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米規制委、テキサスの中間貯蔵施設計画に建設・操業許可発給
米原子力規制委員会(NRC)は9月13日、中間貯蔵パートナーズ(ISP:Interim Storage Partners)社がテキサス州アンドリュース郡で計画している使用済燃料の集中中間貯蔵施設(CISF)に対し、建設・操業許可を発給した。連邦政府の原子力法に基づくこの認可により、ISP社は差し当たり最大5,000トンの使用済燃料と231.3トンのGTCC廃棄物(クラスCを超える低レベル放射性廃棄物)を、CISFで40年間貯蔵できる。同社はまた、今後20年間にCISFを5,000トンずつ7段階で拡張するプロジェクトを実施し、最終的に最大4万トンの使用済燃料を貯蔵する計画。その際は、NRCが各段階で改めて安全面と環境影響面の審査を行い、今回の建設・操業許可に修正を加えることになる。ISP社は、米国の放射性廃棄物処理・処分専門業者であるウェイスト・コントロール・スペシャリスツ(WCS)社と、仏国オラノ社の米国法人が2018年3月に立ち上げた合弁事業体(JV)。同JVに対しては、日立造船のグループ企業で、使用済燃料の保管・輸送機器の設計や輸送業務等を専門とする米国のNACインターナショナル社が乾式貯蔵関係の技術支援を行っている。米エネルギー省(DOE)が2010年に、ネバダ州ユッカマウンテンにおける使用済燃料最終処分場の建設計画を中止した後、WCS社は2016年4月、テキサス州の認可を受けて操業している「低レベル放射性廃棄物処分場」の隣接区域で、CISFを建設・操業するための認可をNRCに申請。その後、オラノ社とのJV設立を経て、同JVが2018年6月に修正版の申請書を提出していた。この申請について、NRCスタッフは貯蔵施設の技術的な安全・セキュリティと環境影響を評価するとともに、付属の行政判事組織である原子力安全許認可会議(ASLB)が複数の関係訴訟で下した裁決についても審査を実施。同申請について、今年7月に「環境影響声明書(EIS)」の最終版を発行したほか、技術審査の結果を取りまとめた「安全性評価報告書(SER)」の最終版を、今回の建設・操業許可と併せて発行する。なお、NRCが使用済燃料の集中中間貯蔵施設に対して建設・操業許可を発給したのは、今回が2回目。初回は2006年、プライベート・フュエル・ストーレッジ(PFS)社がユタ州で進めていた建設計画について発給したが、建設サイト周辺で必要となる認可を先住民族の土地所有権などが絡む問題で内務省が発給しなかったため、同社は2012年12月にこの計画を断念している。NRCはこのほか、ホルテック・インターナショナル社がニューメキシコ州リー郡で進めている同様の計画に関しても、2018年から申請書の審査を実施中。2020年3月には同計画のEIS案文をパブリック・コメントに付しており、建設・操業認可発給の可否については2022年1月に判断するとしている。(参照資料:NRC、ISP社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月14日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
- 16 Sep 2021
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米規制委「ボーグル3号機のケーブル配置は不適切」と指摘
米国の原子力規制委員会(NRC)は8月27日、ジョージア州のA.W.ボーグル原子力発電所で建設中の3号機(PWR、110万kW)の電気ケーブル用配管について、NRCスタッフが特別に実施した検査の暫定的な結果を公表した。それによると、同機では緊急時に原子炉を安全に停止させる際、冷却ポンプや関連機器につながる安全系のケーブルとそれ以外のケーブルが適切に隔てられていなかった。またNRCは、建設現場でプロジェクト管理を担当するサザン・ニュークリア社が安全系の電気ケーブル用配管について品質保証上の問題点の確認や報告を行わず、是正プログラムも実施しなかったと指摘している。現状のまま建設工事が進むことになれば、NRCは同機の監視体制を強化すると表明。工事の完了までに電気ケーブル用配管の設置状況が改善されなかった場合、NRCは同機の燃料装荷や運転開始を承認しない方針だが、同機ではまだ燃料が装荷されていないため、サザン・ニュークリア社の改善措置で周辺住民のリスクが増大する恐れはないと強調している。ジョージア州のボーグル発電所では、サザン社の最大子会社であるジョージア・パワー社と複数の地元公営電気事業者の出資により、ウェスチングハウス(WH)社製AP1000を米国で初めて採用した3、4号機を2013年から建設中。2017年にWH社が倒産申請した後は、EPC(設計・調達・建設)契約を放棄した同社に代わり、サザン社のもう一つの子会社であるサザン・ニュークリア社が全体的なプロジェクト管理を引き継いだ。サザン・ニュークリア社はまた、完成した3、4号機の運転を担当することになっている。NRCは6月21日、3号機の建設現場で電気ケーブル用配管の設置修正作業が行われたのを受けて、その根本原因と品質保証上の影響範囲を究明するため、7月2日まで特別検査を実施すると発表した。電気ケーブル用配管は主に専用の配管とトレイで構成されており、緊急時に安全系機器に確実に電力が送られるようケーブルを支持する構造。