(COL)を、2008年3月に米原子力規制委員会(NRC)に申請。COLは2012年3月に発給され、2013年3月に2号機、2013年11月に3号機が着工した。同炉型を採用したA. W. ボーグル3、4号機の着工とほぼ同時期である。長年にわたる大規模でコストのかかる工事の遅延と、その後に続く2017年3月のWE社の破産申請を受け、SCE&G社は建設プロジェクトの残り45%の所有者であったサンティー・クーパー社とともに、2017年7月に2、3号機の建設中止を決定した。SCE&G社はその後、2018年12月に資産の権益をサンティー・クーパー社に譲渡している。なおNRCは、SCE&G社とサンティー・クーパー社の合意により、2019年3月にCOLを失効させた。新たに建設と運転を希望する購入者は、再申請が必要である。
- 31 Jan 2025
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米マイクロ炉 買収によりブランド名変更
米国の先進原子力エネルギー会社である、ナノ・ニュークリア・エナジー(NANO Nuclear Energy)社は1月14日、新たに取得したモジュール式マイクロ炉(MMR)をKRONOS MMRに名称変更した。同社は、MMRを開発していた米国のウルトラ・セーフ・ニュークリア(USNC)社から、原子力技術資産の一部を取得した。USNC社は2024年10月、米国破産法第11章第363条に従い、自社技術の売却プロセスを実施することを発表。競売により、NANO社がUSNC社の原子力技術資産の一部を現金850万ドル(約13.3億円)で買収、手続きが1月13日に完了した。USNC社のMMRは、ヘリウムを冷却材に使用する第4世代の小型モジュール式高温ガス炉。5エーカー(0.02㎢)未満のコンパクトな設置面積で、最大4.5万kWt(1.5万kWe)の出力で柔軟に動作するように設計されている。燃料は、低濃縮ウラン(LEU)またはHALEU燃料を使用する。NANO社のJ. ユー会長は、「MMRは、カナダ原子力研究所(CNL)および米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)で開発され、カナダ原子力安全委員会(CNSC)の許認可の審査段階に入った最初の原子炉。当社は、MMRの規制当局への許認可手続きと最終的な商業化の取組みを継続する」と語った。NANO社は、カナダ初のマイクロ炉であるMMRの建設と実証運転を目的としたグローバル・ファースト・パワー(GFP)社のプロジェクトの一環として、CNLのオンタリオ州にあるチョークリバー研究所に設置、実証する計画を継続する方針である。GFP社は加オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社とUSNCが設立した合弁事業体。チョークリバー研究所でのMMR建設に向けて、2019年3月にSMR開発プロジェクトとしては初めて、カナダ原子力安全委員会(CNSC)に「サイト準備許可(LTPS)」を申請した。またNANO社は、UIUCとの既存の協力を延長し、同大学におけるMMRの稼働を計画。加えて、NANO社は米原子力規制委員会(NRC)とのMMR許認可プロセスを継続するとしている。UIUCは2021年6月、USNC社製MMRを将来学内で建設するため、NRCに意向表明書(LOI)を提出している。NANO社は、MMRは開発段階が進んでいるため大幅な開発コストを回避しつつ、導入スケジュールを大幅に短縮することができると、今回の買収の意義を強調。今回新たに取得したMMRは、NANO社独自の可搬型マイクロ炉「ZEUS」ならびに「ODIN」(0.1~0.15万kWt)の設計開発を通じて確立した技術基盤を強化・補完するものであるとし、実証に向けた動きを加速したい考えだ。今後、大規模なデータセンターや人工知能(AI)センター、その他の製造およびインフラにおけるエネルギー集約型産業など、エネルギー需要の高い成長市場に幅広く対応をしていくとしている。また翌15日には、USNC社から併せて取得した可搬型の高温ガス冷却マイクロ炉「Pylon」をLOKI MMRに名称変更した。NANO社はLOKI MMRが10kWeから3,000kWeまで出力調整が可能な、着陸船に適した形状で設計されていることから、特に長期的な宇宙探査への原子力利用の取組みを補完したいとしている。NANO社は、米エネルギー省(DOE)の選定による、国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)の基本設計・実験機設計(Front-End Engineering and Experiment Design:FEEED)を通じて、2027年までに米アイダホ国立研究所(INL)内でNRICが運営するマイクロ炉実験機の実証(Demonstration of Microreactor Experiments=DOME)用テストベッドでのLOKI MMRの試運転を目指している。
- 27 Jan 2025
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米DOE 濃縮ウラン契約の供給者6社を選定
米エネルギー省(DOE)の原子力エネルギー(NE)局は12月10日、「米国への投資(Investing in America)」アジェンダの一環として、米国における新たなウラン生産能力の拡大にインセンティブを与えるため、低濃縮ウラン (LEU) の調達契約を締結する6社を選定した。燃料分野において、ロシアの影響を受けない強靭なサプライチェーンを構築しつつ、全米の消費者が安価で信頼できる電力と高賃金のクリーンエネルギー関連の雇用を保証する、米政権の肝入りの施策である。DOE原子力局のM. ゴフ首席次官補代理は、「今回の調達契約は、米国におけるウラン濃縮能力の安全かつ責任ある構築を促進するもの。米国のエネルギー安全保障を強靭にするため、米国内における濃縮ウランの生産能力を向上させなければならない」として、今回の契約締結の意義を強調した。DOEが調達契約を締結したのは以下の6社。LEU供給で競争原理を生み出し、強力な投資の促進をねらう。American Centrifuge Operating, LLC(セントラス・エナジー傘下)General Matter, IncGlobal Laser Enrichment, LLCルイジアナ・エナジー・サービシーズ社(ウレンコ傘下)Laser Isotope Separation Technologies, IncOrano Federal Services, LLCDOEはLEUの新たな国内生産能力を掘り起こし、米国の既存の原子力発電所のほか、将来の先進炉の国内外での展開に必要な燃料供給を確保したい考えだ。DOEはこれらの契約を通じ、濃縮施設の新設、または既存の濃縮施設の拡張により生産されるLEUを購入する。契約は最長10年間、基本報酬として各社に最低200万ドル(約3.0億円)を支払う。DOEは今年6月、米国内産のLEU購入に関する提案依頼書(RFP)を発行。「米国への投資」アジェンダから27億ドル(約4,148億円)を支援することとしている。