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米NRC Natriumの安全評価を完了
米原子力規制委員会(NRC)は12月1日、米先進炉開発ベンチャーのテラパワー社が開発するナトリウム冷却高速炉「Natrium」炉を設置する「ケンメラー発電所」1号機の建設に関する最終安全評価を予定より1か月早く完了したと発表した。評価では、建設許可の発給を妨げるような安全上の問題は確認されなかった。NRCの原子炉安全諮問委員会(ACRS)は、ケンメラー発電所1号機の安全関連の側面から審査し、11月16日に審査結果を提出。NRCは今後、委員会による建設許可判断に向けて、最終安全評価書(FSER)および最終環境影響評価書(FEIS)を取りまとめ、委員に提出する。委員会はこれらが建設許可の要件を満たすかどうか判断した上で、許可発給の票決に入る。テラパワー社は2024年3月、「Natrium」炉を、ワイオミング州ケンメラーの石炭火力発電所の近傍にケンメラー原子力発電所1号機として建設するため、同社の子会社として同発電所の所有者・運転者となるUS SFR Owner(USO)に代わり、建設許可申請を行った。NRCは5月に正式な審査を開始。今年6月には本体工事に先行して非原子力部分を施工できる例外措置を認めた。現在、基礎工事など非原子力部分の建設が進行中。さらに10月には、ケンメラー1号機について、NRCの環境影響評価が完了したと発表。NRCは7月、テラパワー社との緊密な情報交換の効果と電力需要増に対応する先進炉の受入れ、認可プロセスの迅速化を目的とする5月のNRC改革に関する大統領令も考慮して、Natrium炉の建設許可申請の審査を予定より6か月前倒し、今年12月末までに完了させる方針を示していた。Natriumは、出力34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉で、熔融塩を用いたエネルギー貯蔵システムを備える。貯蔵機能を活用することで、出力を50万kWeまで引き上げ、5時間半以上維持できる点が特徴で、再生可能エネルギーとの統合を容易にする。テラパワー社はNatrium炉の送電開始を2030年と見込んでいる。
- 08 Dec 2025
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Natrium炉 英GDA審査入り テラパワーの国際展開が進展
米先進炉開発ベンチャーのテラパワー社は10月28日、自社が開発するナトリウム冷却高速炉「Natrium」およびエネルギー貯蔵システムについて、英国の安全・環境基準への適合性を確認する包括的設計審査(GDA)に正式申請したと発表した。国際市場での展開を見据えた最初の規制上のステップとなる。GDAは、英国で初めて導入される炉型に対して実施される設計認証審査。立地選定後の建設許可申請とは独立して、規制プロセスの早期段階で行われる。テラパワー社のC. レベスクCEOは「今回の申請は先進炉を英国にもたらす上で大きな一歩だ」と述べ、英政府と協力して審査を進める姿勢を示した。同社は米国でも初号機の建設準備と規制プロセスを進めている。2024年3月にはワイオミング州ケンメラーでの建設許可申請(CPA)を提出し、6月には本体工事に先行して非原子力部分を施工できる例外措置が米原子力規制委員会(NRC)により認められた。現在、基礎工事など非原子力部分の建設が進行中。さらに10月22日には、計画・開発中の「ケンメラー1号機」について、NRCの環境影響評価書(EIS)が完了したと発表した。商業用先進炉でEISが完了するのは初めてで、CPAに関しては年内に最終安全評価書(FSER)が示される見通しだ。テラパワー社は米国での規制審査で蓄積した知見や評価結果を、英国でのGDA審査にも反映させる考えだ。今年9月には米エンジニアリング大手KBR社とともに英国国内のサイト候補地の調査を開始しており、GDA申請と同時に、英国での導入を見据え、立地点候補の調査やパートナー選定、事業スキームの検討など具体的な選出準備を進めている。Natriumは、出力34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉で、熔融塩を用いたエネルギー貯蔵システムを備える。貯蔵機能を活用することで、出力を50万kWeまで引き上げ、5時間半以上維持できる点が特徴で、再生可能エネルギーとの統合を容易にする。英国でのGDA申請と米国での建設・審査プロセスが同時進行で進むことで、商用化に向けた同社の取り組みは、米英両国で着実に前進している。
- 17 Nov 2025
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東洋炭素グループ 米Xエナジーから高温ガス炉向けの構造材を受注
東洋炭素株式会社は11月7日、同社の子会社であるTOYO TANSO USA, INC.(TTU)が、米国のX-energy社(以下:Xエナジー社)から高温ガス炉用黒鉛製品(黒鉛製炉心構造材など)を受注したと発表した。今回受注したのは、Xエナジー社が開発を進める小型モジュール炉(SMR)の高温ガス炉「Xe-100」(8.0万kWe)向けの製品で、炉心構造材として同社の等方性黒鉛材「IG-110」が用いられる。納品は2028年を予定しており、現在は部品試作・材料認定等を行っている。来年中には最終設計を決定した上で、製造および加工を開始するという。売上高は約50~60億円規模と見込んでいる。「IG-110」がXe-100の炉心構造材等に採用された背景として同社は、優れた熱的・機械的特性と耐中性子照射特性等を備えた信頼性や、日本や中国、フランスの高温ガス炉の試験炉・実証炉・商業炉において採用実績を有していることなどを挙げた。高温ガス炉は、黒鉛を中性子減速材に、ヘリウムガスを冷却材に使用する次世代型の原子炉で、約950℃の高温熱を得られることが特長だ。発電のみならず、水素製造や化学プラントなど幅広い分野への応用が期待されている。高温環境・高線量下で使用されるため、炉心構造材には極めて高い耐熱性と放射線耐性が求められるが、同社の「IG-110」は、長期間にわたり安定した物性を維持し、優れた耐熱衝撃性や高純度・高強度を備える。国内外の公的機関と共同で実施した照射試験データにより、その信頼性が科学的に裏付けられている点も大きな強みだという。今年2月に策定された第7次エネルギー基本計画では、次世代革新炉(革新軽水炉、高速炉、高温ガス炉、核融合)の研究開発を進める必要性が示され、世界的にも次世代革新炉の開発・導入が加速する中で、日本製の黒鉛材料が国際的な次世代炉プロジェクトに採用されたことは、原子力サプライチェーンにおける日本企業の存在感の高まりに繋がっている。Xe-100をめぐっては、米化学大手のダウ・ケミカル社が、テキサス州シードリフト・サイトで、熱電併給を目的にXe-100の4基の導入を計画中。同社は今年3月、建設許可申請(CPA)を米原子力規制委員会(NRC)に提出し、5月に受理された。2026年に建設を開始し、2030年までの完成をめざしている。そのほか、Amazonが出資するワシントン州で計画中の「カスケード先進エネルギー施設(Cascade)」でも、最大計12基のXe-100を導入する計画が進められており、2030年末までの建設開始、2030年代の運転開始を想定している。さらに、Xe-100の展開加速に向けて、韓国の斗山エナビリティ(Doosan Enerbility)および韓国水力原子力(KHNP)が協力し、米国内でのXe-100の展開を支援している。
