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米規制委 委員の欠員ポスト埋まる
米国議会上院の環境・公共事業委員会(EPW)は5月21日、上院歳出委員会・エネルギー・水資源歳出小委員会でエネルギー政策の専門家スタッフを務めるC.T.ハンソン氏(=右写真)を上院が原子力規制委員会(NRC)の5人目の委員として承認したと発表した。同氏はエネルギー省(DOE)原子力局で上級アドバイザーを務めた経歴があり、今年2月にD.トランプ大統領が指名していたもの。これによりS.バーンズ委員が昨年4月末に辞任して以降、約1年ぶりにNRCにおける5名の委員ポストすべてが埋まることになる。ライト委員 ©NRC上院はまた、NRC委員としての初回任期が6月末に満了するD.A.ライト氏(=左写真)の再指名(新たに5年の任期)も承認。EPWのJ.バラッソ委員長は「約1年ぶりにようやくNRCの委員ポストが全部埋まった。原子力は米国のエネルギー供給保証と国家安全保障を担う重要かつ持続可能でクリーンなエネルギー源であり、全員体制となったNRCは米国の原子力産業界にとって極めて重大なこの時期に、その使命を確実に果たすことが期待される」と強調した。米原子力エネルギー協会(NEI)は同日に声明文を発表しており、M.コースニック理事長は「5名の委員全員が揃ったことを産業界として歓迎する」とコメント。ハンソン新委員については、「DOEや議会で培った豊富な経験をNRC委員としての新たな役割に生かしてくれることと思う」と述べた。現在のNRCは、K.スビニッキ委員長とA.カプト委員、およびD.ライト委員が共和党支持派である一方、J.バラン委員が民主党支持派。新委員のハンソン氏は、同じ政党の支持派を3名までと定めた原子力法の規定により、民主党支持派の中から指名された。ハンソン氏はNRCの規則に則り、2024年6月末までの任期を務めることになっている。(参照資料:EPWとNEIの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 26 May 2020
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米規制委、サリー1、2号機の2回目の運転期間延長審査で最終EIS発行、6月に最終判断へ
米原子力規制委員会(NRC)は4月10日、ドミニオン・エナジー社がバージニア州で操業するサリー原子力発電所1、2号機(各87.5万kWのPWR)について、運転期間を追加で20年延長するための2回目の審査で環境影響声明書(EIS)の最終版を発行したと発表した。同審査では安全性評価報告書(SER)の最終版が今年3月に発行済みであることから、NRCは今年6月にも、送電開始以降の両炉の運転期間をそれぞれ80年に延長するかの最終的な判断を下す。NRCはすでに、フロリダ・パワー&ライト(FPL)社のターキーポイント3、4号機(各76万kWのPWR)とエクセロン社のピーチボトム2、3号機(各118.2万kWのBWR)について、それぞれ2019年12月と2020年3月に2回目の運転期間延長を承認。サリー1、2号機でも承認されれば、米国内で3件目ということになる。1972年と1973年に送電開始したサリー1、2号機に対して、NRCは2003年3月に運転開始当初の運転期間40年に20年追加して、それぞれ2032年5月と2033年1月までとすることを承認。これにさらに20年間追加する申請書は、ドミニオン・エナジー社が2018年10月にNRCに提出していた。今回の最終EISでNRCスタッフは、両炉の運転期間延長を阻むほどの有意な環境影響の可能性は低いと判断した。これによりNRCスタッフによる技術面の審査が完了したことになり、同文書や最終SERをNRC委員が承認すれば、両炉はそれぞれ2052年5月と2053年1月まで延長運転することが可能になる。これらに続き2回目の運転期間延長が検討されている商業炉としては、同じくドミニオン・エナジー社が2017年11月にバージニア州のノースアナ原子力発電所1、2号機(99.8万kWと99.4万kWのPWR)についても申請を行う予定だと発表。デューク・エナジー社も2019年9月、南・北カロライナの両州に立地する6サイト・11基(合計出力約1,123万kW)に関して申請書の提出方針を明らかにした。