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米GLE レーザー濃縮の実証試験を完了
米グローバル・レーザー・エンリッチメント(GLE)社は9月16日、同社のノースカロライナ州にあるウィルミントンの試験ループ(Test Loop)施設において、大規模なウラン濃縮実証試験を完了し、レーザーを用いたウラン濃縮プロセスが商業的に展開可能であることを裏付ける豊富な性能データを収集したことを明らかにした。GLE社は、米国内における製造基盤や供給網を整備し、国内濃縮能力の確立を目指している。同社のS. ロングCEOは、「過去5か月にわたる実証試験活動により、当社は米国のウラン濃縮戦略のソリューションとなる体制を整えた。米国の電力供給の約20%は原子力に依存しており、GLEの取組みは、外国政府が支配する脆弱な燃料供給網への危険な依存からの脱却に資するものだ」と語った。なお、GLE社は2025年を通じて実証プログラムを継続し、数百キログラム規模の低濃縮ウラン(LEU)を生産する予定。GLE社はレーザー濃縮技術の商業化を目指し、豪サイレックス・システムズ社が51%、加カメコ社が49%所有する合弁企業。GLE社はサイレックス法(サイレックス社独自のレーザー分子法によるウラン濃縮技術)の独占行使権を保有している。GLE社はこれまでに、ノースカロライナ州とケンタッキー州で5.5億ドルを投じ、エンジニアリング、設計、製造、認可取得活動を進めてきた。現在、同社がケンタッキー州で計画しているパデューカ・レーザー濃縮施設(PLEF)は、米原子力規制委員会(NRC)が審査中の唯一の新規濃縮施設。GLEは今年7月にPLEFの建設と操業に向けた認可の申請を完了している。この認可申請は、GLE社が2012年9月に取得した、ノースカロライナ州ウィルミントンにおける商業規模のレーザー濃縮施設のNRCの建設・操業許可に基づいている。当時は市場環境が悪く、計画は進展しなかった。GLE社は2024年11月に米エネルギー省(DOE)が所有する、ケンタッキー州のパデューカ・ガス拡散工場(PGDP)跡地に隣接する665エーカー(約2.7㎢)の土地をPLEFの建設サイトとして取得しており、PLEFサイトの良好な特性から、認可取得は早まると予想されている。認可取得後、GLE社は2030年までにPGDPにある劣化六フッ化ウラン(DUF6)の再濃縮を開始する。これは、2012年11月のDOEとのDUF6の長期購入契約に基づいている。パデューカ・サイトでは、1960年代からガス拡散濃縮プラントが民生用の濃縮ウランを生産していたが、2013年に操業を停止し、サイトは現在、環境復旧プログラム下にある。PLEFで20万トン以上のDUF6を再濃縮し、最大6,000tSWU/年の生産能力となる見通し。これにより、GLE社は、ウランの転換から濃縮までを一拠点で担う、米国内の包括的な供給体制を構築したい考えだ。
- 29 Sep 2025
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米オクロ オーロラ発電所の起工式を開催
米国で先進炉と燃料リサイクルの開発を進めているオクロ社は9月22日、アイダホ国立研究所(INL)サイトで、初となるオーロラ発電所(オーロラ-INL)の起工式を開催した。起工式には、D. バーガム内務長官、L. ゼルディン環境保護庁長官のほか、アイダホ州のB. リトル知事、米原子力規制委員会(NRC)のB. クロウェル委員、米エネルギー省(DOE)のM. ゴフ首席次官補代理らが出席した。バーガム内務長官は、「オーロラ発電所は、クリーンかつ安価で信頼性の高い電力供給を可能にする。人工知能(AI)の進歩により電力需要が増加する中、そのニーズを満たし、世界のAI競争の最前線に留まり続けるために不可欠だ。トランプ大統領の『米国のエネルギー支配アジェンダ』下でイノベーションとエネルギー増産が実現する」と語った。オーロラは、金属燃料を使用するナトリウム冷却高速炉のマイクロ炉で、出力は顧客のニーズに合わせて1.5万kWeと5万kWeのユニットで柔軟に調整。少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能である。1964年から1994年までアイダホ州で稼働した実験増殖炉Ⅱ(EBR-Ⅱ)の設計と運転をベースにしている。オクロ社は2019年にDOEからEBR-Ⅱから回収された燃料を割当てられ、INLのオーロラ燃料製造施設(A3F)で初期炉心の製造に向けて、DOE認可の4つのステップのうち2つを完了している。オーロラ-INLは、DOEが新たに設立した原子炉パイロットプログラムに参加。今年7月には、建設運転一括認可(COL)申請のフェーズ1に関する事前審査を完了し、年内にCOLの申請を予定している。北米最大級の建設・エンジニアリング企業キウィット社の子会社であるキウィット ニュークリア ソリューションズ社は、2025年7月に発表されたマスター・サービス契約に基づき、発電所の設計、調達、建設をリード・コンストラクターとして支援。建設中に約370人の雇用と、発電所と燃料製造施設を運営する70〜80人の長期で高スキルの雇用創出が期待されているという。テネシー州に燃料リサイクル施設の建設へオクロ社は9月4日、テネシー州オークリッジにあるオークリッジ・ヘリテージ・センターの約100 haの敷地に、総額16.8億ドルを投じて、先進燃料センターにおける第一フェーズとして燃料リサイクル施設を設計、建設、操業する計画を発表した。使用済み燃料を先進炉向けの燃料に変換し、国内に供給する。国内初となる民間資金による施設を建設し、コストの削減、高レベルの雇用の創出、持続的な燃料供給の確立を目指している。オクロ社はテネシー峡谷開発公社(TVA)と共同で、同施設で電力会社の使用済み燃料をリサイクルし、将来、建設予定の発電所からTVAへの電力販売を評価する機会を模索している。米国の電力会社が最新の電気化学プロセスにより自社の使用済み燃料をリサイクルし、従来の負債を資源に変えることを模索する初の試みとなる。オクロ社のJ. デウィットCEOは、「使用済み燃料を大規模にリサイクルすることで、廃棄物をギガワットの電力に変え、コストを削減。クリーンで信頼性が高く、手頃な価格の電力供給を支援するサプライチェーンを確立していく」と抱負を語った。同社は、同施設で使用済み燃料から燃料材料を回収し、オーロラ発電所のような高速炉用の金属燃料に加工。このプロセスにより、廃棄物量を削減し、より経済的でクリーンかつ効率的な廃棄を実現したい考えだ。同施設は、規制当局による承認を経て、2030年代初めまでに燃料生産を開始する計画である。TVAのD. モールCEOは、「テネシー州は米国の原子力ルネサンスの中核。リー知事のリーダーシップの下、州はアメリカのエネルギーの未来を築く企業の誘致をリードしている。当社は、AIインフラを強化し、経済成長を促進するために必要な次世代の原子力技術を開発するオクロ社の取組みを支援していく」と語った。オクロ社によると、全国の発電所サイトに保管されている94,000トン以上の使用済み燃料に含まれるリサイクル可能な燃料から得られるエネルギーは、約1.3兆バレルの石油、サウジアラビアの原油埋蔵量の5倍に相当。今年5月の大統領令は、規制の近代化、原子炉試験の合理化、国家安全保障のための原子炉の配備、原子力産業基盤の強化など、原子力の新たな方向性を示しており、オークリッジはそれに従っているという。テネシー州には原子力研究および教育プログラムの開発を支援する原子力基金があり、オクロ社はそれを利用する5番目の原子力関連企業だという。
- 24 Sep 2025
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米TVA ニュースケール社製SMRも導入へ
