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米NRC上院公聴会 改革成果を説明 過度な効率化への懸念
米原子力規制委員会(NRC)のH. ニー委員長ほか委員4名は5月13日、上院環境・公共事業(EPW)委員会の公聴会に出席し、規制改革や2027会計年度予算案について説明した。先進的な原子力展開の加速化法(ADVANCE法)や大統領令を背景に進められている許認可審査の効率化や組織改革の成果が示される一方、委員や民主党議員からは、人員減少や独立性低下による安全性への影響を懸念する声も上がった。ニー委員長は許認可審査の効率化により、H.B.ロビンソン原子力発電所の運転認可更新を12か月未満で完了したほか、テラパワー社のSMR「Natrium」炉の建設許可を予定より数か月前倒しで発給したと説明。2年前と比べ、許認可業務や原子炉監督活動に要する時間・コストを大幅に削減したと述べた。一方で、改革の加速に対する懸念も示された。B.クロウェル委員は、過去16か月で510人が離職した一方、新規採用は59人にとどまっていると指摘。短期間での改革推進により、スタッフへの負担増加や専門人材流出が進み、安全性や国民からの信頼に影響を及ぼす可能性があると警告した。2027年度予算案については、S. カピトEPW委員長ならびにニー委員長は、規制合理化や組織再編によるコスト削減の成果を反映したものだと説明。一方、クロウェル委員は、今後増加が見込まれる先進炉審査への対応力低下を懸念した。
- 25 May 2026
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米国視点で読み解く原子力拡大
- 25 May 2026
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米NRC フラマトムのLEU+燃料製造を承認
仏フラマトム社は5月6日、米国ワシントン州で操業するリッチランドの施設で、LEU+(5%超の低濃縮ウラン燃料)の燃料製造を可能にするライセンス変更を米原子力規制委員会(NRC)が承認したことを明らかにした。2027年の製造開始を目指している。フラマトム社は同承認を、同社が取り組む米国の既存原子力発電フリート向けに先進燃料技術を導入するAFM(Advanced Fuel Management: 先進燃料管理)プログラム上、重要なマイルストンと位置付ける。フラマトム社は今回のNRC承認により、LEU+燃料を導入し、燃料交換サイクルを18か月から24か月へ延長し、燃料利用の最適化と廃棄物の削減を図りながら、運転効率を向上させることを目指す。同社のL. ガイフェ燃料事業部門上級副社長は、「今回の承認は、より高い濃縮度を持つ燃料ソリューションを原子力市場に導入するための次なるステップ。従来の濃縮度を超えることで、次世代燃料導入を加速する」と語った。リッチランドの施設では、より高い濃縮度の燃料を安全に製造するために必要な設備変更が2022年から進められており、2027年初めには改訂ライセンス要件が施設に適切に導入されたことを確認するため、米NRCによるORR(Operational Readiness Review: 運転準備審査)が予定されている。ORRが承認され次第、初回の製造を開始する。なお今回の承認は、最近のNRCによる以下の承認に続くもの。GAIAおよびHTP燃料設計((GAIA: フラマトムの最新世代PWR燃料設計、HTP: その前世代の高性能PWR燃料設計))における燃焼度上限の引き上げ高い燃焼度を支えるPWR用解析コードをU-235濃縮度が5%を超える運転条件への適用U-235濃縮度が最大8%のPWRおよびBWR用未使用燃料集合体の国内輸送これらの技術革新上のマイルストーンは、高燃焼度・高い濃縮度の燃料を実現するために必要な技術開発を支援する、米エネルギー省(DOE)のATF(Accident Tolerant Fuel: 事故耐性燃料)プログラムの支援を受けている。
- 15 May 2026
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米国 ガス火力先行・SMR移行モデルを計画 AI需要に対応
米国の原子力プロジェクト開発企業ブルー・エナジー社は5月5日、GEベルノバ社とガス火力を先行導入し、その後原子力発電へ段階的に移行する発電モデルを発表した。同モデルは、米国における人工知能(AI)向け電力需要の急増に対応しつつ、早期の電力供給と建設リスク低減を図ることが狙い。両者はGEベルノバ社のガスタービンとGEベルノバ日立ニュークリア・エナジー(GVH)社製の小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」(30万kWe)を用いた発電所の設計・開発を行う。まず実績あるガス火力で早期に電力供給を開始し、その後SMR により長期的なクリーン電源へ移行する構想だ。初号機をテキサス州にあるブルー・エナジー社のサイトに建設し、近隣のデータセンター・キャンパスに電力を供給する計画である。両社はまた、2029年に同サイトへGEベルノバ社製7HA.02ガスタービン2基を納入し、早期に電力供給を実現するため、納入枠予約契約を締結した。さらに両社は、サイト現場での建設ではなく製造工場や造船所でモジュール生産し、バージで輸送・設置する方式を検討している。工期短縮や建設費削減に加え、サイト周辺の地域社会や州に至るまでのサプライチェーン全体で数千もの雇用創出効果も見込む。なお、ブルー・エナジー社は2025年12月、米原子力規制委員会(NRC)から、原子力発電所の建設段階を再編成するアプローチの承認を受けている。同アプローチでは、非原子力設備を先行整備し、早期に収益化することで、原子力プロジェクト特有の長期投資リスク低減を狙う。まず非原子力かつ安全性に直接関与しないインフラのオフサイト製造と現場設置から着手。原子力コンポーネントが許認可および建設段階を経ている間にも、機器製造やインフラ整備を進めつつ、ガス火力による電力供給を開始できる。ブルー・エナジー社は、これにより、従来の原子力発電所の建設工期を少なくとも5年短縮、ガス発電開始までの時間を48か月以下に大幅に短縮し、原子力発電プロジェクトでは初めて設備投資の大部分について、将来の売電収入を裏付けにプロジェクトファイナンスを成立させやすくなるとしている。両社は近い将来、ブルー・エナジー社の建設許可申請に向け、サイトの予備的な安全分析作業など必要な開発や特性評価作業の実施で契約を締結する予定。ブルー・エナジー社は2027年には最終投資決定し、NRCに建設許可の申請を計画している。ガスタービンは早ければ2030年に約100万kWeの電力を供給すると見込んでいる。その後、蒸気供給に切り替え、BWRX-300は早ければ2032年に稼働を開始、合計約150万kWeの電力を供給する計画だ。