米国において、原子力は総発電電力量のほぼ2割を供給しており、急速に増加する電力需要を満たし、CO2削減が困難な産業プロセスと運輸部門の脱炭素化に貢献する最大のクリーンエネルギー源。米国のクリーンエネルギーへの移行において重要な役割を果たすと考えられている。米国は2023年にアラブ首長国連邦(UAE)で開催された第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)において、2050年までに世界の原子力発電設備容量を3倍にするという公約を共同で主導した。この公約の達成には、米国は追加の原子力発電容量を配備する必要があるが、これには大型炉のほか、小型モジュール炉(SMR)、マイクロ炉など、あらゆる規模の新しい原子炉が含まれる。さらに既設炉の運転期間延長、出力向上や、閉鎖炉の運転再開を想定。これら設備容量拡大には、安定した燃料供給源が必要となる。ロシアは現在、世界のウラン濃縮能力の約44%シェアを保有。米国が輸入する燃料の約35%をロシア産が占める。J. バイデン大統領は今年5月、ロシアからのLEU輸入禁止法案に署名し、8月に発効した。一方で、米国の既存の原子力発電所が運転を中断することのないようDOEは、DOE長官が国務長官および商務長官と協議の上、特定の状況下で特定量のロシア産LEUに免除を与えるプロセスを発表。この規定に基づく免除は、2028年1月1日までに終了する。ロシアは11月、対抗措置として、ロシア産濃縮ウランの米国への一時的な輸出制限を決議した。脱炭素化やロシア産原子燃料への依存の回避、エネルギーセキュリティの強化を要因とする、世界的な原子力発電への評価の高まりを受け、世界的に濃縮役務の需要が増加している。英国に本拠地を置く、グローバルな濃縮事業者であるウレンコ社は、米国における濃縮ウランの需要増に応えるため、同社(ウレンコUSA)がニューメキシコ州ユーニスで操業する、米国で唯一の商業用濃縮プラントを拡張し、生産能力の拡大を目指している。同プラントは現在、米国の電力会社の濃縮ウラン需要の約1/3をカバーしている。なお、米原子力規制委員会(NRC)は12月11日、ウレンコUSAに対し、ウラン濃縮レベルを最大10%に引き上げるライセンス修正を承認した。NRCの承認により、既存の原子力発電所の燃料交換期間の短縮や、一部の先進炉への燃料供給が可能となる。
- 18 Dec 2024
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BWRX-300 英国GDAの次段階へ
英国の原子力規制庁(ONR)、環境庁(EA)およびウェールズ自然保護機関(NRW)は12月12日、米GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社製SMR「BWRX-300」(BWR、30万kWe)が、包括的設計審査(GDA)のステップ2に進んだことを明らかにした。GDAとは英国で初めて建設される炉型に対して行われる設計認証審査で、原子力規制庁(ONR)が設計の安全性とセキュリティの観点から、環境庁(EA)およびウェールズ自然保護機関(NRW)が環境影響の観点から、英国の基準を満たしているかを、規制プロセスの早い段階から、立地サイト特定後の建設申請とは別に評価する。ステップ1において各機関は、GDAのステップ2(実質的な技術評価段階)を開始するために必要な取決め、プロセス、提出書類を確認し、BWRX-300の技術評価の範囲とスケジュールで合意に達した。ステップ2では、BWRX-300の基本的な設計の妥当性を評価し、英国で安全、安心かつ環境を保護しながら建設、運転、廃止措置が可能かどうかを確認する。ステップ2は、2025年12月に完了する予定だ。ONRのR. エクセレイ・BWRX-300担当の規制責任者は、「ONRは、米原子力規制委員会(NRC)と加原子力安全委員会(CNSC)双方との協力関係の構築に努めており、国ごとの設計変更を最小限に抑えて標準的な原子炉設計を維持するというGEH社の姿勢を全面的に支持する」「英国の規制当局は基本的に同じ設計を並行して審査する。GEH社が可能な限り共通の設計を維持できるよう、より効率的な規制の共有に尽力していく」とコメントした。今回のGDAの実施にあたり、GEH社はBWRX-300に関するGDAのウェブサイトを新たに立上げ、設計に関する詳細情報とパブリックコメントのプロセスを公開している。パブリックコメントのプロセスでは、誰でも同炉型に関するコメントや質問を提出して回答を得ることができる。規制当局はこれらの質問と回答を確認し、必要に応じて、残りのGDAプロセスにおいて評価に役立てることとしている。GEH社は2022年12月、現在のエネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)の前身であるビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)に、BWRX-300を対象とした2ステップのGDA申請書を提出した。BEIS/DESNZは規制当局の審査に先立ち、GEH社が提出したGDA申請書を事前に精査し、BWRX-300がGDA実施前の評価基準をクリアしていることを確認。これを受け、2024年1月、ONR、EA、NRWがGDAのステップ1を開始した。同月、GEH社はDESNZの「未来の原子力実現基金(Future Nuclear Enabling Fund:FNEF)」からBWRX-300の設計開発を支援する補助金を獲得。補助金はGDA申請やSMRの商業展開にむけた準備活動に充てられる。これとは別にGEH社は、原子力発電所の新設計画を牽引する新しい政府機関「大英原子力(Great British Nuclear:GBN)」が実施するSMR支援対象選定コンペに参加しており、最終選考に残った4社のうちの1社である。
- 17 Dec 2024
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米国 旧原子力サイトにSMRを建設へ
原子力発電所の廃止措置や環境復旧サービスを手掛ける米国のエナジー・ソリューションズ社は12月4日、カナダのテレストリアル・エナジー社と協力覚書(MOU)を締結。テレストリアル社が開発する小型モジュール炉(SMR)の一体型熔融塩炉(IMSR)を、エナジー・ソリューションズ社サイトに建設することを目指す。今回のMOUにより、両社はIMSRの早期配備に向けて、エナジー・ソリューションズ社が廃炉プロセスで取得した旧原子力発電所サイトを共同で評価し、最適なサイトを選択する。エナジー・ソリューションズ社が電力事業者のドミニオン・エナジー社から取得し、廃炉作業を実施中のキウォーニ1号機(PWR、59万kWe、2013年閉鎖)などのサイトを、将来の新たな原子力発電所の建設候補地として、活用できないか検討する。エナジー・ソリューションズ社のK. ロバックCEOは、「生成AI(人工知能)の運用を支えるデータセンターや、戦略的目標の達成のために分散型クリーンエネルギーソリューションを求める産業などの成長により、クリーンで安定した電力需要が急速に増加している。テレストリアル社のIMSRプラントは、先進炉であり、高まる電力需要に応える高性能な供給ソリューションとして注目を集めている」との認識を示した。