米テネシー峡谷開発公社(TVA)とENTRA1エナジー(ENTRA1)社は9月2日、TVAが供給する米国南東部の7州において、ニュースケール社製の小型モジュール炉(SMR)を搭載した6プラント、最大で計600万kWeの展開で協力する合意書を締結した。ENTRA1社が電力インフラを開発・所有し、将来的にはTVAに電力を販売する計画。今回の提携により、約450万世帯または60の新しいデータセンターに相当する十分なカーボンフリーのベースロード電力供給が期待されており、両社はハイパースケールデータセンター、人工知能(AI)、半導体製造、その他のエネルギー集約的な産業部門など、莫大な電力需要に応えると強調。両社はこの計画を米政権のエネルギードミナンス(支配)戦略とエネルギー安全保障の確保の重点方針に従うものと位置づける。ENTRA1社は、米国の原子力、特にSMRと天然ガス火力発電部門に、最高水準の米国技術導入を目指す電力会社。世界的な重要インフラプロジェクトへの投資、開発、実行における豊富な経験を活かし、電力購入契約(PPA)に基づく、電力の販売に注力している。ENTRA1社はニュースケール社製のSMR「ニュースケール・パワー・モジュール(NPM)」の商業化、流通、展開に対する世界的な独占的権利を保有する戦略的パートナーであり、同SMRを搭載したENTRA1プラントの開発、資金調達、投資、運転、管理までワンストップサービスを担うと強調する。TVAのD. モールCEOは、「ENTRA1社との契約は、エネルギー安全保障を確保し、全米に雇用と投資を創出するために不可欠な次世代原子力の推進において、官民パートナーシップが果たす重要な役割を浮き彫りにしている」と指摘。ENTRA1社のS. アルバラド最高プロジェクト責任者は、「エネルギー安全保障は国家安全保障であり、信頼できる電力はアメリカの未来の生命線。AIデータセンター、高度な製造業を強化し、国力を強く保つ重要な産業を促進。豊富で手頃な価格のベースロード電力がなければ、イノベーションは失速し、サプライチェーンは寸断される」と語った。ニュースケール社のSMR「NPM」はモジュール統合型のPWR。1基あたり7.7万kWの電力、25万kWの熱を生成するNPMを最大12基連結。顧客のニーズに合わせて柔軟に拡張可能である。発電、地域暖房、海水淡水化、商業規模の水素製造、プロセス熱として供給し、世界中の多様な顧客にサービスを提供する体制を整えているという。今年5月、米原子力規制委員会(NRC)から、NPM(7.7万kWe)の標準設計承認(SDA)を取得。商業用途としてNRCの設計認証を受けた初のSMRである。TVAは、ENTRA1社のような新興企業と戦略的に提携し、手頃な価格で豊富なエネルギー供給可能な新しい原子力技術の開発を進めている。同社は今年5月、NRCに対し、テネシー州オークリッジ近郊の同社のクリンチリバー・サイトにおいて、GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製SMR「BWRX-300」(30万kWe)の建設許可を申請。さらに8月には、米原子力新興企業のケイロス・パワー社と、ケイロス社がオークリッジで建設を計画するフッ化物塩冷却高温炉の実証プラント「ヘルメス2」から最大5万kWeのPPAを締結。TVAの送電網を経由し、テネシー州とアラバマ州にあるGoogle社のデータセンターに電力を供給する計画だ。
- 09 Sep 2025
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米NRC パリセード発電所の運転再開を承認
米原子力規制委員会(NRC)は7月24日、パリセード原子力発電所に対する広範な技術審査を完了し、同発電所の運転再開に係る主要な許認可および規制措置を承認した。米国で閉鎖された原子力発電所が運転再開の承認を得るのは初。NRCの承認を受け、ホルテック・インターナショナル社のK. トライス社長は、「これは私たちのチーム、ミシガン州、そして米国にとって歴史的な瞬間。米国の原子力エネルギーにおける前例のないマイルストーンだ。当社は、今後数十年にわたって地元の雇用と経済成長を支援しながら、安全、確実に、米国のエネルギーの未来をサポートするためにパリセードの運転を再開する」と述べた。NRCは同社宛ての7月24日付の書簡で、正式に承認を通知。NRCは、予定通りに完了した技術審査に基づき、発電所および使用済燃料貯蔵施設の運転認可を、ホルテック・デコミッショニング・インターナショナル(Holtec Decommissioning International LLC)社からパリセード・エナジー社(Palisades Energy LLC)に移転することを承認。また、ホルテック社の申請により、停止前に運用されていた、技術仕様書や緊急時対応計画、品質保証プログラム、保守プログラムなどの各種文書やプログラムの復活も認められた。2025年5月、NRCは発電所の運転再開による重大な環境影響は発生しないと結論付けている。今回の承認が有効となり、発電運転体制(power operations licensing basis)に正式に移行するのは、ホルテック社の提案した2025年8月25日。これ以後、ホルテック社は燃料装荷が可能となるが、実際の運転再開のためには、まだ複数の許認可手続きがNRCで審査中であり、さらに幾つかの要件を満たす必要があるという。なお、発電所の運転は、当初の運転認可(2031年3月24日期限)の下で行われ、送電開始を今年末までに見込んでいる。パリセード発電所(PWR、85.7万kWe)は1971年に営業運転を開始。2022年5月に経済性を理由に永久閉鎖され、翌6月に同発電所は所有者・運転者だったエンタジー社から、廃止措置を実施するホルテック社に売却された。近年、各国がCO2排出の抑制に取り組み、原子力のように発電時にCO2を排出しないエネルギー源が重視されるなか、ホルテック社は同発電所を運転再開する方針に転換。2023年9月、NRCに運転認可の再交付を申請していた。現在、安全で信頼性の高い発電事業再開を保証するために、NRCの監督下で厳格なテスト、検査、メンテナンスなど、タイムリーな運転再開に向けて広範な準備作業が進行中である。このほど運転、保守、化学、放射線防護、工学の全5分野の訓練プログラムが、米国原子力発電運転協会(INPO)から完全認定された。INPOの認定は、運転再開の前提条件であり、NRCや世界原子力発電事業者協会(WANO)も評価に関与する厳格なプロセス。米ウェスチングハウス社の主導により、新訓練組織のNEXA(Nuclear Excellence Academy)が設立され、18か月間の訓練を通じて運転再開に必要なすべてのタスクに応じて正式に訓練された社内のスタッフを揃えた。
- 05 Aug 2025
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米DOE 先進試験炉のための燃料製造プログラムを発表
米エネルギー省(DOE)は7月15日、先進試験炉向けの燃料製造を加速するたため、燃料製造ラインのパイロットプログラム(Fuel Line Pilot Program)への申請の募集(RFA)を開始した。同プログラム下では、6月に発表された先進炉のパイロットプログラムによりDOEが承認を予定している試験炉向けに、米企業が開発した燃料製造ラインをDOEが認可するもの。この燃料製造ラインは、燃料を供給する先進炉と同様にDOEの国立研究所以外に建設され、DOEが迅速な承認手続きによって認可する。DOEは現在、国立研究所以外で試験炉を建設・運転することに関心のある米国の原子炉開発企業からの申請を検討中であり、2026年7月4日までに臨界を達成する可能性のある、少なくとも3炉型を今夏後半に選定する予定。この先進炉および燃料製造ラインのパイロットプログラムは、2025年5月のトランプ大統領による大統領令「エネルギー省における原子炉試験の改革」に基づく。燃料製造ラインのパイロットプログラムは、別の大統領令「国家安全保障強化のための先進原子炉技術の導入」により、先進原子炉の展開への支援のほか、燃料供給体制の強化をはかり、濃縮ウランや重要資源の海外依存からの脱却、国の原子力復興に向けた民間投資の呼び込みなどを目的としている。DOEパイロットプログラムの下で建設・運用される燃料製造ラインは、研究・開発・実証を目的としており、米原子力規制委員会(NRC)のライセンスを必要としない。原子力法の下でDOEが認可した燃料製造ライン設計は、将来のNRCによる商用ライセンス取得において迅速に処理される。申請者にとっては、DOEから認可を受けることで、民間資金の活用を促進し、将来的なNRCからのライセンス取得に向けた迅速なルートを確保、燃料製造ラインの商用化が可能になるというメリットがある。DOEによると、米国では現在、予測される需要を満たすのに十分な国内原子燃料が不足している。DOEは、燃料製造ラインの開発を活性化し、米国の生産基盤の立て直しを急いでいる。DOEのC. ライト長官は「米国には、世界をリードする原子力開発のためのリソースとノウハウがある。しかし、この急成長するエネルギー源に対応し、真の原子力復興を実現するには、安全かつ安定した国内サプライチェーンが必要。トランプ政権は規制ではなく革新を加速し、民間セクターとの協力により、新しい原子炉設計の安全な燃料供給と試験を推進して、米国消費者にとり、より信頼性が高く、手頃なエネルギーを実現する」と語った。申請者は、核物質の原材料の調達の他、先進的な燃料製造ラインの設計・製造・建設・運転・廃止措置に関するすべてのコストを自己負担。技術の実用性、製造計画、財政的な健全性などに基づき、選定される。初期申請の締切は8月15日。その後の申請も随時受け付けるという。
- 29 Jul 2025