- 13 May 2026
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米NRC 史上最速で原子炉運転認可更新
米原子力規制委員会(NRC)は4月23日、サウスカロナイナ州にあるH.B.ロビンソン原子力発電所2号機(PWR, 78万kWe)の2回目となる運転期間延長を承認した。これはNRC史上最速の許可更新審査であり、原子力規制迅速化を求める新たな連邦政府方針の下で完了した初の事例となった。同機はノースカロライナ州シャーロットに拠点を置くデューク・エナジー社が所有・運転。2025年4月1日に2回目となる運転期間延長をNRCに申請した。今回の20年間の更新により、同発電所の運転認可は2050年7月まで延長され、最大80年間の運転が可能になる。米政権は 2050 年までに原子力設備容量を現在の約4倍へ拡大する方針を掲げており、既設炉の長期運転はその中核施策の一つと位置づけられている。NRCのH. ニー委員長は、「安全性を損なうことなく迅速に結果を出せることを証明した画期的な成果」と述べ、原子力発電所の安全上重要な項目に焦点を当て、過去の審査経験を活用することで、効率化と迅速な安全判断を実現したと指摘した。NRCは、同審査は、2025年5月の「NRC改革に関する大統領令」で定められた12か月の期間内に完了し、NRCの従来の審査期間である18か月から6か月短縮されたが、NRCの厳格な安全基準は維持されたと強調している。H.B.ロビンソン発電所2号機は、1971年3月より運転を開始。2025年3月のオコニー原子力発電所1~3号機に続き、デューク・エナジー社で2番目の運転期間延長の承認を受けた原子炉である。同社は、残る全7基(ブランズウィック1-2号機、 カトーバ1-2号機、シアロンハリス1号機、 ウィリアム・B・マクガイヤー1-2号機)の2度目の運転認可更新を申請する予定。NRCによると、これまでに2回目の運転期間延長(80年間運転)承認したのは23基。
- 13 May 2026
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米テラパワー Natriumの建設開始
米先進炉開発企業のテラパワー社は4月22日、ワイオミング州ケンメラーで開発を進める先進炉「Natrium」の原子力部(Nuclear Island)の建設を開始した。米国で実用規模の先進炉が本格的な建設段階に入るのは初めてであり、次世代炉の商業化に向けた重要な節目となる。同プロジェクトは、ナトリウム冷却高速炉(約34.5万kWe)に加え、熔融塩を用いた蓄熱システムを組み合わせた設計が特徴。需要に応じて出力を一時的に50万kWeまで引き上げることが可能で、再生可能エネルギーの変動を補完する柔軟な電源として位置づけられている。米原子力規制委員会(NRC)は2026年3月初旬、同発電所の建設許可を発給した。建設地点は既存の石炭火力発電所に隣接しており、化石燃料から原子力への転換モデルとしても注目される。プロジェクトは米エネルギー省(DOE)の先進的原子炉実証プログラム(ARDP)の支援を受けて進められており、エンジニアリング・調達・建設(EPC)はBechtelが担当する。テラパワー社のC. レベスクCEOは建設開始について、「同発電所は信頼性が高く、調整可能な電力を送電網に供給する。今後、米国および世界でNatrium炉を採用した発電所フリートを展開するうえで実用的なモデルとなるだろう」と語った。同発電所の建設には約1,600人の作業員が参加予定。稼働後、約250人の常勤スタッフを雇用する。原子炉建屋基礎への初コンクリート打設は2027年を予定し、全体の完成は2030年を見込む。なお同プロジェクトは2024年6月に起工式が行われ、非原子力部の建設が先行して進められていた。テラパワー社は、Natrium炉の商業展開も視野に入れている。2026年1月にはIT大手のMeta社と、2035年までに最大8基の導入に向けた開発支援契約を締結。また2026年2月には、英国における包括的設計審査(GDA)が開始されており、海外展開も進みつつある。
- 27 Apr 2026
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米ホルテックのSMR 英GDAステップ2を完了