商業炉でこれらの機器が万が一にも作動しない事象が発生するのを防ぐ観点から、NRCは同検査でサザン・ニュークリア社が修正作業の実施に至った際の行動、特に品質保証プロセスや原因分析などに焦点を当てたとしている。サザン・ニュークリア社側では今後、NRCの暫定的な結果を検討した上で指摘を受け入れる、もしくは追加説明をNRCに文書で提出することが可能である。NRCとしては、最終的な判断を下して文書化した決定事項を一般公開する前に、同社の追加説明など入手可能な情報をすべて考慮に入れる考えである。 3号機の建設工事では昨年12月に初装荷燃料が建設現場に到着しており、4月に始まった温態機能試験も7月末に完了した。しかし、新型コロナウイルスによる感染の影響軽減で現場の労働力は昨年4月以降、約20%削減されており、試験や品質保証関係で追加の時間が必要になったことから、ジョージア・パワー社は7月末、3、4号機の送電開始時期を現行スケジュールから3~4か月先送りし、それぞれ2022年第2四半期と2023年第1四半期に延期したと発表している。(参照資料:NRCの発表資料①、②、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 31 Aug 2021
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米FPL社、セントルーシー原子力発電所で2回目の運転期間延長を申請
米原子力規制委員会(NRC)は8月16日、フロリダ・パワー&ライト(FPL)社が保有・運転中のセントルーシー原子力発電所1、2号機(各PWR、約88万kW)について、2回目の運転期間延長を申請したと連邦官報に掲載した。1、2号機はそれぞれ1976年と1983年に送電開始しており、FPL社はこれらで当初認められていた運転期間の40年が満了する10年以上前(2001年)に、初回の運転期間延長(20年)を申請した。NRCは2003年10月に同申請を承認し、両機の現行の運転認可は2036年3月と2043年4月まで有効である。今回、2回目の20年延長が認められれば、運転開始以降の両機の累計運転期間はそれぞれ80年となり、1号機は2056年3月まで、2号機は2063年4月まで稼働が可能になる。なお米国での運転期間=40年は、技術的な制限ではなく、経済面および減価償却の観点に基づいている。NRCの発表によると、FPL社が今回の申請書を提出したのは8月3日で、NRCは現在、この申請書に漏れなどの不備がないかを点検中。運転期間の延長にともなう両機の安全性や環境影響面について、審査の実施に十分な情報が含まれていた場合、NRCは申請書を受理した上で、付属の行政判事組織である原子力安全許認可会議(ASLB)に公聴会の開催を要請することになる。米国では約100基の商業炉のうち、90基以上がこれまでに初回の運転期間延長を認められており、1基につき合計60年の稼働が一般的となっている。FPL社は2018年1月、米国の原子力発電事業者として初めて、2回目の運転期間延長をターキーポイント3、4号機(各PWR、76万kW)で申請。NRCは2019年12月にこれを承認しており、両機はそれぞれ80年間の稼働が許された全米初の商業炉になった。これを皮切りに、米国の原子力産業界では2回目の運転期間延長を模索する動きが相次いでいる。ターキーポイント3、4号機に続いて、エクセロン社のピーチボトム2、3号機(各BWR、118.2万kW)とドミニオン・エナジー社のサリー1、2号機(各PWR、87.5万kW)はすでに、80年間継続運転するための承認をNRCから獲得した。NRCは現在、同じくドミニオン社のノースアナ1、2号機(各PWR、約99万kW)と、ネクストエラ・エナジー社のポイントビーチ1、2号機(各PWR、64万kW)、およびデューク・エナジー社のオコニー1~3号機(各PWR、約90万kW)について、同様の申請を審査中である。また、テネシー峡谷開発公社(TVA)はブラウンズフェリー原子力発電所1~3号機(各BWR、116万kW)の2回目の運転期間延長に向け、正式申請前の手続きを開始した。エクセル・エナジー社も、ミネソタ州のモンティセロ原子力発電所(BWR、60万kW)が2030年に60年間の運転を終えた後、少なくとも2040年まで10年間、運転を継続したいと述べている。(参照資料:米規制委の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月13日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
- 17 Aug 2021
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ニュースケール社、米国内でのSMR建設の可能性評価で新たに公営電力と覚書