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米NRC 先進炉の迅速審査など最近の取組みと成果に関する声明を発表
米原子力規制委員会(NRC)は7月14日、今年5月に発出された一連の大統領令および超党派のADVANCE法に沿って、イノベーションの受け入れ、認可プロセスの迅速化、規制枠組みの近代化に向けた、最近の取組みと成果について声明を発表した。NRCは今回の声明の中で、引き続き国民の健康と安全を守ることを最優先としつつ、原子力の民間利用を効率的に規制し、社会に貢献する原子力発電の導入を支援していく姿勢を明示。すべてのステークホルダーと連携し、迅速かつ一体的に対応することで、世界の模範となる規制機関としての基準を維持していくとした。声明で明らかにした最近の取組みと成果は、以下のとおり。 新型炉の審査に革新的なアプローチを採用: 新型炉の審査を予定より早く、かつ予算内で完了。進行中の新型炉やライセンス更新審査についても、大統領令で示された建設と運転の認可プロセスを18か月以内に短縮。既設炉の運転期間延長に関しては、最終決定を1年以内とする期限に合わせてスケジュールを更新。例:―ダウ社傘下のProject Long Mott社によるX-エナジー社製SMRの高温ガス炉(HTGR)「Xe-100」の建設許可発給には、18か月の審査期間を設定。―テネシー峡谷開発公社(TVA)のクリンチリバー・サイトにおけるSMR「BWRX-300」の建設許可発給には、17か月の審査期間を設定。―テラパワー社製ナトリウム冷却高速炉「Natrium」炉を採用するケンメラー発電所の建設許可の審査は、従来より6か月短縮を予定。2025会計年度最終手数料規則の公表: ADVANCE法第201条に基づき、先進炉の申請者および事前申請者に対する審査の時間単価を引き下げ。(1時間あたり318ドルから148ドルへと50%以上の削減)マイクロ炉のプラント製造工場での燃料装荷に関する指針を提示: マイクロ炉の展開に向け、重要な政策課題を解消。バージル・C・サマー1号機(PWR、100.6万kWe)およびペリー1号機(BWR、131.6万kWe)の運転期間延長を認可、それぞれ80年運転、60年運転に: 予定より早く、予算内で運転期間の延長を承認。これまでに97基の原子炉の運転認可を更新し、さらに13基については2度目の運転期間延長を認可、合計で2,200年分の原子炉運転能力を維持。設計認証の有効期間の延長: 従来15年の設計認証の有効期間を40年に延長するための直接最終規則を官報に公表。ACRS(原子炉安全諮問委員会)による審査の重点化: 審査対象を新規性や注目すべき課題に絞り込み。なお本声明に先立ち、7月1日にはNRCの委員3名が連名で、NRCを主導するために協調して取り組むことを表明した共同声明を発表している。また今年1月20日、トランプ大統領によりNRCの委員長に指名されたD. ライト氏は、6月30日に任期満了を迎えた。同氏はNRCの委員、委員長の再任候補として、6月25日の上院の環境公共事業委員会(EPW)で開催された公聴会に出席。宣誓証言の中で同氏は、再任が承認されれば、大統領令に従い、効率的なライセンス発行を優先し、米国を原子力エネルギーのグローバルリーダーとして再確立すべくNRCを率いる考えを示した。また、安全を最優先に先進炉や原子力技術の認可を妨げずに促進する方針を表明した。現在、同氏の再任は上院本会議による承認待ちとなっている。
- 24 Jul 2025
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米NRC TVAのSMR建設許可を審査へ
米原子力規制委員会(NRC)は7月9日、米テネシー峡谷開発公社(TVA)による小型モジュール炉(SMR)の建設許可申請を受理、審査を開始した。TVAは5月、NRCにテネシー州オークリッジ近郊の同社クリンチリバー・サイトにGEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製のSMR「BWRX-300」(BWR、30万kWe)の建設許可を申請した。BWRX-300がNRCによる建設許可の審査対象となったのは米国では初めて。TVAはクリンチリバー・サイトについて2019年12月、NRCよりSMR建設用地として事前サイト許可(ESP)を取得済みであり、BWRX-300の導入により、人工知能(AI)、量子コンピューティングなどに特化した電力供給を狙っている。NRCは審査の完了を2026年12月まで(17か月以内)と予想しており、TVAはNRCの審査期間中、早ければ2026年にもサイト準備作業を開始したい考えだ。TVAのD. モールCEOは、「NRCによる申請の受理は、米国初となる電力会社主導によるSMRの実用化を目指す上で重要な一歩。当社のBWRX-300の建設許可申請が、米国初のNRCの審査対象となった。他の電力会社が同炉を導入し、エネルギー安全保障と信頼性の高い電力供給を実現する道筋を確立していく」と語った。BWRX-300は、電気出力30万kWの次世代BWR。2014年にNRCから設計認証(DC)を取得した第3世代+(プラス)炉「ESBWR(高経済性・単純化BWR)」をベースにしている。カナダ原子力安全委員会(CNSC)は今年4月、OPG社に対し、ダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)サイトにおけるBWRX-300の初号機の建設許可を発給。翌5月、オンタリオ州はDNNPサイトへのBWRX-300初号機の建設計画を承認した。2029年末までに営業運転の開始を予定している。
- 18 Jul 2025
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米NRC Natriumの建設許可の審査を加速
米原子力規制委員会(NRC)は7月2日、Natrium炉の建設許可申請の審査を予定より6か月前倒し、2025年末までに完了させる方針を明らかにした。Natrium炉は出力34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉で、米国の原子力開発ベンチャー企業であるテラパワー社が開発している。同炉は、ワイオミング州ケンメラーの石炭火力発電所の近傍にケンメラー原子力発電所1号機として建設される。テラパワー社は、同社の子会社として同発電所の所有者・運転者となるUS SFR Owner(USO)に代わり、2024年3月に建設許可申請を行った。NRCがNatrium炉の建設許可申請を審査するスケジュールを短縮したのは、これが2回目。NRCは2025年2月、安全評価(SE)のドラフトが予定より1か月早く完成し、建設許可の審査が、当初予定の2026年8月よりも2か月早い同年6月に完了すると、テラパワー社に通知していた。その後、環境影響評価書(EIS)のドラフトを、予定より1か月早い2025年6月に発行。テラパワー社との緊密な情報交換の効果と2025年5月のNRC改革に関する大統領令も考慮して、最終安全評価と最終EISが6か月早く完了すると予測し、2025年12月31日までに建設許可の審査が完了すると今回、通知した。Natrium炉は、熔融塩ベースのエネルギー貯蔵システムを備えており、貯蔵技術は、必要に応じてシステムの出力を50万kWeに増強し、5時間半以上維持することができる。これにより、Natrium炉は再生可能エネルギーとシームレスに統合され、費用対効果の高い電力網の脱炭素化を実現すると言われている。なおテラパワー社は、Natrium炉の完成を2030年と見込んでいる。
- 10 Jul 2025
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米DOEとNRC 先進炉導入を迅速化へ