米ホルテック・インターナショナル社は3月31日、同社が開発する小型モジュール炉(SMR)「SMR-300」(PWR, 30万kWe)が英国の包括的設計審査(GDA)のステップ2(実質的な技術評価段階)を完了したことを明らかにした。GDAとは英国で初めて建設される炉型に対して行われる設計認証審査で、原子力規制庁(ONR)が設計の安全性とセキュリティの観点から、環境庁(EA)およびウェールズ自然保護機関(NRW)が環境影響の観点から、英国の基準を満たしているかを、規制プロセスの早い段階から、立地サイト特定後の建設申請とは別に評価する。本GDAにより、SMR-300の安全性、設計、セキュリティ、保障措置に、英国の規制要件に対する根本的な不備はなく、導入準備が整っていると結論付けられた。SMR-300は2024年8月にGDAのステップ1(GDA範囲とスケジュールの合意段階)を完了している。ホルテック社は現時点で、GDAのステップ3(詳細評価)の実施を求めていない。ホルテック社はこの規制上のマイルストーンを足掛かりに、英EDFエナジー社と提携して、英国ノッティンガムシャー州にある旧コッタム石炭火力発電所サイトにSMR-300を建設し、データセンターと併設する計画だ。両社は今後、英政府による先進原子力プロジェクトを推進する政策パッケージ「先進原子力フレームワーク(Advanced Nuclear Framework)」を活用していくとしている。ホルテック社は本プロジェクトコストを約110億ポンドと見積り、数千人の高レベルの雇用の創出と、地域社会への長期にわたる経済効果を見込んでいる。ホルテック社は米ミシガン州のパリセード・サイトでパイオニア1-2号機(SMR-300採用)の2030年代初めの稼働をめざし、初期サイト準備作業を実施中。米英両国の規制当局間では2025年9月、規制を効率化し、先進原子力導入を安全に加速させるための新たな規制合意が締結されており、その後押しも受けながら、英国における効率的な許認可取得と政府による開発支援により、本プロジェクトを迅速に実施していく方針である。長年にわたる米原子力規制委員会(NRC)との事前申請の協議を経て、ホルテック社は2025年末、パイオニア1-2号機の建設許可申請(CPA)の第一部を提出した。NRCは今年2月、同申請を正式に受理し、安全評価および環境影響評価を2027年初めから半ばまでに完了させる見込みであるいう。ホルテック社のグローバルクリーンエネルギー部門トップであるR. スプリングマン氏は、「GDAステップ2における規制当局の評価は、SMR-300国際展開プログラムにとってリスク低減の重要なマイルストーン。設計および安全アプローチがNRCの規制要件に加え、国際的な規制当局の期待にも合致していることを示しており、SMR-300は世界的に展開可能な設計だ」と語った。ホルテック社は、英国のGDAプロセスを参考にして国内での許認可手続きの加速をめざす複数国の規制当局とも積極的に連携しており、英国のみならず、他欧州やアジア諸国でもプロジェクトを展開していきたい考えだ。
- 13 Apr 2026
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ニュークレオ LFRで米国参入へ
仏パリに拠点を置く先進炉開発企業のニュークレオ社は3月25日、米国における鉛冷却高速炉(LFR、48万kWt)および関連するMOX燃料製造施設の設置に係る将来的な許認可取得に向け、米原子力規制委員会(NRC)との事前申請の協議(pre-application engagement)を開始したと発表した。同社はこれに先立ち、2月下旬に意向書(Letter of Intent)を提出しており、今回の協議開始は米国市場参入に向けた規制プロセスへの本格的な着手となる。今回の協議は、LFRおよび燃料製造施設の設計や安全アプローチについて、NRCとの認識を早期にすり合わせるとともに、核物質の保有・使用・輸送を含む将来の許認可申請に向けた規制戦略の明確化を図るもの。事前段階から規制当局と対話を重ねることで、審査の予見可能性を高める狙いがある。鉛冷却高速炉は、冷却材に鉛を用いる第4世代炉の一つで、ナトリウム冷却炉と比べて化学的安定性が高いとされる。一方で、NRCにとって鉛冷却技術の審査経験は限られており、今後の審査は長期化する可能性がある。今回の取り組みは、将来的なLFRの許認可に向けた先例となる可能性もある。ニュークレオは欧州でも開発を進めており、フランス中部では出力3万kWe級の原型炉「LFR-AS-30」の建設を計画、2032年までの稼働を目指している。また、同炉の燃料となるMOX燃料製造施設についてもフランス国内での整備を構想している。なお、今回の動きは、ニュークレオ社と米国の先進炉・燃料サイクル開発企業オクロ(Oklo)社との戦略的パートナーシップの一環。ニュークレオ社は2025年10月、オクロ社が開発する発電所向けに、米国内での先進燃料製造・供給インフラ開発に関する共同契約を締結、最大20億ドル規模を投資する計画を発表しており、NRCとの早期協議を通じて、米国でのプロジェクトの許認可取得に向けて規制の予見可能性を高めていく方針である。
- 10 Apr 2026
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米国 ディアブロキャニオンの運転期間延長を認可
米原子力規制委員会(NRC)は4月2日、カリフォルニア州のディアブロキャニオン原子力発電所(DCPP)1-2号機(PWR、各119.7万kWe)の20年間の運転期間延長を認可した。これにより米国の商用炉の運転認可更新の件数は100件に達した。DCPPはカリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置く、パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)社が所有・運転する。1号機は1985年5月、2号機は1986年3月に営業運転を開始。今回の認可更新により、各機の運転認可期限は、それぞれ2044年11月2日、2045年8月26日となる。DCPPによる発電電力量は現在、カリフォルニア州の総発電電力量の約10%、クリーンエネルギーの約20%を占める。DCPPは州最大のクリーンエネルギー源であるだけでなく、州全体で2045年までにピーク電力需要が2,000万kWe以上増加すると予想される中、安定供給が可能で、電力システムの信頼性向上に資する電源とみなされている。今回のNRCの審査と並行して、カリフォルニア州公益事業委員会、州土地委員会、カリフォルニア州沿岸委員会、およびセントラルコースト地域水質管理委員会など各機関による審査・承認も行われた。