NRCはこれらのうち、ノースアナの2基の申請書が今年10月~12月の期間に、デューク・エナジー社のオコニー1~3号機(1、2号機は88.7万kW、3号機は89.3万kWのPWR)の申請書が2021年10月~12月に提出されると予想している。なお、NRCは今回のサリー1、2号機のEIS報告書やドミニオン・エナジー社による申請書をウェブサイト上に公開しているが、CDなど物理的な媒体の送付は現在、新型コロナウイルス感染による緊急事態のため行えない状況。入手希望者に対しては、NRCウェブサイトからコピーを直接ダウンロードすることを推奨している。(参照資料:NRCの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 14 Apr 2020
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米原子力発電所の2019年の安全性パフォーマンス評価、全ユニットが最良カテゴリーに
米原子力規制委員会(NRC)は3月5日、国内全96基の商業炉における2019年の年間運転実績評価で、すべてのユニットを最良のパフォーマンス・カテゴリーに分類したと発表した。NRCの「原子炉監督プロセス(ROP)」で各原子力発電所の運転データを安全・セキュリティ分野のパフォーマンス指標に基づいて評価したところ、すべての商業炉が設定目標を全面的に達成していたもの。過去20年間における監督プロセスの中で初めてと伝えられており、これらの炉で適用される検査プログラムも最低限実施する通常のベースライン検査に留まることになる。NRCは今後、春から夏にかけて、このような年間評価結果の詳細を議論する公開討論会やイベントを各原子力発電所の近郊で開催する予定。年間評価の結果に関する書簡はすでに各発電所の事業者宛てに送付したほか、今後の点検プランについても通達済みだとしている。ROPの実施にともなう運転データの提出は四半期毎に各原子力発電所事業者に義務付けられており、NRCスタッフは評価結果を事業者に伝えるとともに、追加検査が必要と判断したものについては検査官を送るなどの対応をとっている。原子力発電の利用に際する住民の健康と安全性確保を最大目標に、(1)原子炉安全、(2)放射線安全、(3)テロ等に対する予防措置、という3つの主要な戦略的パフォーマンス分野を特定。これらを評価するため、安全性に関わる7つの重要側面(起因する初期事象、事象の影響緩和システム、バリアの健全性、緊急時対策、公衆の放射線防護、所内の放射線防護、物理的な防護措置)について検査を実施している。また、これらの重要側面に影響する3つの分野横断的要素――人的パフォーマンス、問題点の特定と解決、安全性を重視した作業環境――についても監督を行っている。前回、2018年末現在のROPでNRCは、全98基中4基の商業炉について「安全上の重要度の低い1~2項目について課題を解決する必要あり」と判定したほか、1基については「監視活動を大幅に強化する必要あり」と評価していた。今回、ベースライン検査プログラムからの逸脱基数が最少になったことについて、米原子力エネルギー協会(NEI)のD.トゥルー副理事長は、地元紙のインタビューで「原子炉の適切なレベル評価において、NRCが安全性に関わる事象に一層の重きを置くようプロセスを変更したから」と指摘。各原子炉で性能の改善が図られたことも、安全性関係の課題が少なくなった一因だと説明している。(参照資料:NRCの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 10 Mar 2020
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米ピーチボトム2、3号機に規制委が2回目の運転期間延長を承認、米国で2件目
