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米オクロ社 アラスカ軍事基地に電力供給へ
米空軍省(DAF)と国防兵站局(DLA)エネルギー部は6月11日、米国で先進炉と燃料リサイクル開発を進めているオクロ社に、アラスカ州アイルソン空軍基地向けに電力と蒸気を供給する、同社の「オーロラ」発電所の配備に向けて、発注意向書(NOITA)を発出したことを明らかにした。オーロラ発電所の配備は、重要な国家安全保障インフラのエネルギーレジリエンスと信頼性の強化を目的とした、DAFのマイクロ炉のパイロットプロジェクトの位置づけ。オクロ社によるとオーロラ発電所は、実証済みの高速炉技術を活用し、電力網から独立して稼働できるため、アイルソン空軍基地のような遠隔地にある重要任務施設のエネルギーセキュリティにとって最適だという。NOITAは、包括的な評価プロセスを経て、オクロ社を再度指定して発出された。DAFが進める「マイクロ炉パイロット・プログラム」に則して、国防総省(DOD)のDLAエネルギー部はDAFとDODを代表して、2023年8月、オクロ社にNOITAを発出。しかし、連邦請求裁判所に提出された事前異議申立通知を受け、米司法省による適正調査と業者選定プロセスの審査が完了するまで、NOITAは撤回されていた。オクロ社は今後の契約条件下で、オーロラ発電所の設計、建設、所有、運営を行うため、米原子力規制委員会(NRC)から認可取得後、DLAと30年間の固定価格による電力購入契約(PPA)の締結に向けた交渉を開始する予定。なお、DAFとNRCは現在、環境影響評価を準備中であるという。オクロ社のJ. デウィットCEOは、NOITAの発出を受け、「重要任務施設にクリーンで安全なエネルギーソリューションを提供する当社の能力に対する継続的な信頼の証。米国が開拓した高速炉技術の価値を実証しながら、国防のレジリエンス目標を支援できることを光栄に思う」とコメントしている。オーロラは、高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)燃料を使用する液体金属高速炉のマイクロ炉で、出力は顧客のニーズに合わせて1.5万kWeと5万kWeのユニットで柔軟に調整。少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能である。オクロ社は、2027年末までに米アイダホ国立研究所(INL)サイト内でオーロラ発電所の導入を目標に、NRCとの間で許認可申請前活動を実施。年内にCOLの申請を予定している。
- 23 Jun 2025
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米国の濃縮プラント拡張 生産開始
英国に本拠地を置く濃縮事業者のウレンコ社は5月19日、米ニューメキシコ州ユーニスにあるウレンコUSA社の濃縮プラントにおいて、拡張プロジェクトの第1段階として増設した新型遠心分離機のカスケードで濃縮ウランの生産を開始した。このカスケードは、2027年初めまでに稼働する予定の複数のカスケードの内、最初のもの。すべてのカスケードが完成すれば、生産能力が約15%増強される。ウレンコUSA社のJ. カークパトリック取締役は、「当社の経験豊富なチームは、濃縮プラントの拡張プロジェクトを引き続き実行し、長期的かつ信頼性の高い濃縮ウランを国内へ供給し、電力会社を支援していく」と述べた。ウレンコUSA社のプラントは、北米で唯一稼働する商業規模の濃縮施設。同社は2010年から米国でウラン濃縮を行っている。同プラントは、米国の重要な戦略資産であり、米国の国家エネルギーインフラと原子燃料サプライチェーンにおいて不可欠な存在。4,400tSWU/年(2024年12月時点)の生産能力により、米国の商業用原子力発電所の濃縮ウラン需要の約1/3をまかなっている。また、これまでに米国の遠心分離機などの製造分野に50億ドル(約7,143億円)以上の投資を行ってきたという。濃縮プラントの拡張の背景には、脱炭素化やロシア製原子燃料への依存の回避、エネルギーセキュリティの強化を要因とする、世界的な原子力発電への評価の高まりを反映した、濃縮役務の需要増がある。ウレンコUSA社は2024年10月、生産能力を約15%増とする約700tSWU/年の拡張プロジェクトを発表。同プラントで、生産能力をさらに10,000tSWU/年規模まで拡張できるスペースとライセンスを有し、市場ニーズに応じて、米国での生産能力をさらに拡大する用意があるとしている。同社は英国、ドイツ、オランダでも濃縮プラントを所有・操業するが、米国のプラントで最初の拡張プロジェクトを実施し、2027年の完成後、国内外向けに供給、燃料サプライチェーンを強化する計画だ。また、ドイツとオランダのプラントを含め、3プロジェクトで合計1,800tSWU/年規模を追加する拡張計画を示している。ウレンコ社の傘下にある、ルイジアナ・エナジー・サービス社は2024年10月、米エネルギー省(DOE)の原子力エネルギー(NE)局により、U235の濃縮度が5~20%の高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)の国内サプライチェーン確立に向け、濃縮役務の提供に係る契約をする国内4社のうちの1社に選定されている。2024年12月には、新たなウラン生産能力の拡大を目的に、低濃縮ウラン (LEU) の調達に係る契約をする6社のうちの1社に選定された。さらに同月、ウレンコUSA社は、米原子力規制委員会(NRC)からU235濃縮度を最大10%に引き上げるライセンス修正が承認されている。NRCの承認により、既存の原子力発電所の燃料交換期間の短縮や、一部の先進炉への燃料供給が可能となる。但し、NRCによるライセンス修正要件の審査の必要があり、今年7月末までに完了予定である。
- 06 Jun 2025
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米大手電力会社とMeta 20年間の電力調達契約を締結
米大手電力会社のコンステレーション社とIT大手のMeta社は6月3日、コンステレーション社がイリノイ州で運転するクリントン原子力発電所(BWR、109.8万kWe)からの電力を20年間購入する電力購入契約(PPA)を締結した。契約額は未公表。本契約は2027年6月に開始され、イリノイ州のゼロ・エミッション・クレジット(ZEC)((クリーンエネルギー発電事業者に対して、その発電した電力量に応じて一定のベネフィットを提供するもの。廃止予定だった原子力発電所の運転延長など、原子力発電もこれに含められるのが一般的である。))プログラム終了後も、同発電所の継続的な運転を支援することになる。同発電所の電気出力を3万kWe増強するとともに、地元では1,100人の高レベルな雇用を維持し、年間1,350万ドルの税収の確保が予想されている。コンステレーション社のJ. ドミンゲスCEOは、「昨年、当社が発表したクレーン・クリーン・エネルギー・センター(スリーマイル・アイランド1号機)の運転再開計画は多くの関心と圧倒的な支持にもかかわらず、重要な問題が見落とされていた。それは、そもそもなぜこのような価値のある発電所を閉鎖してしまったのかということ。閉鎖によって、地域社会の雇用と税収が失われ、大気汚染は拡大、電気料金が上昇した」と述べ、「Meta社はこの重要な問題を提起してくれた。既存発電所の運転期間延長と出力増強への支援は、新たなエネルギー源を見つけることと同じ影響力がある」と契約締結の意義を強調した。Meta社のU. パレク・グローバルエネルギー部門長は、「クリーンで信頼できる電力確保は、当社のAIの野望を前進させ続けるために必要不可欠。クリントン発電所の運転を維持し、エネルギー分野における米国のリーダーシップ強化に向けた重要な要素であると示していきたい」と語った。クリントン原子力発電所(別名:クリントン・クリーン・エネルギー・センター)は、イリノイ州で1987年に運転を開始、最も稼働率の高い原子力発電所の一つであったが、長年にわたる赤字で、運転認可期限である2027年を待たずに、2017年に早期閉鎖が予定されていた。同発電所の閉鎖は、イリノイ州のエネルギー法案である「未来エネルギー雇用法(Future Energy Jobs Act)」の制定によって阻止され、同法により、2027年半ばまで同発電所を財政的に支援するZECプログラムが設立された。今回のPPA契約は、実質的にZECプログラムに代わる市場ベースの解決策であり、料金支払者の追加負担なしに同発電所の長期的な運転を保証することとなる。コンステレーション社は2024年2月、米原子力規制委員会(NRC)に同発電所の20年間の運転期間延長(60年運転)を申請済み。