- 12 Nov 2025
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米国 V. C. サマー増設プロジェクト再開へ
米サウスカロライナ州営電力であるサンティー・クーパー社の取締役会は10月24日、同州で建設が中断されているバージル・C・サマー原子力発電所2-3号機の建設プロジェクト再開に向けて、カナダの資産運用会社であるブルックフィールド・アセット・マネジメント社との独占交渉に関する意向表明書(LOI)を承認した。同プロジェクトはウェスチングハウス社(WE)製の大型炉AP1000を採用しており、ブルックフィールド社はWE社の大口株主である。LOIでは、6週間の初期プロジェクト実現可能期間を設定。同期間中に、両当事者は共同でプロジェクトマネージャーを選定し、2基の建設再開を行う建設業者を評価。同発電所が発電する電力購入に関心のある事業体とも事前協議の実施を計画する。サンティー・クーパー社のP. マッコイ会長は、「当社の目標は、民間資金で原子炉を完成させ、料金支払者や納税者に負担をかけずに、サウスカロライナ州に大幅な発電設備を追加すること。ブルックフィールド社の提案はまさにそれを実現するものであり、その提案を支える財務能力がある」と語り、J. ステートンCEOは、「過去8年間にわたって設備を維持するという当社の戦略的な決定により、2基の完成をより迅速かつ低コストで完成させることができる」と指摘。建設が停止された2基の保存状態と、ジョージア州のA. W. ボーグル3-4号機および海外で運転実績のあるAP1000は、原子力産業にとって非常に魅力的な資産であるとし、同2基の完成により、初期投資を行った顧客に利益を還元していく考えを示した。家庭用および産業用の電力需要の急増と州の支援を受けて、サンティー・クーパー社は昨年、未完成の原子炉を完成させるために第三者に資産の売却を検討。2025年1月に提案依頼書(RFP)の募集を実施し、当初、70社以上から関心表明と15件の正式な提案を受けたという。2基の完成プロジェクトにより、数千人の建設雇用の創出、数百人の高度なスキルを持つ常勤雇用のほか、送電網の信頼性の向上、新たな産業誘致に伴うより多くの雇用と経済的利益が見込まれている。なお、この完成プロジェクトの権益を売却する競争プロセスにおいて、米投資銀行のセンタービュー・パートナーズ社やJPモルガン社がサンティー・クーパー社の財務アドバイザーを務めている。同発電所の建設プロジェクトの過半数(55%)を所有していたスキャナ(SCANA)社傘下のSCE&G社(2019年1月にドミニオン・エナジー社が買収)は、2-3号機の建設・運転一括認可(COL)を、2008年3月に米原子力規制委員会(NRC)に申請。COLは2012年3月に発給され、2013年3月に2号機、2013年11月に3号機が着工した。同じAP1000を採用したA. W. ボーグル3-4号機の着工とほぼ同時期である。しかし、長年にわたるコスト超過およびスケジュール遅延と、その後に続く2017年3月のWE社の破産申請を受け、SCE&G社は建設プロジェクトの残り45%の所有者であったサンティー・クーパー社とともに、2017年7月に2-3号機の建設中止を決定した。SCE&G社はその後、2018年12月に納入されていた機器の所有権をサンティー・クーパー社に譲渡。ほどなくサンティー・クーパー社とWE社との間で、プロジェクトに係る設備・機器所有権をめぐり係争に発展したが、和解が成立している。なおNRCは、SCE&G社とサンティー・クーパー社の合意により、2019年3月にCOLを失効させた。新たに建設・運転を希望する場合、再申請が必要となる。
- 11 Nov 2025
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米パリセード発電所 再稼働に向け燃料受け入れ
米国で一度閉鎖された原子力発電所が、再稼働に向けて大きな節目を迎えた。米ホルテック・インターナショナル社は10月20日、ミシガン州のパリセード原子力発電所(PWR, 85.7万kWe)に68体の燃料集合体を受け入れたと発表した。同発電所は2022年5月に経済性の悪化を理由に閉鎖され廃止段階に移行していたが、ホルテック社は米エネルギー省(DOE)の最大15億2,000万ドル(約2,300億円)の融資保証や州政府の支援を受けながら、運転再開に向けた整備作業を本格化している。再稼働が実現すれば、米国で閉鎖後に再び運転を開始する初の事例となる。今回受け入れた燃料は米国製で、炉心装荷されるまでの間は使用済み燃料プール建屋内に保管される。設備の復旧作業も進んでおり、主要機器の検査や保守を1年以上にわたり実施。現在は主要タービン発電機の再組立てが進行中で、一次冷却ポンプモーターの2基目の設置が完了した。今夏初めには、蒸気発生器の伝熱管改修も完了している。運転再開の目標は2025年末だが、具体的な時期は未定としている。パリセード発電所は1971年に営業運転を開始。2022年5月の永久閉鎖後、翌6月に当時の所有・運転者であったエンタジー社からホルテック社に売却された。当初は廃止措置を前提とした取得だったが、新たに電力販売契約が成立したことなどにより採算性の見通しが立ち、方針を転換した。米原子力規制委員会(NRC)が今年7月24日、技術審査を完了し運転再開に必要な主要許認可を承認した。これにより、燃料の受け入れが可能となっていた。米国ではエネルギー需要の増加や気候変動対策への対応を背景に、かつて経済性を理由に閉鎖されたプラントを再稼働させる動きが見られる。パリセードのほか、2019年に閉鎖したスリーマイル・アイランド1号機(PWR, 89.0万kW, 現クレーン・クリーン・エネルギー・センター)や2020年に閉鎖したデュアン・アーノルド1号機(BWR, 62.4万kW)でも、運転再開に向けた検討が進められている。
- 05 Nov 2025
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米ラスト・エナジー社 テキサスA&M大学でマイクロ炉実証へ
米マイクロ炉開発企業ラスト・エナジー社は10月15日、テキサス州の州立大学群を統括するテキサスA&M大学システムと提携し、同システム傘下の応用研究キャンパス「テキサスA&M-RELLIS」敷地内にマイクロ炉「PWR-5」を設置し、共同研究を行うと発表した。同社にとって米国内で初のマイクロ炉の配備となる。テキサスA&M大学システムは2024年11月、大学キャンパス近郊に位置する約9.7平方キロメートルの敷地を複数企業の小型原子炉の試験・建設に提供すると発表し、米原子力規制委員会(NRC)許認可手続きを開始した。プロジェクトにはこれまでケイロス・パワー、ナチュラ・リソース、テレストリアル・エナジー、アーロ・アトミックスの4社が参画。ラスト・エナジー社は5社目となる。PWR-5は、同社の商用炉PWR-20(PWR 、2万kWe)と同一設計を採用し、出力を5000kWeにスケールダウンした実証モデル。来年夏の開始を目指して低出力臨界試験を実施し、その後送電網への接続や発電試験に移行する計画だ。同社はすでに大学と土地のリース契約を締結し、燃料も確保している。PWR-20は米エネルギー省(DOE)が今年8月に開始した先端原子炉パイロットプログラム(AAP)の11炉型の一つ。モジュール設計で、工場生産から輸送、現地組立を24か月以内で完了できるという。2024年7月にはマイクロ炉開発企業として初めて英国での予備設計審査(PDR)を完了し、原子力サイト許可(NSL)の正式手続きを開始している。ラスト・エナジー社のCEO、B.クーゲルマス氏は「燃料の確保、立地の確定、関連する認可も取得済みだ。マイクロ炉の実証に理想的な条件が整っている」と期待を寄せた。同社は今年2月、テキサス州ハスケル郡で最大30基のマイクロ炉を建設する計画を発表し、事前サイト許可(ESP)の申請準備を進めている。この計画をはじめ、同社の商業契約の約半分はデータセンター向けだという。テキサスでの実証を足がかりに、商用炉の早期展開を目指す。