米原子力規制委員会(NRC)は3月6日、ペンシルベニア州のピーチボトム原子力発電所2、3号機(各118.2万kWのBWR)(=写真)でそれぞれ2回目の運転期間延長20年間を認め、運転開始以降の通算では2号機が1973年9月から2053年8月まで、3号機は1974年8月から2054年7月までとなる、各80年間稼働することを許可すると発表した。NRCは昨年12月、米国では初となる「2回目の運転期間延長」をフロリダ州のターキーポイント3、4号機(各76万kWのPWR)で承認しており、今回のピーチボトムは2件目。これらに続いて、NRCはサリー1、2号機(各87.5万kWのPWR)の申請についても審査中であるほか、今年10月から12月までにノースアナ1、2号機(99.8万kWと99.4万kWのPWR)で、また2021年10月以降はオコニー1~3号機(1、2号機は88.7万kWのPWR、3号機は89.3万kWのPWR)で、事業者が現行で許されている60年間の運転に追加で20年間、期間延長を申請する見通しだとしている。米国では運転開始当初の商業炉の認可運転期間は40年だが、これは技術的な制限ではなく経済性と独占禁止の観点によるもの。40年間稼働することにより、原子力発電所では電気料金を通じて費用の回収が完了するとされており、減価償却の観点から議会がこの期限を定めた。最初の40年が経過するのに備えて、希望する事業者は追加の運転期間を20年ずつNRCに申請することになっており、NRCはすでに約100基の商業炉のうち94基(このうち6基は早期閉鎖済み)に対して40年プラス20年の運転継続を承認。米国では今や、合計60年の稼働が一般的となっている。ピーチボトム2、3号機はそれぞれ、2013年と2014年に最初の運転期間延長20年が認められており、事業者のエクセロン・ジェネレーション社は2018年7月に両炉で2回目の運転期間延長をNRCに申請した。同社のB.ハンソン最高原子力責任者は、過去7年間に実施した広範なアップグレードにより、両炉では安全かつ信頼性と効率性の高い運転継続が可能になったと紹介。出力を約12%向上させるために新しい機器と技術に相当額の投資を行っており、具体的には低圧と高圧両方のタービン、蒸気乾燥機、主発電機や変圧器で取り替えや機能向上を行ったことを明らかにした。同氏は一方で、「原子力発電所を運転し続けていくには今後も継続的に収益を上げていかなければならない」と明言。原子力が提供する「炭素排出量ゼロ」という恩恵が環境や経済、信頼性の側面から高く評価されるよう、政策的な改革を推し進めることが重要だとした。ピーチボトム発電所が2054年まで稼働すれば、そのクリーン・エネルギーによって5億3,600万トン以上のCO2排出が抑えられるが、これは毎年330万台の自動車を34年にわたって削減したのと同じ効果があると述べた。同発電所はさらに、地域経済を支援する施設でもあると同氏は説明した。常勤職員として雇用する750名には年間合計で8,460万ドルの給与が支払われるほか、燃料交換時には追加で年平均1,800名の臨時雇用者や職人を雇用している。彼らがホテルやレストラン、ショップに支払いを行うことで、地元の経済が潤うとしている。(参照資料:NRC、エクセロン社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 09 Mar 2020
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米トランプ大統領、原子力規制委員にC.ハンソン氏 指名へ
米ホワイトハウスは2月28日、原子力規制委員会(NRC)で昨年5月から空席となっている委員1名として、エネルギー政策の専門家で米議会上院・歳出委員会の専門家スタッフでもあるクリストファーT.ハンソン氏をD.トランプ大統領が指名する方針だと発表した。定員5名のNRCは現在、K.スビニッキ委員長(共和党支持派)、J.バラン委員(民主党支持派)、A.カプト委員(共和党支持派)、D.ライト委員(共和党支持派)で構成されている。ハンソン氏の指名が上院で承認された場合、昨年4月末に辞任したS.バーンズ委員に代わって、差し当たり2024年6月末まで務めることになる。また、共和党支持派の委員がすでに3名いることから、原子力法の規定によりハンソン氏は民主党支持派あるいは中立派と見られている。発表によるとハンソン氏は、インディアナ州のバルパライゾ大学で宗教学の学士号を取得。その後、イエール大学のイエール神学校および林学・環境学大学院で倫理学や天然資源経済学を専攻し、修士号を取得した。原子力や原子燃料サイクル、放射性廃棄物問題等に関しては20年以上の経験を有しており、米エネルギー省(DOE)原子力局で上級アドバイザーを務めたほか、コンサルティング企業のブーズ・アレン・ハミルトン社でコンサルタントとして勤務するなど、政府と産業界の両方を経験している。(参照資料:ホワイトハウスの発表資料、原産新聞・海外ニュースほか)
- 02 Mar 2020
