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米テネシー州 核融合専用規制で全米初のライセンス
米テネシー州のB. リー知事は8月31日、テネシー州環境保全局(TDEC)が核融合開発企業のタイプ・ワン・エナジー(Type One Energy)社に対し、核融合装置の運転に必要な副産物物質ライセンスを発給したことを明らかにした。核融合装置に特化した新たな規制制度に基づくライセンス発給は全米初。同州オークリッジ近郊にあるテネシー峡谷開発公社(TVA)のブルラン・エネルギー・コンプレックス(旧ブルラン火力発電所サイト)で進められる、ステラレータ技術((複雑にねじれたコイルだけでプラズマ閉じ込めに必要な磁場を作る方式。))を採用した商用核融合プロジェクト「プロジェクト・インフィニティ」(Project Infinity)が今回のライセンス発給の対象。同プロジェクトは段階的に進められ、工学的検証・訓練用プラットフォーム「Infinity One」に続き、40万kWeの商用核融合設備「Infinity Two」の建設を計画している。タイプ・ワン・エナジー社は2025年2月、TVAと「Infinity Two」の計画策定に関する協力で合意し、同年9月には同計画をブルラン・エネルギー・コンプレックスに展開する意向書(LOI)を締結。同社とTVAは密接に連携し、今年1月にライセンスを申請していた。米原子力規制委員会(NRC)は2023年4月、核融合装置を商用核分裂炉と同様の規制ではなく、既存の副産物物質(Byproduct Material)規制を基に管理する方針を決定。NRCとの協定に基づき副産物物質の規制権限を持つ「Agreement State」であるテネシー州では、TDECにある放射線保健部門が核融合装置および核融合関連活動のためのライセンスプログラムの策定を主導し、今年6月に全米初となる核融合装置専用の規制制度を施行した。今回のライセンス発給は同規制制度の初適用事例。同州は今後、同制度を他の州が核融合発電を規制する際の参考モデルにしたい考えだ。プロジェクト・インフィニティは段階的に進められる。第1段階では、工学的検証・訓練用プラットフォームの「Infinity One」を年内に着工し、2029年の運転開始をめざす。続く第2段階では、「Infinity Two」を2028年に着工し、2034年の全面運転を計画している。タイプ・ワン・エナジー社の商業用地は、オークリッジ国立研究所(ORNL)、TVA、テネシー大学などとのプロジェクトを通じて核融合開発キャンパスとして整備される予定だ。リー知事は、「テネシー州は原子力エネルギーの世界的中心地として、次世代の原子力イノベーションを牽引するために必要な人材、インフラ、規制の枠組みを整備している。核融合のような新技術に向けた明確な道筋を示し、今後何世代にもわたり信頼性が高く豊富なエネルギー源を推進している」と強調した。
- 11 Sep 2026
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米スタートアップ 原子力産業向けAIアシスタントを全面展開へ
米国のAI開発企業Atomic Canyon社は8月18日、原子力産業向けAIアシスタント「NIVA(Nuclear Industry Virtual Assistant)」を、北米の商業用原子力発電所向けに全面展開すると発表した。NIVAは、米国原子力発電運転協会(INPO)、電力研究所(EPRI)、原子力エネルギー協会(NEI)と共同開発したもので、これらの組織に加盟する商業用原子力発電所が利用できる。約6か月間の試験運用を終え、原子力発電所に蓄積された膨大な技術、規制、運転情報をAIで検索・整理し、現場の専門家が必要な知識に迅速にアクセスできる仕組みが、実証段階から本格運用の段階に入った。NIVAでは、「Knowledge Assistant」と「Operating Experience(OE)Assistant」の2機能を提供。「Knowledge Assistant」は、利用者が自然な言葉で質問すると、原子力規制委員会(NRC)の規制指針やNEIのガイダンス、INPOの基準、EPRIの技術報告書などを根拠として回答を生成し、回答中に出典を示す。もう一つの「OE Assistant」は、単純なキーワード検索ではなく、質問の意味や文脈を分析して関連する過去の運転経験を抽出し、その内容についてさらに掘り下げて質問することができる。技術的な問題への対応を支援する「Troubleshooting」機能も開発中で、2026年後半の試験運用を予定している。NIVAの技術基盤となるのが、Atomic Canyon社のAIプラットフォーム「Neutron」と、原子力分野に特化したAIモデル「FERMI」。Neutronは、許認可根拠、運転手順、保守履歴、エンジニアリング記録などとAIをつなぐ役目を担う。FERMIはオークリッジ国立研究所(ORNL)とスーパーコンピューター「Frontier」を活用して共同開発され、5,300万ページを超えるNRCの規制関連データを学習。原子力特有の用語や略語、文脈を理解するとともに、回答を実際の記録に紐付け、専門家が検証できる仕組みを採用している。先行導入企業には、米国最大級の原子力事業者であるコンステレーション社も含まれる。同社が所有する12の原子力発電所でNIVAを6か月間試験運用し、今後も業務強化や知識継承、効率向上に活用する方針だ。Atomic Canyon社は今回の全面展開と同時に、NVIDIA社、ベンチャーキャピタルのPlug and Play Ventures社、米資産運用会社バンガード社のT. バックリー元CEOらから新たな資金を調達した。NIVAの全面展開により、原子力産業が長年蓄積してきた知識をAI検索で共有し、運転・保守、人材育成の効率化につながることが期待されている。
- 02 Sep 2026
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米テラパワー サプライチェーン強化で韓国企業と協力拡大