- 31 Oct 2025
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米ホルテック ニューメキシコ州での中間貯蔵施設建設計画から撤退
米国のホルテック・インターナショナル社は10月10日、エディ・リー・エネルギー同盟(ELEA)とのサイト購入契約を相互の合意により解約したことを明らかにした。ホルテック社はニューメキシコ州のELEA所有サイトで、使用済み燃料の中間貯蔵施設「HI-STORE CISF」の立地を計画していたが、今後は他の自治体との交渉が可能になる。ELEAとのサイト購入契約では、他自治体との協力が禁止されていた。ホルテック社は、ニューメキシコ州南東部のエディ郡内のカールズバッド市、およびその東側に隣接するリー郡と同郡内のホッブス市が設立した有限責任会社であるELEAと2015年に協力覚書を締結。ELEAが州の南東部、リー郡内に共同保有するサイトで、ホルテック社製の「HI-STORM UMAX」((地下部分に使用済み燃料を安全に乾式貯蔵するためのシステム))を備えたCISFを建設・操業することを目的に、2017年3月に同施設の建設・操業許可申請書を米原子力規制委員会(NRC)に提出。NRCは2023年5月に許可を発給した。同サイトから約19kmの場所には軍事利用で発生した超ウラン元素の高レベル・長半減期放射性廃棄物を処分する米国初の地層処分施設「放射性廃棄物隔離試験施設(WIPP)」がある。HI-STORE CISFでは、その建設から廃止措置に至るまで全20段階の工程が設定されている。その第1段階として、ホルテック社は合計8,680トンの使用済燃料を封入したキャニスター500台を発電所から輸送して同施設で受け入れ、最終処分場が完成するまで貯蔵するため、40年間有効な許可を取得。残りの19段階で最大1万台のキャニスターを暫定貯蔵する計画だった。その一方で、ニューメキシコ州のM. グリシャム知事(2019年~、民主党)は同施設の建設・操業に反対し、2023年3月、恒久的な処分場が存在しない限り、州による承認のない貯蔵・処分施設の建設を禁止する州法案に署名。さらにHI-STORE CISF建設に対する反対派からの訴えにより、米国第5巡回区控訴裁判所は2024年3月、NRCに対し、ホルテック社のHI-STORE CISFに対する許可を取り消すよう指示した。ホルテック社は、控訴裁の決定は使用済み燃料貯蔵施設の認可と規制に対するNRCの権限を含む、連邦法と明らかに矛盾しているとし、NRCおよび連邦政府と共同で米最高裁判所に対し、2024年3月の控訴裁の判決を覆し、HI-STORE CISFに対する許可を回復するよう求める請願書を提出していた。今年6月には最高裁において、Interim Storage Partners(ISP)がテキサス州アンドリュース郡で計画するCISF建設・操業に反対するテキサス州の主張が却下されたため、ホルテック社は、ニューメキシコ州においてもHI-STORE CISFの建設および操業許可の回復に期待を表明していた。
- 27 Oct 2025
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米NRC フェルミ・アメリカのCOLAを受理
米原子力規制委員会(NRC)は9月5日、フェルミ・アメリカ(Fermi America)社が申請した、ドナルド J. トランプ発電所に関する建設・運転一括認可申請(COLA)の最初の2部を受理した。同発電所には、米ウェスチングハウス(WE)社製の大型炉AP1000が4基導入される予定だ。米テキサス州を拠点とするフェルミ・アメリカ社は、元米エネルギー省(DOE)長官で元テキサス州知事のR. ペリー氏が共同創設者に名を連ねるエネルギー開発会社。次世代人工知能(AI)に不可欠なギガワット(GW=100万kW)規模の電力網の構築をめざし、テキサス工科大学(TTU)システム((テキサス州にある州立大学群))と提携。TTUシステムに世界最大の統合エネルギーとAIキャンパス「ドナルド J. トランプ大統領 先進エネルギー・インテリジェンス・キャンパス」(別名: プロジェクト・マタドール)を建設するプロジェクトを進めている。同プロジェクトは、テキサス州アマリロ郊外の約2,335万m²の敷地に建設される、世界最大級の民間初の電力網キャンパス。AP1000×4基(400万kWe)のほか、SMR(200万kWe)、ガス火力複合発電所(400万kWe)、太陽光発電とバッテリーエネルギー貯蔵システム(100万kWe)を組み合わせ、計1,100万kWeの独立電力供給インフラを確保する。これに連携する形で大規模なハイパースケールAIデータセンターを段階的に導入し、既存の電力網よりも安定性の高いエネルギーキャンパスとして、次世代AI技術を支える特化システムを構築する狙いだ。フェルミ・アメリカ社は今回受理されたCOLAの第1部を、6月17日に提出。一般的な情報や財務、環境に関するもので、続く8月20日に提出した第2部では、AP1000の標準設計を含む最終安全解析報告書の技術的部分(特定の建設予定地に依存しない章)や、その他の補足情報が含まれている。今後、第3部として、サイト固有の具体的な環境情報を2026年内に順次提出する予定。フェルミ・アメリカ社は今年8月、WE社とCOLA文書の完成と承認審査プロセスについて協力することで合意している。なおNRCは、規制効率化の一環として国家環境政策法(NEPA)に基づき、従来、NRCが作成していた環境影響評価書(EIS)を申請者(フェルミ・アメリカ社)自身がその草案を作成するパイロットプログラムを進めている。NRCのスケジュールによると、草案の提出期限は2026年2月28日で、NRCは審査をさらに効率化するために必要なフィードバックや情報提供を行うとともに、適切な時期にNRCの原子力安全・許認可委員会(ASLB)に審理を求めるとしている。さらにフェルミ・アメリカ社は9月5日、同プロジェクトに係る資金調達のため、米国証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)の登録届出書を提出した。同社はAP1000の1基あたりの建設期間を約5年と見込み、迅速な規制当局の承認と多額の資金調達により、AP1000の初号機を2032年に、後続機を2034年~2036年に順次稼働させたい考えだ。
- 01 Oct 2025
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米GLE レーザー濃縮の実証試験を完了