米エネルギー省(DOE)と米原子力規制委員会(NRC)は6月18日、それぞれ、先進炉導入の迅速化に向けた取組みを発表した。米国の国家安全保障を強化し、エネルギー目標を達成するために不可欠な、原子力エネルギーの促進、規制の合理化を目的に、米トランプ大統領が5月23日に署名した一連の大統領令を反映したもの。DOE 先進炉の新たなパイロットプログラムを発表DOEは6月18日、傘下の国立研究所以外でDOEの管理権限のもと、先進炉の設計試験を迅速に進める柔軟な措置として、新たなパイロットプログラムを開始すると発表した。原子炉試験の簡素化と、2026年7月4日までに少なくとも3基の試験炉を臨界状態に到達させることが目的。トランプ大統領は、米国を再び原子力分野のリーダーとし、信頼性が高く、多様で、手頃な価格のエネルギー供給を確保して、米国の繁栄と技術革新を推進することに取り組んでいる。大統領令「エネルギー省における原子炉試験の改革」に従った、この新しいパイロットプログラムは、米国の原子力技術を最大限に活用、米国内の雇用を支援し、イノベーションの促進とともに、国家安全保障の強化に資するとの考えだ。このパイロットプログラムは、DOEの施設内で実施されるマイクロ炉のテストベッドでの試験のほか、国防総省(DOD)が主導する「プロジェクト・ペレ」や民間産業主導の既存プロジェクトを元に構築されている。あくまで原子炉の研究・開発を促進するためのものであり、商業的な適合性を実証するためのものではないという。このプログラムの下で建設された試験炉はNRCの認可を必要とせず、原子力法の下でDOEから認可を受けることで、民間資金の活用を促進し、将来的なNRCからの商用ライセンス取得に向けた迅速なアプローチが可能になると予測されている。DOEは同パイロットプログラムにより、国立研究所以外で試験炉を建設・運転することに関心のある、米国の原子炉開発企業を募集している。2026年7月4日までに稼働の見込みがある先進炉が対象。申請者は、各試験炉の設計・製造・建設・運転・廃止措置に関するすべてのコストを自己負担。技術の実用性、サイト評価、財政的な健全性、臨界状態達成までの詳細な計画などに基づき、競争により選定される。初回申請の締切は2025年7月21日。その後の申請も随時受け付けるという。NRC マイクロ炉の工場製造・運用に向けた方針を決定米原子力規制委員会(NRC)は6月18日、マイクロ炉の新たな導入手法を可能にするため、以下に示す3つの政策方針を明らかにした。マイクロ炉は、工場で製造・燃料装荷・試験を行った後に運転サイトへ輸送することを想定。なお、これらマイクロ炉は、現在の大型炉の1%以下程度の出力となると見込まれている。連鎖反応を防止する機能を備えた工場製造のマイクロ炉については、燃料装荷されていても、それを「運転中」とみなさない。連鎖反応を防ぐ設計を持つマイクロ炉であれば、NRCが発行する燃料保有を許可するライセンスのもとで、工場で燃料装荷を行うことが可能である。運転サイトへ輸送する前に、工場でマイクロ炉の試験を実施する際に、NRCの「非動力炉」の規制を準用して許可する。NRCは、先進炉の導入促進法(ADVANCE法)や関連する大統領令に基づき、ライセンス手続きを効率化し、マイクロ炉の商業化への移行を円滑に行うため、DOEやDODと協力して、DOE/DODのサイトに、または国家安全保障インフラの一部として、マイクロ炉を建設・運用する取組みに関与していく方針だ。
- 02 Jul 2025
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米GVH社 加オンタリオ州にBWRX-300の拠点設立へ
GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社は6月23日、カナダ・オンタリオ州で州営電力のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社が取組む、ダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)近くのダラム地域に、BWRX-300のエンジニアリング&サービスセンターを設立する計画を発表した。同センターには最大5,000万米ドル(約71.8億円)を投資する予定で、DNNPに配備予定のGVH社製SMRのBWRX-300の長期的な運転と保守を支援するためのエンジニアリングならびに技術サービスを提供する。また、イノベーションとトレーニング、知識共有、サプライチェーンへの関与、労働力開発のハブとしての役割ももたせる。年間最大2,000人の原子力専門家、サプライヤー、国際パートナーがオンタリオ州に集まり、ダラム地域に大きな経済的利益をもたらすことが期待されている。GEベルノバ・カナダ社のH. チャ―マーズCEOは、「本センターは、オンタリオ州の原子力リーダーとしての地位をさらに強化し、業界をリードする研修体制を通じてカナダの原子力人材の育成を促進する。原子力分野の最先端の人材と技術革新を州にもたらし、BWRX-300の世界展開を後押しするものだ」と語った。同センターは2027年末までに稼働予定。最先端のバーチャルリアリティ・シミュレーターが設置され、安全で効率的なSMRの燃料補給や保守作業の研修が可能になる。また、SMRに特化した高度な保守・点検技術の開発や、BWRX-300の停止期間に備えた計画・実行準備の拠点としての機能も果たす。さらに、原子力事業に加えてGEベルノバ社の他事業の支援拠点としての役割も担うほか、GVH社の米ノースカロライナ州ウィルミントンにある生産拠点も補完する。BWRX-300は、電気出力30万kWの次世代BWR。2014年に米原子力規制委員会(NRC)から設計認証(DC)を取得した第3世代+(プラス)炉「ESBWR(高経済性・単純化BWR)」をベースにしている。カナダ原子力安全委員会(CNSC)は今年4月、OPG社に対し、DNNPサイトにおけるBWRX-300の初号機の建設許可を発給。翌5月、オンタリオ州はダーリントン・サイトへのBWRX-300初号機の建設計画を承認した。
- 01 Jul 2025
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米最高裁 中間貯蔵施設に反対するテキサス州の主張を却下
米連邦最高裁判所は6月18日、テキサス州アンドリューズ郡の使用済み燃料の統合型中間貯蔵施設(CISF)に関する米原子力規制委員会(NRC)の許認可をめぐる訴訟で、テキサス州および同州の石油・天然ガス鉱区権益保有者のファスケン・ランド・アンド・ミネラルズ(Fasken)社が、司法審査を求めることはできないとして、両者を当事者適格とした第5巡回区控訴裁判所の判決を、手続き的に無効と判断し、却下した。ただし、最高裁は、原子力法ならびに放射性廃棄物政策法の下で、NRCがオフサイトで使用済み燃料を保管する民間企業に対して許可を与える権限があるかどうかについての判断は保留した。その代わりに、最高裁はこの訴訟を控訴裁判所に差し戻し、テキサス州およびFasken社による審査請求(=NRCの許可に対する異議申し立て)を棄却または却下するよう指示した。最高裁による却下の理由として、「ホッブズ法によれば、行政機関の最終決定に司法審査を求めることができるのは“不利益を被った当事者”に限られる。原子力法では、“当事者”とは許認可申請者か、許認可手続きに正式に介入した者だが、テキサス州もFasken社も許認可の申請者ではなく、正式な介入にも至っておらず、そもそも、両者は控訴裁での司法審査を受ける資格はなかった。このため、控訴裁の判決を却下し、NRCにオフサイトの民間貯蔵施設を許可する権限があるかという根本的な法的争点には踏み込まない」と述べている。NRCは2021年9月、Interim Storage Partners(ISP)社に対し、テキサス州アンドリューズ郡にある放射性廃棄物処理・処分専門業者のWaste Control Specialists(WCS)社の敷地内に、CISFを建設・操業することを許可した。ISP社は、WCS社と、仏国オラノ社の米国法人が2018年3月に立ち上げた合弁事業体(JV)。テキサス州とFasken社は、NRCによる許可発給を「越権行為」とし、ニューオリンズを拠点とする第5巡回区控訴裁判所に訴えた。2023年8月、控訴裁は原子力法に照らし、「NRCにそのような許可を与える権限はない」と判断し、NRCによる許可を無効とした。この判決を不服とするNRCとISP社は2024年6月に最高裁に上告していた。今回の最高裁の判断により、NRCが発行したCISFの建設・操業許可は有効となったが、ISP社は「これまでに表明してきたように、テキサス州の同意なしにWCSサイトにおいて使用済み燃料のCISFの開発を進めることはない。州および国全体が、原子力発電やその他の重要な原子力技術の利用価値をますます認識し探求する中で、当社は州および連邦の指導者たちが協力し、実証済みの技術的解決策を適用して、米国の使用済み燃料管理の課題に対処していくことを期待している」と表明した。ISP社は、2021年発給のCISFの建設・操業許可では、最大5,000トンの使用済み燃料と231.3トンのGTCC(クラスCを超える)((米国における低レベル放射性廃棄物(LLW)は含有核種(長寿命、短寿命の核種)と濃度によってクラスA、B、Cに分類される。クラスA:ドラム缶、金属箱等に収納した放射性核種濃度の比較的低いもの、クラスB:300年間耐用の高健全性容器に入れられる濃度の廃棄物、クラスC:放射化された鋼・ステンレス鋼等の廃棄物。さらにクラスCを超える放射性濃度の廃棄物はGTCC(Greater Than Class C)とされ、炉内構造物相当の放射性核種濃度の廃棄物のため、浅地中処分に適さないものとされており、NRCの許可を受けた施設に処分される。))低レベル放射性廃棄物を40年間貯蔵することを想定。さらに5,000トンずつ、追加7フェーズで拡張し、最終的に最大4万トンの使用済み燃料の貯蔵を計画している。これには、NRCが各フェーズで改めて安全面と環境影響面の審査を行い、すでに発給された建設・操業許可に修正を加えるという。