米先進炉開発事業者のテラパワー社は8月14日、韓国ソウルで、韓国の現代E&C(現代建設)社およびSKイノベーション社と、先進炉「Natrium」の米国や韓国、一部海外市場での開発・商用化に向けた協力で合意。テラパワー社は、自社の先進原子力技術と韓国企業の原子力建設・運転の経験を組合わせ、Natrium炉の世界展開を加速させる方針である。Natrium炉は34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉で、熔融塩蓄熱により一時的に最大50万kWeまで出力を高めることが可能。テラパワー社は今年3月、米原子力規制委員会(NRC)からワイオミング州ケンメラーにおける初号機の建設許可を取得し、翌4月から建設を開始しており、2030年に完成予定。同社はNatrium炉の商業展開も視野に入れ、今年1月にはIT大手のMeta社と、米国内で最大8基のNatrium炉を建設する商業契約を締結。早ければ2032年までに2基の供給に向けてMeta社が初期開発を資金面で支援し、さらに2035年までに最大6基の追加導入で合意している。2月には、英国における包括的設計審査(GDA)が開始されている。今回、現代E&C社とは、Natrium炉の商業展開を支援する枠組み協力で合意。現代E&C社を設計・調達・建設(EPC)の請負業者として選定し、最大8基の建設に向け、工期・価格・性能保証面で協力する。本提携により、コストの合理化、設計・建設効率の向上、グローバルなサプライチェーンを強化してNatrium炉の導入を加速し、米国および選定された国際市場へNatrium炉を展開する考え。加えて、テラパワー社はSKイノベーション社と韓国初となるNatrium炉の導入および国際的な事業拡大に向けて基本合意書を締結した。運用と保守の最適化のため、デジタルツイン技術やAIを含むエンジニアリング・デジタル技術面での協力を検討する。さらに、同日の8月14日、テラパワー社は斗山エナビリティ社とNatrium炉の主要機器製造契約を締結した。ケンメラーで建設中の初号機向けに、炉心バレル、原子炉容器ガードベッセル、炉内構造物を製造する。両社は2024年12月から製造可能性の検討を進め、設計改良を重ねて製造発注が可能な段階まで成熟度を高めてきた。
- 26 Aug 2026
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米原子力産業の「モメンタム」鮮明に NECXに1800人超
米原子力エネルギー協会(NEI)と米原子力学会(ANS)が共催する「Nuclear Energy Conference & Expo(NECX)」が8月24日、米テキサス州ダラスで開幕した。27日までの4日間の日程で、1800人を超える原子力関係者が参加しており、米国原子力産業の活況を映す大会となっている。25日の開会セッションでは、NEI理事会議長を務めるエンタジーのD. マーシュ会長兼CEOの開会挨拶に続き、米原子力規制委員会(NRC)のH. ニー委員長が登壇した。ニー委員長は約15分間にわたり、NRCが進める規制改革について説明。「もはや原子力を導入できるかどうかではなく、いかに早く、大規模に展開するかが課題だ。NRCはその実現を支える規制機関へと変革していく」と述べ、原子力発電の大幅な拡大を見据えて規制のあり方を変えていく考えを強調した。続いて、米国の主要電力会社で原子力部門を率いる幹部らによるパネルセッションが行われた。既設原子力発電所の最大活用に加え、新規建設に向けた投資の促進、サプライチェーンの強化、人材の確保など、今後の原子力発電拡大に向けて産業界が直面する課題が幅広く共有された。NEIのJ. コーテック上級副理事長は本紙の取材に対し、「今年のNECXには1800人以上が参加し、昨年から500人規模で増えた。これは現在の米国原子力産業界のモメンタムを表すものだと受け止めている」と指摘。「この機会を生かし、産業界の動きがさらに活性化していくことを期待している」と語った。
- 26 Aug 2026
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フラマトム 米国で先進炉向け燃料製造を推進
仏フラマトム社は7月23日、同社が米ワシントン州で操業するリッチランド燃料製造施設で濃縮度10%までの燃料製造を可能にするライセンス修正申請(LAR)を米原子力規制委員会(NRC)が承認したことを明らかにした。これにより米国内での先進炉向け燃料の生産能力を拡大し、小型モジュール炉(SMR)やマイクロ炉を含む次世代炉の導入加速を支えていく方針。フラマトム社は2024年9月、LARをNRCに提出。今回の承認は、同サイトで乾式転換プロセスを活用し、六フッ化ウラン(UF6)を酸化ウラン(UO2およびU3O8)粉末への転換を可能にするもの。同工程で製造される燃料は、既存の軽水炉燃料よりもさらに高い濃縮度を必要とする原子炉向けで、TRISO(3重被覆層燃料粒子)燃料の製造も含まれる。今年5月には既存の軽水炉市場向けのLEU+(濃縮度5%超の燃料)製造を可能にするライセンス変更の承認もNRCから得ており、燃料交換サイクルの延長を含む、安全で信頼性の高い経済的な燃料サイクルを支援していく。2025年9月、フラマトム社は米国内唯一の独立系TRISO燃料製造事業者であるスタンダード・ニュークリア社と、特定の炉型に限定しない合弁企業を設立している。SMRやマイクロ炉を含む先進炉の開発・運転事業者向けのTRISO燃料の市場投入が目的。今回の承認を受け、予定通りにリッチランド・サイトで設備の試運転を開始し、年間数トン規模のTRISO燃料を生産する。現在の生産能力から大幅な増産となるという。同サイトでは現在の需要に応えるため、2027年にUO2粉末およびTRISO粒子の製造開始を予定している。さらにフラマトム社は、将来的には濃縮度20%までのHALEU燃料を製造する計画である。米エネルギー省(DOE)に対し、HALEU導入に向けた支援金の申請をしており、必要な設備やシステムはすでに設計・解析済みのため、追加のライセンス修正も迅速に進められると見込んでいる。
- 19 Aug 2026
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ニュークレオ フランスにおけるMOX燃料製造施設の認可手続きに進展