米国のニュースケール・パワー社は5月26日、同社の小型モジュール炉(SMR)事業に日本のIHIの出資参加が決まったとする発表に加え、北西部ワシントン州で同社製SMRを建設した場合の性能を評価するため、同州グラント郡の公営電気事業者「グラントPUD」と協力覚書を交わしたと発表した。同社が開発したPWRタイプの一体型SMR「ニュースケール・パワー・モジュール(NPM)」は、西部6州の電気事業者48社で構成されるユタ州公営共同電力事業体(UAMPS)が、初号機をアイダホ国立研究所(INL)内で建設することを計画。UAMPSは2023年の第2四半期までに建設・運転一括認可(COL)を申請し、2025年の後半までにこれを取得、その後、直ちに建設工事を開始する方針である。 米原子力規制委員会(NRC)はすでに2020年9月、モジュール1基あたりの電気出力が5万kWのNPMについて、SMR設計としては初めて「標準設計承認(SDA)」を発給した。工場内での製造・組立を基本とする同設計では、最大12基のモジュール接続で出力を拡大することができ、現時点では米国におけるSMR商業化レースの先頭を走っている。ニュースケール社はまた、7.7万kW版の「NuScale NPM-20」についても、SDAを2022年第4四半期に申請する予定である。この「NuScale NPM-20」の出力は、4基接続するオプションの場合30.8万kW、6基で46.2万kW、12基で92.4万kWとなる。今回の覚書でニュースケール社とグラントPUDは、ワシントン州の中心部でNPMが信頼性の高い廉価な低炭素エネルギーの供給ソリューションとなり得るか、その適性の評価作業を協力して進めていく。ニュースケール社によれば覚書の締結は、「革新的な技術を採用したSMRでクリーンエネルギーを地域コミュニティに供給する」という需要の高まりを反映したもの。予定通りに建設されれば、グラント郡の顧客の電力需要に応えるとともに、適正価格による同設計の商業化に向けて、ニュースケール社が希望した通りのスケジュールを厳守することができる。グラントPUDは郡庁所在地のエフラタを本拠地としており、水力発電所など合計約210万kWの再生可能エネルギー源で、無炭素な電力を米国の太平洋岸北西部地域や、グラント郡内の発展著しい産業部門を含む約4万の小売顧客に供給中だ。グラントPUDのK.ノルトCEOは、「原子炉の安全性や革新的技術に対するニュースケール社の真剣な取り組みは当社の価値観とも一致する」と指摘。「太平洋岸北西部地域におけるカーボンフリーな社会実現のため、原子力に重要な役割を持たせるべく協力して取り組みたい」と抱負を述べた。ニュースケール社のSMR設計についてはこのほか、カナダのブルース・パワー社が2018年11月、カナダ市場への導入を目指してニュースケール社と協力覚書を締結。さらに、ヨルダン、ルーマニア、チェコ、ウクライナの国営電気事業者や原子力委員会が同社製SMRの導入を検討中で、実行可能性調査の実施に向けた覚書を締結済みである。(参照資料:ニュースケール社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの5月27日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
- 28 May 2021
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米規制委、オクロ社製SMRの建設・運転一括認可(COL)申請を受理
米原子力規制委員会(NRC)は6月15日、カリフォルニア州の原子炉開発企業オクロ(Oklo)社が今年3月に同社製の小型高速炉設計「オーロラ」(=完成予想図)について提出していた建設・運転一括認可(COL)の申請書を受理したと発表した。オクロ社は「先進的な原子炉は地球温暖化の防止対策としても重要なツールであり、そのための申請書が受け入れられたことは先進的原子力技術の商業化に向けたブレークスルーを意味する」と表明している。オクロ社による申請は非軽水炉型の先進的小型原子炉としては初のもので、米エネルギー省(DOE)はすでに昨年12月、「オーロラ」を傘下のアイダホ国立研究所(INL)敷地内で建設することを許可していた。同社は今のところCOLの発給に必要な設計認証(DC)審査を「オーロラ」で申請していないが、NRCは2016年から同社と認可申請前協議を行っており、許認可申請前のガイダンス提供や潜在的課題の事前の指摘などを通じて申請の準備作業を支援。申請書が受理されても最終的にNRCがCOLの発給を承認するとは限らないが、オクロ社としては2020年代初頭から半ばにかけてINLで初号機の着工を目指す考えである。「オーロラ」は電気出力0.15万kWのコンパクト設計で、熱も供給する。同炉では米国でこれまでに開発・実証されてきた先進的な金属燃料を使用するほか冷却水が不要であり、少なくとも20年間は燃料交換なしで熱と電気の供給を続けることができる。また、究極的には燃料をリサイクルしたり、放射性廃棄物からクリーン・エネルギーを取り出すことも可能。NRCの説明によれば、同炉の開発は安全確実な先進的原子炉の商業化という国益にかなうものであり、このことは先進的原子力技術改革への支援を促進する「原子力技術革新・規制最新化法(NEIMA)」の目的でもある。NRCは今後、審査の準備がし易い効率的な審査日程を同社に提示するため、審査の初期段階として同設計の安全面や主要設計部分の作業に集中する。また、COL発給の可否に関する公聴会への参加要項を近いうちに連邦官報に掲載する。COLの発給により影響を受ける可能性のある者や利害関係者として参加を希望する者は、連邦官報で告知された後60日以内に参加申請手続が必要である。なお、SMR関係の許認可手続としては、ニュースケール・パワー社が独自に開発した「ニュースケール・パワー・モジュール(NPM)」について、NRCが2017年3月からDC審査を実施中。全6段階ある安全性関係の審査は、昨年12月時点で第4段階まで完了した。NPMの初号機も「オーロラ」と同様、INL敷地内での建設が予定されている。(参照資料:NRCの発表資料①、②、オクロ社の声明文、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの6月16日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