テレストリアル社のS. アイリッシュCEOは、「エナジー・ソリューションズ社にはIMSRの立地選定と展開に必要となる規制手続きを支援する豊富な経験とノウハウがある。エナジー・ソリューションズ社の他、100万kW規模のクリーンで安定した電力と熱供給の長期契約に関心のある他プロジェクト関係者、および州や連邦政府とのパートナーシップを築いていきたい」とし、協力の進展への期待を述べた。テレストリアル社のIMSRは、熱出力40万kW、電気出力19.5万kWの熔融塩炉。低コストでクリーンかつ信頼性の高い電力と産業用熱を生産する。他の先進炉設計の多くがHALEU燃料(U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン)を装荷するのに対し、IMSRは濃縮度5%以下の標準タイプの低濃縮ウランを使用する。化学、石油およびガス、石油化学、データセンター、およびその他のエネルギー集約型の産業を支える分散型エネルギー源として期待されている。またIMSRは、米原子力規制委員会(NRC)と加原子力安全委員会(CNSC)による、非軽水炉型原子炉の初の共同技術審査対象炉でもあり、2030年代初めの運転開始を目指している。
- 16 Dec 2024
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米規制委 実証炉「ヘルメス2」の建設許可発給へ
米原子力規制委員会(NRC)は11月20日、米ケイロス・パワー社によるテネシー州オークリッジでの「ヘルメス2」実証プラント建設プロジェクトに関し、建設許可の発給を決定した。近く発給される見込み。ヘルメス2は、米国で建設が承認された初の第4世代の発電炉(2万kWe)となる。ケイロス社は2023年7月、NRCにヘルメス2の建設許可を申請。NRCは2024年7月に最終安全性評価を、2024年9月にサイトの最終環境アセスメントを公表していた。ヘルメス2の稼働にあたっては、別途、NRCによる運転認可の審査と承認が必要である。今回のヘルメス2の建設許可発給の決定にあたり、NRCのC. ハンソン委員長は、「安全性を最優先にしながら、許認可手続きは非常に効率的に行われ、18か月足らずで発給を決定した。期間の短縮は、以前の審査で用いた関連する結論を迅速に適用した結果である」と述べた。迅速化には、簡素化されたヒアリング手続きの効果もあるという。ヘルメス2は、米エネルギー省(DOE)の「東部テネシー技術パーク(ETTP)」に建設されるヘルメスに隣接。ヘルメスで採用される、フッ化物塩冷却高温炉(非発電炉、3.5万kWt)を2基ならびに共有する発電設備(2万kWe)を備える。安価でクリーンな熱生産を実証するため、TRISO(3重被覆層・燃料粒子)燃料と熔融フッ化物塩冷却材を組み合わせ、原子炉設計を簡素化しているのが特徴。2023年12月、NRCはヘルメスの建設許可を発給、今年7月には、土木工事(掘削作業)が開始されている。ヘルメスは、2023年12月、米原子力規制委員会(NRC)が50年以上ぶりに建設を許可した非水冷却炉で、2027年に運開予定だ。ケイロス社はこれらのヘルメス・シリーズで得られる運転データやノウハウを活用して、技術面、許認可面および建設面のリスクを軽減し、コストを確実化して、2030年代初頭に商業規模のフッ化物塩冷却高温炉「KP-FHR」(32万kWt、14万kWe)の完成を目指している。ケイロス社は今年10月、米IT企業大手Google社と、ケイロス社が開発する先進炉を複数基、合計出力にして最大50万kWeを2035年までに導入し、Google社のデータセンターに電力を供給する、電力購入契約(PPA)を締結している。
- 25 Nov 2024
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米テラパワー HALEU製造施設の建設契約を締結
米国の原子力開発ベンチャー企業であるテラパワー社は10月30日、HALEU((U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン))の供給拡大に向け、米ASP アイソトープ社と、①南アフリカにおけるウラン濃縮施設の建設、②テラパワー社が開発するナトリウム冷却小型高速炉「Natrium」への燃料供給―に関するタームシート((最終契約の締結にいたるまでの過程で、契約書に盛り込むべき重要事項をまとめたもの))を締結した。テラパワー社は、米ASP アイソトープ社による南アフリカでのHALEU製造施設の建設に出資し、同施設で製造されるHALEUを購入。米ワイオミング州南西部のケンメラーで開発されているNatriumおよびエネルギー貯蔵システムに利用する計画である。購入したHALEUは、テラパワー社と米エネルギー省(DOE)が先進炉実証プログラム(ARDP)を通じて共同出資する、米グローバル・ニュークリア・フュエル(GNF)社がノースカロライナ州ウィルミントンのサイトに建設する燃料加工施設で加工される。テラパワー社のレベスクCEOは、「当社は『Natrium』用に安定したHALEUサプライチェーンを確保するために懸命に取り組んできた。今回の合意は、国内および同盟国におけるHALEU製造の商業化に向けた当社の取組みの一例」と強調した。テラパワー社は、米国内でHALEU製造促進に向け、複数の戦略的契約を締結している。その中には、HALEUの商業化に関するセントラス社とのMOU、HALEU金属化パイロットプラントの建設に関する仏フラマトム社との契約、ワイオミング州産ウランの供給可能性に関するウラニウム・エナジー社との調査契約が含まれる。ASP アイソトープ(ASPI)社は2021年に設立されたが、前身は1980年代の南アフリカにおけるウラン濃縮プログラムにさかのぼる。さまざまな業界で使用されるアイソトープ製造の技術とプロセスの開発を専門とする先端材料企業。HALEUウラン濃縮施設の建設とNatriumへの供給は、ASPIの子会社である米Quantum Leap Energy 社が行う。ASPI社によると、濃縮施設で製造される予定のHALEUの長期供給契約も締結される予定であり、テラパワー社は施設の完成後10年間で製造されるHALEUの独占購入権を持つことを想定している。また、ASPI社がHALEUの供給について第三者と交渉したり、別のASP技術べースのウラン濃縮施設に取組まないようにする独占期間を示す条項がタームシートには含まれているという。ASPI社は、従来の遠心分離プロセスを使用した濃縮施設の建設と比較して、大幅に低いコストと短い時間で、自社の濃縮技術をHALEU製造施設に導入できると考えている。従来、医療や半導体業界向けの高濃縮同位体の製造と商業化に重点を置くが、開発中の濃縮技術を使用し、原子力発電分野向けの同位体濃縮を実施する計画だ。Natrium は34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉。熔融塩を使ったエネルギー貯蔵システムを備え、電力負荷の変化に追従する柔軟な運転が可能。米ワイオミング州で閉鎖予定の石炭火力発電施設の近くに建設され、今年6月には起工式が開催された。今年3月末に米原子力規制委員会(NRC)に建設許可を申請している。原子力部の着工は早くて2026年、運転開始は2030年を予定している。