仏パリに拠点を置く先進炉開発企業のニュークレオ社は7月17日、同社が開発する鉛冷却高速炉(LFR)用MOX燃料製造施設の建設に向けた安全設計・対策の基本方針について、現段階において安全確保の考え方は概ね妥当とする仏原子力安全・放射線防護局(ASNR)の見解を明らかにした。ASNRは、ニュークレオ社が2024年12月に提出した原子力安全プログラムの詳細を審査した。特に多重の安全対策(深層防護)や安全側に立った決定論的アプローチの適用、十分に高い一般安全目標の設定、および類似施設の運転経験や過去の教訓の設計への反映などから、フランスの原子力安全規制の要求を満たす見通しがあると評価した。一方で、航空機墜落の影響評価、火災の進展分析、および封じ込め原則の遵守について追加検討を求め、ニュークレオ社は今後、ASNRのこれらの勧告を施設設計に組み込み、2027年末までに予定している設置許可申請(DAC)に向けて準備を進める方針である。同社は今回の評価がフランスにおけるMOX燃料製造施設の実現に向けた重要な規制上の節目と位置付けており、現在は同様の規制審査が進められているLFRの設計についても、ASNRの見解を待っている段階である。ニュークレオ社のLFRおよびMOX燃料製造施設プロジェクトについて、国家公開討論委員会(CNDP)は同プロジェクトが環境に重大な影響を及ぼし、国土整備、社会、経済の各分野において国家的な課題を有していることから公開討論の実施を決定し、今年4月~7月にかけて実施された。同社はステークホルダー関与段階を完了した初の革新炉開発事業者となり、今後、CNDPの結論を慎重に評価し、得られた知見をプロジェクトの継続的な開発と計画に反映させるとしている。同社が開発する第4世代の鉛冷却高速炉の原型炉「LFR-AS-30」(3万kWe)は、フランス中部のアンドル=エ=ロワール県で、フランス電力(EDF)が運転するシノン原子力発電所(PWR、95.4万kW×4基)に隣接したサイトに建設される計画。2033年末までに稼働開始を目指している。LFRの燃料となるMOX燃料製造施設については、フランス東部のオーブ県に建設する計画。同施設はモジュール施設として設計されており、必要に応じて生産能力を拡大、最終的には3つの生産ラインを含む可能性があり、最初のラインは2032年に稼働を予定している。さらに、ニュークレオ社は、米国市場においてもLFRおよびMOX燃料製造施設プロジェクトの実現を目指し、今年2月下旬、これら施設の将来的な許認可取得に向け、米原子力規制委員会(NRC)に事前申請の協議に係わる意向書を提出。以後、規制プロセスに本格的に着手し、商業炉LFR-AS-200(20万kWe)の導入に向け、今年7月中旬、規制上の不確実性を早期に減らして審査プロセスを円滑にするため、審査の方向性と課題解決を事前に整理する規制協議計画(REP)をNRCに提出した。続けて8月6日にはMOX燃料製造施設の建設に関するREPを提出した。同社は使用済み燃料から回収したプルトニウムと劣化ウランを再利用したMOX燃料を自社で製造し、それを鉛冷却高速炉で利用する「燃料サイクル一体型」の事業モデルを米仏両国で確立したい考え。
- 10 Aug 2026
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米NRCが規制制度を抜本見直し 実効性・効率性・迅速性を追求
米原子力規制委員会(NRC)は6月中旬から7月上旬にかけて、規制制度をリスク情報に基づき、より効率的で予見可能かつ合理的なものへ見直すため、複数の重要な規則改正案を相次いで公表した。2024年制定の先進的な原子力展開の加速化法(ADVANCE法)、2025年5月の「NRC改革に関する大統領令」を踏まえたもの。同大統領令ではNRCに対し、規則および指針文書の検討と抜本的な改正を指示。発令日から9か月以内に規則改正案を公示し、18か月以内に最終規則及び関連する指針を整備するよう指示しており、NRCは一連の規則改正の取組みを続けている。NRCのH. ニー委員長は、現行の規制が新技術や米国のエネルギー需要に追いついていないと指摘。一連の規則改正により硬直的な枠組みや不必要な保守主義を取り除き、安全性を堅持しながら、許認可手続きに要する時間と負担を減らし、先進炉を含む新たな原子力発電所の導入や既設炉の活用を促進するため、米国の原子力利用拡大を支える規制基盤を構築する意向を示した。以下のような重要な規則改正案について現在、パブコメや公開協議が実施されている。■環境審査プロセスの大幅な近代化2023年6月の国家環境政策法(NEPA)の改正に基づき、環境保護の水準を維持しつつ、原子力施設の許認可に伴う環境審査の効率化を目的に、環境保護規則を大幅に改正。現行規則は数十年間、包括的な見直しが行われておらず、今回の改定で、NEPAの要求にはないがNRCが実施している環境影響評価(EIS)草案の作成・公表を廃止し、重大な環境影響を通常は生じないとNRCが判断する行為についてEISやEA(環境アセスメント)を不要とする「カテゴリー除外」(CatEX)の適用を拡大。2度目の運転期間延長、出力増強、廃止措置に加え、新設炉計画についても、一定の条件を満たし、通常は重大な環境影響を生じないと判断されるものをCatEXの適用対象として検討する。また、これまで案件ごとに審査期間が大きく異なっていた環境審査について、NEPA改正を反映し、原則としてEAは1年以内、EISは2年以内に完了することを明確化。NRCによる環境審査の対象を、法的権限によって防止・緩和できる放射線安全や核セキュリティに関する影響に大幅に限定、権限外の一般的な非放射線影響は原則として審査対象外とする。審査期間を短縮して手続きの予見可能性を高め、申請者・NRC双方の規制負担の軽減を図る。■放射線防護規則の近代化放射線防護規則に最新の国際的な科学的知見や運用実態を反映、規制体系の簡素化・明確化を目的とする規則改正。現行の職業被ばく線量限度や一般公衆の線量限度などの安全の根幹となる数値基準は変更しないものの、長年採用されてきた「ALARA(As Low As Reasonably Achievable: 合理的に達成可能な限り低く)」の考え方を一律の規制要求とする考え方を見直し、より客観的でリスク情報に基づく規制へ移行する。規制をより明確で実効的なものとし、不要な規制負担を減らして審査や運用の効率化を図り、規制対象者の手続き負担を軽減する。■原子炉許認可制度の包括的な近代化原子炉の設計、建設、運転、運転延長、廃止措置に至るまでの多数の規制分野に及び、ここ数十年の間で最も包括的な規則改正。現在の技術と次世代炉の双方に合わせ、リスク情報を活用した柔軟で性能重視の規制に転換することが目的。新設の迅速化に向け、審査を安全上重要な設備に重点化し、一部の建設準備作業を早期に開始できるようにする。また、安全解析や設計変更について、リスク情報に基づく規制手法による審査の合理化を図り、炉の設計に応じた柔軟な緊急時計画区域の設定や防災計画を導入。