米グローバル・レーザー・エンリッチメント(GLE)社は9月16日、同社のノースカロライナ州にあるウィルミントンの試験ループ(Test Loop)施設において、大規模なウラン濃縮実証試験を完了し、レーザーを用いたウラン濃縮プロセスが商業的に展開可能であることを裏付ける豊富な性能データを収集したことを明らかにした。GLE社は、米国内における製造基盤や供給網を整備し、国内濃縮能力の確立を目指している。同社のS. ロングCEOは、「過去5か月にわたる実証試験活動により、当社は米国のウラン濃縮戦略のソリューションとなる体制を整えた。米国の電力供給の約20%は原子力に依存しており、GLEの取組みは、外国政府が支配する脆弱な燃料供給網への危険な依存からの脱却に資するものだ」と語った。なお、GLE社は2025年を通じて実証プログラムを継続し、数百キログラム規模の低濃縮ウラン(LEU)を生産する予定。GLE社はレーザー濃縮技術の商業化を目指し、豪サイレックス・システムズ社が51%、加カメコ社が49%所有する合弁企業。GLE社はサイレックス法(サイレックス社独自のレーザー分子法によるウラン濃縮技術)の独占行使権を保有している。GLE社はこれまでに、ノースカロライナ州とケンタッキー州で5.5億ドルを投じ、エンジニアリング、設計、製造、認可取得活動を進めてきた。現在、同社がケンタッキー州で計画しているパデューカ・レーザー濃縮施設(PLEF)は、米原子力規制委員会(NRC)が審査中の唯一の新規濃縮施設。GLEは今年7月にPLEFの建設と操業に向けた認可の申請を完了している。この認可申請は、GLE社が2012年9月に取得した、ノースカロライナ州ウィルミントンにおける商業規模のレーザー濃縮施設のNRCの建設・操業許可に基づいている。当時は市場環境が悪く、計画は進展しなかった。GLE社は2024年11月に米エネルギー省(DOE)が所有する、ケンタッキー州のパデューカ・ガス拡散工場(PGDP)跡地に隣接する665エーカー(約2.7㎢)の土地をPLEFの建設サイトとして取得しており、PLEFサイトの良好な特性から、認可取得は早まると予想されている。認可取得後、GLE社は2030年までにPGDPにある劣化六フッ化ウラン(DUF6)の再濃縮を開始する。これは、2012年11月のDOEとのDUF6の長期購入契約に基づいている。パデューカ・サイトでは、1960年代からガス拡散濃縮プラントが民生用の濃縮ウランを生産していたが、2013年に操業を停止し、サイトは現在、環境復旧プログラム下にある。PLEFで20万トン以上のDUF6を再濃縮し、最大6,000tSWU/年の生産能力となる見通し。これにより、GLE社は、ウランの転換から濃縮までを一拠点で担う、米国内の包括的な供給体制を構築したい考えだ。
- 29 Sep 2025
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米オクロ オーロラ発電所の起工式を開催
米国で先進炉と燃料リサイクルの開発を進めているオクロ社は9月22日、アイダホ国立研究所(INL)サイトで、初となるオーロラ発電所(オーロラ-INL)の起工式を開催した。起工式には、D. バーガム内務長官、L. ゼルディン環境保護庁長官のほか、アイダホ州のB. リトル知事、米原子力規制委員会(NRC)のB. クロウェル委員、米エネルギー省(DOE)のM. ゴフ首席次官補代理らが出席した。バーガム内務長官は、「オーロラ発電所は、クリーンかつ安価で信頼性の高い電力供給を可能にする。人工知能(AI)の進歩により電力需要が増加する中、そのニーズを満たし、世界のAI競争の最前線に留まり続けるために不可欠だ。トランプ大統領の『米国のエネルギー支配アジェンダ』下でイノベーションとエネルギー増産が実現する」と語った。オーロラは、金属燃料を使用するナトリウム冷却高速炉のマイクロ炉で、出力は顧客のニーズに合わせて1.5万kWeと5万kWeのユニットで柔軟に調整。少なくとも20年間、燃料交換なしで熱電併給が可能である。1964年から1994年までアイダホ州で稼働した実験増殖炉Ⅱ(EBR-Ⅱ)の設計と運転をベースにしている。オクロ社は2019年にDOEからEBR-Ⅱから回収された燃料を割当てられ、INLのオーロラ燃料製造施設(A3F)で初期炉心の製造に向けて、DOE認可の4つのステップのうち2つを完了している。オーロラ-INLは、DOEが新たに設立した原子炉パイロットプログラムに参加。今年7月には、建設運転一括認可(COL)申請のフェーズ1に関する事前審査を完了し、年内にCOLの申請を予定している。北米最大級の建設・エンジニアリング企業キウィット社の子会社であるキウィット ニュークリア ソリューションズ社は、2025年7月に発表されたマスター・サービス契約に基づき、発電所の設計、調達、建設をリード・コンストラクターとして支援。建設中に約370人の雇用と、発電所と燃料製造施設を運営する70〜80人の長期で高スキルの雇用創出が期待されているという。テネシー州に燃料リサイクル施設の建設へオクロ社は9月4日、テネシー州オークリッジにあるオークリッジ・ヘリテージ・センターの約100 haの敷地に、総額16.8億ドルを投じて、先進燃料センターにおける第一フェーズとして燃料リサイクル施設を設計、建設、操業する計画を発表した。使用済み燃料を先進炉向けの燃料に変換し、国内に供給する。国内初となる民間資金による施設を建設し、コストの削減、高レベルの雇用の創出、持続的な燃料供給の確立を目指している。オクロ社はテネシー峡谷開発公社(TVA)と共同で、同施設で電力会社の使用済み燃料をリサイクルし、将来、建設予定の発電所からTVAへの電力販売を評価する機会を模索している。米国の電力会社が最新の電気化学プロセスにより自社の使用済み燃料をリサイクルし、従来の負債を資源に変えることを模索する初の試みとなる。オクロ社のJ. デウィットCEOは、「使用済み燃料を大規模にリサイクルすることで、廃棄物をギガワットの電力に変え、コストを削減。クリーンで信頼性が高く、手頃な価格の電力供給を支援するサプライチェーンを確立していく」と抱負を語った。同社は、同施設で使用済み燃料から燃料材料を回収し、オーロラ発電所のような高速炉用の金属燃料に加工。このプロセスにより、廃棄物量を削減し、より経済的でクリーンかつ効率的な廃棄を実現したい考えだ。同施設は、規制当局による承認を経て、2030年代初めまでに燃料生産を開始する計画である。TVAのD. モールCEOは、「テネシー州は米国の原子力ルネサンスの中核。リー知事のリーダーシップの下、州はアメリカのエネルギーの未来を築く企業の誘致をリードしている。当社は、AIインフラを強化し、経済成長を促進するために必要な次世代の原子力技術を開発するオクロ社の取組みを支援していく」と語った。オクロ社によると、全国の発電所サイトに保管されている94,000トン以上の使用済み燃料に含まれるリサイクル可能な燃料から得られるエネルギーは、約1.3兆バレルの石油、サウジアラビアの原油埋蔵量の5倍に相当。今年5月の大統領令は、規制の近代化、原子炉試験の合理化、国家安全保障のための原子炉の配備、原子力産業基盤の強化など、原子力の新たな方向性を示しており、オークリッジはそれに従っているという。テネシー州には原子力研究および教育プログラムの開発を支援する原子力基金があり、オクロ社はそれを利用する5番目の原子力関連企業だという。
- 24 Sep 2025
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米TVA ニュースケール社製SMRも導入へ