- 08 Nov 2024
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米DOE オクロの燃料製造施設の概念設計を承認
米エネルギー省(DOE)は10月15日、米国で先進炉開発を進めるオクロ社のマイクロ炉「オーロラ」向け燃料製造施設の概念安全設計報告書(CSDR)を承認した。今回の承認は、先進的な燃料リサイクル技術を実証する重要なステップ。なお、DOEは今年1月、同燃料製造施設の安全設計戦略(SDS)を承認している。オクロ社は、引き続きアイダホ国立研究所(INL)と協力して施設設計を完了し、建設開始前にDOEの承認を得る予定。この燃料製造施設はINL敷地内に設置される。1964年~1994年にINLで稼働していた実験増殖炉EBR-IIの使用済み燃料から高濃縮ウランを回収、低濃縮ウランと混合・希釈してHALEU((U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン))とし、燃料を製造する。オクロ社は、初の商用オーロラ発電所をINL敷地内に2027年に設置し、製造した燃料を装荷する計画だ。INLは電気化学プロセスを使用して、2028年12月までにEBR-II燃料から約10トンのHALEUを回収する計画。オクロ社は、2019年に競争入札で獲得したINLとの契約により、内5トンのHALEUの利用が可能である。DOEはHALEUの使用中も使用後もその所有権を保持する。「オーロラ」はHALEU燃料を使用する液体金属高速炉のマイクロ原子炉で、電気出力は0.15~5万kW。少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能なほか、放射性廃棄物をクリーン・エネルギーに転換することもできる。DOEは2019年12月、先進的原子力技術の商業化を支援するイニシアチブ「原子力の技術革新を加速するゲートウェイ(GAIN)」の一環として、INL敷地内で「オーロラ」の建設を許可。これを受けてオクロ社は翌2020年3月、原子力規制委員会(NRC)に「オーロラ」初号機の建設・運転一括認可(COL)を申請したが、NRCは、審査の主要トピックスに関する情報がオクロ社から十分に得られないとして、2022年1月に同社の申請を却下した。オクロ社は同年9月、「オーロラ」の将来的な許認可手続きが効率的かつ効果的に進められるよう、NRCとの事前協議を提案する「許認可プロジェクト計画(LPP)」をNRCに提出している。
- 29 Oct 2024
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Googleと米ケイロス・パワー社が先進炉導入で提携
米IT企業大手Google社と米原子力新興企業のケイロス・パワー社は10月14日、2035年までに複数の先進炉導入による電力購入契約(PPA)を締結した。この契約は、先進炉の複数基導入に関する米国初の企業間契約になるという。本契約により、ケイロス社が開発する先進炉のフッ化物塩冷却高温炉を複数基、合計出力にして最大50万kWeが建設され、Google社のデータセンターに電力を供給する。初号機を2030年までに運転開始させた後、後続機を順次建設していく計画だ。なお、建設サイトや契約額などの詳細は明らかにされていない。ケイロス社は、米エネルギー省(DOE)の「東部テネシー技術パーク(ETTP)」でフッ化物塩冷却高温実証炉「ヘルメス」(非発電炉、熱出力3.5万kW)の土木工事(掘削工事)に着手している。ヘルメスは2023年12月に、米原子力規制委員会(NRC)が50年以上ぶりに建設を許可した非水冷却炉だ。TRISO燃料(3重被覆層・燃料粒子)と熔融フッ化物塩冷却材を組み合わせ、原子炉の設計を簡素化しているのが特徴で、2027年に運開予定。ヘルメスは、DOEによる「先進的原子炉実証プログラム(ARDP)」の支援対象炉でもある。また、ヘルメスに隣接し、同炉を2基備えた実証プラント「ヘルメス2」(発電炉、2万kWe)の建設許可が昨年7月に申請されている。ケイロス社はこれらのヘルメス・シリーズで得られる運転データやノウハウを活用して、技術面、許認可面および建設面のリスクを軽減、コストを確実化して、2030年代初頭に商業規模の「KP-FHR」(熱出力32万kW、電気出力14万kW)の完成を目指している。Google社は脱炭素化に本格的に取り組んでおり、2010年以来、115件以上の契約により合計1,400万kWe以上の発電設備からクリーンな電力を調達している。今回の契約によりGoogle社は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの既存利用を補完するとともに、安定したカーボンフリーの電力供給と2030年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという野心的な目標の達成を目指している。Google社のエネルギー・気候変動担当シニアディレクターのM. テレル氏は今回の提携発表について、Google社とケイロス社が米国の電力網に新たに50万kWeのカーボンフリーの電力を年中無休で供給し、クリーンエネルギーへの移行を加速させると強調。先進的なエネルギー技術を商業化させて、規模を拡大し、将来的により多くのコミュニティがクリーンで安価な電力を享受できるようにするというGoogle社の強い意欲を示した。Google社は今年7月に公開した2024年の環境報告書で、2023年の温室効果ガスの排出量が2019年比で43%増加し、2030年までにネットゼロの目標達成は、データセンターの電力消費の増加とサプライチェーン・インフラによる排出量の増加で困難に直面していると指摘しており、クリーンかつ増大する電力需要を満たす電源の確保が急務となっていた。生成AI(人工知能)の普及により、データセンターの電力消費量が急増する中、大手テック企業では、再生可能エネルギーへの投資とともに、信頼性の高い原子力の活用を進める動きが活発化している。米マイクロソフト社は今年9月、大手電力会社のコンステレーション・エナジー社と閉鎖済みのスリーマイル・アイランド(TMI)1号機(PWR、89万kWe)を再稼働させ、マイクロソフト社のデータセンターに電力を供給する、20年間の売電契約の締結を発表。また同機と同じくペンシルベニア州にあるサスケハナ原子力発電所(BWR、133.0万kW×2基)に隣接するデータセンターを今年3月、米アマゾン傘下のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)社が買収している。
- 17 Oct 2024
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米国 ターキーポイントが80年運転認可を回復