- 17 Jun 2020
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米規制委 委員の欠員ポスト埋まる
米国議会上院の環境・公共事業委員会(EPW)は5月21日、上院歳出委員会・エネルギー・水資源歳出小委員会でエネルギー政策の専門家スタッフを務めるC.T.ハンソン氏(=右写真)を上院が原子力規制委員会(NRC)の5人目の委員として承認したと発表した。同氏はエネルギー省(DOE)原子力局で上級アドバイザーを務めた経歴があり、今年2月にD.トランプ大統領が指名していたもの。これによりS.バーンズ委員が昨年4月末に辞任して以降、約1年ぶりにNRCにおける5名の委員ポストすべてが埋まることになる。ライト委員 ©NRC上院はまた、NRC委員としての初回任期が6月末に満了するD.A.ライト氏(=左写真)の再指名(新たに5年の任期)も承認。EPWのJ.バラッソ委員長は「約1年ぶりにようやくNRCの委員ポストが全部埋まった。原子力は米国のエネルギー供給保証と国家安全保障を担う重要かつ持続可能でクリーンなエネルギー源であり、全員体制となったNRCは米国の原子力産業界にとって極めて重大なこの時期に、その使命を確実に果たすことが期待される」と強調した。米原子力エネルギー協会(NEI)は同日に声明文を発表しており、M.コースニック理事長は「5名の委員全員が揃ったことを産業界として歓迎する」とコメント。ハンソン新委員については、「DOEや議会で培った豊富な経験をNRC委員としての新たな役割に生かしてくれることと思う」と述べた。現在のNRCは、K.スビニッキ委員長とA.カプト委員、およびD.ライト委員が共和党支持派である一方、J.バラン委員が民主党支持派。新委員のハンソン氏は、同じ政党の支持派を3名までと定めた原子力法の規定により、民主党支持派の中から指名された。ハンソン氏はNRCの規則に則り、2024年6月末までの任期を務めることになっている。(参照資料:EPWとNEIの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 26 May 2020
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米規制委、サリー1、2号機の2回目の運転期間延長審査で最終EIS発行、6月に最終判断へ
米原子力規制委員会(NRC)は4月10日、ドミニオン・エナジー社がバージニア州で操業するサリー原子力発電所1、2号機(各87.5万kWのPWR)について、運転期間を追加で20年延長するための2回目の審査で環境影響声明書(EIS)の最終版を発行したと発表した。同審査では安全性評価報告書(SER)の最終版が今年3月に発行済みであることから、NRCは今年6月にも、送電開始以降の両炉の運転期間をそれぞれ80年に延長するかの最終的な判断を下す。NRCはすでに、フロリダ・パワー&ライト(FPL)社のターキーポイント3、4号機(各76万kWのPWR)とエクセロン社のピーチボトム2、3号機(各118.2万kWのBWR)について、それぞれ2019年12月と2020年3月に2回目の運転期間延長を承認。サリー1、2号機でも承認されれば、米国内で3件目ということになる。1972年と1973年に送電開始したサリー1、2号機に対して、NRCは2003年3月に運転開始当初の運転期間40年に20年追加して、それぞれ2032年5月と2033年1月までとすることを承認。これにさらに20年間追加する申請書は、ドミニオン・エナジー社が2018年10月にNRCに提出していた。今回の最終EISでNRCスタッフは、両炉の運転期間延長を阻むほどの有意な環境影響の可能性は低いと判断した。これによりNRCスタッフによる技術面の審査が完了したことになり、同文書や最終SERをNRC委員が承認すれば、両炉はそれぞれ2052年5月と2053年1月まで延長運転することが可能になる。これらに続き2回目の運転期間延長が検討されている商業炉としては、同じくドミニオン・エナジー社が2017年11月にバージニア州のノースアナ原子力発電所1、2号機(99.8万kWと99.4万kWのPWR)についても申請を行う予定だと発表。デューク・エナジー社も2019年9月、南・北カロライナの両州に立地する6サイト・11基(合計出力約1,123万kW)に関して申請書の提出方針を明らかにした。NRCはこれらのうち、ノースアナの2基の申請書が今年10月~12月の期間に、デューク・エナジー社のオコニー1~3号機(1、2号機は88.7万kW、3号機は89.3万kWのPWR)の申請書が2021年10月~12月に提出されると予想している。なお、NRCは今回のサリー1、2号機のEIS報告書やドミニオン・エナジー社による申請書をウェブサイト上に公開しているが、CDなど物理的な媒体の送付は現在、新型コロナウイルス感染による緊急事態のため行えない状況。入手希望者に対しては、NRCウェブサイトからコピーを直接ダウンロードすることを推奨している。(参照資料:NRCの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 14 Apr 2020