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仏オラノ社、米原子力発電所で使用済燃料を最新の乾式貯蔵システムに移送
仏オラノ社は1月15日、同社の米国子会社で放射性物質の梱包・輸送を専門とするオラノTN社が、米国のとある原子力発電所で通常より高い崩壊熱を発する使用済燃料を、貯蔵プールから敷地内の同社製・独立型乾式貯蔵施設(ISFSI)最新版に初めて移送する一連の作業を完了したと発表した。「NUHOMS拡張型最適化貯蔵(EOS)システム」と呼称されるこのISFSIは、原子力産業界における通常レベルの崩壊熱(キャニスター1基に付き14~34kW)よりはるかに高い熱負荷に耐えられるとしており、EOSキャニスター1基分の合計崩壊熱は平均44.75kW。今回、2019年の移送活動で最終となる第5回目の作業で使用済燃料296体の移送を終えたもので、「NUHOMS EOS 37PTHキャニスター」8基の使用済燃料が8つの「NUHOMS EOS水平貯蔵モジュール(HSM)」に安全に貯蔵されたとしている。使用済燃料の貯蔵方法に関して米原子力規制委員会(NRC)は、湿式と乾式どちらも住民の健康と安全および環境を防護する上では適切であり、乾式貯蔵施設への使用済燃料の移送を早めなければならないような安全・セキュリティ上の懸念は無いという見解である。しかし、2001年の9.11同時多発テロ事件や2011年の福島第一原子力発電所事故を受けて、米国の一部議員は米国の原子力発電所のどこかで使用済燃料貯蔵プール火災が発生すれば、大量の放射性物質が放出されて広域汚染が広がるなど、2兆ドル規模の損害がもたらされると考えている。また、プリンストン大学の調査では、使用済燃料を乾式貯蔵キャスクに移すことで火災の発生リスクが大幅に下がるとの結果が出ている。オラノ社の先進的なEOS技術を使った燃料集合体の移送はすでにNRCの認可を取得済みで、キャニスター1基あたりの崩壊熱は産業界ではこれまでで最大級の50kWまで。このキャニスターはノースカロライナ州カーナーズビルの同社施設で製造されたもので、PWR用の高燃焼度燃料集合体37体を貯蔵可能な設計になっている。また、「NUHOMS EOS水平貯蔵モジュール」はノースカロライナ州モヨックのプレキャスト・コンクリート施設で製造されており、外部事象に対して最大級の核物質防護が可能であると同社は説明。崩壊熱の消散能力も50kWと最高レベルであるほか、被ばく放射線量は垂直型モジュール・システムの約半分だと強調した。今後は米国内のその他の原子力発電所でも、崩壊熱の大きい使用済燃料集合体の移送にEOSシステムの先進的な能力が活用されることになっており、燃料貯蔵プールから乾式貯蔵に移す前の冷却期間の短縮が可能。燃料貯蔵プールの管理が簡素化されるだけでなく、同プール内で管理する使用済燃料集合体の数量を削減することにもつながるとしている。 (参照資料:オラノ社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの1月16日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
- 20 Jan 2020
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米規制委、TVAのSMR建設用クリンチリバー・サイトに事前サイト許可発給
米原子力規制委員会(NRC)は12月17日、テネシー峡谷開発公社(TVA)がテネシー州オークリッジ近郊で管理しているクリンチリバー・サイトについて、原子炉建設の「事前サイト許可(ESP)」発給を承認したと発表した。正式発給は数日以内に行われるとしている。このESPは、TVAが2016年5月にNRCに申請していたもので、2基以上の小型モジュール炉(SMR)で合計の電気出力が80万kWを越えないものの建設を同サイトで想定。採用設計は特定しておらず、ニュースケール・パワー社製のSMR「ニュースケール・パワー・モジュール」、ホルテック・インターナショナル社の「SMR-160」、ウェスチングハウス社製SMRなど、4種類の軽水炉型SMR設計のパラメーターを技術情報として活用する「プラント・パラメーター・エンベロープ(PPE)」方式を取っていた。TVAは現時点で原子炉建設の具体的な計画を立てていないが、ESPの有効期間である20年間(*延長することも可能)に、「将来のエネルギー需要に備えて柔軟なオプションを取ることが可能になった」とコメントした。