米原子力規制委員会(NRC)は9月17日、フロリダ・パワー&ライト社(FPL)のターキーポイント原子力発電所3号機および4号機(PWR、各82.9万kWe)について、それぞれ2052年および2053年までの運転期間延長を回復した。これにより80年運転が可能となった。両機は2019年12月、NRCより国内初の2度目となる運転期間延長認可(20年)を受け、それぞれ2052年7月および2053年4月までの運転期間延長が可能となった。しかし、NRCは2022年2月、国家環境政策法(NEPA) に基づく一般環境審査 には、気候変動を含む潜在的環境リスクの見直しに伴い追加情報が必要であるとし、最初の運転期間延長認可期限である2032年7月と2033年4月を有効期限に再設定した。これを受け、FPL社はサイト固有の環境影響声明書に対する追加文書をNRCに提出し、厳格な再評価プロセスを完了。2度目の運転期間延長認可の回復となった。NRCはこれまでに、送電開始以降の運転期間を合計で80年とする認可をターキーポイント3、4号機の他、コンステレーション・エナジー社とPSEG社が共同所有するピーチボトム2、3号機(BWR、各141.2万kW)、ドミニオン社のサリー1、2号機(PWR、各89万kW)、ノースアナ1、2号機(PWR、各100万kW級)に対して発給している。そのうち、ピーチボトム2、3号機については、再評価完了まで80年運転認可の効力が一時停止している。 ターキーポイント3号機は1972年に、同4号機は1973年に営業運転を開始(1、2号機の火力発電所は閉鎖。5号機のガス火力発電所は運転中)。フロリダ州マイアミの南40kmに位置する同発電所のサイト面積は44㎢。保護区域にあるマングローブ湿地帯と全長270km、面積27㎢の冷却水路に囲まれている。100万世帯の家庭や企業に電力を供給し、人口増加中のフロリダ州を支える一方、絶滅危惧種であるアメリカワニやその他の在来種の生息地を提供するという重要な役割を担っている。FPLは、フロリダ州で、同発電所のほか、セントルーシー原子力発電所(1、2号機、PWR 100万kWe級)を運転中。同社の総発電電力量に占める原子力シェアは20%。なお、同社はNRCに、セントルーシー発電所1、2号機の2度目となる運転期間延長認可を2021年8月に申請している。ターキーポイント原子力発電所は、1992年のハリケーン「アンドリュー」(カテゴリー5:最大クラス)の直撃に耐え、強力な自然災害にも耐えられる設計となっており、洪水や高潮から守るために海抜6mの高さに立地している。
- 07 Oct 2024
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米政府 パリセード発電所再稼働に向けた資金支援を最終決定
米政府は9月30日、バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」アジェンダの一環として、米エネルギー省(DOE)および米農務省(USDA)を通じて、同国中西部において信頼性が高く、安価なクリーン電力供給を支援するため、総額およそ28億ドル(4,100億円)の支援を発表した。内、DOEは融資プログラム局(LPO)を通じて、ミシガン州のパリセード原子力発電所(PWR、85.7万kWe)の復旧と再稼働に係る資金調達を支援するため、同発電所を所有するホルテック・パリセード社に対し、最大15.2億ドル(約2,225億円)の融資保証を最終決定した。今回の融資保証は、2022年に成立したインフレ抑制法(IRA)のエネルギーインフラ再投資(EIR)プログラムに基づくもので、今年4月、DOEは同発電所の再稼働に向けた融資保証としてLPOを通じて同額を上限とする条件付きの資金支援を発表していた。ホルテック社は現在、2051年まで運転できるよう大規模なバックフィットを実施中で、2025年第4四半期の送電開始をめざしている。今回の融資保証の決定は、米国の原子力発電所を再稼働させるためのDOE初の取組みであり、カーボンフリーの発電およびミシガン州の雇用拡大とともに、米国の原子力発電部門の強化に資するもの。パリセード発電所の再稼働により、ミシガン州で最大600名の常勤の高スキル、高サラリーの雇用が維持または創出される見込みで、さらに定検期間中には1,000名もの雇用も支えるという。また、同発電所の再稼働により、年間447万トンのCO2排出の削減に寄与し、これは、ガソリン車97万台以上による年間排出量にほぼ相当する。またUSDAは、IRAの一部である、エンパワリング・ルーラル・アメリカ(New ERA)プログラムの一環として、農村地域にある2つの電力協同組合のウルバリン電力協同組合(Wolverine Power Cooperative)とフージャー・エナジー(Hoosier Energy)に合計約13億ドル(1,900億円)を交付すると発表した。同プログラムは、農村地域の家庭や中小企業が安価な電力を利用できるようにし、農村地域の労働力やエネルギー、教育インフラに投資することで、農村地域のより豊かな未来を支援することを目的としている。ホルテック・パリセード社は、ミシガン州、イリノイ州、インディアナ州の農村地域に電力を供給する、これら2つの農村電力協同組合と長期電力購入契約を既に締結している。バイデン政権の気候政策担当上級顧問のJ. ポデスタ氏は、「閉鎖済みの原子力発電所を米国史上初めて復活させ、ミシガン州、ウィスコンシン州、インディアナ州、イリノイ州の農村地域に、信頼性が高く、安価なクリーン電力を供給する。インフレ抑制法が中西部のコミュニティをいかに活性化させているかを示している」と強調した。パリセード発電所は、1971年に営業運転を開始。その後、2022年5月に経済性を理由に永久閉鎖され、翌6月には同発電所は所有者・運転者のエンタジー社から、廃止措置を実施するホルテック社に売却された。近年、各国がCO2排出の抑制に取り組み、原子力のように発電時にCO2を排出しないエネルギー源が重視されるなか、ホルテック社は同発電所を再稼働する方針に転換、2023年9月、米原子力規制委員会(NRC)に運転認可の再交付を申請している。
- 04 Oct 2024
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米国防総省 マイクロ炉の建設に着手
米国防総省(DOD)は9月24日、アイダホ国立研究所(INL)で、軍事作戦用の可搬式プロトタイプのマイクロ炉「プロジェクト・ペレ」の建設に着手したことを明らかにした。原子炉は現在、同省の戦略的能力室(SCO)主導の下、バージニア州リンチバーグのBWXTアドバンスド・テクノロジーズ社で製造中。原子炉の組立を2025年2月に開始し、2026年に組立を終え完成した原子炉をINLに輸送、設置する計画で、米国初の第4世代炉となる。SCOは2022年6月、「プロジェクト・ペレ」と呼ばれる軍事作戦用の可搬式プロトタイプのマイクロ炉の設計・建設・実証プロジェクトにBWXT社の高温ガス炉(HTGR)設計を選定した。燃料には、HALEU((U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン))燃料の3重被覆層・燃料粒子「TRISO」を使用する。原子炉設備は20フィート(約6m)の輸送用コンテナ4つでINLに輸送され、2026年の設置に向けて、来年にもINLの重要インフラのテストサイトにコンクリート製の遮蔽構造物を建設する。原子炉設備は同遮蔽構造物の中に設置、INLの特殊なマイクログリッドに接続され、出力規模は1~5千kWe。