品質保証では国際的な品質保証基準に整合した制度も選択できるようにし、革新的な技術の導入やサプライチェーンの多様化を支援する。加えて、運転認可期間の延長、立地基準や廃止措置費用の積立要件も、先進炉など多様な炉型に対応して柔軟に設定できるようにする。さらに、高純度低濃縮ウラン(HALEU)や事故耐性燃料(ATF)などの先進燃料の利用について、その特性を踏まえ、安全上重要なリスクに重点を置いた合理的な安全規制へ見直す。■放射性廃棄物処分規則の大幅な改正クラスCを超える低レベル放射性廃棄物Greater-Than-Class-C(GTCC, 炉内構造物相当の放射性核種濃度の廃棄物)の処分に関する規則改正。現行制度ではGTCC廃棄物の明確な処分方法が定められていないため、低レベル放射性廃棄物の処分制度を見直し、施設ごとの立地条件や廃棄物の特性を踏まえたリスク情報に基づく柔軟な規制を導入。GTCC廃棄物についても、浅地中処分を含む複数の処分オプションを整備する。科学・工学や廃棄物管理技術の進展を反映した規制に改め、作業員、公衆、環境への十分な防護を維持しながら、事業者に予見性の高い処分制度を設定し、原子力利用を支える燃料サイクル全体の基盤整備を目指す。■核セキュリティ要件の大幅な近代化原子力施設の警備・核物質防護および職務適性に関する大幅な規則改正。実際の脅威やリスク情報に応じた性能重視の規制に移行し、安全保障や公衆の安全を損なうことなく、不要な規制負担を軽減する。先進炉をはじめ多様な原子力施設について、施設ごとの特性やリスクに応じた警備・核物質防護ならびに職務適性管理を可能とし、最新の監視技術やデジタル技術の活用にも対応した、より効率的で実効性の高い核セキュリティ規制の構築を目指す。■先進的な燃料インフラ整備を加速燃料サイクルおよび燃料に関する許認可規制を大幅に改正。燃料サイクル施設や核燃料物質等に関する許認可制度の近代化や、次世代原子力技術の導入の加速を目的とした先進炉用燃料に関する要件を更新。また、燃料の製造、貯蔵、利用および核セキュリティに関する規制を近代化し、安全基準を維持しながら不要な規制負担を軽減、国内の燃料サプライチェーンの強化と先進燃料の利用促進を図る。
- 31 Jul 2026
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米パリセード 運転再開の準備が最終段階に
米ホルテック・インターナショナル社は7月2日、ミシガン州南西部にあるパリセード原子力発電所(PWR, 85.7万kW)の運転再開プロジェクトが大きな節目を迎えたと発表した。主要な改修・更新工事はすべて完了し、現在は保守点検や各種試験、検査、運転準備など最終段階の作業へ移行。運転開始に向けた仕上げのフェーズに入ったとしている。ホルテック社は、長期にわたり安全かつ安定して運転できる準備が整った時点で運転再開すると説明しており、具体的な運転開始予定日は示していない。最終段階において、タービン・発電機を大規模点検・補修後にターニングギアで低速回転させる段階への移行、新型燃料取扱機の据付・試験完了などを達成。また、原子炉圧力容器の検査、原子炉容器上蓋の重要機器の交換、原子炉冷却系の配管内部の化学洗浄や腐食防止処理、蒸気発生器の熱交換管の補修と内部洗浄、新燃料の受入れ・検査に加え、運転員の再教育・再資格取得など、運転再開に必要な重要工事や準備を完了した。当初は2025年末~2026年初めにかけて送電開始を予定していたが、大がかりな工事により運転再開は遅延している。今後は運転指令センター(OCC)が中心となり、安全な起動に向けて、24時間体制で残る試験や確認作業を進めていくとしている。米原子力規制委員会(NRC)は2025年7月、技術審査を完了し運転再開に必要な主要許認可および規制措置を承認したが、原子炉を起動するには、最終的な試験や点検、保守を終え、NRCの検査・監督により、すべてが安全基準を満たしていると確認される必要がある。パリセード発電所は1971年に営業運転を開始。2022年5月の永久閉鎖後、翌6月に当時の所有・運転者であったエンタジー社からホルテック社に売却された。当初は廃止措置を前提とした取得だったが、脱炭素化の動きや新たに電力販売契約が成立したことなどにより採算性の見通しが立ち、方針を転換。ホルテック社は運転再開に向けた整備作業を進めるにあたり、米エネルギー省(DOE)から最大15.2億ドル(約2,400億円)の融資保証や州政府の支援を受けている。NRC委員や超党派の議員代表団も視察に訪れるなど、運転再開への関心も高い。ホルテック社は、すべての連邦規制要件と業界基準を満たしたうえで、運転再開を目指すとしており、このプロジェクトは米国初の商業炉の運転再開事例として、今後のモデルケースになると期待を示している。
- 15 Jul 2026
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米TMI-1 2027年運転再開の準備が着実に進展
米原子力規制委員会(NRC)は6月9日、同国東部ペンシルベニア州にあるクレーン・クリーン・エネルギー・センター(CCEC: 旧スリーマイル・アイランド(TMI)原子力発電所1号機 PWR, 88.0万kWe)の運転再開について、周辺環境に「重大な影響なし(FONSI)」とする環境アセスメント(EA)案を発表した。NRCは運転再開に関する最終決定を2027年に行う見込みであり、CCECの2027年中の運転再開が現実味を帯びてきた。同機は安価なガス火力に押されて経済性が悪化し、2034年までの運転認可を残したまま2019年に閉鎖された。所有者であるコンステレーション社は2024年9月、米マイクロソフト社とデータセンター向けの20年間の売電契約を締結。当初は2028年の運転再開を目指していたが、ペンシルベニア州を含む地域を管轄する系統運用者PJMが早期接続を承認したため、最短で2027年までに前倒しする方針を示していた。NRCは実施中のパブコメ(7月8日締切)を経て、EAを決定する。並行して、安全審査および現地検査が実施されている。TMI2号機は1979年に炉心溶融事故を起こし、現在、別所有者による廃止措置が進められている。なお、PJMの管轄地域では、データセンターの増加や電化の進展により電力需要が高まり、送電網の容量不足が顕著になっている。コンステレーション社は2027年後半にはCCECの発電は可能とする一方で、PJMは送電容量確保に必要な送電線工事の完了を待ち、CCECがフル出力で送電網接続が可能となるのは早くて2031年の可能性が高いとする調査結果を発表した。これを受け、コンステレーション社は3月31日、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)に対し、同社がペンシルベニア州フィラデルフィア郊外で同社が所有・運転するエディストーン(Eddystone)天然ガス火力発電所(76万kWe)の系統連系容量権(Capacity Interconnection Rights: CIR)をCCECへの移転を要請。6月1日、FERCが移転を承認している。