- 01 Jul 2025
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米テラパワー社 米NVIDIAも出資
米国の原子力開発ベンチャー企業のテラパワー社は6月18日、6.5億ドル(約941億円)の資金調達を完了したことを明らかにした。この資金調達には、米国の半導体大手であるエヌビディア(NVIDIA)社の投資部門であるNVentures社を含む新規投資家と、既存投資家であるテラパワー社の創業者のB. ゲイツ氏と韓国のHD現代重工業が参加したという。資金調達の詳細は明らかにされていない。生成AIの拡大による電力需要の急増に対応するため、米国のIT大手各社がクリーンで安価かつ安定した電力供給が可能な原子力分野への投資を急速に拡大しており、今回のエヌビディア社の出資もその一連の動きのひとつ。今回の資金調達により、テラパワー社は自社が開発するNatrium炉の初号機ならびに米国内外での追加ユニットの迅速な配備計画を推し進める計画だ。Natrium炉は、熔融塩ベースのエネルギー貯蔵システムを備えた34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉。貯蔵技術は、必要に応じてシステムの出力を50万kWeに増強し、5時間半以上を維持することができる。これにより、Natrium炉は再生可能エネルギーとシームレスに統合され、より迅速に費用対効果の高い電力網の脱炭素化を目指している。テラパワー社は、2024年3月に米原子力規制委員会(NRC)に建設許可申請(CPA)を行った。NRCとの間ではCPAおよびトピックレポートの提出に関して1年以上にわたるレビューが行われ、NRCは最近、レビューのスケジュールを前倒ししている。また、初号機建設サイトのある米ワイオミング州からは州レベルの建設許可を得ており、2024年6月に起工式を挙行、非原子力部の建設工事を開始した。2026年にNRCから建設許可を取得し、早ければ同年に「ニュークリア・アイランド」(原子力部)を着工、2030年に送電開始を予定している。テラパワー社のC. レベスクCEOは、「当社は、原子力科学のイノベーションが世界にポジティブな影響を与えるという考えに基づき設立された。NVIDIA社による出資は、当社の高い資金調達力の表れ。NVIDIA社が投資家グループに加わったことを誇りに思う」と語った。NVentures社のM. シデーク副社長は、「生成AIが産業を変革し続ける中で、原子力はこれらの能力を強化するより重要なエネルギー源になる」「テラパワー社の技術は、環境への影響を最小限に抑えながら、世界のエネルギー需要を満たす革新的かつ炭素フリーなソリューションだ」と述べた。
- 25 Jun 2025
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米オクロ社 アラスカ軍事基地に電力供給へ
米空軍省(DAF)と国防兵站局(DLA)エネルギー部は6月11日、米国で先進炉と燃料リサイクル開発を進めているオクロ社に、アラスカ州アイルソン空軍基地向けに電力と蒸気を供給する、同社の「オーロラ」発電所の配備に向けて、発注意向書(NOITA)を発出したことを明らかにした。オーロラ発電所の配備は、重要な国家安全保障インフラのエネルギーレジリエンスと信頼性の強化を目的とした、DAFのマイクロ炉のパイロットプロジェクトの位置づけ。オクロ社によるとオーロラ発電所は、実証済みの高速炉技術を活用し、電力網から独立して稼働できるため、アイルソン空軍基地のような遠隔地にある重要任務施設のエネルギーセキュリティにとって最適だという。NOITAは、包括的な評価プロセスを経て、オクロ社を再度指定して発出された。DAFが進める「マイクロ炉パイロット・プログラム」に則して、国防総省(DOD)のDLAエネルギー部はDAFとDODを代表して、2023年8月、オクロ社にNOITAを発出。しかし、連邦請求裁判所に提出された事前異議申立通知を受け、米司法省による適正調査と業者選定プロセスの審査が完了するまで、NOITAは撤回されていた。オクロ社は今後の契約条件下で、オーロラ発電所の設計、建設、所有、運営を行うため、米原子力規制委員会(NRC)から認可取得後、DLAと30年間の固定価格による電力購入契約(PPA)の締結に向けた交渉を開始する予定。なお、DAFとNRCは現在、環境影響評価を準備中であるという。オクロ社のJ. デウィットCEOは、NOITAの発出を受け、「重要任務施設にクリーンで安全なエネルギーソリューションを提供する当社の能力に対する継続的な信頼の証。米国が開拓した高速炉技術の価値を実証しながら、国防のレジリエンス目標を支援できることを光栄に思う」とコメントしている。オーロラは、高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)燃料を使用する液体金属高速炉のマイクロ炉で、出力は顧客のニーズに合わせて1.5万kWeと5万kWeのユニットで柔軟に調整。少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能である。オクロ社は、2027年末までに米アイダホ国立研究所(INL)サイト内でオーロラ発電所の導入を目標に、NRCとの間で許認可申請前活動を実施。年内にCOLの申請を予定している。
- 23 Jun 2025
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米国の濃縮プラント拡張 生産開始
英国に本拠地を置く濃縮事業者のウレンコ社は5月19日、米ニューメキシコ州ユーニスにあるウレンコUSA社の濃縮プラントにおいて、拡張プロジェクトの第1段階として増設した新型遠心分離機のカスケードで濃縮ウランの生産を開始した。このカスケードは、2027年初めまでに稼働する予定の複数のカスケードの内、最初のもの。すべてのカスケードが完成すれば、生産能力が約15%増強される。ウレンコUSA社のJ. カークパトリック取締役は、「当社の経験豊富なチームは、濃縮プラントの拡張プロジェクトを引き続き実行し、長期的かつ信頼性の高い濃縮ウランを国内へ供給し、電力会社を支援していく」と述べた。ウレンコUSA社のプラントは、北米で唯一稼働する商業規模の濃縮施設。同社は2010年から米国でウラン濃縮を行っている。同プラントは、米国の重要な戦略資産であり、米国の国家エネルギーインフラと原子燃料サプライチェーンにおいて不可欠な存在。4,400tSWU/年(2024年12月時点)の生産能力により、米国の商業用原子力発電所の濃縮ウラン需要の約1/3をまかなっている。また、これまでに米国の遠心分離機などの製造分野に50億ドル(約7,143億円)以上の投資を行ってきたという。濃縮プラントの拡張の背景には、脱炭素化やロシア製原子燃料への依存の回避、エネルギーセキュリティの強化を要因とする、世界的な原子力発電への評価の高まりを反映した、濃縮役務の需要増がある。ウレンコUSA社は2024年10月、生産能力を約15%増とする約700tSWU/年の拡張プロジェクトを発表。同プラントで、生産能力をさらに10,000tSWU/年規模まで拡張できるスペースとライセンスを有し、市場ニーズに応じて、米国での生産能力をさらに拡大する用意があるとしている。同社は英国、ドイツ、オランダでも濃縮プラントを所有・操業するが、米国のプラントで最初の拡張プロジェクトを実施し、2027年の完成後、国内外向けに供給、燃料サプライチェーンを強化する計画だ。また、ドイツとオランダのプラントを含め、3プロジェクトで合計1,800tSWU/年規模を追加する拡張計画を示している。ウレンコ社の傘下にある、ルイジアナ・エナジー・サービス社は2024年10月、米エネルギー省(DOE)の原子力エネルギー(NE)局により、U235の濃縮度が5~20%の高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)の国内サプライチェーン確立に向け、濃縮役務の提供に係る契約をする国内4社のうちの1社に選定されている。2024年12月には、新たなウラン生産能力の拡大を目的に、低濃縮ウラン (LEU) の調達に係る契約をする6社のうちの1社に選定された。さらに同月、ウレンコUSA社は、米原子力規制委員会(NRC)からU235濃縮度を最大10%に引き上げるライセンス修正が承認されている。NRCの承認により、既存の原子力発電所の燃料交換期間の短縮や、一部の先進炉への燃料供給が可能となる。但し、NRCによるライセンス修正要件の審査の必要があり、今年7月末までに完了予定である。