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米原子力発電所の2019年の安全性パフォーマンス評価、全ユニットが最良カテゴリーに
米原子力規制委員会(NRC)は3月5日、国内全96基の商業炉における2019年の年間運転実績評価で、すべてのユニットを最良のパフォーマンス・カテゴリーに分類したと発表した。NRCの「原子炉監督プロセス(ROP)」で各原子力発電所の運転データを安全・セキュリティ分野のパフォーマンス指標に基づいて評価したところ、すべての商業炉が設定目標を全面的に達成していたもの。過去20年間における監督プロセスの中で初めてと伝えられており、これらの炉で適用される検査プログラムも最低限実施する通常のベースライン検査に留まることになる。NRCは今後、春から夏にかけて、このような年間評価結果の詳細を議論する公開討論会やイベントを各原子力発電所の近郊で開催する予定。年間評価の結果に関する書簡はすでに各発電所の事業者宛てに送付したほか、今後の点検プランについても通達済みだとしている。ROPの実施にともなう運転データの提出は四半期毎に各原子力発電所事業者に義務付けられており、NRCスタッフは評価結果を事業者に伝えるとともに、追加検査が必要と判断したものについては検査官を送るなどの対応をとっている。原子力発電の利用に際する住民の健康と安全性確保を最大目標に、(1)原子炉安全、(2)放射線安全、(3)テロ等に対する予防措置、という3つの主要な戦略的パフォーマンス分野を特定。これらを評価するため、安全性に関わる7つの重要側面(起因する初期事象、事象の影響緩和システム、バリアの健全性、緊急時対策、公衆の放射線防護、所内の放射線防護、物理的な防護措置)について検査を実施している。また、これらの重要側面に影響する3つの分野横断的要素――人的パフォーマンス、問題点の特定と解決、安全性を重視した作業環境――についても監督を行っている。前回、2018年末現在のROPでNRCは、全98基中4基の商業炉について「安全上の重要度の低い1~2項目について課題を解決する必要あり」と判定したほか、1基については「監視活動を大幅に強化する必要あり」と評価していた。今回、ベースライン検査プログラムからの逸脱基数が最少になったことについて、米原子力エネルギー協会(NEI)のD.トゥルー副理事長は、地元紙のインタビューで「原子炉の適切なレベル評価において、NRCが安全性に関わる事象に一層の重きを置くようプロセスを変更したから」と指摘。各原子炉で性能の改善が図られたことも、安全性関係の課題が少なくなった一因だと説明している。(参照資料:NRCの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 10 Mar 2020
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米ピーチボトム2、3号機に規制委が2回目の運転期間延長を承認、米国で2件目
米原子力規制委員会(NRC)は3月6日、ペンシルベニア州のピーチボトム原子力発電所2、3号機(各118.2万kWのBWR)(=写真)でそれぞれ2回目の運転期間延長20年間を認め、運転開始以降の通算では2号機が1973年9月から2053年8月まで、3号機は1974年8月から2054年7月までとなる、各80年間稼働することを許可すると発表した。NRCは昨年12月、米国では初となる「2回目の運転期間延長」をフロリダ州のターキーポイント3、4号機(各76万kWのPWR)で承認しており、今回のピーチボトムは2件目。これらに続いて、NRCはサリー1、2号機(各87.5万kWのPWR)の申請についても審査中であるほか、今年10月から12月までにノースアナ1、2号機(99.8万kWと99.4万kWのPWR)で、また2021年10月以降はオコニー1~3号機(1、2号機は88.7万kWのPWR、3号機は89.3万kWのPWR)で、事業者が現行で許されている60年間の運転に追加で20年間、期間延長を申請する見通しだとしている。米国では運転開始当初の商業炉の認可運転期間は40年だが、これは技術的な制限ではなく経済性と独占禁止の観点によるもの。40年間稼働することにより、原子力発電所では電気料金を通じて費用の回収が完了するとされており、減価償却の観点から議会がこの期限を定めた。最初の40年が経過するのに備えて、希望する事業者は追加の運転期間を20年ずつNRCに申請することになっており、NRCはすでに約100基の商業炉のうち94基(このうち6基は早期閉鎖済み)に対して40年プラス20年の運転継続を承認。米国では今や、合計60年の稼働が一般的となっている。ピーチボトム2、3号機はそれぞれ、2013年と2014年に最初の運転期間延長20年が認められており、事業者のエクセロン・ジェネレーション社は2018年7月に両炉で2回目の運転期間延長をNRCに申請した。同社のB.ハンソン最高原子力責任者は、過去7年間に実施した広範なアップグレードにより、両炉では安全かつ信頼性と効率性の高い運転継続が可能になったと紹介。