- 15 Jun 2026
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NEIトップ講演にみる米原子力産業の現状 4倍拡大目標へ「大規模展開が課題」
米原子力エネルギー協会(NEI)のM.コースニック会長兼CEOは5月12日、会員企業や原子力関係者らを招いて毎年開催する「Nuclear Energy Policy Forum」で講演し、米国の原子力産業について「追い風が吹いている(momentum is on our side)」との認識を示した。政策支援や規制改革、官民投資、AI・データセンターによる電力需要増などを背景に、米原子力産業は「拡大局面に入りつつある」としたうえで、「問われているのは建設できるかではなく、大規模に展開できるかだ」と強調した。政策面では、D. トランプ政権が2050年までに米国の商業用原子力発電設備容量を現在の約4倍となる4億kWに拡大する目標を掲げていることを紹介。その実現に向け、2025年5月に同大統領が署名した4本の大統領令では、原子力発電所の再稼働・新設支援や原子力規制委員会(NRC)の規制改革、人材育成、国内燃料サイクルの強化、原子力技術の海外展開促進など、業界が長年求めてきた施策が盛り込まれたと説明した。米国が「原子力分野で世界を主導すべき」との政権の姿勢についても歓迎した。規制面では、NRC改革の進展を大きな成果として挙げた。NEIの調査によると、既設炉を保有する電気事業者は20の発電所で運転認可更新、29基で出力増強を進めているほか、今後15年間で2,340万kWの新設を計画しているという。こうした動きを支えるため、第2回目の運転認可更新(subsequent license renewal)の審査期間短縮や検査工数削減などが進んでいると説明。先進炉では、テラパワー社のナトリウム冷却高速炉「Natrium」(電気出力34.5万kW~50万kW)の審査が18か月で完了し、予定より9か月前倒しとなったことなどを紹介した。そのうえで、「21世紀の課題を20世紀のルールで解決することはできない」と述べ、「大規模展開には規制改革が不可欠」との認識を示した。また、コースニック氏は、政府による公的支援に加え、民間資本の流入拡大にも言及した。モルガン・スタンレーは、2050年までの原子力投資額を2.2兆ドル(約349兆円)と予測しており、前年予測から47%増加したという。2025年には原子力スタートアップ全体で約30億ドル(約4,800億円)を調達し、X-エナジー社による約10億ドル超(約1,600億円)の大型資金調達もあった。さらに、ブルックフィールド社とThe Nuclear Companyによる合弁設立にも触れ、2017年7月に建設中止となったV. C. サマー(AP1000×2基)を含む、ウェスチングハウス(WE)社製原子炉の建設推進に向けた新たな動きも出ていることを紹介した。燃料分野でも、ウラン濃縮能力の拡大に向けた民間投資が進んでいるとした。さらに、AIの普及やデータセンターの増加による電力需要の急増も追い風として挙げた。同氏は、世界のデータセンターの電力消費量は2030年までに倍増し、米国では3倍になるとの見通しを示した。ビッグテック各社による原子力活用の動きも紹介し、Meta、Google、Amazonなどによる投資・電力調達を例示。ビッグテックの原子力に対する需要規模は現状、約4,000万kWに達するとした。また人材確保も大きな課題として挙げ、2050年までに必要な人材は現在の約3倍に増えると予測。ボーグル3、4号機(AP1000×2基)の建設では8,000人超が従事したことを紹介し、建設労働組合で技能訓練制度(apprenticeship program)が拡大していることにも触れ、人材育成の重要性を訴えた。
- 08 Jun 2026
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米ホルテック ルワンダにSMR-300導入を計画
米ホルテック・インターナショナル社とルワンダ原子力委員会(RAEB)は5月19日、ルワンダの首都キガリにおいて、ホルテック社製小型モジュール炉のSMR-300(PWR, 30万kWe)の導入に向けた共同開発協定を締結した。ルワンダがエネルギーミックスの多様化やインフラ強化、信頼性の高い電力供給を目指す中、両者は本協定に基づき、建設サイトの調査、資金調達計画の策定を進める。ホルテック社が先進的な技術とノウハウを提供する一方、RAEBは現地での開発や地域社会との連携を主導する。同協定は、ルワンダ政府主催の「原子力エネルギー・イノベーション・サミット」(NEISA2026)で署名された。同サミットは、2025年にキガリで開催された第1回サミットに続く2回目の開催となる。署名したホルテック・ヨーロッパ社のR. マリン代表は、「ルワンダに最大で計約500万kWeのSMR-300の導入を計画する。ルワンダが、長期的に経済成長の原動力となる原子力発電へのエネルギー移行を実現し、アフリカにおいてSMR導入の先駆者となることを支援していく」と語った。また同サミットでルワンダは、米国と民生用原子力協力に関する覚書に署名した。米J. ヘルバーグ国務次官(経済担当)は、「米国はホルテック社とRAEBと協力してこの革新的なSMRプロジェクトを実現し、エネルギー安全保障と経済開発の目標を達成しようとする国々を支援し続けていく」と語った。ホルテック社のR. スプリングマン社長は、「SMR-300の導入に際し、EPC(韓ヒュンダイE&Cとの提携による)、使用済み燃料管理、運転支援、廃止措置を含む統合的な供給モデルは、ルワンダにおける包括的な商用原子力プログラムの加速に不可欠」と強調した。ルワンダはエネルギーミックスの60〜70%を原子力発電で供給することを目指しており、SMR初号機を2030年代初めに稼働させる計画である。SMR-300は、2基構成のツインユニットで、所要面積はわずか0.15㎢。事故時に運転員が現場を離れても安全性が保たれる特性(walk-away safe)を持つ。ホルテック社は米ミシガン州パリセード原子力発電所に2基のSMR-300をパイオニア1および2の名称で展開する計画。2025年12月、パイオニア発電所の建設許可申請(CPA)の第一部を米原子力規制委員会(NRC)に提出している。