DODによると、最終的な安全レビューを完了後、初期評価を行い、結果が良好であれば、DODの重要拠点である遠隔地や厳しい環境下に配置し、電力供給を行うとしている。SCOのJ. ドライヤー室長は、DODが戦略的かつ重要技術に関する米国のイノベーションの推進に貢献してきた長い実績に触れたうえで、「プロジェクト・ペレは、DODのエネルギー回復力の向上を目指すカギとなるイニシアチブであり、民生用の原子力技術を進歩させる上でも重要な役割を果たす」と強調した。プロジェクト・ペレは政府全体の取り組みであり、エネルギー省(DOE)、原子力規制委員会(NRC)、米国陸軍工兵隊、NASA、国家核安全保障局(NNSA)が重要な専門知識を提供するなど、大きく貢献している。このほか、同プロジェクトの主契約者BWXT社の業務支援には、様々な経験を積んだ企業チームが協力。その主要メンバーには、軍需メーカーのノースロップ・グラマン社、英ロールス・ロイス社の北米技術部門であるリバティワークス、防衛・宇宙製造業のトーチ・テクノロジーズ社が含まれている。原子炉はDOEのアイダホ・オペレーション室の監督の下、米国内でのみ実証される。INLで最低3年間稼働予定であり、クリーンで信頼性が高く、輸送可能な原子力の利用を実証し、全米の軍事基地で増大するエネルギー需要を満たすことが期待されている。BWXT社はまた、プロジェクト・ペレでの経験を活かし、DOEの将来実証リスク削減プログラム(ARDP)の支援を受けている民生用マイクロ炉のBANR(BWXT Advanced Nuclear Reactor)の開発を促進する方針。高温ガス炉の部品とサービスの国内サプライチェーンの確立のほか、TRISO燃料製造分野においても活用したい考えだ。
- 01 Oct 2024
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米国 熔融塩実証炉の審査に進展
米原子力規制委員会 (NRC) は9月3日、米ケイロス・パワー社によるテネシー州オークリッジでの「ヘルメス2」実証プラント建設プロジェクトに対し、最終的な環境アセスメント(EA)を発表。「重大な環境影響はない」と結論づけた。「ヘルメス2」は、米エネルギー省(DOE)の「東部テネシー技術パーク(ETTP)」に建設予定の「ヘルメス」(非発電炉、熱出力3.5万kW)に隣接し、フッ化物塩冷却高温炉を2基備えた発電プラント(2万kWe)。ケイロス社は2023年7月にヘルメス2の建設許可をNRCに申請した。ヘルメスは、安価でクリーンな熱生産を実証するため、TRISO燃料((ウラン酸化物を黒鉛やセラミックスで被覆した粒子型の燃料))と熔融フッ化物塩冷却材を組み合わせて原子炉設計を簡素化している。ケイロス社はこれらのヘルメス・シリーズで得られる運転データやノウハウを活用して、技術面、許認可面および建設面のリスクを軽減し、コストを確実化して、2030年代初頭に商業規模のフッ化物塩冷却高温炉「KP-FHR」(熱出力32万kW、電気出力14万kW)の完成を目指している。NRCは建設許可発給の手続きにあたり、環境影響声明(EIS)を必要とする従来のNRC規則の適用をヘルメス2から免除した。ヘルメス2のサイトは以前にヘルメスのEISで既に評価されており、免除の裏付けに十分との考えだ。NRCスタッフは、ヘルメス2の建設許可手続きの最終段階に向けて、ヘルメス2のEAおよび安全性評価報告書(SER)をNRC委員に提出。委員は、スタッフによる審査が建設許可発給に必要な所見を裏付けるものか判断し、許可発給の票決を行う。ケイロス社は今年7月、米のバーナード・コンストラクション・カンパニーと契約し、オークリッジのヘルメスの建設サイトで土木工事(掘削作業)を開始した。両社はヘルメスに隣接し、最終となる工学試験ユニット(ETU 3.0)の建設でも協力。非原子力の実証実験装置であり、サプライチェーン、建設、運転経験の面からヘルメスを支援する。
- 12 Sep 2024
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ガーナ 米製SMRを1基導入へ
ガーナの原子力発電公社(NPG)は8月29日、米国のレグナム・テクノロジー・グループと、ガーナに米ニュースケール社製の小型モジュール炉(SMR)「VOYGR-12」を1基建設することで合意した。「VOYGR-12」は、ニュースケール・パワー・モジュール(NPM)を12基組み合わせた発電プラント。レグナム社は、ニュースケール社などと提携する原子力プロジェクト開発会社で、近くNPG社とガーナで「VOYGR-12」を所有/運転する子会社を設立する計画だ。契約は、ケニアの首都ナイロビ市で開催された米・アフリカ原子力エネルギーサミットの会期中に締結された。同サミットは、米エネルギー省(DOE)が主催。原子力導入に向けたアフリカ産業界の準備事項に焦点を当て、原子力サプライチェーン、能力開発、ステークホルダーの参加、資金調達などのテーマで討議された。昨年11月、ガーナで開催された初回に引き続き、2回目となる。同サミットに出席した米国務省(DOS)のB. ジェンキンス軍備管理・国際安全保障担当次官は、「今回の契約締結により、ガーナはアフリカにおけるSMR建設のリーダーとなり、地域の経済発展と雇用創出の起爆剤となる」と指摘。米DOEのA. ダンカン国際協力次官補代理は、「ガーナをはじめとする多くのアフリカ諸国が、経済発展、エネルギー安全保障、脱炭素化の目標達成のために原子力導入を目指している。米国がノウハウとリソースを提供する、強力かつ積極的なパートナーであり続け、アフリカ大陸全体への原子力導入を成功させたい」と抱負を語った。米DOEは2014年以来、NPMを複数設置したVOYGRシリーズの設計および許認可取得への支援に、5.79億ドル(約830億円)以上を投じてきた。5万kWeのNPMは、米原子力規制委員会(NRC)から唯一、設計認証(DC)を取得しているSMR。ニュースケール社は2023年1月、出力を7.7万kWeまで引上げたNPMの標準設計承認(SDA)を申請し、NRCが現在審査中である。米DOSは、今年5月にガーナで開催された、アフリカ原子力ビジネスプラットフォーム会合で、ガーナをSMRの地域ハブとすることを含む、新たな民生用原子力協力を発表している。DOSが主導する「SMRの責任ある利用のための基礎インフラ(FIRST)」プログラムなどの能力開発イニシアチブを通じ、ガーナをアフリカにおける最初のSMRの運転者とし、将来のSMRサプライチェーンのニーズを支える人材育成と雇用創出を支援していく考えだ。なお、ケニアのエネルギー・石油省のA.ワチラ筆頭次官は、同サミットでのスピーチの中で、2034年までにケニア初の原子力発電所を、2030年までに研究炉を完成させる目標を再確認した。米DOEは、次回のサミットを2025年7月にルワンダで開催、特にSMRに焦点を当てる予定だという。
- 10 Sep 2024
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米国 ノースアナ1−2号機も80年運転承認