- 06 Jun 2025
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米大手電力会社とMeta 20年間の電力調達契約を締結
米大手電力会社のコンステレーション社とIT大手のMeta社は6月3日、コンステレーション社がイリノイ州で運転するクリントン原子力発電所(BWR、109.8万kWe)からの電力を20年間購入する電力購入契約(PPA)を締結した。契約額は未公表。本契約は2027年6月に開始され、イリノイ州のゼロ・エミッション・クレジット(ZEC)((クリーンエネルギー発電事業者に対して、その発電した電力量に応じて一定のベネフィットを提供するもの。廃止予定だった原子力発電所の運転延長など、原子力発電もこれに含められるのが一般的である。))プログラム終了後も、同発電所の継続的な運転を支援することになる。同発電所の電気出力を3万kWe増強するとともに、地元では1,100人の高レベルな雇用を維持し、年間1,350万ドルの税収の確保が予想されている。コンステレーション社のJ. ドミンゲスCEOは、「昨年、当社が発表したクレーン・クリーン・エネルギー・センター(スリーマイル・アイランド1号機)の運転再開計画は多くの関心と圧倒的な支持にもかかわらず、重要な問題が見落とされていた。それは、そもそもなぜこのような価値のある発電所を閉鎖してしまったのかということ。閉鎖によって、地域社会の雇用と税収が失われ、大気汚染は拡大、電気料金が上昇した」と述べ、「Meta社はこの重要な問題を提起してくれた。既存発電所の運転期間延長と出力増強への支援は、新たなエネルギー源を見つけることと同じ影響力がある」と契約締結の意義を強調した。Meta社のU. パレク・グローバルエネルギー部門長は、「クリーンで信頼できる電力確保は、当社のAIの野望を前進させ続けるために必要不可欠。クリントン発電所の運転を維持し、エネルギー分野における米国のリーダーシップ強化に向けた重要な要素であると示していきたい」と語った。クリントン原子力発電所(別名:クリントン・クリーン・エネルギー・センター)は、イリノイ州で1987年に運転を開始、最も稼働率の高い原子力発電所の一つであったが、長年にわたる赤字で、運転認可期限である2027年を待たずに、2017年に早期閉鎖が予定されていた。同発電所の閉鎖は、イリノイ州のエネルギー法案である「未来エネルギー雇用法(Future Energy Jobs Act)」の制定によって阻止され、同法により、2027年半ばまで同発電所を財政的に支援するZECプログラムが設立された。今回のPPA契約は、実質的にZECプログラムに代わる市場ベースの解決策であり、料金支払者の追加負担なしに同発電所の長期的な運転を保証することとなる。コンステレーション社は2024年2月、米原子力規制委員会(NRC)に同発電所の20年間の運転期間延長(60年運転)を申請済み。本PPA契約の締結により、20年運転の継続が保証される中、コンステレーション社は同サイトでの改良型原子炉または小型モジュール炉(SMR)の開発に向けて、NRCに既存の事前サイト許可(ESP)の有効期間を延長申請するか、新たな建設許可を求めるか、戦略を検討中である。Meta社は自社データセンターの効率的な運用を最優先し、電力の100%をクリーンで再生可能なエネルギーで賄うとともに、新興のエネルギー技術の研究開発にも取り組んでいる。同社は、AIの進化に伴い、将来の電力需要の増大が予想される中、信頼性が高く安定した供給が可能な電源として原子力の価値を認識。原子力プロジェクトが地域経済を支えるとともに、米国のエネルギーリーダーシップの強化に資するとの考えから、新たな原子力発電の促進にも注力している。その一例としてMeta社は2024年12月初め、合計電気出力100万〜400万kWの原子力発電プロジェクトの早期開発を目的とする事業提案依頼を実施。電力会社、開発者、原子力技術メーカーなど、さまざまな参加者から50を超える提案が寄せられた。提案では、全米20以上の州で多様な技術オプション、取引条件、サイトの提示を受け、原子力開発を迅速に進め、実行可能性が高く、タイムラインの確実性が見込める場所を優先し、複数の州で有力な原子力プロジェクト候補を既に選定済み。現在、最終的な協議を進めており、年内にも完了する見通しだ。この他、Meta社は今年3月、大手IT企業を含む14社による「2050年までの世界の原子力発電設備容量を少なくとも3倍に増やす」という目標を支持する誓約書に署名している。
- 04 Jun 2025
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米ニュースケール社製SMR 増強版で2回目の「標準設計承認」取得
米国のニュースケール・パワー社は5月29日、米原子力規制委員会(NRC)から、同社製の小型モジュール炉(SMR)のニュースケール・パワー・モジュール(PWR型NPM、7.7万kWe)の標準設計承認(SDA)を取得した。NRCに2023年1月にSDAを申請、同7月に受理されていた。ニュースケール社は、米国でSMR設計の設計承認を受けた唯一のSMR開発企業であり、2020年9月のNPM(5万kWe)の設計に対するSDA取得に続き、今回で2回目。今回の7.7万kWe版の承認は、5月28日のNRCスタッフによる最終安全評価報告書(FSER)の発行に基づくもの。出力を増強した7.7万kWe版の設計は、当初、顧客であったユタ州公営共同事業体(UAMPS)が希望する出力レベルに応じて、同NPMを6基搭載した原子力発電設備VOYGR-6(合計出力46.2万kWe)の建設を念頭に置いていたものの、2023年11月に経済性を理由に同建設計画は打ち切りとなっている。今回のSDA発給により、ニュースケール社の独占的なグローバル戦略パートナーで、同社のSMRの商業化、流通、展開の独占権を有するENTRA1エナジー社は、同SMRを内蔵したENTRA1エナジー・プラントにより、オフテイカーや消費者に信頼性の高いカーボンフリーのエネルギーを供給していく計画だ。初号機は2030年までの導入目標としている。7.7万kWe版の設計は、すでに承認された5万kWe版のNPMを部分的にベースにし、運転システムと安全機能において、対流や重力などの自然の受動的安全機能を継続して採用。固有の安全性能により異常な状況下で原子炉を自動停止し、人の介入や追加の注水、外部からの電力供給なしで原子炉の冷却が可能である。また、出力増強とモジュール数の調整により増加する容量ニーズに対応、プラントの建設と運用の全体的な経済性も向上している。当初は今夏の終わりに承認される予定だったが、NRCの審査プロセスが早期に完了した。なお、ニュースケール社は2016年12月に5万kWe版の設計認証(DC)審査をNRCに申請しており、2017年3月にNRCは受理。その後、米国内で建設可能な標準設計の一つとして認証適用するための規制手続き「最終規則」の策定の完了を受け、2023年1月にSMRとしては初となるDCが発給された。DCの発給により、今後、建設運転一括認可(COL)や建設許可の申請(CPA)において設計に関する審査を受ける必要がなくなるため、審査の大幅な合理化が期待される。米エネルギー省(DOE)はこれまで、ニュースケール社のSMRプラント設計と許認可取得活動に5.75億ドル(約825億円)以上を支援しているという。ニュースケール社のJ. ホプキンスCEOは、「今回のSDA発給は、ニュースケール社だけでなく、業界全体にとって歴史的な出来事。当社は10年以上にわたり、厳格な安全基準で国内外に認められるNRCと設計承認に向けて協力してきた。当社はENTRA1社と、クリーンで信頼性が高く、安全なエネルギーをオフテイカーと消費者に幅広く供給していく」と語った。ニュースケール社のSMRはモジュール統合型のPWRで、7.7万kWの電力、25万kWの熱を生成するNPMを最大12基連結。顧客のニーズに合わせて柔軟に拡張可能である。発電、地域暖房、海水淡水化、商業規模の水素製造、その他のプロセス熱として供給し、世界中の多様な顧客にサービスを提供する体制を整えているという。ニュースケール社は現在、ルーマニアのロパワー・ニュークリア(RoPower Nuclear)社が計画する、NPM(7.7万kWe)を6基備えた合計出力46.2万kWeのSMRプラントの基本設計(FEED)作業を実施中。また製造パートナーである韓国の斗山エナビリティ社と協力して12基のNPMを製造中で、受注の拡大を目指している。
- 02 Jun 2025
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IT企業が約3,000万kWの原子力導入にコミット 米NEI理事長が明言(前編)