本PPA契約の締結により、20年運転の継続が保証される中、コンステレーション社は同サイトでの改良型原子炉または小型モジュール炉(SMR)の開発に向けて、NRCに既存の事前サイト許可(ESP)の有効期間を延長申請するか、新たな建設許可を求めるか、戦略を検討中である。Meta社は自社データセンターの効率的な運用を最優先し、電力の100%をクリーンで再生可能なエネルギーで賄うとともに、新興のエネルギー技術の研究開発にも取り組んでいる。同社は、AIの進化に伴い、将来の電力需要の増大が予想される中、信頼性が高く安定した供給が可能な電源として原子力の価値を認識。原子力プロジェクトが地域経済を支えるとともに、米国のエネルギーリーダーシップの強化に資するとの考えから、新たな原子力発電の促進にも注力している。その一例としてMeta社は2024年12月初め、合計電気出力100万〜400万kWの原子力発電プロジェクトの早期開発を目的とする事業提案依頼を実施。電力会社、開発者、原子力技術メーカーなど、さまざまな参加者から50を超える提案が寄せられた。提案では、全米20以上の州で多様な技術オプション、取引条件、サイトの提示を受け、原子力開発を迅速に進め、実行可能性が高く、タイムラインの確実性が見込める場所を優先し、複数の州で有力な原子力プロジェクト候補を既に選定済み。現在、最終的な協議を進めており、年内にも完了する見通しだ。この他、Meta社は今年3月、大手IT企業を含む14社による「2050年までの世界の原子力発電設備容量を少なくとも3倍に増やす」という目標を支持する誓約書に署名している。
- 04 Jun 2025
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米ニュースケール社製SMR 増強版で2回目の「標準設計承認」取得
米国のニュースケール・パワー社は5月29日、米原子力規制委員会(NRC)から、同社製の小型モジュール炉(SMR)のニュースケール・パワー・モジュール(PWR型NPM、7.7万kWe)の標準設計承認(SDA)を取得した。NRCに2023年1月にSDAを申請、同7月に受理されていた。ニュースケール社は、米国でSMR設計の設計承認を受けた唯一のSMR開発企業であり、2020年9月のNPM(5万kWe)の設計に対するSDA取得に続き、今回で2回目。今回の7.7万kWe版の承認は、5月28日のNRCスタッフによる最終安全評価報告書(FSER)の発行に基づくもの。出力を増強した7.7万kWe版の設計は、当初、顧客であったユタ州公営共同事業体(UAMPS)が希望する出力レベルに応じて、同NPMを6基搭載した原子力発電設備VOYGR-6(合計出力46.2万kWe)の建設を念頭に置いていたものの、2023年11月に経済性を理由に同建設計画は打ち切りとなっている。今回のSDA発給により、ニュースケール社の独占的なグローバル戦略パートナーで、同社のSMRの商業化、流通、展開の独占権を有するENTRA1エナジー社は、同SMRを内蔵したENTRA1エナジー・プラントにより、オフテイカーや消費者に信頼性の高いカーボンフリーのエネルギーを供給していく計画だ。初号機は2030年までの導入目標としている。7.7万kWe版の設計は、すでに承認された5万kWe版のNPMを部分的にベースにし、運転システムと安全機能において、対流や重力などの自然の受動的安全機能を継続して採用。固有の安全性能により異常な状況下で原子炉を自動停止し、人の介入や追加の注水、外部からの電力供給なしで原子炉の冷却が可能である。また、出力増強とモジュール数の調整により増加する容量ニーズに対応、プラントの建設と運用の全体的な経済性も向上している。当初は今夏の終わりに承認される予定だったが、NRCの審査プロセスが早期に完了した。なお、ニュースケール社は2016年12月に5万kWe版の設計認証(DC)審査をNRCに申請しており、2017年3月にNRCは受理。その後、米国内で建設可能な標準設計の一つとして認証適用するための規制手続き「最終規則」の策定の完了を受け、2023年1月にSMRとしては初となるDCが発給された。DCの発給により、今後、建設運転一括認可(COL)や建設許可の申請(CPA)において設計に関する審査を受ける必要がなくなるため、審査の大幅な合理化が期待される。米エネルギー省(DOE)はこれまで、ニュースケール社のSMRプラント設計と許認可取得活動に5.75億ドル(約825億円)以上を支援しているという。ニュースケール社のJ. ホプキンスCEOは、「今回のSDA発給は、ニュースケール社だけでなく、業界全体にとって歴史的な出来事。当社は10年以上にわたり、厳格な安全基準で国内外に認められるNRCと設計承認に向けて協力してきた。当社はENTRA1社と、クリーンで信頼性が高く、安全なエネルギーをオフテイカーと消費者に幅広く供給していく」と語った。ニュースケール社のSMRはモジュール統合型のPWRで、7.7万kWの電力、25万kWの熱を生成するNPMを最大12基連結。顧客のニーズに合わせて柔軟に拡張可能である。発電、地域暖房、海水淡水化、商業規模の水素製造、その他のプロセス熱として供給し、世界中の多様な顧客にサービスを提供する体制を整えているという。ニュースケール社は現在、ルーマニアのロパワー・ニュークリア(RoPower Nuclear)社が計画する、NPM(7.7万kWe)を6基備えた合計出力46.2万kWeのSMRプラントの基本設計(FEED)作業を実施中。また製造パートナーである韓国の斗山エナビリティ社と協力して12基のNPMを製造中で、受注の拡大を目指している。
- 02 Jun 2025
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IT企業が約3,000万kWの原子力導入にコミット 米NEI理事長が明言(前編)
米原子力エネルギー協会(NEI)のM.コースニック理事長は5月20日、会員企業やその他の原子力関係者らを招いて毎年開催している「Nuclear Energy Policy Forum」で、原子力産業界の現状に関する講演を行った。同理事長によると、AIやデータセンターからの急速な電力需要増を背景に、大手IT企業が全米で約3,000万kWの原子力導入にコミットしており、その規模は今後さらに拡大する見通しだ。また、連邦政府の原子力支援策が後押しとなり、2024年の原子力分野における民間取引額は、過去4年間の合計額を上回ったという。一方で、原子力発電の維持・拡大には、政策支援の継続が不可欠だと強調。なかでも、原子力税額控除(nuclear tax credits)が維持されなければ、原子力の展開は大幅に減速し、あるいは計画そのものが方向転換を迫られる可能性があると警鐘を鳴らした。同理事長の講演概要は、以下のとおり。♢ ♢この20年間、電力需要は停滞していたが、今、状況は変わりつつある。米国の製造業やイノベーション、人工知能、あらゆる分野でより多くの電力が求められている。AI競争を勝ち抜くうえで必要な大規模データセンターには、来年末までに2,800万kW規模の電力が必要だ。原子力産業界は、これまでの漸進的な成長から、信じられないほどの成長へと転じようとしている。原子力への超党派による支援も続いている。C. ライト米エネルギー省(DOE)長官は、就任わずか3日目に「商業用原子力発電を解き放つ(unleash commercial nuclear power)」という長官命令に署名。これは現政権が、原子力エネルギーの価値を、セキュアで強靭、安価かつ豊富で、今後ますますクリーンなエネルギーシステムの一部として、認識していることの証左だ。原子力産業界も準備を整えている。TVA(テネシー峡谷開発公社)は今朝、GEベルノバ日立社製小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」の建設許可申請書を提出した。また、ベクテル社、デューク・エナジー社、GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社を含むパートナー連合とともに、DOEによる8億ドルの助成金を申請している。ドミニオン・エナジー社は昨年、ノースアナ原子力発電所(PWR、100万kW級×2基)の運転期間延長(80年運転)の認可を取得。加えて、IT大手アマゾンと連携し、SMRの活用に向けた検討を進めている。エンタジー社は、急増する産業部門の電力需要に対応すべく、新設および出力増強を検討中であり、同社は、ミシシッピー州に新たな原子炉建設のための事前サイト許可(ESP)を取得している。コンステレーション社は昨年、マイクロソフトと提携し、かつて運転していたスリーマイルアイランド(TMI)1号機を「クレーン・クリーンエネルギーセンター」として再稼働させる計画を発表した。IT大手では、グーグル、メタ、アマゾンが、世界の大手金融機関14社とともに、2050年までに世界の原子力発電設備容量を3倍にすることを誓約した。