米原子力規制委員会(NRC)は8月28日、ドミニオン・エナジー社がバージニア州で運転するノースアナ1、2号機(PWR、各100万kW級)に対して、2回目となる運転期間延長を承認した。1978年と1980年に送電開始した両機は、2003年に当初の運転期間である40年間にプラス20年間の運転期間延長が認められ、現行の運転認可はそれぞれ2038年と2040年まで有効。今回さらに20年が追加されたことから、それぞれ運転期間は80年に延長され、1号機は2058年4月まで、2号機は2060年8月まで運転することが可能になった。ドミニオン社はこれまで両機の運転継続に向けて、発電機や復水器の交換、原子炉冷却ポンプの改修などの改造工事のほか、追加検査や機器の試験などを実施してきた。ドミニオン社が両機の2回目の運転期間延長申請を発表したのは2020年9月。その前月には、NRCは同社の申請書を既に受理しており、NRCの担当部門は2022年1月に安全性評価報告書(SER)の最終版を発行したほか、今年7月には環境影響声明書(EIS)の最終版を発行。これらの中で、両機の運転期間をさらに20年延長したとしても、安全面や環境影響面の問題はないと結論付けている。また、NRCの原子力安全許認可会議(ASLB)は、反原子力3団体がノースアナ・サイトの地震リスクを理由に聴聞会を要請したことに対応。2024年7月、ASLBは同要請について、「解決すべき争点が残っていない」と結論、反原子力団体による申し立てを退けた。なお、ASLBの決定は現在、NRCに上訴されているが、NRCの規則により上訴中であっても認可を発給することが可能。NRCはこれまでに、送電開始以降の運転期間を合計で80年とする認可をフロリダ・パワー&ライト(FPL)社のターキーポイント3、4号機(PWR、各82.9万kW)、コンステレーション・エナジー社とPSEG社が共同所有するピーチボトム2、3号機(BWR、各141.2万kW)、およびドミニオン社のサリー1、2号機(PWR、各89万kW)に対して発給している。そのうち、気候変動を含む潜在的環境リスクの見直しに伴い、再評価が必要となったターキーポイント3、4号機とピーチボトム2、3号機については、再評価完了まで80年運転認可の効力が一時停止している。 NRCによると、後続案件として7サイト・14基について現在、2回目の運転期間延長申請を審査中で、今後の申請予定については、名前が明らかにされていない原子力サイトを含め、18サイト・少なくとも20基以上にのぼるとみられる。
- 03 Sep 2024
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米パリセード発電所 再稼働へ向け冷却システムを更新へ
米ホルテック・インターナショナル社は8月15日、同社のパリセード原子力発電所の改修の一環として、ミシガン湖の水温上昇予測に対応する新しい熱交換器システムを製造中であると発表した。ホルテック社によると、湖や海、川などの水域からの冷却水に依存する発電所の出力は、地球温暖化の影響で水温が上昇するにつれて確実に低下。現在、改修工事中のパリセード原子力発電所に冷却水を供給するミシガン湖の水温は、世界の他の貯水池と同様に上昇を続けており、今後数十年の運転期間延長の間にも、上昇を続けると予想している。パリセード発電所の改修の一環として、ホルテック社は、ペンシルベニア州ピッツバーグにある自社の工場で冷却水熱交換器システムを製造している。既存の熱交換器の設置スペースが極めて限られる中、予想される湖水温度の上昇に対応するため、新しい熱交換器は既存の2倍以上の伝熱面積が必要であった。自社の革新的な設計開発によりアップグレードされた熱交換器セットは、2025年末に予定されるパリセード発電所の再稼働のため、今後1年以内に設置される予定。この冷却システムのアップグレードには土木/構造工事がほとんど必要なく、費用は当初の見込みより50%以上削減できる可能性があるという。ホルテック社のJ. ラッセル広報担当責任者は、「地球温暖化が原子力発電所やその他の発電所に及ぼす悪影響と闘うために何が可能か、この技術的成果を他の発電所の関係者と共有したい」と述べた。パリセード発電所(PWR、85.7万kWe)は、1971年に営業運転を開始し、2022年5月に永久閉鎖となり、翌6月、同発電所は所有者・運転者のエンタジー社から、廃止措置を実施するため、ホルテック社に売却された。近年、各国が炭素負荷の抑制に取り組み、原子力のようにクリーンなエネルギー源が重視される時代となったことを受け、ホルテック社は同発電所を再稼働する方針に切り替え、2023年9月、米原子力規制委員会(NRC)に運転認可の再交付を申請した。パリセード発電所の再稼働方針については、ミシガン州のG. ホイットマー知事が2022年9月に支持を表明。2023年7月には、同発電所の再稼働に1.5億ドル(約215.4億円)の支援を盛り込んだ2024会計年度の州政府予算法案に署名している。2024年4月には、米エネルギー省(DOE)が融資プログラム局(LPO)を通じて、同発電所の再稼働に向けた融資保証として15.2億ドル(約2,183.2億円)を上限とする条件付きの提供を発表。ホルテック社は、少なくとも2051年まで運転できるよう種々の機器の大規模な改修や交換工事プラントの改良を実施中だ。なお、ホルテック社は、同社製小型モジュール炉「SMR-300」(PWR、30万kWe)を2基、パリセード発電所サイトに建設する計画も進めている。同2基が稼働すれば、ミシガン州の無炭素電源の設備容量はほぼ倍増となる。2026年の建設許可申請を予定している(既報)。
- 26 Aug 2024
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米国 ATF燃焼度の引上げを国内初承認
米ウェスチングハウス(WE)社は8月15日、米原子力規制委員会(NRC)から、同社製事故耐性燃料(ATF)であるEncore燃料の燃焼度制限引上げの承認を取得した。国内で初承認となる。燃料効率の向上、燃料交換間隔の延長により、運転コストの削減に貢献する。米国のPWRは現在18か月サイクルで運転されており、この新しい高燃焼度燃料によって供給バッチサイズを小さくすることが可能になり、燃料サイクルの経済性が改善される。米国で初めて62,000MWd/tの燃焼度制限を超えた燃料装荷が可能となり、将来的には24か月サイクル運転になることが期待される。WE社は、今回の燃焼度引上げの承認が、2012年に同社が開始したATF開発プログラムにとって重要なマイルストーンと強調する。同プログラムには、米エネルギー省(DOE)が資金拠出。米国のエネルギー安全保障と気候目標の達成支援のため、原子炉性能と安全性を向上させることを目的としている。WE社のEncore燃料は、既存燃料よりもはるかに厳しい条件下で耐性を持つ。炭化ケイ素燃料被覆管の融点は極めて高く(2,800℃以上)、水との反応が少ないため、特にジルコニウム燃料被覆管が1,200℃を超えると水素と熱の生成反応が著しくなるのに比べ、過酷事故条件下で画期的な安全性を発揮するという。また、同社はジルコニウム-蒸気反応も抑制する代替被覆管材料であるクロムコーティングジルコニウム合金も開発している。
- 26 Aug 2024
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米オクロ社 SMRでシーメンスと機器供給契約