NRCはDCPPが今後20年間の運転継続が安全かつ環境的に適合していると判断したが、PG&E社は、2030年以降の運転継続には、カリフォルニア州議会の対応が必要になるとの見通しを示している。■これまでの経緯PG&E社は2016年、電力需要の減少ならびに州の太陽光・風力発電の増強目標により、2024年11月に1号機、2025年8月に2号機を閉鎖することで環境団体や労組と合意。州の規制当局は2018年に同合意を承認した。しかし、2020年の熱波による州全域の計画停電と2022年に発表された新たな需要予測を受け、電力供給の安定確保とクリーンなエネルギー供給のために、カリフォルニア州議会は2022年9月、DCPPの2030年までの稼働を支持する法案を可決し、G. ニューサム知事(民主党)が署名・成立した。2023年11月、PG&E社はカリフォルニア州議会の指示により、NRCにDCPPの運転認可延長を申請した。なおNRCの規定では、運転認可の更新申請は現行認可が満了する少なくとも5年前までに提出しなければならない。NRCは2023年2月、同規定の適用免除を求めるPG&E社の要請書を審査した上で、同社が2023年末までに20年の運転認可延長を申請することを条件に、適用を免除した。また、米エネルギー省(DOE)も2022年11月、早期閉鎖のリスクにさらされている商業炉を短期的に救済するために設置した「民生用原子力発電クレジット(CNC)プログラム」で、DCPPを最初の適用対象に認定。両機の運転期間の5年延長に向けて、最大11億ドルの拠出を発表していた。
- 07 Apr 2026
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米X-エナジー タレン・エナジーと合計100万kWe級のSMR導入を検討へ
先進炉および燃料技術開発に取組む、米X-エナジー社は3月19日、米電力会社タレン・エナジー社と、ペンシルベニア州を中心に系統運営機関PJM管内で、合計100万kWe級の小型モジュール炉(SMR)「Xe-100」導入を評価する基本合意書(LOI)を締結した。両社は、4基構成のXe-100発電所を3か所以上で導入し、電力の信頼性を支え、製造業の米国内回帰、データセンター、および電化に伴う増大するエネルギー需要を満たす機会を模索する。Xe-100はX-エナジー社が開発中の高温ガス冷却炉で、出力は8万kWe。本LOIに基づき、両者は実現可能性調査、立地評価、およびプロジェクト実行枠組みを含む初期段階のプロジェクト開発を実施する計画だ。具体的な立地条件は未確定だが、両社は既存のインフラ、送電網、および労働力を活用し、Xe-100の導入により、化石燃料利用の発電から原子力発電への移行を実現したい考えだ。Xe-100は電力供給に加え、565℃の熱および蒸気を安定供給可能で、同州の産業や石油・ガス分野で幅広く応用できる。また、Xe-100では空冷システムの効率的利用により水使用量が大幅に削減できる見込みで、従来の軽水炉と比較して立地選定の柔軟性を高めるという。燃料には、米エネルギー省(DOE)が高い耐久性を有する燃料と位置付けるTRISO(3重被覆層・燃料粒子)燃料を使用。運転時や事故時を含むあらゆる状況での極端な高温にも耐えられるよう設計されており、次世代型の固有安全性を確保する。Xe-100は4基から12基のパッケージプラントとしての展開を想定しているが、各原子炉はそれぞれ独立して運転開始が可能。エンドユーザーは1基ずつ段階的に容量を導入でき、新規発電を需要の伸びに合わせ、電力供給を実際の負荷拡大に適合させることができる。タレン社は今回の提携について、重要な送電インフラと地域経済を維持しつつ、ベースロード容量を強化し、PJM市場において増大するエネルギー需要を満たすための重要な一歩になると評価している。X-エナジー社は現在、米国および英国における商業パートナーシップを通じて、1,100万kWe超の新規原子力発電プラントを開発中。電力会社、産業顧客、ハイパースケーラー(大規模データセンター事業者)向けにXe-100を系統連系と同規模のエネルギーソリューションとして推進しており、米国の大手化学メーカーであるダウ(Dow)社、大手テック企業のAmazon社や英国のエネルギー供給会社のセントリカ(Centrica)社とすでに導入や投資、電力購入をめぐって合意している。燃料部門では、X-エナジー社の傘下にあるTRISO-X社がテネシー州オークリッジにおいて、自社が開発するTRISO-X燃料の製造施設TX-1の建設プロジェクトを進めている。米原子力規制委員会(NRC)は2月13日、10 CFR Part 70 に基づき、TRISO-X社の2つの商業施設(「TX-1」および「TX-2」)をカテゴリーⅡ((カテゴリーIIは、一定量の核物質を扱う施設に適用される規制区分で、厳格な物理的防護と核不拡散対策が求められている。))の燃料製造施設として初認可した。米国では約50年ぶりの新規燃料製造施設となる。これにより、TRISO-X社は同2施設において、高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)を使用したTRISO-X燃料の製造を当初40年間のライセンスの下で行うことが可能となる。TX-1の建設は、X-エナジー社が参加する、DOEが先進炉展開の加速を目的に創設した先進的原子炉実証プログラム(ARDP)の一環であり、燃料製造開始を2028年初めに見込む。TX-2は現在設計段階にあり、X-エナジー社製SMRの1,100万kWe超の新規導入や他のSMR開発企業を支えるために、TRISO燃料の生産能力を大幅に拡大する。TX-1およびTX-2での本格的な生産により、米国史上初めて安定した商業用TRISO燃料供給源を確立し、米国および同盟国の原子燃料サイクルにおける大きな需給ギャップを埋め、エネルギーおよび国家安全保障を支えたい考えだ。
- 25 Mar 2026
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テロ対策施設「5年ルール」の見直し 規制委の「独立性」の議論を!