これまでに、グーグルはケイロス・パワー社と500万kW相当の電力購入契約を締結。アマゾンは、X-エナジー社への5億ドルの投資を主導し、500万kWの原子力導入をめざしている。メタも、400万kW分の原子力による電力調達をめざし、提案依頼書(RFP)を発行している。さらに今月には、エレメントル・パワー社は、先進型原子炉の3つのプロジェクトサイトを開発する契約をグーグルと締結した。このように、IT企業と原子力事業者による新たなパートナーシップは、全米で約3,000万kWの原子力導入に向けたコミットメントとなっており、その規模は今後も拡大していく見込みだ。原子力分野への投資熱も高まっている。NEIが毎年開催する資金調達サミットには、今年は3年前の第1回開催時の2倍の参加者が集結。さらに、2024年の原子力分野における民間部門の取引額は、過去4年間の合計を上回る水準となった。こうした民間投資の増加は、公的支援の強化と軌を一にしている。米議会は昨年、ロシア依存の低減をめざし、国内燃料サプライチェーンの強化を目的に約30億ドル、また次世代原子炉の実証支援向けに約10億ドルを拠出。加えて、許認可審査の効率化を含む、クリーンエネルギーの多用途かつ先進的な原子力展開の加速化法(ADVANCE法)も可決した。連邦政府による原子力支援策として、先進的原子炉実証プログラム(ARDP)や融資プログラム局(LPO)、そして原子力税額控除などがある。これらの政策は、原子力発電の維持・拡大に不可欠であり、今後も維持されるべきである。中でも、原子力税額控除は、良質な雇用、コミュニティの繁栄、そして国家安全保障を支えている。もし議会がこの税制措置を維持できなければ、原子力の展開は大幅に減速するか、あるいは完全に方向転換を余儀なくされる可能性がある。これは、米国の未来を前進させるうえで絶対に避けなければならない。ADVANCE法は、原子力規制委員会(NRC)に対して、安全性を確保しつつ、審査プロセスの効率性も重視するよう求めるもの。NRCは昨年、2021年以来初となる第2回目の運転認可更新(subsequent license renewals)を承認した。対象となったのは、エクセル・エナジー社のモンティセロ原子力発電所(BWR, 69.1万kW)であり、当初24,000時間を要すると予想されていた審査時間は、最終的に16,000時間で完了。審査時間は3分の1に短縮された。このような効率性は、例外ではなく、ルールとする必要がある。州レベルでも支援が拡大している。―テネシー州では、ケイロス・パワー社が2基の新実証炉のうちの1基を建設中。―ワイオミング州では、テラパワー社が同州で最初の商業用原子炉を建設中。―コロラド州は、原子力をクリーンエネルギーと認める法案を可決。―テキサス州は、全米最大規模となる可能性のある、原子力エネルギー基金(Nuclear Energy Fund)を創設中。―アイダホ州では、国防総省(DOD)が国内初のマイクロ原子炉の一基を建設中。(つづく)
- 27 May 2025
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米大統領令 新設の促進やNRC改革を指示
米トランプ大統領は5月23日、原子力エネルギー政策に対する連邦政府のアプローチの再構築を目的とした一連の大統領令に署名した。人工知能(AI)産業、製造業、量子コンピューティングなどの最先端のエネルギー集約型産業での電力需要増に対し、豊富で信頼性のある電力を供給するのがねらい。エネルギー安全保障を確保するとともに、米国の原子力業界の世界的な競争力維持と国家安全保障の強化のため、2050年までに原子力発電設備容量を現在の約1億kWeから4倍の4億kWeとし、このために必要となる原子力の規制緩和を迅速に行う方針だ。具体的には、第3世代+(プラス)炉や先進炉の展開の促進、既存の原子力施設の継続的な運用と適切な拡大を促進しつつ、時期尚早に閉鎖された、または部分的に完成している原子力施設の再活性化を掲げている。そのため米エネルギー省(DOE)が原子力産業界と協業して、2030年までに既存の原子力施設の設備容量を500万kWe増強するほか、新規の大型炉10基の建設に着手することを、DOEの優先作業に設定している。ホワイトハウスで23日に行われた署名式には、国家エネルギードミナンス(支配)評議会の議長を務めるD. バーガム内務長官やP. ヘグセス国防長官のほか、原子力業界の幹部も同席。バーガム長官は「一連の大統領令が、50年以上続いた原子力業界に対する過剰な規制の時計の針を巻き戻す」「米国の電力需要が急増する中、既存の原子力フリートを拡大し、先進炉への投資により、信頼性の高い電力を供給、電力網を強化して、米国のエネルギードミナンスを拡大する」と強調した。なお、一連の大統領令は以下の4つに関するもの。原子力産業基盤の再活性化エネルギー省における原子炉試験の改革原子力規制委員会の改革国家安全保障強化のための先進的原子炉技術の導入C.ライトDOE長官は、「あまりにも長い間、米国の原子力産業は、お役所仕事や時代遅れの政府の政策によって妨げられてきた。AIの出現と大統領の国内製造業強化政策によって、米国の民生用原子力エネルギーは絶好のタイミングで解き放たれている。原子力は、米国にとって最大の追加エネルギー源となる可能性を秘めており、さまざまな規模で運用が可能だ。大統領令は、民生用原子力産業の束縛を解き放つものだ」と語った。ホワイトハウス科学技術局のM. クラツィオス局長は、「過去30年間、原子炉の新設がなかったが、それも今日で終わる。今回の大統領令は、ここ数十年で最も重要な原子力規制改革にむけた措置。強固な米国の原子力産業基盤を回復し、国内の原子燃料サプライチェーンを再構築し、米国が世界の原子力エネルギーを牽引していく。米国のエネルギー安全保障と、AIやその他の新興技術における継続的な優位性にとって重要である」と述べた。大統領令は、DOE傘下の国立研究所における原子炉の設計試験の申請とレビュープロセスの合理化により、迅速な原子炉の商業化を促している。また、国防総省やDOEが、軍事施設や連邦所有地で先進炉の建設にあたり、テストを通して実証された原子炉設計については、原子力規制委員会(NRC)が迅速に承認するなどの規制緩和も示している。AIデータセンターや重要な防衛施設に対する、安全で信頼性の高い原子力による電力供給確保は、AIをめぐる世界的競争、ひいては国家安全保障において不可欠との認識もある。さらにDOEに対し、原子燃料の海外依存を回避するため、国内のウラン採掘と転換・濃縮能力の拡大計画や国内燃料サイクルの強化にむけた勧告を指示するほか、原子力拡大政策を支える労働力の拡大、NRCの改革の必要性を示している。特にNRCに対しては、許認可申請の迅速な処理と革新的な技術の採用を促進するため、政府効率化省との協業によるNRCの再編成、さらに民生用原子力発電の認可と規制に際し、安全性、健康、環境要因に関する従来の懸念のみならず、原子力発電が米国の経済と国家安全保障にもたらす利益を考慮するよう指示。NRCにタイムリーな許認可を出すように要求することで規制上の障壁を取り除きたい考えだ。新規炉は原子炉の種類に関わらず、建設と運転の認可プロセスの簡素化により、数年かかる審査プロセスを18か月に短縮、既設炉の運転期間延長の最終決定は1年以内と期限を定めるなど、許認可の迅速化を指示している。
- 26 May 2025
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Natrium初号機 エネルギー・アイランドに例外措置