米テネシー峡谷開発公社(TVA)とENTRA1エナジー(ENTRA1)社は9月2日、TVAが供給する米国南東部の7州において、ニュースケール社製の小型モジュール炉(SMR)を搭載した6プラント、最大で計600万kWeの展開で協力する合意書を締結した。ENTRA1社が電力インフラを開発・所有し、将来的にはTVAに電力を販売する計画。今回の提携により、約450万世帯または60の新しいデータセンターに相当する十分なカーボンフリーのベースロード電力供給が期待されており、両社はハイパースケールデータセンター、人工知能(AI)、半導体製造、その他のエネルギー集約的な産業部門など、莫大な電力需要に応えると強調。両社はこの計画を米政権のエネルギードミナンス(支配)戦略とエネルギー安全保障の確保の重点方針に従うものと位置づける。ENTRA1社は、米国の原子力、特にSMRと天然ガス火力発電部門に、最高水準の米国技術導入を目指す電力会社。世界的な重要インフラプロジェクトへの投資、開発、実行における豊富な経験を活かし、電力購入契約(PPA)に基づく、電力の販売に注力している。ENTRA1社はニュースケール社製のSMR「ニュースケール・パワー・モジュール(NPM)」の商業化、流通、展開に対する世界的な独占的権利を保有する戦略的パートナーであり、同SMRを搭載したENTRA1プラントの開発、資金調達、投資、運転、管理までワンストップサービスを担うと強調する。TVAのD. モールCEOは、「ENTRA1社との契約は、エネルギー安全保障を確保し、全米に雇用と投資を創出するために不可欠な次世代原子力の推進において、官民パートナーシップが果たす重要な役割を浮き彫りにしている」と指摘。ENTRA1社のS. アルバラド最高プロジェクト責任者は、「エネルギー安全保障は国家安全保障であり、信頼できる電力はアメリカの未来の生命線。AIデータセンター、高度な製造業を強化し、国力を強く保つ重要な産業を促進。豊富で手頃な価格のベースロード電力がなければ、イノベーションは失速し、サプライチェーンは寸断される」と語った。ニュースケール社のSMR「NPM」はモジュール統合型のPWR。1基あたり7.7万kWの電力、25万kWの熱を生成するNPMを最大12基連結。顧客のニーズに合わせて柔軟に拡張可能である。発電、地域暖房、海水淡水化、商業規模の水素製造、プロセス熱として供給し、世界中の多様な顧客にサービスを提供する体制を整えているという。今年5月、米原子力規制委員会(NRC)から、NPM(7.7万kWe)の標準設計承認(SDA)を取得。商業用途としてNRCの設計認証を受けた初のSMRである。TVAは、ENTRA1社のような新興企業と戦略的に提携し、手頃な価格で豊富なエネルギー供給可能な新しい原子力技術の開発を進めている。同社は今年5月、NRCに対し、テネシー州オークリッジ近郊の同社のクリンチリバー・サイトにおいて、GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製SMR「BWRX-300」(30万kWe)の建設許可を申請。さらに8月には、米原子力新興企業のケイロス・パワー社と、ケイロス社がオークリッジで建設を計画するフッ化物塩冷却高温炉の実証プラント「ヘルメス2」から最大5万kWeのPPAを締結。TVAの送電網を経由し、テネシー州とアラバマ州にあるGoogle社のデータセンターに電力を供給する計画だ。
- 09 Sep 2025
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米NRC パリセード発電所の運転再開を承認
米原子力規制委員会(NRC)は7月24日、パリセード原子力発電所に対する広範な技術審査を完了し、同発電所の運転再開に係る主要な許認可および規制措置を承認した。米国で閉鎖された原子力発電所が運転再開の承認を得るのは初。NRCの承認を受け、ホルテック・インターナショナル社のK. トライス社長は、「これは私たちのチーム、ミシガン州、そして米国にとって歴史的な瞬間。米国の原子力エネルギーにおける前例のないマイルストーンだ。当社は、今後数十年にわたって地元の雇用と経済成長を支援しながら、安全、確実に、米国のエネルギーの未来をサポートするためにパリセードの運転を再開する」と述べた。NRCは同社宛ての7月24日付の書簡で、正式に承認を通知。NRCは、予定通りに完了した技術審査に基づき、発電所および使用済燃料貯蔵施設の運転認可を、ホルテック・デコミッショニング・インターナショナル(Holtec Decommissioning International LLC)社からパリセード・エナジー社(Palisades Energy LLC)に移転することを承認。また、ホルテック社の申請により、停止前に運用されていた、技術仕様書や緊急時対応計画、品質保証プログラム、保守プログラムなどの各種文書やプログラムの復活も認められた。2025年5月、NRCは発電所の運転再開による重大な環境影響は発生しないと結論付けている。今回の承認が有効となり、発電運転体制(power operations licensing basis)に正式に移行するのは、ホルテック社の提案した2025年8月25日。これ以後、ホルテック社は燃料装荷が可能となるが、実際の運転再開のためには、まだ複数の許認可手続きがNRCで審査中であり、さらに幾つかの要件を満たす必要があるという。なお、発電所の運転は、当初の運転認可(2031年3月24日期限)の下で行われ、送電開始を今年末までに見込んでいる。パリセード発電所(PWR、85.7万kWe)は1971年に営業運転を開始。2022年5月に経済性を理由に永久閉鎖され、翌6月に同発電所は所有者・運転者だったエンタジー社から、廃止措置を実施するホルテック社に売却された。近年、各国がCO2排出の抑制に取り組み、原子力のように発電時にCO2を排出しないエネルギー源が重視されるなか、ホルテック社は同発電所を運転再開する方針に転換。2023年9月、NRCに運転認可の再交付を申請していた。現在、安全で信頼性の高い発電事業再開を保証するために、NRCの監督下で厳格なテスト、検査、メンテナンスなど、タイムリーな運転再開に向けて広範な準備作業が進行中である。このほど運転、保守、化学、放射線防護、工学の全5分野の訓練プログラムが、米国原子力発電運転協会(INPO)から完全認定された。INPOの認定は、運転再開の前提条件であり、NRCや世界原子力発電事業者協会(WANO)も評価に関与する厳格なプロセス。米ウェスチングハウス社の主導により、新訓練組織のNEXA(Nuclear Excellence Academy)が設立され、18か月間の訓練を通じて運転再開に必要なすべてのタスクに応じて正式に訓練された社内のスタッフを揃えた。
- 05 Aug 2025
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米DOE 先進試験炉のための燃料製造プログラムを発表