二〇二六年三月十三日 原子力規制委員会が2月の定例会合で、原発の新規制基準で義務付けられたテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の設置期限を見直す方針を決めた。原発の再稼働にとっては妥当な見直しだと思うが、一部メディアからは早くも「安全軽視だ」といった記事が出ている。これを機に、米国の原子力規制委員会(NRC)と比較して、日本の原子力規制委員会(NRA)のあり方を考えてみるのもよいのではないだろうか。5年ルールの起点を営業運転の開始日へ 特重施設は、航空機などのテロ攻撃などがあっても、遠隔操作で原子炉を冷却できる制御室などの施設だ。その設置期限は、現行では原発本体の設計・工事計画の認可から5年以内(5年ルール)となっている。このルールだと建設業界の働き方改革による工事の長期化などで特重施設が建設できずに原発の運転が途中で止まってしまう恐れがある。このため、5年ルールの起点を工事計画の認可ではなく、新規制基準の審査合格後に営業運転を開始した日にするというのが今回の方針案だ。 政府が原発を最大限に活用するという方針に舵を切ったあとの時期だけに、原子力規制委員会の山中伸介委員長(原子力工学者)は2月18日の記者会見で「規制緩和だとは思っていない。継続的な改善の一環だ」と何度も強調した。メディアからは「規制緩和だ」の批判 納得できる改善措置だと思うが、メディアからは批判的な意見が目立つ。朝日新聞は社説(2月25日)で「安全文化の確立、独立した意思決定の理念を掲げた規制委は変質したのか。安全規制の信頼を損ねる事態だ。再び推進側にのみ込まれていないか。存在意義が問われる」と独立性の維持を強調した。 新潟日報も社説(2月28日)で「国民のためではなく、電力会社のための規制緩和ではないか。原発の安全を最優先とする姿勢が見えていない。1月に再稼働した東京電力柏崎刈羽原発6号機の場合、施設が未完成でも現行では29年9月まで運転できるが、新制度になれば、さらに1年半ほど長く運転できるようになる」と訴えた。 日本経済新聞も3月1日(オンライン)の記事で「福島第一原発事故を機に世界最高水準の安全規制を担ってきた原子力規制委員会がいま岐路に立つ」と報じた。原子力規制委員会の圧倒的な権限 こうした記事を読んで違和感を感じるのは、規制委の「独立性」に対する疑い無き肯定的スタンスだ。独立性の堅持は、よくよく考えてみると、他者が口を出せない独善性へとつながる危険性を常に秘めている。そういう深い思慮の跡が社説からは感じられない。 原子力規制委員会は、福島第一原子力発電所事故の反省から、従来の「推進」と「規制」が一体となっていた体制を見直し、原子力利用を推進する経済産業省などから独立する形で12年に生まれた。つまり、国家行政組織法第3条に基づいて設置された、中立性と独立性の高い行政機関だ。 このため、4人の委員で構成される規制委は「3条委員会」とも言われ、原子力の安全に関する規制(審査、検査、規制基準の策定)などに関して最終決定権限を持つ。 また、原子力規制庁との関係で言えば、規制委は環境省の外局とはいえ、実務を担う事務局(規制庁)に対して、指揮や命令をくだすことができる。言い換えると、規制委は内閣総理大臣の指揮監督を受けずに、専門的な判断を下すことができると言ってもよい。したがって「規制」という側面だけを見れば、原子力規制委員会は原子力規制庁や内閣府原子力委員会よりも圧倒的に強い権限を持っているのである。一部委員の意見がメディアを通じて増幅 その結果、何が起きるだろうか。あえて厳しい言葉を使えば、一部委員もしくは規制委の独走的な態度に振り回される事態が発生する恐れだ。 たとえば、2年前、日本原子力発電の敦賀原発(福井県)の審査で原子炉の直下に活断層があるかどうかの議論があった。一部委員が「活断層を否定することは困難だ」などと発言すると、その発言はメディアを通じて増幅され、大きなニュースとなって広がり、さも活断層が確定したかのような状況を生み出したことがあった。 規制委の中では、ある分野を専門とする委員が自らの意見を言うと、他の分野の専門家はそれとは異なる意見を述べるのが難しいという雰囲気があると聞いたことがある。本来なら、この種の議論は規制委以外の各種専門家も交えてオープンに議論すべきだが、そういう仕組みになっていない。 要するに、原子力規制委員会の決定に対して、外部から意見を述べる制度になっていないのだ。さらに言えば、国民の代表ともいえる国会(または国会議員)が規制委に対して、意見を言う機会があって当然のはずだが、そういう仕組みもない。米国は会計検査院も関与 一方、米国の原子力規制委員会はどうだろうか。日本と同じく独立性を保った組織ではあるが、議会が公聴会の開催などを求めることができ、会計検査院が原発規制の効果的な運営などに関して意見を述べたり、また産業界が検査・監督・評価などをめぐり、規制委とのコミュニケーンの場を提供するなど、外部から意見を言う機会が存在する。単純化した言い方かもしれないが、米国の原子力規制委員会は日本の規制委に比べて、周りの関係者の意見を聞きながら、効率的な規制行政を行っているといえる。 さらに言えば、米国の制度は、原子力規制委員会の過度な独走に歯止めをかける仕組みがもうけられているのだ。 