米国の原子力開発ベンチャー企業であるテラパワー社は5月8日、ワイオミング州ケンメラーで自社が開発するNatrium炉について、米原子力規制委員会(NRC)がプロジェクト全体の建設許可申請の審査を継続する一方で、同社による「エネルギー・アイランド」の建設を可能にする例外措置を認めたことを明らかにした。テラパワー社のC. レベスクCEOは、「当社のNatrium炉の設計は、原子炉を発電設備から切り離す革新的なもの。今回のNRCの承認により、建設スケジュールの短縮と材料費の削減が可能になる。Natrium炉は増大するエネルギー需要に対応するために最速で展開でき、最も費用対効果の高いソリューションの1つだ。原子力部の建設許可申請でNRCと引き続き協力していく」と語った。この例外措置の承認は、2024年9月のテラパワー社からの要請による。エネルギー・アイランド内の特別な取り扱いを必要としない、安全関連以外のすべての「構造物、システム、および部品」(SSC=Structures, Systems, and Components)を、連邦規則にある「建設」の適用範囲の定義から除外するもの。その後、NRCとテラパワー社間で協議が重ねられ、NRCはNatrium炉のエネルギー・アイランドでの特定の活動は、公衆の健康と安全に過度のリスクをもたらすものではないと結論。掘削中の杭の打ち込み、地下準備、埋め戻し、コンクリートまたは擁壁の設置や、基礎の設置、または特別な取扱いを必要としないSSCの現場組立、架設、製造、または試験を進めることを認めた。なお、NRCはこの例外措置は最終的な原子炉の建設許可の発給を約束するものでないとし、テラパワー社も建設許可が後に却下される可能性を考慮して、SSCの設置をしていくとしている。テラパワー社は、2024年3月にはNRCに建設許可申請(CPA)を行った。NRCとの間ではCPAおよびトピックレポートの提出に関して1年以上にわたるレビューが行われ、NRCは最近、レビューのスケジュールを前倒ししている。また、初号機建設サイトのある米ワイオミング州からは州レベルの建設許可を得ており、2024年6月に起工式を挙行、非原子力部の建設工事を開始した。「ニュークリア・アイランド」(原子力部)の着工は早くて2026年、送電開始は2030年を予定している。Natrium炉は、熔融塩ベースのエネルギー貯蔵システムを備えた34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉。貯蔵技術は、必要に応じてシステムの出力を50万kWeに増強し、5時間半以上を維持することができる。これにより、Natrium炉は再生可能エネルギーとシームレスに統合され、テラパワー社はより迅速に費用対効果の高い電力網の脱炭素化を実現させたい考えだ。
- 26 May 2025
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TVAがBWRX-300の建設許可を申請 米国初
米テネシー峡谷開発公社(TVA)は5月20日、米原子力規制委員会(NRC)に、テネシー州オークリッジ近郊の同社クリンチリバー・サイトでの、小型モジュール炉(SMR)の建設許可を申請(CPA)した。GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社製のBWRX-300(BWR、30万kWe)を採用している。今回のBWRX-300のCPAは米国初となる。北米ではカナダのオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社によるカナダ原子力安全委員会(CNSC)へのCPAに続き、2番目(OPG社は建設許可をすでに取得済み)。TVAは同サイトにBWRX-300×1基を建設し、人工知能(AI)、量子コンピューティングなどに特化した電力供給を狙っている。TVAのD. モールCEOは、「今回のCPAは、TVA、テネシー州、米国にとって重要なマイルストーン。当社はBWRX-300初号機の導入に向けた作業を実施、SMR導入に伴うリスクを軽減し、同炉型の建設を選択する他の電力会社のために道筋を作る。新型炉の導入は、今後数十年にわたって米国の家庭や企業に手頃な価格で安定した電力を供給するために不可欠」と述べた。TVAはBWRX-300の安全性、シリーズ建設の容易性、効率性を利点に掲げる。また、設置面積が小さいために迅速に建設でき、かつコンパクトなサイズのため、操作が簡単で、景観によくフィットすると指摘している。TVAはクリンチリバー・サイトについて2019年12月、米原子力規制委員会(NRC)より、SMR建設用地として事前サイト許可(ESP)を取得済み。TVAは合計電気出力が80万kWを超えない2基以上のSMRを同サイトで建設することを想定し、2016年5月にNRCにESPを申請していた。またTVAは、GEH社のBWRX-300がSMRの中でも最も実現性が高いと判断。2022年8月にGEH社とクリンチリバー・サイトでBWRX-300を建設するための計画策定と予備的許認可で協力する契約を締結した。さらに2023年3月、BWRX-300の建設を計画するカナダのOPG社、ポーランドのシントス・グリーン・エナジー社とともに、GEH社が世界中で同炉の建設プロジェクトを円滑に進められるよう、BWRX-300の標準設計を開発することで合意、GEH社と3事業者間で技術協力契約を締結している。またTVAは今年1月、ベクテル社、BWXテクノロジーズ社、デューク・エナジー社、電力研究所(EPRI)、GEH社、アメリカン・エレクトリック・パワー社(AEP)傘下のインディアナ・ミシガン・パワー社、サージェント&ランディ社などの公益事業会社とサプライチェーンパートナーとの連合を結成、米エネルギー省(DOE)の第3世代+(プラス)小型モジュール炉プログラムから8億ドルの助成金の申請を主導している。同プログラムは、米国内の原子力産業を強化し、米国初のSMR導入への支援、先進原子力技術のサプライチェーンの確立を目的に創設されたもの。この申請とは別にTVAは4月初め、DOEによるNRCとのライセンス活動の支援プログラムに800万ドルの助成の申請も行っている。TVAはCPAに先立ち、クリンチリバー・サイトの環境報告書を4月末にNRCに提出。初期のサイト準備は早ければ2026年にも開始。2028年には着工、2032年末には営業運転を開始したい考えだ。今年1月、GEH社はデューク・エナジー社とBWRX-300の標準設計ならびに許認可の推進に向けた活動に投資する契約を締結。AEP社傘下のインディアナ・ミシガン・パワー社もインディアナ州スペンサー郡で運転するロックポート石炭火力発電所サイト内に、TVA主導のDOE助成プログラムを活用してBWRX-300を建設する計画を表明している。
- 22 May 2025
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米国 オコニー1~3号機も80年運転承認
米原子力規制委員会(NRC)は3月31日、デューク・エナジー社がサウスカロライナ州で運転するオコニー1、2、3号機(PWR、各90万kW級)に対して、2回目となる運転期間延長を承認した。これにより3基は、80年運転が可能となる。 NRCは2021年6月、デューク社による運転期間延長の申請を受理。審査手続きの一環として、NRCは2022年12月に安全評価報告書(SER)を完成。2025年2月に環境影響評価書(EIS)の最終版を公表し、「20年間の運転期間延長を妨げるような環境への悪影響はない」と結論づけた。NRCの原子力安全許認可会議(ASLB)も2025年1月、延長申請に関する裁定手続きを終了し、「解決のために残された争点はない」としている。 オコニー発電所は、1、2号機が1973年に、3号機が1974年に送電を開始し、2000年に当初の運転期間である40年間に加え、20年間の運転期間延長が認められ、現行の運転認可はそれぞれ2033年、2034年まで有効であった。デューク社は、オコニー発電所のメンテナンスとアップグレードに多額の投資を行い、原子炉容器のベッセルヘッド、蒸気発生器、タービン、変圧器、ポンプ、バルブなどの機器交換を含む、バックフィット作業を行った。今回さらに20年の運転期間延長が認められたことから、それぞれ運転期間は80年となり、1号機は2053年2月、2号機は2053年10月、3号機は2054年7月まで運転することが可能となった。米国で80年の運転期間が認可された原子炉は、これで計12基となった。 デューク社は、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州において、計6サイト・11基の原子力発電所を所有し、両州の消費電力の50%以上を供給している。すでに、全11基は最初の運転期間延長の認可済みであり、同社はさらなる運転期間の延長を目指している。うち、オコニー発電所は、2度目の運転期間延長の認可を受けた、同社初の発電所。同社は今年4月には、サウスカロライナ州にあるロビンソン発電所(PWR、78万kW)についても2度目の運転期間延長の申請をする予定である。 同社のK. ヘンダーソン原子力部門責任者は、「オコニー発電所の運転期間延長は重要なマイルストーンであり、当社の他の発電所の延長申請において重要な教訓となる」「バックフィット作業の実施、よりクリーンな技術への投資を通じ、原子力は当社の発電ポートフォリオの柱であり続ける」と語った。 サウスカロライナ州のH. マクマスター知事も、今回の80年運転の認可を受け、「手頃な価格で信頼できるエネルギーは、サウスカロライナ州の継続的な経済的繁栄のカギであり、エネルギーの未来を形作る中で、原子力は重要な役割を果たす」とその意義を強調した。
- 03 Apr 2025
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米NRC WE社製マイクロ炉のPDCを承認