米原子力エネルギー協会(NEI)のM.コースニック理事長は5月20日、会員企業やその他の原子力関係者らを招いて毎年開催している「Nuclear Energy Policy Forum」で、原子力産業界の現状に関する講演を行った。同理事長によると、AIやデータセンターからの急速な電力需要増を背景に、大手IT企業が全米で約3,000万kWの原子力導入にコミットしており、その規模は今後さらに拡大する見通しだ。また、連邦政府の原子力支援策が後押しとなり、2024年の原子力分野における民間取引額は、過去4年間の合計額を上回ったという。一方で、原子力発電の維持・拡大には、政策支援の継続が不可欠だと強調。なかでも、原子力税額控除(nuclear tax credits)が維持されなければ、原子力の展開は大幅に減速し、あるいは計画そのものが方向転換を迫られる可能性があると警鐘を鳴らした。同理事長の講演概要は、以下のとおり。♢ ♢この20年間、電力需要は停滞していたが、今、状況は変わりつつある。米国の製造業やイノベーション、人工知能、あらゆる分野でより多くの電力が求められている。AI競争を勝ち抜くうえで必要な大規模データセンターには、来年末までに2,800万kW規模の電力が必要だ。原子力産業界は、これまでの漸進的な成長から、信じられないほどの成長へと転じようとしている。原子力への超党派による支援も続いている。C. ライト米エネルギー省(DOE)長官は、就任わずか3日目に「商業用原子力発電を解き放つ(unleash commercial nuclear power)」という長官命令に署名。これは現政権が、原子力エネルギーの価値を、セキュアで強靭、安価かつ豊富で、今後ますますクリーンなエネルギーシステムの一部として、認識していることの証左だ。原子力産業界も準備を整えている。TVA(テネシー峡谷開発公社)は今朝、GEベルノバ日立社製小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」の建設許可申請書を提出した。また、ベクテル社、デューク・エナジー社、GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社を含むパートナー連合とともに、DOEによる8億ドルの助成金を申請している。ドミニオン・エナジー社は昨年、ノースアナ原子力発電所(PWR、100万kW級×2基)の運転期間延長(80年運転)の認可を取得。加えて、IT大手アマゾンと連携し、SMRの活用に向けた検討を進めている。エンタジー社は、急増する産業部門の電力需要に対応すべく、新設および出力増強を検討中であり、同社は、ミシシッピー州に新たな原子炉建設のための事前サイト許可(ESP)を取得している。コンステレーション社は昨年、マイクロソフトと提携し、かつて運転していたスリーマイルアイランド(TMI)1号機を「クレーン・クリーンエネルギーセンター」として再稼働させる計画を発表した。IT大手では、グーグル、メタ、アマゾンが、世界の大手金融機関14社とともに、2050年までに世界の原子力発電設備容量を3倍にすることを誓約した。これまでに、グーグルはケイロス・パワー社と500万kW相当の電力購入契約を締結。アマゾンは、X-エナジー社への5億ドルの投資を主導し、500万kWの原子力導入をめざしている。メタも、400万kW分の原子力による電力調達をめざし、提案依頼書(RFP)を発行している。さらに今月には、エレメントル・パワー社は、先進型原子炉の3つのプロジェクトサイトを開発する契約をグーグルと締結した。このように、IT企業と原子力事業者による新たなパートナーシップは、全米で約3,000万kWの原子力導入に向けたコミットメントとなっており、その規模は今後も拡大していく見込みだ。原子力分野への投資熱も高まっている。NEIが毎年開催する資金調達サミットには、今年は3年前の第1回開催時の2倍の参加者が集結。さらに、2024年の原子力分野における民間部門の取引額は、過去4年間の合計を上回る水準となった。こうした民間投資の増加は、公的支援の強化と軌を一にしている。米議会は昨年、ロシア依存の低減をめざし、国内燃料サプライチェーンの強化を目的に約30億ドル、また次世代原子炉の実証支援向けに約10億ドルを拠出。加えて、許認可審査の効率化を含む、クリーンエネルギーの多用途かつ先進的な原子力展開の加速化法(ADVANCE法)も可決した。連邦政府による原子力支援策として、先進的原子炉実証プログラム(ARDP)や融資プログラム局(LPO)、そして原子力税額控除などがある。これらの政策は、原子力発電の維持・拡大に不可欠であり、今後も維持されるべきである。中でも、原子力税額控除は、良質な雇用、コミュニティの繁栄、そして国家安全保障を支えている。もし議会がこの税制措置を維持できなければ、原子力の展開は大幅に減速するか、あるいは完全に方向転換を余儀なくされる可能性がある。これは、米国の未来を前進させるうえで絶対に避けなければならない。ADVANCE法は、原子力規制委員会(NRC)に対して、安全性を確保しつつ、審査プロセスの効率性も重視するよう求めるもの。NRCは昨年、2021年以来初となる第2回目の運転認可更新(subsequent license renewals)を承認した。対象となったのは、エクセル・エナジー社のモンティセロ原子力発電所(BWR, 69.1万kW)であり、当初24,000時間を要すると予想されていた審査時間は、最終的に16,000時間で完了。審査時間は3分の1に短縮された。このような効率性は、例外ではなく、ルールとする必要がある。州レベルでも支援が拡大している。―テネシー州では、ケイロス・パワー社が2基の新実証炉のうちの1基を建設中。―ワイオミング州では、テラパワー社が同州で最初の商業用原子炉を建設中。―コロラド州は、原子力をクリーンエネルギーと認める法案を可決。―テキサス州は、全米最大規模となる可能性のある、原子力エネルギー基金(Nuclear Energy Fund)を創設中。―アイダホ州では、国防総省(DOD)が国内初のマイクロ原子炉の一基を建設中。(つづく)
- 27 May 2025
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米大統領令 新設の促進やNRC改革を指示
米トランプ大統領は5月23日、原子力エネルギー政策に対する連邦政府のアプローチの再構築を目的とした一連の大統領令に署名した。人工知能(AI)産業、製造業、量子コンピューティングなどの最先端のエネルギー集約型産業での電力需要増に対し、豊富で信頼性のある電力を供給するのがねらい。エネルギー安全保障を確保するとともに、米国の原子力業界の世界的な競争力維持と国家安全保障の強化のため、2050年までに原子力発電設備容量を現在の約1億kWeから4倍の4億kWeとし、このために必要となる原子力の規制緩和を迅速に行う方針だ。具体的には、第3世代+(プラス)炉や先進炉の展開の促進、既存の原子力施設の継続的な運用と適切な拡大を促進しつつ、時期尚早に閉鎖された、または部分的に完成している原子力施設の再活性化を掲げている。そのため米エネルギー省(DOE)が原子力産業界と協業して、2030年までに既存の原子力施設の設備容量を500万kWe増強するほか、新規の大型炉10基の建設に着手することを、DOEの優先作業に設定している。ホワイトハウスで23日に行われた署名式には、国家エネルギードミナンス(支配)評議会の議長を務めるD. バーガム内務長官やP. ヘグセス国防長官のほか、原子力業界の幹部も同席。バーガム長官は「一連の大統領令が、50年以上続いた原子力業界に対する過剰な規制の時計の針を巻き戻す」「米国の電力需要が急増する中、既存の原子力フリートを拡大し、先進炉への投資により、信頼性の高い電力を供給、電力網を強化して、米国のエネルギードミナンスを拡大する」と強調した。なお、一連の大統領令は以下の4つに関するもの。原子力産業基盤の再活性化エネルギー省における原子炉試験の改革原子力規制委員会の改革国家安全保障強化のための先進的原子炉技術の導入C.ライトDOE長官は、「あまりにも長い間、米国の原子力産業は、お役所仕事や時代遅れの政府の政策によって妨げられてきた。AIの出現と大統領の国内製造業強化政策によって、米国の民生用原子力エネルギーは絶好のタイミングで解き放たれている。原子力は、米国にとって最大の追加エネルギー源となる可能性を秘めており、さまざまな規模で運用が可能だ。大統領令は、民生用原子力産業の束縛を解き放つものだ」と語った。ホワイトハウス科学技術局のM. クラツィオス局長は、「過去30年間、原子炉の新設がなかったが、それも今日で終わる。今回の大統領令は、ここ数十年で最も重要な原子力規制改革にむけた措置。