こういう話は、原子力規制行政に詳しい知り合いに聞いて初めて「ああ、そうか」と思った次第だが、そのあたりについてメディアはただ批判しているだけではなく、もっと制度の仕組みを深堀りして、原発のリスクとベネフィットをしっかりと報じてほしいものだ。米国の稼働率は90% 米国の原子力発電所の設備利用率(稼働率ともいう)は00年以降、90%前後を維持している。その要因は規制の仕組みが、画一的な安全規制からリスク情報をもとに事業者の自主的な取り組みを重視するものになったからだ。一方、日本の原発全体の平均利用率は、停止している発電所があるため、約30%と低い。 2月下旬、アメリカとイスラエルがイランに戦争をしかけたことで、石油の約9割を中東に依存する日本の危うさが改めて身に染みて分かった。こういう危機的な事態を見れば分かる通り、安定した電源としての原発の必要性はより高まったはずだ。今回の日本の原子力規制委員会の5年ルール見直し案は歓迎できるとしても、今後のことを考えると、周りの関係者とのコミュニケーションができる「開かれた独立性」と、規制がリスクに見合ったもので、必要十分なものとなるよう「効率性」を重視した仕組みづくりについて、いまこそ議論を深める必要があるのではないだろうか。
- 13 Mar 2026
- COLUMN
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米GVH OSGEとBWRX-300のポーランド向け汎用設計へ
米GEベルノバ日立ニュクリアエナジー(GVH)社とポーランドのオーレン・シントス・グリーン・エナジー(OSGE)社は2月24日、GVH社製小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」のポーランド向けの汎用設計を進める契約を締結した。「Poland Generic Design Agreement(PGDA)」と呼ばれる契約締結後、OSGE社はBWRX-300の詳細設計の開発に投資。同設計は、ポーランド国内でSMRプロジェクトを進める際の基準設計(リファレンス設計)となる。契約署名式典に参加したポーランドのM. モティカ・エネルギー相は、「ポーランドは、SMR技術において欧州のリーダーとなる潜在力を持っており、今回の契約締結は、その目標に向けた重要な一歩。安定した脱炭素の電力システムと産業向けの予測可能な市場環境の確保に向け、ポーランドは大型炉とSMRの両方の開発を並行して進めている。SMRはエネルギー多消費型産業にとって重要なベースロード電源となり、電力価格の安定に寄与、国内の原子力サプライチェーンの成長を促す。電力需要が増加し続ける中、両方の技術の導入が不可欠である」と強調。同省のW. ヴロースナ次官兼エネルギー・インフラ担当政府全権代表も、「汎用設計は、同型の原子炉を標準化して多数展開するための基盤となり、建設コストを下げ、競争力を高めることができる。ポーランド企業が先進的な原子力プロジェクトに参加する大きな機会にもなる」と語った。OSGE社は、ポーランドの規制に適合した設計を同国内の複数の地点におけるBWRX-300の展開に適用し、設計の標準化とサプライチェーン整備を通じてコスト削減を実現、電力価格の低減に貢献したい考えだ。BWRX-300は、電気出力30万kWの次世代BWR。2014年にNRCから設計認証(DC)を取得した第3世代+(プラス)炉「ESBWR(高経済性・単純化BWR)」をベースにしている。加オンタリオ州営電力のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)のダーリントン・サイトでBWRX-300初号機が2020年代末までに完成予定だ。原子炉圧力容器などの主要部品は製造中であり、現場工事は計画通りに進んでいる。米原子力規制委員会(NRC)は、テネシー峡谷開発公社(TVA)がテネシー州オークリッジ近郊に所有するクリンチリバー・サイトに米国初のBWRX-300を建設する申請を受理し、審査中である。
- 10 Mar 2026
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米NRC テラパワーのNatriumに建設許可を発給
米原子力規制委員会(NRC)は3月4日、米先進炉開発ベンチャーのテラパワー社傘下のUS SFR Owner(USO)に対し、ワイオミング州に建設予定のケンメラー発電所1号機(ナトリウム冷却高速炉「Natrium」、34.5万kWe)の建設許可を発給した。商用炉としてはアルビン・W・ボーグル3・4号機(PWR=AP1000、125.0万kW×2基)以来、10年ぶりの建設許可発給。商用の非軽水炉としては、40年以上ぶりとなる。NRCのH. ニー委員長は、「米国における先進原子力にとって歴史的な前進であり、厳格かつ独立した安全審査に基づき、適時かつ予見可能な判断を下すという当委員会の取組みを示すもの」と語った。テラパワー社は2024年3月、既存の石炭火力発電所近傍のサイトへのNatrium炉の建設を計画し、建設許可申請をNRCに提出。NRCは2024年5月に申請を受理し、正式な審査を開始、当初予定の27か月の審査スケジュールを短縮し、18か月未満で技術審査を完了した。