米ウェスチングハウス(WE)社は3月31日、米原子力規制委員会(NRC)がWE社製のマイクロ炉eVinciの基本設計基準(PDC)トピカルレポートを承認したことを明らかにした。WE社は、PDC承認を許認可手続きの上で、重要なマイルストーンの達成と捉えている。 PDCは原子炉の設計ベース、すなわち原子炉の構造、システム、および構成要素の各部分がどのように機能するかを定義し、原子炉設計がNRC規則にある設計基準に適合することを保証するもの。トピカルレポートとは、NRCが承認する、特定の技術的課題や安全設計基準などを詳細に説明した報告書である。WE社は、今回のPDC承認により、eVinciを導入するための許認可取得の明確な道筋が示されたとし、顧客による許認可取得手続きの簡素化および合理化に期待を寄せている。 WE社傘下のeVinciテクノロジー社のJ. ボール社長は、「PDC承認により、当社の顧客はeVinciが非常に合理化され、反復可能な方法で導入に向けた許認可を取得できるという確信を持てる」「eVinciの小型かつ輸送可能という特長を生かし、必要な時に必要な場所へ迅速に展開でき、競争力のあるコストで、かつレジリエントな電力供給を実現する」と強調している。 eVinciは熱出力1.5万kW、電気出力0.5万kWのヒートパイプ冷却の可搬式原子炉で、軽水炉のような冷却ポンプは不要。燃料交換なしで8年以上にわたり電力の安定供給が可能だ。工場で製造・組立してから設置場所に輸送される。
- 02 Apr 2025
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米テキサス州でXe-100の建設許可を申請
米国の大手化学メーカーであるダウ(Dow)社とX-エナジー社は3月31日、テキサス州シードリフトで計画されているX-エナジー社製SMRの高温ガス炉(HTGR)「Xe-100」(電気出力8万kW)を採用する発電所の建設許可を米原子力規制委員会(NRC)に申請したことを明らかにした。 ダウ社が提案する先進炉プロジェクトは、同社の完全子会社であるLong Mott Energy社が開発。ダウ社のテキサス州メキシコ湾沿いに位置するシードリフトの製造サイトに、運転期間満了間近の既存の発電・蒸気設備に替わる、安全かつ信頼性が高く、クリーンな電力と産業用蒸気を供給する発電所を設置する。本プロジェクトは、米エネルギー省(DOE)が先進炉の展開の加速を目的として開始した、先進的原子炉実証プログラム(ARDP)の中で、5~7年以内に実証(運転)を目指し、支援対象に選定した二つの設計のうちの一つである。 2018年以降、X-エナジー社、続いてダウ社は、高度な燃料設計、受動的安全機能、最先端の分析技術を通じて、Xe-100の安全性を実証し、広範な許認可申請前活動を通じてNRCと協力してきた。建設許可の承認は、最大30か月かかると予想。ダウ社は許可を取得後、財務上のリターン目標を達成しつつ、プロジェクトの遂行能力を確認できれば、建設を開始するとしている。本プロジェクトが実現すれば、2020年代後半に建設を開始、2030年代初めに稼働し、北米の産業施設に配備される最初のグリッド規模の先進炉になると期待されている。X-エナジー社のJ. セルCEOは、「今回の建設許可申請は、米国を先進炉の商業化の最前線に位置づけるという議会とDOEのビジョンを実現するための重要なステップである」「世界クラスのダウ社とともに、テキサス州シードリフトで展開される先進炉を迅速かつ効率的に複製して、全米の驚異的な電力需要の増加への対応を実証する」と意欲を示した。 X-エナジー社は、Xe-100およびTRISO-X燃料製造施設の開発、許認可取得手続き、建設活動が2020年10月にDOEのARDPの支援対象に選定後、Xe-100のエンジニアリングと予備設計を完了、テネシー州オークリッジにおけるTRISO-X燃料製造施設の開発と許認可手続きを開始し、その技術の商業化に向け民間から、約11億ドル(約1,648億円)を調達している。 ダウ社のシードリフト・サイトは、約19㎢の広さを有し、食品の包装と保存、履物、ワイヤーとケーブルの絶縁、太陽電池膜、医療および医薬品の包装など、幅広い用途で使用される材料を製造している。
- 02 Apr 2025
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オランダ 米製SMRの燃料・材料試験を実施へ
オランダの原子力研究機関のNRGパラス(Nuclear Research and consultancy Group PALLAS)は3月20日、米ケイロス・パワー(Kairos Power)社と、ケイロス社が開発する小型モジュール炉(SMR)で使用される燃料と材料を評価する試験契約を締結した。ケイロス社は2024年10月、米IT企業大手Google社と、ケイロス社が開発する先進炉を複数基、合計出力にして最大50万kWeを2035年までに導入し、Google社のデータセンターに電力を供給する、電力購入契約(PPA)を締結している。そのため、ケイロス社は開発中の第4世代SMRであるフッ化物塩冷却高温炉 (KP-FHR、熱出力32万kW、電気出力14万kW)の商業化に向けて、オランダ・ペッテンにあるNRGの高中性子束炉(HFR)での燃料照射プログラムを通じて、燃料および材料の照射試験を行い、米原子力規制委員会(NRC)に対して、燃料の安全性を実証したい考えだ。また、ケイロス社がNRGと協力して実施する黒鉛照射試験は、KP-FHR炉心で使用される黒鉛反射体構造の高レベルの中性子曝露に対する安全限界を実証するもの。照射後特性は、NRCの許認可において重要な指標となり、原子炉技術の安全性を示すものとなる。原子炉容器と構造部材に使用されるステンレス鋼材料の照射試験も実施し、安全性と設計限界を実証することで、ケイロス社の許認可活動を支援するという。なお、NRCはケイロス社の実証炉「ヘルメス」と後継の「ヘルメス 2」の建設許可をすでに発給しており、ケイロス社は、これらヘルメス炉から学んだ教訓を基に、2030年までにGoogle社向けの商用フリートに初号機を配備、稼働させる計画である。ケイロス社のM. ハケット燃料・資材担当副社長は、「当社の原子炉技術を進歩させるために、正確で信頼性の高い照射性能データに依存している。優れた照射データの作成に長年の実績のあるNRGは、Google社や将来の他クライアントとのコストやスケジュール面でのコミットメントの達成を支援する、信頼できるパートナーである」と語った。
- 28 Mar 2025
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米国 テキサス州に30基のマイクロ炉建設を計画
米国のマイクロ炉開発企業のラスト・エナジー社は2月28日、テキサス州北西部のハスケル郡に30基のマイクロ炉を建設し、同州内のデータセンター顧客向けに電力供給する計画を発表した。同社は、取得した200エーカー(約0.8㎢)の用地にマイクロ炉を建設し、私設電線と送電網を組合わせて電力を供給する。同社はすでにデータセンターの需要増大に応え、テキサス州の独立系統運用者であるERCOTに送電網への接続を申請しており、米原子力規制委員会(NRC)に事前サイト許可(ESP)を申請する準備を進めている。テキサス州のG. アボット知事は、「テキサスは米国のエネルギーの中心地であり、先進的な原子力発電でNo.1を目指している」「ハスケル郡におけるラスト・エナジー社のマイクロ炉プロジェクトは、州の増大するデータセンター需要に応えるもの」と指摘。ラスト・エナジー社創設者兼CEOは、「当社のマイクロ炉『PWR-20』(2万kWe)は、ユーザーの需要に合わせて出力を拡張できる上に、発電所モジュールはオフサイトで大量製造、簡単に組立てが可能。設置場所の柔軟性を考慮して設計されており、迅速に需要を満たす最善の方法」と強調した。同社は、テキサス州全体での原子力展開の加速を目指す、テキサス原子力アライアンスの創設メンバーでもある。ラスト・エナジー社の既存の商業契約では、欧州全域に80基以上のマイクロ炉の納入を計画するが、そのうち半分はデータセンター向けだという。テキサス州には現在、340を超えるデータセンターがあり、約800万kWの電力を消費し、テキサス州の全電力需要の9%を占める。さらに、2029年までに同州のダラス・フォートワース地域だけでも、主にデータセンターによる4,300万kWの需要増が予測されている。同社はテキサス州でのサイトの開発に加えて、ユタ州でのプロジェクトを模索している。なおラスト・エナジー社は2月17日、英原子力規制庁(ONR)が同社の英国の南ウェールズにおけるマイクロ炉4基建設プロジェクトの原子力サイト許可(NSL)の正式手続き入りしたことを確認したと明らかにした。同社は2024年5月以降、ONRとの許認可申請前活動を行っていた。同社は2024年10月、1951年から1977年まで稼働していた南ウェールズのスリンビ(Llynfi)石炭火力発電所の跡地に、マイクロ炉4基の建設計画を発表。2027年に初号機の建設完了を目指している。同年12月、米輸出入銀行(US EXIM)はラスト・エナジー社による南ウェールズでの建設プロジェクト向けに、1.037億ドル(約156億円)を融資する意向表明書(LOI)を発行した。NSLの正式手続き入りは、2月6日にK. スターマー首相が原子力計画の合理化、導入加速のために導入した、一連の画期的な規制緩和の方針を反映している。これにより、マイクロ炉が計画規則に含まれるようになり、立地適格性が劇的に拡大、「イングランドとウェールズのどこでも」導入が可能となった。本プロジェクトにおけるNSLの取得は、1978年のスコットランドのトーネス原子力発電所以来となる。それ以来、英国ではすべて既存または過去に原子力発電所があった場所、またはそれに隣接した場所に設置されていた。