- 29 May 2026
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米NRC ロング・モット発電所の環境審査を前倒しで完了
米原子力規制委員会(NRC)は5月18日、ダウ・ケミカル社がテキサス州メキシコ湾沿いにあるシードリフト・サイトにおいて建設を計画するロング・モット(Long Mott)発電所の環境アセスメントを予定より前倒しで完了し、「重大な影響なし(FONSI)」と判断したことを明らかにした。米国の大手化学メーカーであるダウ社とX-エナジー社は2025年3月末、X-エナジー社製SMRの高温ガス炉(HTGR)「Xe-100」(電気出力8万kW)を採用したロング・モット発電所の建設許可をNRCに申請した。シードリフト・サイトで、運転期間満了間近の既存の発電・蒸気設備をリプレースし、化学製品の生産に必要な電力・産業用蒸気を供給する。申請書には、1年間の現地調査や地下水モニタリング(水質測定を含む)、複数の州機関との連携による1,000ページ以上の環境報告書が含まれていた。Xe-100 は、米エネルギー省(DOE) の先進的原子炉実証プログラム(ARDP)で支援対象に選定された2設計の一つ。5~7年以内の実証運転開始を目指している。NRCは、既存の工業地帯における本プロジェクトの環境への影響が限定的であることから、より詳細な環境影響評価(EIS)ではなく、環境アセスメント(EA)が適切と判断した。環境アセスメントは2025年6月10日に開始され、1年未満で完了した。このアプローチにより、厳格な環境基準を維持しつつ、審査期間の短縮につながった。NRCは、「NRC改革に関する大統領令」で定められた18か月の期限に沿い、今年後半に建設許可申請の安全性審査を完了する見込み。その後、許可に関する最終決定となる。運転認可については別途申請を行う必要がある。
- 27 May 2026
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米NRC上院公聴会 改革成果を説明 過度な効率化への懸念
米原子力規制委員会(NRC)のH. ニー委員長ほか委員4名は5月13日、上院環境・公共事業(EPW)委員会の公聴会に出席し、規制改革や2027会計年度予算案について説明した。先進的な原子力展開の加速化法(ADVANCE法)や大統領令を背景に進められている許認可審査の効率化や組織改革の成果が示される一方、委員や民主党議員からは、人員減少や独立性低下による安全性への影響を懸念する声も上がった。ニー委員長は許認可審査の効率化により、H.B.ロビンソン原子力発電所の運転認可更新を12か月未満で完了したほか、テラパワー社のSMR「Natrium」炉の建設許可を予定より数か月前倒しで発給したと説明。2年前と比べ、許認可業務や原子炉監督活動に要する時間・コストを大幅に削減したと述べた。一方で、改革の加速に対する懸念も示された。B.クロウェル委員は、過去16か月で510人が離職した一方、新規採用は59人にとどまっていると指摘。短期間での改革推進により、スタッフへの負担増加や専門人材流出が進み、安全性や国民からの信頼に影響を及ぼす可能性があると警告した。2027年度予算案については、S. カピトEPW委員長ならびにニー委員長は、規制合理化や組織再編によるコスト削減の成果を反映したものだと説明。一方、クロウェル委員は、今後増加が見込まれる先進炉審査への対応力低下を懸念した。
- 25 May 2026
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米国視点で読み解く原子力拡大
米原子力学会(American Nuclear Society: ANS)は1954年設立の米国を代表する原子力団体であり、産学官のコミュニティを結ぶ中核的存在として知られる。ANSトップであるH.ハシェミアン会長とC.ピアシーCEOがこのほど来日し、六ヶ所再処理施設などを視察した。原子力産業新聞では両氏に、原子力「3倍化」議論の現実性、燃料サイクル、AI時代の電力需要、サプライチェーン、規制改革などについてインタビューを実施。米国原子力コミュニティの最前線から、日本と世界の原子力の将来像を読み解いた。
- 25 May 2026
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米NRC フラマトムのLEU+燃料製造を承認
仏フラマトム社は5月6日、米国ワシントン州で操業するリッチランドの施設で、LEU+(5%超の低濃縮ウラン燃料)の燃料製造を可能にするライセンス変更を米原子力規制委員会(NRC)が承認したことを明らかにした。2027年の製造開始を目指している。フラマトム社は同承認を、同社が取り組む米国の既存原子力発電フリート向けに先進燃料技術を導入するAFM(Advanced Fuel Management: 先進燃料管理)プログラム上、重要なマイルストンと位置付ける。フラマトム社は今回のNRC承認により、LEU+燃料を導入し、燃料交換サイクルを18か月から24か月へ延長し、燃料利用の最適化と廃棄物の削減を図りながら、運転効率を向上させることを目指す。同社のL. ガイフェ燃料事業部門上級副社長は、「今回の承認は、より高い濃縮度を持つ燃料ソリューションを原子力市場に導入するための次なるステップ。従来の濃縮度を超えることで、次世代燃料導入を加速する」と語った。リッチランドの施設では、より高い濃縮度の燃料を安全に製造するために必要な設備変更が2022年から進められており、2027年初めには改訂ライセンス要件が施設に適切に導入されたことを確認するため、米NRCによるORR(Operational Readiness Review: 運転準備審査)が予定されている。ORRが承認され次第、初回の製造を開始する。なお今回の承認は、最近のNRCによる以下の承認に続くもの。GAIAおよびHTP燃料設計((GAIA: フラマトムの最新世代PWR燃料設計、HTP: その前世代の高性能PWR燃料設計))における燃焼度上限の引き上げ高い燃焼度を支えるPWR用解析コードをU-235濃縮度が5%を超える運転条件への適用U-235濃縮度が最大8%のPWRおよびBWR用未使用燃料集合体の国内輸送これらの技術革新上のマイルストーンは、高燃焼度・高い濃縮度の燃料を実現するために必要な技術開発を支援する、米エネルギー省(DOE)のATF(Accident Tolerant Fuel: 事故耐性燃料)プログラムの支援を受けている。