地元メディアのインタビューでは、TVAの総裁兼CEOが「今後2年以内に採用設計を選定する」と答えた模様。実際の原子炉建設に際しては、NRCに別途、建設・運転一括認可(COL)を申請する必要がある。ESPを取得する主な狙いは、電力会社が原子炉の建設で資金投入を決断する前に、サイト特有の安全性や環境影響、緊急時計画についてNRCから事前承認を得ることにある。ESP取得後にCOLを申請した場合、サイト関係の審査期間が短縮されるが、ESPを取らずに直接COL審査を受ける場合は、ESP審査と同等の情報をNRCに提出しなければならない。これまでにイリノイ州のクリントン、ミシシッピー州のグランドガルフ、バージニア州のノースアナ、ジョージア州のA.W.ボーグル各原子力発電所の敷地内サイト、およびニュージャージー州で立ち並ぶセーレムとホープクリーク両原子力発電所の隣接区域に対してESPが発給されている。NRCは2016年12月に8,000ページものTVAの申請書を正式に受理した後、2017年1月からESP審査を開始した。2019年4月に環境影響声明書の最終版(FEIS)を発行した後、同年6月に安全性評価報告書の最終版(FSER)を発行。8月にはこれらの文書に関する公聴会を開催し、NRCスタッフによる申請書の審査結果は妥当との判断を下していた。SMR建設を想定したクリンチリバー・サイトのESPは、NRCが緊急時対応で規制を実施する際の分析方法の承認など、いくつかの追加条項を明記。これにより同サイトで将来、原子炉の建設・運転を申請する事業者は、従来の大型原子力発電所用の緊急時計画区域(EPZ)よりも小さい区域の適用を要請することが可能になるとしている。(参照資料:米規制委、TVAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 18 Dec 2019
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米規制委と加安全委、初の共同技術審査にテレストリアル社の溶融塩炉 選択
カナダのテレストリアル・エナジー社は12月4日、米原子力規制委員会(NRC)とカナダ原子力安全委員会(CNSC)が非軽水炉型の原子炉設計に関する最初の共同技術審査で、同社が開発した小型モジュール式・一体型溶融塩炉(IMSR)設計が対象に選ばれたと発表した。 同社のIMSRは第4世代のSMR設計で、電気出力は19.5万kW。同設計の技術面については2018年12月以降、カナダの規制要件に対する適合性をCNSCが予備的に評価する「ベンダー審査(VDR)」の第2フェーズに入っている。 テレストリアル社としては、IMSRの最初の商業用実証炉をカナダで建設した後、同社の米国法人がIMSRを北米その他の市場で幅広く売り込む方針で、NRCに対してはすでに2017年1月、同設計をNRCの設計認証(DC)審査にかけるため、2019年後半にも申請書を提出すると表明済み。今年2月からは米エネルギー省(DOE)の支援金を受けるとともに、NRCによる許認可手続き前の準備活動が始まり、テレストリアル社は2020年代後半にもIMSR初号機が起動できるよう、規制当局や産業界のパートナーとともに同設計のエンジニアリングを完成させるとしている。 NRCとCNSCは今年8月、新型原子炉やSMRの技術審査を共同実施する目的で、協力覚書(MOC)を締結した(=写真)ばかり。NRCが審査を実施中、あるいはかつて審査を行った設計について、ベンダーが建設・運転することを提案した場合、CNSCは同MOCの下、NRCの審査結果を取り入れることができる。同様にNRC側も、CSNSがベンダーの要請に基づいて実施するベンダー審査や許認可プロセスの結果、得られた見識を自らの審査で活用することが可能である。 このMOCは、両者が2017年に締結した了解覚書(MOU)の協力項目を拡大する内容で、新型原子炉とSMRの技術に関する規制面の活動に加えて、これらの技術開発における経験や良好事例を一層共有していくためのもの。両者が協力して技術審査にあたることで、規制面の効率性を向上させるとともに、設計面の安全・セキュリティ確保という共通の目標達成が促進されるとした。 このような協力においては、米加双方の規制枠組や許認可プロセスにおける隔たりを認めつつ、相手側の審査で判明したエンジニアリング関係事項や基礎科学的な項目を、可能な範囲内で活用することになる。 