- 03 Mar 2025
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米国 アリゾナ州で新規建設案が浮上
米アリゾナ州のアリゾナ・パブリック・サービス(APS)社は2月5日、同州にある他電力会社2社と、州内において原子力発電の追加導入を検討すると発表した。APS社はアリゾナ州最大の電力会社。石炭火力発電所の他、州都フェニックス市の西に位置するパロベルデ原子力発電所(PWR×3基、各141.4万kWe)を1986年から運転している。同州のソルト・リバー・プロジェクト(SRP)社、ツーソン電力(TEP)社とともに、同州の増大するエネルギー需要に対応するため、先進的な原子炉の導入可能性評価に共通の関心を持っている。APS社はSRP社およびTEP社と協力して、原子力発電所の新規建設を検討し、閉鎖予定の石炭火力発電所を含む、幅広い候補地を評価する取組みを主導する。3社は、原子力は信頼性が高く、安価でクリーンなエネルギーであり、経済成長に貢献する、多様なエネルギーミックスの重要な構成要素であるとの認識で一致している。APS社のT. ゲイスラー社長は、「アリゾナ州のエネルギー需要が急激に増大する中、原子力発電所の新規建設には10年以上かかる。エネルギー源の選択肢の検討を今すぐ始めなければならない。他のエネルギー源とともに新たな原子力発電の実現可能性を評価していく」と語った。3社は追加の原子力発電所として、小型モジュール炉(SMR)と、可能であれば大型炉の設置を検討している。アリゾナ州で建設候補地の予備調査を開始するにあたり、すでに米エネルギー省(DOE)のクリーンエネルギー実証局(OCED)および原子力エネルギー局(NE)による第3世代+(プラス)小型モジュール炉プログラム下の助成金を申請している。助成が承認されれば、3年間のサイト選定プロセスと、米原子力規制委員会(NRC)への事前サイト許可(ESP)申請に向けた準備が加速されることになる。3社は共同作業により、早ければ2020年代遅くにサイトを選定、2040年代初めには追加の原子力発電所の運転開始を計画している。
- 17 Feb 2025
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米国 DOE長官にライト氏
米上院は2月3日、C. ライト氏の第17代エネルギー省(DOE)長官就任を承認した。賛成59票、反対38票、棄権3票だった。ライト長官は、長官就任後に声明を発表。「トランプ大統領は、アメリカのエネルギー支配を回復するための大胆で野心的なアジェンダを示した。このビジョンの重要な要素は、米国がエネルギー開発とイノベーションにおいて世界をリードすること。DOEは、官僚的な形式主義を排除、常識的な解決策を優先し、米国人の創意工夫を育てることによって、これらの目標を達成していく」「米国民の増大するエネルギー需要を満たすため、米国の潤沢なエネルギー資源を開発し、グローバル・パートナーシップを強化し、新技術を進歩させることによって、エネルギーにおけるリーダーシップを強化する」「アメリカのエネルギーを解き放ち、人々の生活を向上させる」と抱負を語った。長官就任前の1月15日、上院のエネルギー・天然資源委員会でC. ライト長官候補に対する公聴会が開催された際に同氏は、「私の人生の情熱は、人々の生活をより良くすることであり、人々を貧困から救い出すためのエネルギー源に私のキャリアのすべてを費やしてきた。トランプ(次期)大統領はエネルギーに対する私の情熱を共有しており、長官として、手頃な価格で、信頼性が高く、安全なあらゆる形態の米国のエネルギーを活用して、彼の大胆な政策を断固として実施するために尽力する」と宣言。「エネルギーの優位性を回復するために、国内外で米国のエネルギーを解き放つ」「技術革新で世界をリードし、国際競争に勝つため商業用原子力や液化天然ガスを含むエネルギー生産を拡大し、エネルギーコストを削減していく」「そのためには、官僚主義の排除、民間投資の促進、家庭や企業にとってエネルギーをより手頃な価格にするために必要なインフラの構築を優先し、その際に障壁となる許認可プロセスを見直していく」と強調していた。なお同氏は、米国の長期的競争力の確保、エネルギー自立、および国家安全保障のために、原子力エネルギーと先進的原子力ソリューションの研究や新規原子力発電所の建設は不可欠と強調。データセンターや人工知能による電力需要が急増する中、原子力のような大規模なベースロード電源はエネルギー需要を満たし、重要な役割を果たすと指摘。その上で、DOEの先進原子炉実証プログラム(ARDP)の目標と、海外の敵対国の影響力増大に対抗する国内での濃縮ウラン生産の増強やHALEU燃料供給に係わる取組みを支持すると述べた。気候変動問題については、現実的かつ地球規模の課題であるとの認識を示し、異常気象に対処するための最善の道は、低コストで信頼性があり、安全な低炭素エネルギーを提供できるエネルギー技術を大幅に改良することであり、DOE傘下の国立研究所や民間セクターによる最先端の研究によって推進される絶え間ないイノベーションが必要と訴えた。ライト長官は、自らを科学オタク、技術オタク、生涯エネルギー起業家と紹介。マサチューセッツ工科大学で核融合を学び、カリフォルニア大学バークレー校の大学院で太陽エネルギーとパワーエレクトロニクスを研究したという。2011年にリバティ・エナジー社を創設し、石油、天然ガス、次世代地熱発電に取組み、次世代原子力エネルギーおよび新バッテリー技術の分野でも業務提携の経験を有する。マイクロ炉「オーロラ」と燃料リサイクル開発を進めるオクロ社の取締役も務めた。長官就任を機にこれら民間企業の職は辞すという。なお上院は1月30日、D. バーガム氏の内務長官就任を承認した。同氏は、トランプ大統領にエネルギー政策の司令塔として新設された「国家エネルギー評議会(NEC)」の議長に昨年11月に指名されている。また、トランプ大統領は1月20日、D. ライト氏を米原子力規制委員会(NRC)の委員長に指名した。トランプ大統領は、バイデン前政権が進めた気候変動対策の重視から、化石燃料の積極開発へとエネルギー政策を大転換。大統領就任初日の1月20日に発令した多くの大統領令のうち、エネルギーや気候変動問題に関連するものでは、国内のエネルギー生産の増加と気候・環境規制の縮小の方針が示された。 「国際環境協定における米国第一主義」と題する大統領令では、気候変動に関する国際連合枠組条約に基づくパリ協定からの米国の再離脱を指示。米政権は1月27日に国連に通知しており、1年後に正式脱退となる。このほか、グリーン・ニューディールの終了と称し、気候危機への取組みに係る前政権の多くの大統領令や規制措置の撤回や改訂がなされ、2022年インフレ削減法のエネルギーインフラ規定の実施もその対象となっている。
- 05 Feb 2025
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米国 閉鎖したデュアン・アーノルドの運転再開を申請