出力を約12%向上させるために新しい機器と技術に相当額の投資を行っており、具体的には低圧と高圧両方のタービン、蒸気乾燥機、主発電機や変圧器で取り替えや機能向上を行ったことを明らかにした。同氏は一方で、「原子力発電所を運転し続けていくには今後も継続的に収益を上げていかなければならない」と明言。原子力が提供する「炭素排出量ゼロ」という恩恵が環境や経済、信頼性の側面から高く評価されるよう、政策的な改革を推し進めることが重要だとした。ピーチボトム発電所が2054年まで稼働すれば、そのクリーン・エネルギーによって5億3,600万トン以上のCO2排出が抑えられるが、これは毎年330万台の自動車を34年にわたって削減したのと同じ効果があると述べた。同発電所はさらに、地域経済を支援する施設でもあると同氏は説明した。常勤職員として雇用する750名には年間合計で8,460万ドルの給与が支払われるほか、燃料交換時には追加で年平均1,800名の臨時雇用者や職人を雇用している。彼らがホテルやレストラン、ショップに支払いを行うことで、地元の経済が潤うとしている。(参照資料:NRC、エクセロン社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 09 Mar 2020
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米トランプ大統領、原子力規制委員にC.ハンソン氏 指名へ
米ホワイトハウスは2月28日、原子力規制委員会(NRC)で昨年5月から空席となっている委員1名として、エネルギー政策の専門家で米議会上院・歳出委員会の専門家スタッフでもあるクリストファーT.ハンソン氏をD.トランプ大統領が指名する方針だと発表した。定員5名のNRCは現在、K.スビニッキ委員長(共和党支持派)、J.バラン委員(民主党支持派)、A.カプト委員(共和党支持派)、D.ライト委員(共和党支持派)で構成されている。ハンソン氏の指名が上院で承認された場合、昨年4月末に辞任したS.バーンズ委員に代わって、差し当たり2024年6月末まで務めることになる。また、共和党支持派の委員がすでに3名いることから、原子力法の規定によりハンソン氏は民主党支持派あるいは中立派と見られている。発表によるとハンソン氏は、インディアナ州のバルパライゾ大学で宗教学の学士号を取得。その後、イエール大学のイエール神学校および林学・環境学大学院で倫理学や天然資源経済学を専攻し、修士号を取得した。原子力や原子燃料サイクル、放射性廃棄物問題等に関しては20年以上の経験を有しており、米エネルギー省(DOE)原子力局で上級アドバイザーを務めたほか、コンサルティング企業のブーズ・アレン・ハミルトン社でコンサルタントとして勤務するなど、政府と産業界の両方を経験している。(参照資料:ホワイトハウスの発表資料、原産新聞・海外ニュースほか)
- 02 Mar 2020
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仏オラノ社、米原子力発電所で使用済燃料を最新の乾式貯蔵システムに移送
仏オラノ社は1月15日、同社の米国子会社で放射性物質の梱包・輸送を専門とするオラノTN社が、米国のとある原子力発電所で通常より高い崩壊熱を発する使用済燃料を、貯蔵プールから敷地内の同社製・独立型乾式貯蔵施設(ISFSI)最新版に初めて移送する一連の作業を完了したと発表した。「NUHOMS拡張型最適化貯蔵(EOS)システム」と呼称されるこのISFSIは、原子力産業界における通常レベルの崩壊熱(キャニスター1基に付き14~34kW)よりはるかに高い熱負荷に耐えられるとしており、EOSキャニスター1基分の合計崩壊熱は平均44.75kW。今回、2019年の移送活動で最終となる第5回目の作業で使用済燃料296体の移送を終えたもので、「NUHOMS EOS 37PTHキャニスター」8基の使用済燃料が8つの「NUHOMS EOS水平貯蔵モジュール(HSM)」に安全に貯蔵されたとしている。使用済燃料の貯蔵方法に関して米原子力規制委員会(NRC)は、湿式と乾式どちらも住民の健康と安全および環境を防護する上では適切であり、乾式貯蔵施設への使用済燃料の移送を早めなければならないような安全・セキュリティ上の懸念は無いという見解である。しかし、2001年の9.11同時多発テロ事件や2011年の福島第一原子力発電所事故を受けて、米国の一部議員は米国の原子力発電所のどこかで使用済燃料貯蔵プール火災が発生すれば、大量の放射性物質が放出されて広域汚染が広がるなど、2兆ドル規模の損害がもたらされると考えている。また、プリンストン大学の調査では、使用済燃料を乾式貯蔵キャスクに移すことで火災の発生リスクが大幅に下がるとの結果が出ている。オラノ社の先進的なEOS技術を使った燃料集合体の移送はすでにNRCの認可を取得済みで、キャニスター1基あたりの崩壊熱は産業界ではこれまでで最大級の50kWまで。このキャニスターはノースカロライナ州カーナーズビルの同社施設で製造されたもので、PWR用の高燃焼度燃料集合体37体を貯蔵可能な設計になっている。また、「NUHOMS EOS水平貯蔵モジュール」はノースカロライナ州モヨックのプレキャスト・コンクリート施設で製造されており、外部事象に対して最大級の核物質防護が可能であると同社は説明。崩壊熱の消散能力も50kWと最高レベルであるほか、被ばく放射線量は垂直型モジュール・システムの約半分だと強調した。今後は米国内のその他の原子力発電所でも、崩壊熱の大きい使用済燃料集合体の移送にEOSシステムの先進的な能力が活用されることになっており、燃料貯蔵プールから乾式貯蔵に移す前の冷却期間の短縮が可能。燃料貯蔵プールの管理が簡素化されるだけでなく、同プール内で管理する使用済燃料集合体の数量を削減することにもつながるとしている。 (参照資料:オラノ社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの1月16日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