MOC調印に際してCNSCのR.ヴェルシ委員長は、「世界的に見ても新型炉やSMRの開発は急速に進展中で、これらに対する関心も高まっている。このような革新的技術の開発と建設を安全かつ効率的に進めるため、規制関係のリーダーであるCNCSとNRCは協力していく」と述べていた。 NRCのK.スビニッキ委員長も、「このような先進技術が早いペースで浮上して来るので、規制当局としては技術を最新化するイニシアチブなどに歩調を合わせていかねばならない」と説明している。 (参照資料:テレストリアル社、CNSCの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月6日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
- 09 Dec 2019
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米規制委、ターキーポイント3、4号機で2回目の運転期間延長を承認、全米初の80年運転へ
米原子力規制委員会(NRC)は12月5日、フロリダ・パワー&ライト(FPL)社がフロリダ州で操業するターキーポイント原子力発電所3、4号機(各76万kWのPWR)に対して、2回目の運転期間延長を承認したと発表した。両炉は、1972年と1973年にそれぞれ営業運転を開始。当初の認可運転期間である40年に加えて、すでに2002年に追加で20年間の運転継続を承認されている。今回さらに、20年が追加されたことから、それぞれの合計運転期間は全米で初めて80年に延長され、3号機は2052年7月まで、4号機は2053年4月まで操業することが可能になった。 現地の報道によると、FPL社のスポークスマンが今回の判断について、「クリーンで信頼性が高く、価格も適正な原子力発電をフロリダ州で継続していく大きな節目になった」と評価。これら2基の運転継続に向けて多額の資本を機器の改修に投下したこと、確かな安全運転実績をこれまでに2基で積み重ねてきたと強調した。 FPL社が両炉について、2回目の運転期間延長を申請したのは2018年1月のことである。NRCは同年5月に申請書を受理しており、NRCの担当部門は今年7月に安全性評価報告書の最終版(FSER)を発行したほか、10月には環境影響評価について補足文書の最終版(FEIS)を発行。これらの中で、両炉の運転期間をさらに20年延長したとしても、安全面や環境影響面の問題はないと結論付けている。 また、NRCの原子炉安全諮問委員会(ACRS)と原子力安全許認可会議(ASLB)も、同申請の安全性に関わる部分を審査した。ACRSは同申請について、「一般国民の健康や安全を過度のリスクにさらすことなく、両炉は追加の期間も運転し得る」と勧告、ASLBは複数の国際環境保護団体が共同で申し立てていた同申請への異議を退けた。 米国の商業炉における運転開始当初の認可運転期間は40年だが、これは技術的な制限ではなく、経済性と独占禁止の観点からのもの。40年あれば原子力発電所は通常、電気料金によって費用の回収が完了するため、減価償却の観点から議会がこの期限を定めた。それ以降は20年間ずつ、追加の運転期間について、NRCに申請することになっている。 NRCはこれまでに、約100基の商業炉のうち91基(うち5基は早期閉鎖済み)に対して初回の運転期間延長を承認しており、運転を開始して以降60年間の運転継続が一般的。2回目の運転期間延長に関しては、FPL社のほかにエクセロン社がピーチボトム2、3号機で、ドミニオン社がサリー1、2号機で申請を行っており、NRCはそれぞれについて2018年7月と10月から審査を実施中である。 ドミニオン社はまた、ノースアナ1、2号機についても2回目の申請意思をNRCに連絡済みで、実際の申請は2020年10月から12月の間に予定されている。このほか、南北カロライナの両州で6サイト・11基の商業炉を運転するデューク・エナジー社が今年9月、これらの原子炉で2回目の運転期間延長を申請する方針を表明している。 (参照資料:米規制委の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)
- 06 Dec 2019
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