米エネルギー省(DOE)は7月15日、先進試験炉向けの燃料製造を加速するたため、燃料製造ラインのパイロットプログラム(Fuel Line Pilot Program)への申請の募集(RFA)を開始した。同プログラム下では、6月に発表された先進炉のパイロットプログラムによりDOEが承認を予定している試験炉向けに、米企業が開発した燃料製造ラインをDOEが認可するもの。この燃料製造ラインは、燃料を供給する先進炉と同様にDOEの国立研究所以外に建設され、DOEが迅速な承認手続きによって認可する。DOEは現在、国立研究所以外で試験炉を建設・運転することに関心のある米国の原子炉開発企業からの申請を検討中であり、2026年7月4日までに臨界を達成する可能性のある、少なくとも3炉型を今夏後半に選定する予定。この先進炉および燃料製造ラインのパイロットプログラムは、2025年5月のトランプ大統領による大統領令「エネルギー省における原子炉試験の改革」に基づく。燃料製造ラインのパイロットプログラムは、別の大統領令「国家安全保障強化のための先進原子炉技術の導入」により、先進原子炉の展開への支援のほか、燃料供給体制の強化をはかり、濃縮ウランや重要資源の海外依存からの脱却、国の原子力復興に向けた民間投資の呼び込みなどを目的としている。DOEパイロットプログラムの下で建設・運用される燃料製造ラインは、研究・開発・実証を目的としており、米原子力規制委員会(NRC)のライセンスを必要としない。原子力法の下でDOEが認可した燃料製造ライン設計は、将来のNRCによる商用ライセンス取得において迅速に処理される。申請者にとっては、DOEから認可を受けることで、民間資金の活用を促進し、将来的なNRCからのライセンス取得に向けた迅速なルートを確保、燃料製造ラインの商用化が可能になるというメリットがある。DOEによると、米国では現在、予測される需要を満たすのに十分な国内原子燃料が不足している。DOEは、燃料製造ラインの開発を活性化し、米国の生産基盤の立て直しを急いでいる。DOEのC. ライト長官は「米国には、世界をリードする原子力開発のためのリソースとノウハウがある。しかし、この急成長するエネルギー源に対応し、真の原子力復興を実現するには、安全かつ安定した国内サプライチェーンが必要。トランプ政権は規制ではなく革新を加速し、民間セクターとの協力により、新しい原子炉設計の安全な燃料供給と試験を推進して、米国消費者にとり、より信頼性が高く、手頃なエネルギーを実現する」と語った。申請者は、核物質の原材料の調達の他、先進的な燃料製造ラインの設計・製造・建設・運転・廃止措置に関するすべてのコストを自己負担。技術の実用性、製造計画、財政的な健全性などに基づき、選定される。初期申請の締切は8月15日。その後の申請も随時受け付けるという。
- 29 Jul 2025
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米NRC 先進炉の迅速審査など最近の取組みと成果に関する声明を発表
米原子力規制委員会(NRC)は7月14日、今年5月に発出された一連の大統領令および超党派のADVANCE法に沿って、イノベーションの受け入れ、認可プロセスの迅速化、規制枠組みの近代化に向けた、最近の取組みと成果について声明を発表した。NRCは今回の声明の中で、引き続き国民の健康と安全を守ることを最優先としつつ、原子力の民間利用を効率的に規制し、社会に貢献する原子力発電の導入を支援していく姿勢を明示。すべてのステークホルダーと連携し、迅速かつ一体的に対応することで、世界の模範となる規制機関としての基準を維持していくとした。声明で明らかにした最近の取組みと成果は、以下のとおり。 新型炉の審査に革新的なアプローチを採用: 新型炉の審査を予定より早く、かつ予算内で完了。進行中の新型炉やライセンス更新審査についても、大統領令で示された建設と運転の認可プロセスを18か月以内に短縮。既設炉の運転期間延長に関しては、最終決定を1年以内とする期限に合わせてスケジュールを更新。例:―ダウ社傘下のProject Long Mott社によるX-エナジー社製SMRの高温ガス炉(HTGR)「Xe-100」の建設許可発給には、18か月の審査期間を設定。―テネシー峡谷開発公社(TVA)のクリンチリバー・サイトにおけるSMR「BWRX-300」の建設許可発給には、17か月の審査期間を設定。―テラパワー社製ナトリウム冷却高速炉「Natrium」炉を採用するケンメラー発電所の建設許可の審査は、従来より6か月短縮を予定。2025会計年度最終手数料規則の公表: ADVANCE法第201条に基づき、先進炉の申請者および事前申請者に対する審査の時間単価を引き下げ。(1時間あたり318ドルから148ドルへと50%以上の削減)マイクロ炉のプラント製造工場での燃料装荷に関する指針を提示: マイクロ炉の展開に向け、重要な政策課題を解消。バージル・C・サマー1号機(PWR、100.6万kWe)およびペリー1号機(BWR、131.6万kWe)の運転期間延長を認可、それぞれ80年運転、60年運転に: 予定より早く、予算内で運転期間の延長を承認。これまでに97基の原子炉の運転認可を更新し、さらに13基については2度目の運転期間延長を認可、合計で2,200年分の原子炉運転能力を維持。設計認証の有効期間の延長: 従来15年の設計認証の有効期間を40年に延長するための直接最終規則を官報に公表。ACRS(原子炉安全諮問委員会)による審査の重点化: 審査対象を新規性や注目すべき課題に絞り込み。なお本声明に先立ち、7月1日にはNRCの委員3名が連名で、NRCを主導するために協調して取り組むことを表明した共同声明を発表している。また今年1月20日、トランプ大統領によりNRCの委員長に指名されたD. ライト氏は、6月30日に任期満了を迎えた。同氏はNRCの委員、委員長の再任候補として、6月25日の上院の環境公共事業委員会(EPW)で開催された公聴会に出席。宣誓証言の中で同氏は、再任が承認されれば、大統領令に従い、効率的なライセンス発行を優先し、米国を原子力エネルギーのグローバルリーダーとして再確立すべくNRCを率いる考えを示した。また、安全を最優先に先進炉や原子力技術の認可を妨げずに促進する方針を表明した。現在、同氏の再任は上院本会議による承認待ちとなっている。
- 24 Jul 2025
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米NRC TVAのSMR建設許可を審査へ
米原子力規制委員会(NRC)は7月9日、米テネシー峡谷開発公社(TVA)による小型モジュール炉(SMR)の建設許可申請を受理、審査を開始した。TVAは5月、NRCにテネシー州オークリッジ近郊の同社クリンチリバー・サイトにGEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製のSMR「BWRX-300」(BWR、30万kWe)の建設許可を申請した。BWRX-300がNRCによる建設許可の審査対象となったのは米国では初めて。TVAはクリンチリバー・サイトについて2019年12月、NRCよりSMR建設用地として事前サイト許可(ESP)を取得済みであり、BWRX-300の導入により、人工知能(AI)、量子コンピューティングなどに特化した電力供給を狙っている。NRCは審査の完了を2026年12月まで(17か月以内)と予想しており、TVAはNRCの審査期間中、早ければ2026年にもサイト準備作業を開始したい考えだ。TVAのD. モールCEOは、「NRCによる申請の受理は、米国初となる電力会社主導によるSMRの実用化を目指す上で重要な一歩。当社のBWRX-300の建設許可申請が、米国初のNRCの審査対象となった。他の電力会社が同炉を導入し、エネルギー安全保障と信頼性の高い電力供給を実現する道筋を確立していく」と語った。BWRX-300は、電気出力30万kWの次世代BWR。2014年にNRCから設計認証(DC)を取得した第3世代+(プラス)炉「ESBWR(高経済性・単純化BWR)」をベースにしている。カナダ原子力安全委員会(CNSC)は今年4月、OPG社に対し、ダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)サイトにおけるBWRX-300の初号機の建設許可を発給。翌5月、オンタリオ州はDNNPサイトへのBWRX-300初号機の建設計画を承認した。2029年末までに営業運転の開始を予定している。
- 18 Jul 2025