- 15 May 2026
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米国 ガス火力先行・SMR移行モデルを計画 AI需要に対応
米国の原子力プロジェクト開発企業ブルー・エナジー社は5月5日、GEベルノバ社とガス火力を先行導入し、その後原子力発電へ段階的に移行する発電モデルを発表した。同モデルは、米国における人工知能(AI)向け電力需要の急増に対応しつつ、早期の電力供給と建設リスク低減を図ることが狙い。両者はGEベルノバ社のガスタービンとGEベルノバ日立ニュークリア・エナジー(GVH)社製の小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」(30万kWe)を用いた発電所の設計・開発を行う。まず実績あるガス火力で早期に電力供給を開始し、その後SMR により長期的なクリーン電源へ移行する構想だ。初号機をテキサス州にあるブルー・エナジー社のサイトに建設し、近隣のデータセンター・キャンパスに電力を供給する計画である。両社はまた、2029年に同サイトへGEベルノバ社製7HA.02ガスタービン2基を納入し、早期に電力供給を実現するため、納入枠予約契約を締結した。さらに両社は、サイト現場での建設ではなく製造工場や造船所でモジュール生産し、バージで輸送・設置する方式を検討している。工期短縮や建設費削減に加え、サイト周辺の地域社会や州に至るまでのサプライチェーン全体で数千もの雇用創出効果も見込む。なお、ブルー・エナジー社は2025年12月、米原子力規制委員会(NRC)から、原子力発電所の建設段階を再編成するアプローチの承認を受けている。同アプローチでは、非原子力設備を先行整備し、早期に収益化することで、原子力プロジェクト特有の長期投資リスク低減を狙う。まず非原子力かつ安全性に直接関与しないインフラのオフサイト製造と現場設置から着手。原子力コンポーネントが許認可および建設段階を経ている間にも、機器製造やインフラ整備を進めつつ、ガス火力による電力供給を開始できる。ブルー・エナジー社は、これにより、従来の原子力発電所の建設工期を少なくとも5年短縮、ガス発電開始までの時間を48か月以下に大幅に短縮し、原子力発電プロジェクトでは初めて設備投資の大部分について、将来の売電収入を裏付けにプロジェクトファイナンスを成立させやすくなるとしている。両社は近い将来、ブルー・エナジー社の建設許可申請に向け、サイトの予備的な安全分析作業など必要な開発や特性評価作業の実施で契約を締結する予定。ブルー・エナジー社は2027年には最終投資決定し、NRCに建設許可の申請を計画している。ガスタービンは早ければ2030年に約100万kWeの電力を供給すると見込んでいる。その後、蒸気供給に切り替え、BWRX-300は早ければ2032年に稼働を開始、合計約150万kWeの電力を供給する計画だ。
- 13 May 2026
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米NRC 史上最速で原子炉運転認可更新
米原子力規制委員会(NRC)は4月23日、サウスカロナイナ州にあるH.B.ロビンソン原子力発電所2号機(PWR, 78万kWe)の2回目となる運転期間延長を承認した。これはNRC史上最速の許可更新審査であり、原子力規制迅速化を求める新たな連邦政府方針の下で完了した初の事例となった。同機はノースカロライナ州シャーロットに拠点を置くデューク・エナジー社が所有・運転。2025年4月1日に2回目となる運転期間延長をNRCに申請した。今回の20年間の更新により、同発電所の運転認可は2050年7月まで延長され、最大80年間の運転が可能になる。米政権は 2050 年までに原子力設備容量を現在の約4倍へ拡大する方針を掲げており、既設炉の長期運転はその中核施策の一つと位置づけられている。NRCのH. ニー委員長は、「安全性を損なうことなく迅速に結果を出せることを証明した画期的な成果」と述べ、原子力発電所の安全上重要な項目に焦点を当て、過去の審査経験を活用することで、効率化と迅速な安全判断を実現したと指摘した。NRCは、同審査は、2025年5月の「NRC改革に関する大統領令」で定められた12か月の期間内に完了し、NRCの従来の審査期間である18か月から6か月短縮されたが、NRCの厳格な安全基準は維持されたと強調している。H.B.ロビンソン発電所2号機は、1971年3月より運転を開始。2025年3月のオコニー原子力発電所1~3号機に続き、デューク・エナジー社で2番目の運転期間延長の承認を受けた原子炉である。同社は、残る全7基(ブランズウィック1-2号機、 カトーバ1-2号機、シアロンハリス1号機、 ウィリアム・B・マクガイヤー1-2号機)の2度目の運転認可更新を申請する予定。NRCによると、これまでに2回目の運転期間延長(80年間運転)承認したのは23基。
- 13 May 2026
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米テラパワー Natriumの建設開始