米国で先進炉開発を進めているオクロ社は8月13日、同社が開発する小型モジュール炉(SMR)である「オーロラ」向け電力変換システムに関する優先サプライヤー契約を、独シーメンス・エナジー社と締結した。オクロ社によると、本契約は昨年12月に締結した覚書に基づいており、顧客の増大する電力需要に応えるため、生産の拡張、コスト効率、および迅速な展開を強化するという同社のビジョン上、重要なステップとなるという。オクロ社は、複数の発電所全体で機器を標準化し、製造、建設、運転、メンテナンスのコスト削減のみならず、メンテナンスによる停止期間を短縮させ、全体的なパフォーマンスを向上させたい考えだ。オーロラは、液体金属冷却の高速中性子炉で、ヒートパイプを使用して炉心から超臨界二酸化炭素発電システムに熱を運び発電する。HALEU((U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン))燃料を使用しており、少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能である。出力は顧客のニーズに合わせて1.5万~5万kWeの範囲で調整が可能だ。米エネルギー省(DOE)は2019年12月、先進的原子力技術の商業化を支援するイニシアチブ「原子力の技術革新を加速するゲートウェイ(GAIN)」の一環として、アイダホ国立研究所(INL)敷地内でオーロラの建設を許可。これを受けてオクロ社は翌2020年3月、原子力規制委員会(NRC)にオーロラ初号機の建設・運転一括認可(COL)を申請したが、NRCは、審査の主要トピックスに関する情報がオクロ社から十分に得られないとして、2022年1月に同社の申請を却下した。オクロ社は同年9月、オーロラの将来的な許認可手続きが効率的かつ効果的に進められるよう、NRCとの事前協議を提案する「許認可プロジェクト計画(LPP)」をNRCに提出している。なお、DOEおよびアルゴンヌ国立研究所やアイダホ国立研究所などと共同で、使用済み燃料から残りの潜在的エネルギーの90%以上を抽出し、オーロラの燃料として利用する、先進的な燃料リサイクル技術の開発にも取り組んでいる。
- 21 Aug 2024
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欧州 BWRX-300の導入目指しWG発足
ポーランドのオーレン・シントス・グリーン・エナジー(OSGE)社は7月25日、EU加盟10か国とノルウェーにある17企業の協力を得て、GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社製の小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」の展開に向け、作業部会(WG)の設置を欧州SMR産業アライアンス(European Industrial Alliance on SMRs)に申請した。同アライアンスは今年2月に発足。2030年初頭までに欧州におけるSMRの導入を目指し、アライアンス内での作業部会を通じて、原子力サプライチェーンの再活性化を含むSMRの開発、実証、展開を可能にする環境改善を目指している。最終的には、特定のSMRプロジェクトの支援と欧州市場での展開の加速を目的としている。OSGE社のR. カスプロCEOは、「『BWRX-300』の展開は、欧州企業が欧州で製造された主要コンポーネントを利用する機会をもたらす。EU加盟各国のアライアンスのメンバーの中から、WGに参加を希望する企業は今後増えるだろう」との見通しを語った。WGの具体的な目標は、EU諸国における型式認証手続きの標準化、燃料などの強固な欧州サプライチェーンの共同開発、関連の人材育成、投資への適切な支援システムの構築など広範囲にわたる。「BWRX-300」の欧州展開に向けた取組みを、アライアンスのメンバー間で調整し、加速させたい考えだ。ポーランドの大手化学素材メーカーとポーランド最大手の石油精製企業の合弁会社であるOSGE社は2023年4月、首都ワルシャワを除く国内6地点における合計24基の「BWRX-300」建設に関する原則決定(DIP)を気候環境省に申請。同省は同年12月、これら発電所に対するDIPを発給した。OSGE社は、2030年代初めにも「BWRX-300」の初号機を完成させたい考えだ(既報)。「BWRX-300」は出力30万kWの次世代原子炉で、2014年に米国の原子力規制委員会(NRC)から設計認証(DC)を取得したGEH社の第3世代+(プラス)炉「ESBWR」がベース。発電の他、水素製造、淡水化、地域暖房などの産業用途の利用が可能だ。
- 06 Aug 2024
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シンガポール 米国と原子力協力協定を締結
シンガポールと米国は7月31日、原子力協力協定(通称123協定)を締結した。米国のA. ブリンケン国務長官のシンガポールへの公式訪問に合わせ、V. バラクリシュナン外相との間で調印された。本協定は米議会の承認後、2024年末までに発効する見込みで、30年間有効。輸出規制下にある米国から他国への核物質、設備、部品の輸出の他、教育・技術移転など、平和利用に限定した協力を可能にする。米国由来の部品や知的財産を含む原子力技術や設計を使用する他国とシンガポールが協力する場合にも必要となる。なお、ASEAN諸国で米国と協定を締結するのは、インドネシア(1981年発効)、ベトナム(2014年発効)の他、フィリピンとは今年7月に発効したばかりである。米国は、過去十年間にわたり、シンガポールによる先進的な原子力技術の安全性及び信頼性への理解促進と能力開発への取組みを支援。2017年以降、米原子力規制委員会(NRC)とシンガポール国家環境庁(NEA)は原子力安全分野で協力しており、今年7月に合同ワークショップを開催している。両国は今後、米国務省が主導する「小型モジュール炉(SMR)の責任ある利用のための基盤インフラ(FIRST)」プログラムなどの能力開発イニシアチブを通じて、SMRのような先進的な原子力技術がエネルギー需要のバランスをとりつつ、気候目標の達成をいかに潜在的に支援できるかについて、よりよく理解するため、民生用原子力協力をさらに強化する意向を示した。本協定締結を受け、ブリンケン国務長官は、「シンガポールはクリーンで安全な原子力の更なる探求に向け、FIRSTプログラムに参加する」と自身のソーシャルメディアに投稿。バラクリシュナン外相は、「シンガポールは原子力導入を決定していないが、決定にあたっては、我々の地域状況における原子力の安全性、信頼性、経済性、環境の持続可能性について詳細な研究が必要」とし、「従来の原子力技術はシンガポールには適さないが、民生用原子力技術の進歩を考えると、いかなるブレークスルーにも後れを取らないようにしなければならない。本協定は、米国の原子力情報や技術的専門知識へのアクセスを容易にし、米国の民生用原子力専門家との交流の深化を可能にする」とその意義を強調した。
- 02 Aug 2024
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