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米NRC Natriumの建設許可の審査を加速
米原子力規制委員会(NRC)は7月2日、Natrium炉の建設許可申請の審査を予定より6か月前倒し、2025年末までに完了させる方針を明らかにした。Natrium炉は出力34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉で、米国の原子力開発ベンチャー企業であるテラパワー社が開発している。同炉は、ワイオミング州ケンメラーの石炭火力発電所の近傍にケンメラー原子力発電所1号機として建設される。テラパワー社は、同社の子会社として同発電所の所有者・運転者となるUS SFR Owner(USO)に代わり、2024年3月に建設許可申請を行った。NRCがNatrium炉の建設許可申請を審査するスケジュールを短縮したのは、これが2回目。NRCは2025年2月、安全評価(SE)のドラフトが予定より1か月早く完成し、建設許可の審査が、当初予定の2026年8月よりも2か月早い同年6月に完了すると、テラパワー社に通知していた。その後、環境影響評価書(EIS)のドラフトを、予定より1か月早い2025年6月に発行。テラパワー社との緊密な情報交換の効果と2025年5月のNRC改革に関する大統領令も考慮して、最終安全評価と最終EISが6か月早く完了すると予測し、2025年12月31日までに建設許可の審査が完了すると今回、通知した。Natrium炉は、熔融塩ベースのエネルギー貯蔵システムを備えており、貯蔵技術は、必要に応じてシステムの出力を50万kWeに増強し、5時間半以上維持することができる。これにより、Natrium炉は再生可能エネルギーとシームレスに統合され、費用対効果の高い電力網の脱炭素化を実現すると言われている。なおテラパワー社は、Natrium炉の完成を2030年と見込んでいる。
- 10 Jul 2025
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米DOEとNRC 先進炉導入を迅速化へ
米エネルギー省(DOE)と米原子力規制委員会(NRC)は6月18日、それぞれ、先進炉導入の迅速化に向けた取組みを発表した。米国の国家安全保障を強化し、エネルギー目標を達成するために不可欠な、原子力エネルギーの促進、規制の合理化を目的に、米トランプ大統領が5月23日に署名した一連の大統領令を反映したもの。DOE 先進炉の新たなパイロットプログラムを発表DOEは6月18日、傘下の国立研究所以外でDOEの管理権限のもと、先進炉の設計試験を迅速に進める柔軟な措置として、新たなパイロットプログラムを開始すると発表した。原子炉試験の簡素化と、2026年7月4日までに少なくとも3基の試験炉を臨界状態に到達させることが目的。トランプ大統領は、米国を再び原子力分野のリーダーとし、信頼性が高く、多様で、手頃な価格のエネルギー供給を確保して、米国の繁栄と技術革新を推進することに取り組んでいる。大統領令「エネルギー省における原子炉試験の改革」に従った、この新しいパイロットプログラムは、米国の原子力技術を最大限に活用、米国内の雇用を支援し、イノベーションの促進とともに、国家安全保障の強化に資するとの考えだ。このパイロットプログラムは、DOEの施設内で実施されるマイクロ炉のテストベッドでの試験のほか、国防総省(DOD)が主導する「プロジェクト・ペレ」や民間産業主導の既存プロジェクトを元に構築されている。あくまで原子炉の研究・開発を促進するためのものであり、商業的な適合性を実証するためのものではないという。このプログラムの下で建設された試験炉はNRCの認可を必要とせず、原子力法の下でDOEから認可を受けることで、民間資金の活用を促進し、将来的なNRCからの商用ライセンス取得に向けた迅速なアプローチが可能になると予測されている。DOEは同パイロットプログラムにより、国立研究所以外で試験炉を建設・運転することに関心のある、米国の原子炉開発企業を募集している。2026年7月4日までに稼働の見込みがある先進炉が対象。申請者は、各試験炉の設計・製造・建設・運転・廃止措置に関するすべてのコストを自己負担。技術の実用性、サイト評価、財政的な健全性、臨界状態達成までの詳細な計画などに基づき、競争により選定される。初回申請の締切は2025年7月21日。その後の申請も随時受け付けるという。NRC マイクロ炉の工場製造・運用に向けた方針を決定米原子力規制委員会(NRC)は6月18日、マイクロ炉の新たな導入手法を可能にするため、以下に示す3つの政策方針を明らかにした。マイクロ炉は、工場で製造・燃料装荷・試験を行った後に運転サイトへ輸送することを想定。なお、これらマイクロ炉は、現在の大型炉の1%以下程度の出力となると見込まれている。連鎖反応を防止する機能を備えた工場製造のマイクロ炉については、燃料装荷されていても、それを「運転中」とみなさない。連鎖反応を防ぐ設計を持つマイクロ炉であれば、NRCが発行する燃料保有を許可するライセンスのもとで、工場で燃料装荷を行うことが可能である。運転サイトへ輸送する前に、工場でマイクロ炉の試験を実施する際に、NRCの「非動力炉」の規制を準用して許可する。NRCは、先進炉の導入促進法(ADVANCE法)や関連する大統領令に基づき、ライセンス手続きを効率化し、マイクロ炉の商業化への移行を円滑に行うため、DOEやDODと協力して、DOE/DODのサイトに、または国家安全保障インフラの一部として、マイクロ炉を建設・運用する取組みに関与していく方針だ。
- 02 Jul 2025
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米GVH社 加オンタリオ州にBWRX-300の拠点設立へ
GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社は6月23日、カナダ・オンタリオ州で州営電力のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社が取組む、ダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)近くのダラム地域に、BWRX-300のエンジニアリング&サービスセンターを設立する計画を発表した。同センターには最大5,000万米ドル(約71.8億円)を投資する予定で、DNNPに配備予定のGVH社製SMRのBWRX-300の長期的な運転と保守を支援するためのエンジニアリングならびに技術サービスを提供する。また、イノベーションとトレーニング、知識共有、サプライチェーンへの関与、労働力開発のハブとしての役割ももたせる。年間最大2,000人の原子力専門家、サプライヤー、国際パートナーがオンタリオ州に集まり、ダラム地域に大きな経済的利益をもたらすことが期待されている。GEベルノバ・カナダ社のH. チャ―マーズCEOは、「本センターは、オンタリオ州の原子力リーダーとしての地位をさらに強化し、業界をリードする研修体制を通じてカナダの原子力人材の育成を促進する。原子力分野の最先端の人材と技術革新を州にもたらし、BWRX-300の世界展開を後押しするものだ」と語った。同センターは2027年末までに稼働予定。最先端のバーチャルリアリティ・シミュレーターが設置され、安全で効率的なSMRの燃料補給や保守作業の研修が可能になる。また、SMRに特化した高度な保守・点検技術の開発や、BWRX-300の停止期間に備えた計画・実行準備の拠点としての機能も果たす。さらに、原子力事業に加えてGEベルノバ社の他事業の支援拠点としての役割も担うほか、GVH社の米ノースカロライナ州ウィルミントンにある生産拠点も補完する。BWRX-300は、電気出力30万kWの次世代BWR。2014年に米原子力規制委員会(NRC)から設計認証(DC)を取得した第3世代+(プラス)炉「ESBWR(高経済性・単純化BWR)」をベースにしている。カナダ原子力安全委員会(CNSC)は今年4月、OPG社に対し、DNNPサイトにおけるBWRX-300の初号機の建設許可を発給。翌5月、オンタリオ州はダーリントン・サイトへのBWRX-300初号機の建設計画を承認した。