米先進炉開発企業のテラパワー社は4月22日、ワイオミング州ケンメラーで開発を進める先進炉「Natrium」の原子力部(Nuclear Island)の建設を開始した。米国で実用規模の先進炉が本格的な建設段階に入るのは初めてであり、次世代炉の商業化に向けた重要な節目となる。同プロジェクトは、ナトリウム冷却高速炉(約34.5万kWe)に加え、熔融塩を用いた蓄熱システムを組み合わせた設計が特徴。需要に応じて出力を一時的に50万kWeまで引き上げることが可能で、再生可能エネルギーの変動を補完する柔軟な電源として位置づけられている。米原子力規制委員会(NRC)は2026年3月初旬、同発電所の建設許可を発給した。建設地点は既存の石炭火力発電所に隣接しており、化石燃料から原子力への転換モデルとしても注目される。プロジェクトは米エネルギー省(DOE)の先進的原子炉実証プログラム(ARDP)の支援を受けて進められており、エンジニアリング・調達・建設(EPC)はBechtelが担当する。テラパワー社のC. レベスクCEOは建設開始について、「同発電所は信頼性が高く、調整可能な電力を送電網に供給する。今後、米国および世界でNatrium炉を採用した発電所フリートを展開するうえで実用的なモデルとなるだろう」と語った。同発電所の建設には約1,600人の作業員が参加予定。稼働後、約250人の常勤スタッフを雇用する。原子炉建屋基礎への初コンクリート打設は2027年を予定し、全体の完成は2030年を見込む。なお同プロジェクトは2024年6月に起工式が行われ、非原子力部の建設が先行して進められていた。テラパワー社は、Natrium炉の商業展開も視野に入れている。2026年1月にはIT大手のMeta社と、2035年までに最大8基の導入に向けた開発支援契約を締結。また2026年2月には、英国における包括的設計審査(GDA)が開始されており、海外展開も進みつつある。
- 27 Apr 2026
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米ホルテックのSMR 英GDAステップ2を完了
米ホルテック・インターナショナル社は3月31日、同社が開発する小型モジュール炉(SMR)「SMR-300」(PWR, 30万kWe)が英国の包括的設計審査(GDA)のステップ2(実質的な技術評価段階)を完了したことを明らかにした。GDAとは英国で初めて建設される炉型に対して行われる設計認証審査で、原子力規制庁(ONR)が設計の安全性とセキュリティの観点から、環境庁(EA)およびウェールズ自然保護機関(NRW)が環境影響の観点から、英国の基準を満たしているかを、規制プロセスの早い段階から、立地サイト特定後の建設申請とは別に評価する。本GDAにより、SMR-300の安全性、設計、セキュリティ、保障措置に、英国の規制要件に対する根本的な不備はなく、導入準備が整っていると結論付けられた。SMR-300は2024年8月にGDAのステップ1(GDA範囲とスケジュールの合意段階)を完了している。ホルテック社は現時点で、GDAのステップ3(詳細評価)の実施を求めていない。ホルテック社はこの規制上のマイルストーンを足掛かりに、英EDFエナジー社と提携して、英国ノッティンガムシャー州にある旧コッタム石炭火力発電所サイトにSMR-300を建設し、データセンターと併設する計画だ。両社は今後、英政府による先進原子力プロジェクトを推進する政策パッケージ「先進原子力フレームワーク(Advanced Nuclear Framework)」を活用していくとしている。ホルテック社は本プロジェクトコストを約110億ポンドと見積り、数千人の高レベルの雇用の創出と、地域社会への長期にわたる経済効果を見込んでいる。ホルテック社は米ミシガン州のパリセード・サイトでパイオニア1-2号機(SMR-300採用)の2030年代初めの稼働をめざし、初期サイト準備作業を実施中。米英両国の規制当局間では2025年9月、規制を効率化し、先進原子力導入を安全に加速させるための新たな規制合意が締結されており、その後押しも受けながら、英国における効率的な許認可取得と政府による開発支援により、本プロジェクトを迅速に実施していく方針である。長年にわたる米原子力規制委員会(NRC)との事前申請の協議を経て、ホルテック社は2025年末、パイオニア1-2号機の建設許可申請(CPA)の第一部を提出した。NRCは今年2月、同申請を正式に受理し、安全評価および環境影響評価を2027年初めから半ばまでに完了させる見込みであるいう。ホルテック社のグローバルクリーンエネルギー部門トップであるR. スプリングマン氏は、「GDAステップ2における規制当局の評価は、SMR-300国際展開プログラムにとってリスク低減の重要なマイルストーン。設計および安全アプローチがNRCの規制要件に加え、国際的な規制当局の期待にも合致していることを示しており、SMR-300は世界的に展開可能な設計だ」と語った。ホルテック社は、英国のGDAプロセスを参考にして国内での許認可手続きの加速をめざす複数国の規制当局とも積極的に連携しており、英国のみならず、他欧州やアジア諸国でもプロジェクトを展開していきたい考えだ。
- 13 Apr 2026
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ニュークレオ LFRで米国参入へ
仏パリに拠点を置く先進炉開発企業のニュークレオ社は3月25日、米国における鉛冷却高速炉(LFR、48万kWt)および関連するMOX燃料製造施設の設置に係る将来的な許認可取得に向け、米原子力規制委員会(NRC)との事前申請の協議(pre-application engagement)を開始したと発表した。同社はこれに先立ち、2月下旬に意向書(Letter of Intent)を提出しており、今回の協議開始は米国市場参入に向けた規制プロセスへの本格的な着手となる。今回の協議は、LFRおよび燃料製造施設の設計や安全アプローチについて、NRCとの認識を早期にすり合わせるとともに、核物質の保有・使用・輸送を含む将来の許認可申請に向けた規制戦略の明確化を図るもの。事前段階から規制当局と対話を重ねることで、審査の予見可能性を高める狙いがある。鉛冷却高速炉は、冷却材に鉛を用いる第4世代炉の一つで、ナトリウム冷却炉と比べて化学的安定性が高いとされる。一方で、NRCにとって鉛冷却技術の審査経験は限られており、今後の審査は長期化する可能性がある。今回の取り組みは、将来的なLFRの許認可に向けた先例となる可能性もある。ニュークレオは欧州でも開発を進めており、フランス中部では出力3万kWe級の原型炉「LFR-AS-30」の建設を計画、2032年までの稼働を目指している。また、同炉の燃料となるMOX燃料製造施設についてもフランス国内での整備を構想している。なお、今回の動きは、ニュークレオ社と米国の先進炉・燃料サイクル開発企業オクロ(Oklo)社との戦略的パートナーシップの一環。ニュークレオ社は2025年10月、オクロ社が開発する発電所向けに、米国内での先進燃料製造・供給インフラ開発に関する共同契約を締結、最大20億ドル規模を投資する計画を発表しており、NRCとの早期協議を通じて、米国でのプロジェクトの許認可取得に向けて規制の予見可能性を高めていく方針である。
- 10 Apr 2026
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