米大手電力会社でフロリダ州に本拠地のあるネクストエラ・エナジー社は1月24日、2024年第4四半期の決算説明会の中で、経済性を理由に永久閉鎖したデュアン・アーノルド原子力発電所(BWR、62.4万kWe)の運転再開に向けて、米原子力規制委員会(NRC)に許認可の変更を要請したことを明らかにした。同発電所は保存状態も良好で、運転許可が復活すれば、早ければ2028年末に運転を再開できるとしている。なお同説明会の中で、J. ケッチャムCEOは、小型モジュール炉(SMR)の導入可能性についても言及。社内でSMRに特化したチームを立ち上げたが、SMRはいまだ技術開発や許認可の面で不確実性が高く、大規模な実現は2030年代後半になるだろうとの見通しを示した。米国のアイオワ州にあるデュアン・アーノルド発電所は1975年2月に運転開始、45年以上の運転の後、2020年8月に永久閉鎖した。2034年2月まで、運転が認可されていたが、2018年7月、発電所所有者のネクストエラ・エナジー・リソーシズ社は顧客の電力会社であるアライアント・エナジー社と既存の電力購入契約の5年間短縮に合意し、2020年10月の閉鎖を決定した。さらに、同年8月の暴風雨で冷却塔などが損傷。原子炉自体に損傷はなかったものの、予定より2か月早く閉鎖した。デュアン・アーノルド発電所の永久閉鎖後、2022年4月までにすべての使用済み燃料がサイト内の乾式貯蔵施設に移された。廃止措置方式は遅延解体(SAFSTOR)を採用しており、設備を安全に保管し、残留放射能の崩壊後、2075年に最終的な解体および除染活動を開始し、2080年までに作業を完了させる予定だった。ネクストエラ・エナジー社は、傘下にフロリダ・パワー・アンド・ライト社ならびにネクストエラ・エナジー・リソーシズ社を所有。これら傘下企業を通じ、フロリダ州でターキーポイント3、4号機(PWR、各82.9万kWe)とセントルーシー1、2号機(PWR、各105万kWe級)、ニューハンプシャー州でポイントビーチ1、2号機(PWR、各64万kWe)、ウィスコンシン州でシーブルック発電所(PWR、129.6万kWe)を運転している。米国では電力需要の増大と無炭素電源への関心の高まりから、閉鎖した原子炉を運転再開させる動きが広がっている。経済性を理由に2022年5月に閉鎖されたパリセード発電所(PWR、85.7万kW)は、現在の所有者であるホルテック・インターナショナル社が政府の融資保証の支援を受け、NRCへの運転認可の再交付申請を含め、運転再開の準備を進めている。コンステレーション・エナジー社はマイクロソフト社のデータセンターへの20年間の売電契約締結により、2024年9月、同じく経済性を理由に2019年9月に閉鎖したスリーマイル・アイランド1号機(PWR、89万kW)の運転再開を決定、NRCへの手続きを開始している。
- 03 Feb 2025
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米国 V. C. サマー発電所の増設に向けた提案を募集
米国サウスカロライナ州営の電力会社であるサンティー・クーパー社は1月22日、同州ジェンキンズビルに建設された、バージル・C・サマー原子力発電所(PWR×1基、100.6万kW)の増設に向け提案を求めるプロセスを開始した。米国では、増大する電力需要を満たすため、新規原子力発電所に注目が集まっている。サンティー・クーパー社は、米投資銀行のセンタービュー・パートナーズ社と協力して提案依頼書(RFP)の募集を実施。同発電所サイトで建設が中断されている2、3号機のうち1基または両機の完成、あるいは両機の代替用途の追求に関心のある企業を探している。募集締め切りは2025年5月5日。サンティー・クーパー社のJ. ステートンCEOは、「新規の原子力発電所を稼働させるには長いリードタイムを要する。信頼性が高く、クリーンな電力を短期で供給可能な、V. C. サマー発電所の2、3号機とその関連資産のオプションを模索する好機である」と強調した。また、サンティー・クーパー社が2、3号機を所有や運転する計画はない、と明言。「RFPを通じて顧客に利益をもたらし、経済発展を支援する実行可能な利用計画を示し、サウスカロライナ州に新たな価値を提供するだろう」と期待を示した。サンティー・クーパー社がRFPプロセスを開始することを決定した要因に、データセンターの急激な成長、先進的な製造業への投資意欲、火力発電所の閉鎖に伴う、新たな発電設備の必要性に加え、原子力発電プロジェクトの工期短縮のために、すでに運転を終了、閉鎖された原子力発電所の運転再開などへの大きな関心がある。また、アルビン・W・ボーグル原子力発電所3、4号機のウェスチングハウス(WE)社製AP1000×2基の運転開始や、税額控除や融資保証の提供を含む、原子力発電所の建設に対する連邦政府の支援制度の存在も大きい。なお、2、3号機の建設プロジェクトが中止された時点で、工事進捗率48%(2号機)であり、増設に伴う冷却水、送電インフラの準備もされており、増設には優位性がある。建設プロジェクトの過半数(55%)を所有していたスキャナ(SCANA)社傘下のSCE&G社(2019年1月にドミニオン・エナジー社が買収)は、2、3号機(WE社製AP1000)の建設・運転一括認可(COL)を、2008年3月に米原子力規制委員会(NRC)に申請。COLは2012年3月に発給され、2013年3月に2号機、2013年11月に3号機が着工した。同炉型を採用したA. W. ボーグル3、4号機の着工とほぼ同時期である。長年にわたる大規模でコストのかかる工事の遅延と、その後に続く2017年3月のWE社の破産申請を受け、SCE&G社は建設プロジェクトの残り45%の所有者であったサンティー・クーパー社とともに、2017年7月に2、3号機の建設中止を決定した。SCE&G社はその後、2018年12月に資産の権益をサンティー・クーパー社に譲渡している。なおNRCは、SCE&G社とサンティー・クーパー社の合意により、2019年3月にCOLを失効させた。新たに建設と運転を希望する購入者は、再申請が必要である。
- 31 Jan 2025
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米マイクロ炉 買収によりブランド名変更
米国の先進原子力エネルギー会社である、ナノ・ニュークリア・エナジー(NANO Nuclear Energy)社は1月14日、新たに取得したモジュール式マイクロ炉(MMR)をKRONOS MMRに名称変更した。同社は、MMRを開発していた米国のウルトラ・セーフ・ニュークリア(USNC)社から、原子力技術資産の一部を取得した。USNC社は2024年10月、米国破産法第11章第363条に従い、自社技術の売却プロセスを実施することを発表。競売により、NANO社がUSNC社の原子力技術資産の一部を現金850万ドル(約13.3億円)で買収、手続きが1月13日に完了した。USNC社のMMRは、ヘリウムを冷却材に使用する第4世代の小型モジュール式高温ガス炉。5エーカー(0.02㎢)未満のコンパクトな設置面積で、最大4.5万kWt(1.5万kWe)の出力で柔軟に動作するように設計されている。燃料は、低濃縮ウラン(LEU)またはHALEU燃料を使用する。NANO社のJ. ユー会長は、「MMRは、カナダ原子力研究所(CNL)および米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)で開発され、カナダ原子力安全委員会(CNSC)の許認可の審査段階に入った最初の原子炉。当社は、MMRの規制当局への許認可手続きと最終的な商業化の取組みを継続する」と語った。NANO社は、カナダ初のマイクロ炉であるMMRの建設と実証運転を目的としたグローバル・ファースト・パワー(GFP)社のプロジェクトの一環として、CNLのオンタリオ州にあるチョークリバー研究所に設置、実証する計画を継続する方針である。GFP社は加オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社とUSNCが設立した合弁事業体。チョークリバー研究所でのMMR建設に向けて、2019年3月にSMR開発プロジェクトとしては初めて、カナダ原子力安全委員会(CNSC)に「サイト準備許可(LTPS)」を申請した。またNANO社は、UIUCとの既存の協力を延長し、同大学におけるMMRの稼働を計画。加えて、NANO社は米原子力規制委員会(NRC)とのMMR許認可プロセスを継続するとしている。UIUCは2021年6月、USNC社製MMRを将来学内で建設するため、NRCに意向表明書(LOI)を提出している。NANO社は、MMRは開発段階が進んでいるため大幅な開発コストを回避しつつ、導入スケジュールを大幅に短縮することができると、今回の買収の意義を強調。今回新たに取得したMMRは、NANO社独自の可搬型マイクロ炉「ZEUS」ならびに「ODIN」(0.1~0.15万kWt)の設計開発を通じて確立した技術基盤を強化・補完するものであるとし、実証に向けた動きを加速したい考えだ。今後、大規模なデータセンターや人工知能(AI)センター、その他の製造およびインフラにおけるエネルギー集約型産業など、エネルギー需要の高い成長市場に幅広く対応をしていくとしている。また翌15日には、USNC社から併せて取得した可搬型の高温ガス冷却マイクロ炉「Pylon」をLOKI MMRに名称変更した。NANO社はLOKI MMRが10kWeから3,000kWeまで出力調整が可能な、着陸船に適した形状で設計されていることから、特に長期的な宇宙探査への原子力利用の取組みを補完したいとしている。NANO社は、米エネルギー省(DOE)の選定による、国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)の基本設計・実験機設計(Front-End Engineering and Experiment Design:FEEED)を通じて、2027年までに米アイダホ国立研究所(INL)内でNRICが運営するマイクロ炉実験機の実証(Demonstration of Microreactor Experiments=DOME)用テストベッドでのLOKI MMRの試運転を目指している。