- 20 Jan 2020
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米規制委、TVAのSMR建設用クリンチリバー・サイトに事前サイト許可発給
米原子力規制委員会(NRC)は12月17日、テネシー峡谷開発公社(TVA)がテネシー州オークリッジ近郊で管理しているクリンチリバー・サイトについて、原子炉建設の「事前サイト許可(ESP)」発給を承認したと発表した。正式発給は数日以内に行われるとしている。このESPは、TVAが2016年5月にNRCに申請していたもので、2基以上の小型モジュール炉(SMR)で合計の電気出力が80万kWを越えないものの建設を同サイトで想定。採用設計は特定しておらず、ニュースケール・パワー社製のSMR「ニュースケール・パワー・モジュール」、ホルテック・インターナショナル社の「SMR-160」、ウェスチングハウス社製SMRなど、4種類の軽水炉型SMR設計のパラメーターを技術情報として活用する「プラント・パラメーター・エンベロープ(PPE)」方式を取っていた。TVAは現時点で原子炉建設の具体的な計画を立てていないが、ESPの有効期間である20年間(*延長することも可能)に、「将来のエネルギー需要に備えて柔軟なオプションを取ることが可能になった」とコメントした。地元メディアのインタビューでは、TVAの総裁兼CEOが「今後2年以内に採用設計を選定する」と答えた模様。実際の原子炉建設に際しては、NRCに別途、建設・運転一括認可(COL)を申請する必要がある。ESPを取得する主な狙いは、電力会社が原子炉の建設で資金投入を決断する前に、サイト特有の安全性や環境影響、緊急時計画についてNRCから事前承認を得ることにある。ESP取得後にCOLを申請した場合、サイト関係の審査期間が短縮されるが、ESPを取らずに直接COL審査を受ける場合は、ESP審査と同等の情報をNRCに提出しなければならない。これまでにイリノイ州のクリントン、ミシシッピー州のグランドガルフ、バージニア州のノースアナ、ジョージア州のA.W.ボーグル各原子力発電所の敷地内サイト、およびニュージャージー州で立ち並ぶセーレムとホープクリーク両原子力発電所の隣接区域に対してESPが発給されている。NRCは2016年12月に8,000ページものTVAの申請書を正式に受理した後、2017年1月からESP審査を開始した。2019年4月に環境影響声明書の最終版(FEIS)を発行した後、同年6月に安全性評価報告書の最終版(FSER)を発行。8月にはこれらの文書に関する公聴会を開催し、NRCスタッフによる申請書の審査結果は妥当との判断を下していた。SMR建設を想定したクリンチリバー・サイトのESPは、NRCが緊急時対応で規制を実施する際の分析方法の承認など、いくつかの追加条項を明記。これにより同サイトで将来、原子炉の建設・運転を申請する事業者は、従来の大型原子力発電所用の緊急時計画区域(EPZ)よりも小さい区域の適用を要請することが可能になるとしている。(参照資料:米規制委、TVAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 18 Dec 2019
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米規制委と加安全委、初の共同技術審査にテレストリアル社の溶融塩炉 選択
カナダのテレストリアル・エナジー社は12月4日、米原子力規制委員会(NRC)とカナダ原子力安全委員会(CNSC)が非軽水炉型の原子炉設計に関する最初の共同技術審査で、同社が開発した小型モジュール式・一体型溶融塩炉(IMSR)設計が対象に選ばれたと発表した。 同社のIMSRは第4世代のSMR設計で、電気出力は19.5万kW。同設計の技術面については2018年12月以降、カナダの規制要件に対する適合性をCNSCが予備的に評価する「ベンダー審査(VDR)」の第2フェーズに入っている。 テレストリアル社としては、IMSRの最初の商業用実証炉をカナダで建設した後、同社の米国法人がIMSRを北米その他の市場で幅広く売り込む方針で、NRCに対してはすでに2017年1月、同設計をNRCの設計認証(DC)審査にかけるため、2019年後半にも申請書を提出すると表明済み。今年2月からは米エネルギー省(DOE)の支援金を受けるとともに、NRCによる許認可手続き前の準備活動が始まり、テレストリアル社は2020年代後半にもIMSR初号機が起動できるよう、規制当局や産業界のパートナーとともに同設計のエンジニアリングを完成させるとしている。 NRCとCNSCは今年8月、新型原子炉やSMRの技術審査を共同実施する目的で、協力覚書(MOC)を締結した(=写真)ばかり。