なお、発電所の運転には別途、運転認可の申請とNRCによる承認が必要である。「Natrium」は出力34.5万kWeで、必要に応じて最大50.0万kWeまで出力を高める熔融塩を用いたエネルギー貯蔵システムを備えている。同1号機は、米エネルギー省(DOE)の先進的原子炉実証プログラム(ARDP)を通じて官民連携により開発され、2030年に完成予定だ。Natrium炉およびエネルギー貯蔵システムについては、テラパワー社は2025年10月、英国の安全・環境基準への適合性を確認する包括的設計審査(GDA)に申請しており、2026年2月、英政府により受理された。GDAは、英国で初めて導入される炉型に対して実施される設計認証審査。Natrium炉にとっては、国際市場での展開を見据えた最初の規制上のステップである。テラパワー社は今後数か月間、エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)、原子力規制庁(ONR)、環境庁(EA)と連携し、最終的に英国へのNatrium炉導入に向けた取組みを推進していくとしている。
- 09 Mar 2026
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米NRC 許認可審査の迅速化へ組織再編に着手
米原子力規制委員会(NRC)は2月4日、原子力技術の許認可審査の効率化と迅速な導入に向けて、意思決定の合理化および業務機能の統合を柱とする大規模な組織再編に着手すると発表した。再編では、①新規原子炉、②運転中原子炉、③核物質および廃棄物の3つの中核事業分野を中心とする体制へ移行する。各事業分野の中にライセンス(許認可)と検査機能を統合し、プロジェクトの初期段階から両部門が一体的に対応することで責任の所在を明確化するとともに、NRCの管理・支援部門についても統合を進め、組織全体の効率向上を図る方針。NRCのH. ニー委員長は、「本再編は、原子力技術の安全な導入を加速するという国家的優先事項に沿ってNRCの組織構造を見直すものであり、より効率的かつ迅速な意思決定を可能にする。地域事務所間で安全プログラムの運用の一貫性向上もめざしている」と述べた。今回の再編は、2025年5月の大統領令「原子力規制委員会改革の命令」および、同年2月の「政府効率化に向けた人員最適化の実施」に基づく要件をふまえたもの。当面は、原子炉安全プログラムの主要ポストの任命を進めるほか、今後60日以内に新たな組織図と変更管理計画を策定し、9月末までの実施をめざす。NRCは、既存施設の安全とセキュリティを最優先に維持しつつ、米国民への説明責任と奉仕を確実にする組織文化を築いていく考えだ。
- 24 Feb 2026
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米ネクストエラがSMR最大600万kW配備を検討 Google向けPPAで既設炉の運転再開へ前進
米大手電力会社でフロリダ州に本拠地のあるネクストエラ・エナジー社は1月27日、2025年第4四半期の決算説明会を開催。AIやクラウドサービスの拡大に伴い急増する電力需要を背景に、同社が所有する複数の既存サイトや新規サイトを開発し、最大600万kWeの小型モジュール炉(SMR)の追加配備を検討していることを明らかにした。ネクストエラ社は現在、フロリダ州以外に所有する既存サイトについて、先進原子力導入に適した状態にあるとし、様々なSMR炉型の詳細評価を実施。2025年10月に発表した米IT大手のGoogle社との25年間の電力購入契約(PPA)により実現した、アイオワ州デュアン・アーノルド原子力発電所(BWR、62.4万kWe)の運転再開に向けた作業も進めている。同PPAにより、Google社が25年間にわたり電力を固定価格で購入するため、ネクストエラ社は運転再開に必要な巨額投資を長期収益で回収できる見通しを得た。今回のGoogle社とのPPAは、政府補助に依存しない事例として注目を集めており、今後同社とは全米で原子力発電の展開についても検討することで合意している。アイオワ州唯一の原子力施設であるデュアン・アーノルド発電所は、1975年に運転開始。45年以上にわたり稼働したのち、経済性の悪化を理由に2020年に閉鎖された。当初は2034年までの運転が認可されていたが、地域電力会社との売電契約期間の短縮と同年の自然災害による設備損傷により、閉鎖が前倒しされた。AIやデータセンター需要の急拡大により電力不足が顕在化し、ネクストエラ社は運転再開の可能性を模索。2025年1月に米原子力規制委員会(NRC)への運転再開を申請しており、2029年第1四半期をメドに送電を開始したい考え。運転再開にあたっては、地元の合意も重要。今年1月初め、発電所が立地するリン郡の監督委員会は、ネクストエラ社とのホストコミュニティ協定の締結を承認した。同協定は、住民と公共の安全を最優先に考え、プロジェクトに関連する財政的影響が納税者ではなく、原子力プロジェクト会社への帰属を確認するもの。また同委員会は、ネクストエラ社によるサイトの再区画設定の申請を承認し、農地用途から原子力発電施設と廃棄物貯蔵専用として認定するなど、運転再開に向けた動きが着実に進められている。ネクストエラ・エナジー社は、傘下にフロリダ・パワー・アンド・ライト社ならびにネクストエラ・エナジー・リソーシズ社を所有。これら傘下企業を通じ、フロリダ州でターキーポイント3、4号機(PWR、各82.9万kWe)とセントルーシー1、2号機(PWR、各105万kWe級)、ニューハンプシャー州でポイントビーチ1、2号機(PWR、各64万kWe)、ウィスコンシン州でシーブルック発電所(PWR、129.6万kWe)を運転している。