- 01 Jul 2025
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米最高裁 中間貯蔵施設に反対するテキサス州の主張を却下
米連邦最高裁判所は6月18日、テキサス州アンドリューズ郡の使用済み燃料の統合型中間貯蔵施設(CISF)に関する米原子力規制委員会(NRC)の許認可をめぐる訴訟で、テキサス州および同州の石油・天然ガス鉱区権益保有者のファスケン・ランド・アンド・ミネラルズ(Fasken)社が、司法審査を求めることはできないとして、両者を当事者適格とした第5巡回区控訴裁判所の判決を、手続き的に無効と判断し、却下した。ただし、最高裁は、原子力法ならびに放射性廃棄物政策法の下で、NRCがオフサイトで使用済み燃料を保管する民間企業に対して許可を与える権限があるかどうかについての判断は保留した。その代わりに、最高裁はこの訴訟を控訴裁判所に差し戻し、テキサス州およびFasken社による審査請求(=NRCの許可に対する異議申し立て)を棄却または却下するよう指示した。最高裁による却下の理由として、「ホッブズ法によれば、行政機関の最終決定に司法審査を求めることができるのは“不利益を被った当事者”に限られる。原子力法では、“当事者”とは許認可申請者か、許認可手続きに正式に介入した者だが、テキサス州もFasken社も許認可の申請者ではなく、正式な介入にも至っておらず、そもそも、両者は控訴裁での司法審査を受ける資格はなかった。このため、控訴裁の判決を却下し、NRCにオフサイトの民間貯蔵施設を許可する権限があるかという根本的な法的争点には踏み込まない」と述べている。NRCは2021年9月、Interim Storage Partners(ISP)社に対し、テキサス州アンドリューズ郡にある放射性廃棄物処理・処分専門業者のWaste Control Specialists(WCS)社の敷地内に、CISFを建設・操業することを許可した。ISP社は、WCS社と、仏国オラノ社の米国法人が2018年3月に立ち上げた合弁事業体(JV)。テキサス州とFasken社は、NRCによる許可発給を「越権行為」とし、ニューオリンズを拠点とする第5巡回区控訴裁判所に訴えた。2023年8月、控訴裁は原子力法に照らし、「NRCにそのような許可を与える権限はない」と判断し、NRCによる許可を無効とした。この判決を不服とするNRCとISP社は2024年6月に最高裁に上告していた。今回の最高裁の判断により、NRCが発行したCISFの建設・操業許可は有効となったが、ISP社は「これまでに表明してきたように、テキサス州の同意なしにWCSサイトにおいて使用済み燃料のCISFの開発を進めることはない。州および国全体が、原子力発電やその他の重要な原子力技術の利用価値をますます認識し探求する中で、当社は州および連邦の指導者たちが協力し、実証済みの技術的解決策を適用して、米国の使用済み燃料管理の課題に対処していくことを期待している」と表明した。ISP社は、2021年発給のCISFの建設・操業許可では、最大5,000トンの使用済み燃料と231.3トンのGTCC(クラスCを超える)((米国における低レベル放射性廃棄物(LLW)は含有核種(長寿命、短寿命の核種)と濃度によってクラスA、B、Cに分類される。クラスA:ドラム缶、金属箱等に収納した放射性核種濃度の比較的低いもの、クラスB:300年間耐用の高健全性容器に入れられる濃度の廃棄物、クラスC:放射化された鋼・ステンレス鋼等の廃棄物。さらにクラスCを超える放射性濃度の廃棄物はGTCC(Greater Than Class C)とされ、炉内構造物相当の放射性核種濃度の廃棄物のため、浅地中処分に適さないものとされており、NRCの許可を受けた施設に処分される。))低レベル放射性廃棄物を40年間貯蔵することを想定。さらに5,000トンずつ、追加7フェーズで拡張し、最終的に最大4万トンの使用済み燃料の貯蔵を計画している。これには、NRCが各フェーズで改めて安全面と環境影響面の審査を行い、すでに発給された建設・操業許可に修正を加えるという。
- 01 Jul 2025
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米テラパワー社 米NVIDIAも出資
米国の原子力開発ベンチャー企業のテラパワー社は6月18日、6.5億ドル(約941億円)の資金調達を完了したことを明らかにした。この資金調達には、米国の半導体大手であるエヌビディア(NVIDIA)社の投資部門であるNVentures社を含む新規投資家と、既存投資家であるテラパワー社の創業者のB. ゲイツ氏と韓国のHD現代重工業が参加したという。資金調達の詳細は明らかにされていない。生成AIの拡大による電力需要の急増に対応するため、米国のIT大手各社がクリーンで安価かつ安定した電力供給が可能な原子力分野への投資を急速に拡大しており、今回のエヌビディア社の出資もその一連の動きのひとつ。今回の資金調達により、テラパワー社は自社が開発するNatrium炉の初号機ならびに米国内外での追加ユニットの迅速な配備計画を推し進める計画だ。Natrium炉は、熔融塩ベースのエネルギー貯蔵システムを備えた34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉。貯蔵技術は、必要に応じてシステムの出力を50万kWeに増強し、5時間半以上を維持することができる。これにより、Natrium炉は再生可能エネルギーとシームレスに統合され、より迅速に費用対効果の高い電力網の脱炭素化を目指している。テラパワー社は、2024年3月に米原子力規制委員会(NRC)に建設許可申請(CPA)を行った。NRCとの間ではCPAおよびトピックレポートの提出に関して1年以上にわたるレビューが行われ、NRCは最近、レビューのスケジュールを前倒ししている。また、初号機建設サイトのある米ワイオミング州からは州レベルの建設許可を得ており、2024年6月に起工式を挙行、非原子力部の建設工事を開始した。2026年にNRCから建設許可を取得し、早ければ同年に「ニュークリア・アイランド」(原子力部)を着工、2030年に送電開始を予定している。テラパワー社のC. レベスクCEOは、「当社は、原子力科学のイノベーションが世界にポジティブな影響を与えるという考えに基づき設立された。NVIDIA社による出資は、当社の高い資金調達力の表れ。NVIDIA社が投資家グループに加わったことを誇りに思う」と語った。NVentures社のM. シデーク副社長は、「生成AIが産業を変革し続ける中で、原子力はこれらの能力を強化するより重要なエネルギー源になる」「テラパワー社の技術は、環境への影響を最小限に抑えながら、世界のエネルギー需要を満たす革新的かつ炭素フリーなソリューションだ」と述べた。
- 25 Jun 2025
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