- 27 Jan 2025
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米DOE 濃縮ウラン契約の供給者6社を選定
米エネルギー省(DOE)の原子力エネルギー(NE)局は12月10日、「米国への投資(Investing in America)」アジェンダの一環として、米国における新たなウラン生産能力の拡大にインセンティブを与えるため、低濃縮ウラン (LEU) の調達契約を締結する6社を選定した。燃料分野において、ロシアの影響を受けない強靭なサプライチェーンを構築しつつ、全米の消費者が安価で信頼できる電力と高賃金のクリーンエネルギー関連の雇用を保証する、米政権の肝入りの施策である。DOE原子力局のM. ゴフ首席次官補代理は、「今回の調達契約は、米国におけるウラン濃縮能力の安全かつ責任ある構築を促進するもの。米国のエネルギー安全保障を強靭にするため、米国内における濃縮ウランの生産能力を向上させなければならない」として、今回の契約締結の意義を強調した。DOEが調達契約を締結したのは以下の6社。LEU供給で競争原理を生み出し、強力な投資の促進をねらう。American Centrifuge Operating, LLC(セントラス・エナジー傘下)General Matter, IncGlobal Laser Enrichment, LLCルイジアナ・エナジー・サービシーズ社(ウレンコ傘下)Laser Isotope Separation Technologies, IncOrano Federal Services, LLCDOEはLEUの新たな国内生産能力を掘り起こし、米国の既存の原子力発電所のほか、将来の先進炉の国内外での展開に必要な燃料供給を確保したい考えだ。DOEはこれらの契約を通じ、濃縮施設の新設、または既存の濃縮施設の拡張により生産されるLEUを購入する。契約は最長10年間、基本報酬として各社に最低200万ドル(約3.0億円)を支払う。DOEは今年6月、米国内産のLEU購入に関する提案依頼書(RFP)を発行。「米国への投資」アジェンダから27億ドル(約4,148億円)を支援することとしている。米国において、原子力は総発電電力量のほぼ2割を供給しており、急速に増加する電力需要を満たし、CO2削減が困難な産業プロセスと運輸部門の脱炭素化に貢献する最大のクリーンエネルギー源。米国のクリーンエネルギーへの移行において重要な役割を果たすと考えられている。米国は2023年にアラブ首長国連邦(UAE)で開催された第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)において、2050年までに世界の原子力発電設備容量を3倍にするという公約を共同で主導した。この公約の達成には、米国は追加の原子力発電容量を配備する必要があるが、これには大型炉のほか、小型モジュール炉(SMR)、マイクロ炉など、あらゆる規模の新しい原子炉が含まれる。さらに既設炉の運転期間延長、出力向上や、閉鎖炉の運転再開を想定。これら設備容量拡大には、安定した燃料供給源が必要となる。ロシアは現在、世界のウラン濃縮能力の約44%シェアを保有。米国が輸入する燃料の約35%をロシア産が占める。J. バイデン大統領は今年5月、ロシアからのLEU輸入禁止法案に署名し、8月に発効した。一方で、米国の既存の原子力発電所が運転を中断することのないようDOEは、DOE長官が国務長官および商務長官と協議の上、特定の状況下で特定量のロシア産LEUに免除を与えるプロセスを発表。この規定に基づく免除は、2028年1月1日までに終了する。ロシアは11月、対抗措置として、ロシア産濃縮ウランの米国への一時的な輸出制限を決議した。脱炭素化やロシア産原子燃料への依存の回避、エネルギーセキュリティの強化を要因とする、世界的な原子力発電への評価の高まりを受け、世界的に濃縮役務の需要が増加している。英国に本拠地を置く、グローバルな濃縮事業者であるウレンコ社は、米国における濃縮ウランの需要増に応えるため、同社(ウレンコUSA)がニューメキシコ州ユーニスで操業する、米国で唯一の商業用濃縮プラントを拡張し、生産能力の拡大を目指している。同プラントは現在、米国の電力会社の濃縮ウラン需要の約1/3をカバーしている。なお、米原子力規制委員会(NRC)は12月11日、ウレンコUSAに対し、ウラン濃縮レベルを最大10%に引き上げるライセンス修正を承認した。NRCの承認により、既存の原子力発電所の燃料交換期間の短縮や、一部の先進炉への燃料供給が可能となる。
- 18 Dec 2024
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BWRX-300 英国GDAの次段階へ
英国の原子力規制庁(ONR)、環境庁(EA)およびウェールズ自然保護機関(NRW)は12月12日、米GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社製SMR「BWRX-300」(BWR、30万kWe)が、包括的設計審査(GDA)のステップ2に進んだことを明らかにした。GDAとは英国で初めて建設される炉型に対して行われる設計認証審査で、原子力規制庁(ONR)が設計の安全性とセキュリティの観点から、環境庁(EA)およびウェールズ自然保護機関(NRW)が環境影響の観点から、英国の基準を満たしているかを、規制プロセスの早い段階から、立地サイト特定後の建設申請とは別に評価する。ステップ1において各機関は、GDAのステップ2(実質的な技術評価段階)を開始するために必要な取決め、プロセス、提出書類を確認し、BWRX-300の技術評価の範囲とスケジュールで合意に達した。ステップ2では、BWRX-300の基本的な設計の妥当性を評価し、英国で安全、安心かつ環境を保護しながら建設、運転、廃止措置が可能かどうかを確認する。ステップ2は、2025年12月に完了する予定だ。ONRのR. エクセレイ・BWRX-300担当の規制責任者は、「ONRは、米原子力規制委員会(NRC)と加原子力安全委員会(CNSC)双方との協力関係の構築に努めており、国ごとの設計変更を最小限に抑えて標準的な原子炉設計を維持するというGEH社の姿勢を全面的に支持する」「英国の規制当局は基本的に同じ設計を並行して審査する。GEH社が可能な限り共通の設計を維持できるよう、より効率的な規制の共有に尽力していく」とコメントした。今回のGDAの実施にあたり、GEH社はBWRX-300に関するGDAのウェブサイトを新たに立上げ、設計に関する詳細情報とパブリックコメントのプロセスを公開している。パブリックコメントのプロセスでは、誰でも同炉型に関するコメントや質問を提出して回答を得ることができる。規制当局はこれらの質問と回答を確認し、必要に応じて、残りのGDAプロセスにおいて評価に役立てることとしている。GEH社は2022年12月、現在のエネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)の前身であるビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)に、BWRX-300を対象とした2ステップのGDA申請書を提出した。BEIS/DESNZは規制当局の審査に先立ち、GEH社が提出したGDA申請書を事前に精査し、BWRX-300がGDA実施前の評価基準をクリアしていることを確認。これを受け、2024年1月、ONR、EA、NRWがGDAのステップ1を開始した。同月、GEH社はDESNZの「未来の原子力実現基金(Future Nuclear Enabling Fund:FNEF)」からBWRX-300の設計開発を支援する補助金を獲得。補助金はGDA申請やSMRの商業展開にむけた準備活動に充てられる。これとは別にGEH社は、原子力発電所の新設計画を牽引する新しい政府機関「大英原子力(Great British Nuclear:GBN)」が実施するSMR支援対象選定コンペに参加しており、最終選考に残った4社のうちの1社である。
- 17 Dec 2024
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