強固な米国の原子力産業基盤を回復し、国内の原子燃料サプライチェーンを再構築し、米国が世界の原子力エネルギーを牽引していく。米国のエネルギー安全保障と、AIやその他の新興技術における継続的な優位性にとって重要である」と述べた。大統領令は、DOE傘下の国立研究所における原子炉の設計試験の申請とレビュープロセスの合理化により、迅速な原子炉の商業化を促している。また、国防総省やDOEが、軍事施設や連邦所有地で先進炉の建設にあたり、テストを通して実証された原子炉設計については、原子力規制委員会(NRC)が迅速に承認するなどの規制緩和も示している。AIデータセンターや重要な防衛施設に対する、安全で信頼性の高い原子力による電力供給確保は、AIをめぐる世界的競争、ひいては国家安全保障において不可欠との認識もある。さらにDOEに対し、原子燃料の海外依存を回避するため、国内のウラン採掘と転換・濃縮能力の拡大計画や国内燃料サイクルの強化にむけた勧告を指示するほか、原子力拡大政策を支える労働力の拡大、NRCの改革の必要性を示している。特にNRCに対しては、許認可申請の迅速な処理と革新的な技術の採用を促進するため、政府効率化省との協業によるNRCの再編成、さらに民生用原子力発電の認可と規制に際し、安全性、健康、環境要因に関する従来の懸念のみならず、原子力発電が米国の経済と国家安全保障にもたらす利益を考慮するよう指示。NRCにタイムリーな許認可を出すように要求することで規制上の障壁を取り除きたい考えだ。新規炉は原子炉の種類に関わらず、建設と運転の認可プロセスの簡素化により、数年かかる審査プロセスを18か月に短縮、既設炉の運転期間延長の最終決定は1年以内と期限を定めるなど、許認可の迅速化を指示している。
- 26 May 2025
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Natrium初号機 エネルギー・アイランドに例外措置
米国の原子力開発ベンチャー企業であるテラパワー社は5月8日、ワイオミング州ケンメラーで自社が開発するNatrium炉について、米原子力規制委員会(NRC)がプロジェクト全体の建設許可申請の審査を継続する一方で、同社による「エネルギー・アイランド」の建設を可能にする例外措置を認めたことを明らかにした。テラパワー社のC. レベスクCEOは、「当社のNatrium炉の設計は、原子炉を発電設備から切り離す革新的なもの。今回のNRCの承認により、建設スケジュールの短縮と材料費の削減が可能になる。Natrium炉は増大するエネルギー需要に対応するために最速で展開でき、最も費用対効果の高いソリューションの1つだ。原子力部の建設許可申請でNRCと引き続き協力していく」と語った。この例外措置の承認は、2024年9月のテラパワー社からの要請による。エネルギー・アイランド内の特別な取り扱いを必要としない、安全関連以外のすべての「構造物、システム、および部品」(SSC=Structures, Systems, and Components)を、連邦規則にある「建設」の適用範囲の定義から除外するもの。その後、NRCとテラパワー社間で協議が重ねられ、NRCはNatrium炉のエネルギー・アイランドでの特定の活動は、公衆の健康と安全に過度のリスクをもたらすものではないと結論。掘削中の杭の打ち込み、地下準備、埋め戻し、コンクリートまたは擁壁の設置や、基礎の設置、または特別な取扱いを必要としないSSCの現場組立、架設、製造、または試験を進めることを認めた。なお、NRCはこの例外措置は最終的な原子炉の建設許可の発給を約束するものでないとし、テラパワー社も建設許可が後に却下される可能性を考慮して、SSCの設置をしていくとしている。テラパワー社は、2024年3月にはNRCに建設許可申請(CPA)を行った。NRCとの間ではCPAおよびトピックレポートの提出に関して1年以上にわたるレビューが行われ、NRCは最近、レビューのスケジュールを前倒ししている。また、初号機建設サイトのある米ワイオミング州からは州レベルの建設許可を得ており、2024年6月に起工式を挙行、非原子力部の建設工事を開始した。「ニュークリア・アイランド」(原子力部)の着工は早くて2026年、送電開始は2030年を予定している。Natrium炉は、熔融塩ベースのエネルギー貯蔵システムを備えた34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉。貯蔵技術は、必要に応じてシステムの出力を50万kWeに増強し、5時間半以上を維持することができる。これにより、Natrium炉は再生可能エネルギーとシームレスに統合され、テラパワー社はより迅速に費用対効果の高い電力網の脱炭素化を実現させたい考えだ。
- 26 May 2025
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TVAがBWRX-300の建設許可を申請 米国初
米テネシー峡谷開発公社(TVA)は5月20日、米原子力規制委員会(NRC)に、テネシー州オークリッジ近郊の同社クリンチリバー・サイトでの、小型モジュール炉(SMR)の建設許可を申請(CPA)した。GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社製のBWRX-300(BWR、30万kWe)を採用している。今回のBWRX-300のCPAは米国初となる。北米ではカナダのオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社によるカナダ原子力安全委員会(CNSC)へのCPAに続き、2番目(OPG社は建設許可をすでに取得済み)。TVAは同サイトにBWRX-300×1基を建設し、人工知能(AI)、量子コンピューティングなどに特化した電力供給を狙っている。TVAのD. モールCEOは、「今回のCPAは、TVA、テネシー州、米国にとって重要なマイルストーン。当社はBWRX-300初号機の導入に向けた作業を実施、SMR導入に伴うリスクを軽減し、同炉型の建設を選択する他の電力会社のために道筋を作る。新型炉の導入は、今後数十年にわたって米国の家庭や企業に手頃な価格で安定した電力を供給するために不可欠」と述べた。TVAはBWRX-300の安全性、シリーズ建設の容易性、効率性を利点に掲げる。また、設置面積が小さいために迅速に建設でき、かつコンパクトなサイズのため、操作が簡単で、景観によくフィットすると指摘している。TVAはクリンチリバー・サイトについて2019年12月、米原子力規制委員会(NRC)より、SMR建設用地として事前サイト許可(ESP)を取得済み。TVAは合計電気出力が80万kWを超えない2基以上のSMRを同サイトで建設することを想定し、2016年5月にNRCにESPを申請していた。またTVAは、GEH社のBWRX-300がSMRの中でも最も実現性が高いと判断。2022年8月にGEH社とクリンチリバー・サイトでBWRX-300を建設するための計画策定と予備的許認可で協力する契約を締結した。さらに2023年3月、BWRX-300の建設を計画するカナダのOPG社、ポーランドのシントス・グリーン・エナジー社とともに、GEH社が世界中で同炉の建設プロジェクトを円滑に進められるよう、BWRX-300の標準設計を開発することで合意、GEH社と3事業者間で技術協力契約を締結している。またTVAは今年1月、ベクテル社、BWXテクノロジーズ社、デューク・エナジー社、電力研究所(EPRI)、GEH社、アメリカン・エレクトリック・パワー社(AEP)傘下のインディアナ・ミシガン・パワー社、サージェント&ランディ社などの公益事業会社とサプライチェーンパートナーとの連合を結成、米エネルギー省(DOE)の第3世代+(プラス)小型モジュール炉プログラムから8億ドルの助成金の申請を主導している。同プログラムは、米国内の原子力産業を強化し、米国初のSMR導入への支援、先進原子力技術のサプライチェーンの確立を目的に創設されたもの。この申請とは別にTVAは4月初め、DOEによるNRCとのライセンス活動の支援プログラムに800万ドルの助成の申請も行っている。TVAはCPAに先立ち、クリンチリバー・サイトの環境報告書を4月末にNRCに提出。初期のサイト準備は早ければ2026年にも開始。2028年には着工、2032年末には営業運転を開始したい考えだ。今年1月、GEH社はデューク・エナジー社とBWRX-300の標準設計ならびに許認可の推進に向けた活動に投資する契約を締結。AEP社傘下のインディアナ・ミシガン・パワー社もインディアナ州スペンサー郡で運転するロックポート石炭火力発電所サイト内に、TVA主導のDOE助成プログラムを活用してBWRX-300を建設する計画を表明している。
- 22 May 2025
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