NRCが審査を実施中、あるいはかつて審査を行った設計について、ベンダーが建設・運転することを提案した場合、CNSCは同MOCの下、NRCの審査結果を取り入れることができる。同様にNRC側も、CSNSがベンダーの要請に基づいて実施するベンダー審査や許認可プロセスの結果、得られた見識を自らの審査で活用することが可能である。 このMOCは、両者が2017年に締結した了解覚書(MOU)の協力項目を拡大する内容で、新型原子炉とSMRの技術に関する規制面の活動に加えて、これらの技術開発における経験や良好事例を一層共有していくためのもの。両者が協力して技術審査にあたることで、規制面の効率性を向上させるとともに、設計面の安全・セキュリティ確保という共通の目標達成が促進されるとした。 このような協力においては、米加双方の規制枠組や許認可プロセスにおける隔たりを認めつつ、相手側の審査で判明したエンジニアリング関係事項や基礎科学的な項目を、可能な範囲内で活用することになる。 MOC調印に際してCNSCのR.ヴェルシ委員長は、「世界的に見ても新型炉やSMRの開発は急速に進展中で、これらに対する関心も高まっている。このような革新的技術の開発と建設を安全かつ効率的に進めるため、規制関係のリーダーであるCNCSとNRCは協力していく」と述べていた。 NRCのK.スビニッキ委員長も、「このような先進技術が早いペースで浮上して来るので、規制当局としては技術を最新化するイニシアチブなどに歩調を合わせていかねばならない」と説明している。 (参照資料:テレストリアル社、CNSCの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月6日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
- 09 Dec 2019
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米規制委、ターキーポイント3、4号機で2回目の運転期間延長を承認、全米初の80年運転へ
米原子力規制委員会(NRC)は12月5日、フロリダ・パワー&ライト(FPL)社がフロリダ州で操業するターキーポイント原子力発電所3、4号機(各76万kWのPWR)に対して、2回目の運転期間延長を承認したと発表した。両炉は、1972年と1973年にそれぞれ営業運転を開始。当初の認可運転期間である40年に加えて、すでに2002年に追加で20年間の運転継続を承認されている。今回さらに、20年が追加されたことから、それぞれの合計運転期間は全米で初めて80年に延長され、3号機は2052年7月まで、4号機は2053年4月まで操業することが可能になった。 現地の報道によると、FPL社のスポークスマンが今回の判断について、「クリーンで信頼性が高く、価格も適正な原子力発電をフロリダ州で継続していく大きな節目になった」と評価。これら2基の運転継続に向けて多額の資本を機器の改修に投下したこと、確かな安全運転実績をこれまでに2基で積み重ねてきたと強調した。 FPL社が両炉について、2回目の運転期間延長を申請したのは2018年1月のことである。NRCは同年5月に申請書を受理しており、NRCの担当部門は今年7月に安全性評価報告書の最終版(FSER)を発行したほか、10月には環境影響評価について補足文書の最終版(FEIS)を発行。これらの中で、両炉の運転期間をさらに20年延長したとしても、安全面や環境影響面の問題はないと結論付けている。 また、NRCの原子炉安全諮問委員会(ACRS)と原子力安全許認可会議(ASLB)も、同申請の安全性に関わる部分を審査した。ACRSは同申請について、「一般国民の健康や安全を過度のリスクにさらすことなく、両炉は追加の期間も運転し得る」と勧告、ASLBは複数の国際環境保護団体が共同で申し立てていた同申請への異議を退けた。 米国の商業炉における運転開始当初の認可運転期間は40年だが、これは技術的な制限ではなく、経済性と独占禁止の観点からのもの。40年あれば原子力発電所は通常、電気料金によって費用の回収が完了するため、減価償却の観点から議会がこの期限を定めた。それ以降は20年間ずつ、追加の運転期間について、NRCに申請することになっている。 NRCはこれまでに、約100基の商業炉のうち91基(うち5基は早期閉鎖済み)に対して初回の運転期間延長を承認しており、運転を開始して以降60年間の運転継続が一般的。2回目の運転期間延長に関しては、FPL社のほかにエクセロン社がピーチボトム2、3号機で、ドミニオン社がサリー1、2号機で申請を行っており、NRCはそれぞれについて2018年7月と10月から審査を実施中である。 ドミニオン社はまた、ノースアナ1、2号機についても2回目の申請意思をNRCに連絡済みで、実際の申請は2020年10月から12月の間に予定されている。このほか、南北カロライナの両州で6サイト・11基の商業炉を運転するデューク・エナジー社が今年9月、これらの原子炉で2回目の運転期間延長を申請する方針を表明している。 (参照資料:米規制委の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 06 Dec 2019
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