- 12 Feb 2026
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米ケイロス・パワー DOEとHALEU供給契約を締結
米原子力新興企業のケイロス・パワー社は1月20日、米エネルギー省(DOE)と高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)供給契約を締結したことを明らかにした。同社がテネシー州オークリッジで建設中のフッ化物塩冷却高温実証炉「ヘルメス(Hermes)」(熱出力3.5万kWの非発電炉)向けに利用する。ヘルメスは、米原子力規制委員会が50年以上ぶりに建設を許可した非水冷却炉。ケイロス社は、DOE傘下のロスアラモス国立研究所との提携により、HALEUを用いたヘルメス向けのTRISO(3重被覆層燃料粒子)燃料ペブルを製造する計画。同社は同実証炉と燃料製造プログラムを、同じくオークリッジに建設予定の発電炉「ヘルメス2」実証プラントから得られる運転データやノウハウと併せ、将来の商業規模のフッ化物塩冷却高温炉「KP-FHR」(熱出力32万kW、電気出力14万kW)に活用したい考えだ。ケイロス社は2025年4月、DOEから条件付きでHALEU供給先として選定された米国内5社のうちの1つ。HALEUの割当ては、民間の研究開発、実証、および商業利用に向けてHALEUの国内供給を確保するためにDOEが2020年に設定した「HALEU利用プログラム」を通じて行われる。多くの先進炉が、既存炉よりも小規模で、より長い運転サイクル、より高い効率を実現するためにHALEUを必要としている。米国の燃料サプライヤーは現在、HALEUを生産する能力が不足しており、国家核安全保障局(NNSA)管理下の原料や政府所有の研究炉からの使用済み燃料由来の高濃縮ウラン(20%以上のU235)を希釈して、限られた量を製造している。なおHALEUは、通常の商用炉向けの濃縮ウラン製造のプロセスを利用した製造も可能であり、DOEはウラン濃縮事業者のセントラス・エナジー社(旧・米国濃縮公社:USEC)と提携し、オハイオ州パイクトンの濃縮施設で16台の新型遠心分離機を製造、連結設置し、HALEU製造のための濃縮の実証を行っている。ケイロス社のヘルメス実証炉開発プロジェクトは、2020年12月にDOEの先進的原子炉実証プログラム(ARDP)の10~14年後に実証を想定したリスク低減プロジェクトに選定されており、最大3.03億ドルの資金提供を受けている。また同社は2025年8月、米テネシー峡谷開発公社(TVA)と電力購入契約(PPA)を締結し、ヘルメス2を用いてTVAの送電網に最大5万kWeの電力を供給する計画である。ケイロス社はヘルメス2の出力を当初の2.8万kW(1.4万kW×2基)から5万kWe×1基に増強。2030年の運転開始を見込んでいる。この送電網はIT大手のGoogle社がテネシー州とアラバマ州に所有するデータセンターに電力を供給する。それに先立ち、Google社は2024年10月、自社のデータセンターへの電力供給を目的にケイロス社とフッ化物塩冷却高温炉を2035年までに複数基、合計出力にして最大50万kWeを導入するとしたPPAを締結している。なお、ケイロス社は2025年9月、BWXテクノロジーズ(BWXT)社とヘルメス2を含む先進炉向けTRISO燃料の商業生産の最適化を共同検討することで合意している。
- 05 Feb 2026
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米廃炉会社 閉鎖サイトでの新設に向けて許認可申請へ
米エナジー・ソリューションズ社は1月15日、同社が所有する旧キウォーニ原子力発電所(PWR、59万kWe)サイトにおいて、新規建設に向けた許認可申請の計画に関する意向通知書(Notice of Intent: NOI)を米原子力規制委員会(NRC)に提出したと発表した。同社は米ユタ州を拠点に、原子力発電所の廃止措置や環境復旧サービスを手掛けている。現在、事前サイト許可、建設許可、または建設・運転一括認可の申請について評価中であり、2028年6月までに申請書を提出する意向を示している。ウィスコンシン州に立地するキウォーニ原子力発電所(PWR、59万kWe)は1974年6月に営業運転を開始、2013年5月に永久閉鎖された。エナジー・ソリューションズ社は2021年5月、同発電所の所有者兼運転者のドミニオン・エナジー社から、廃止措置の実施を目的に同発電所を買収。翌5月から主要な廃止措置・除染の作業を開始している。完了までに7~8年がかかると見込まれており、並行して新規建設の申請準備を進めるという。同社は2025年5月、ウィスコンシン州を拠点に電力や天然ガスの供給を手掛ける同州最大の電力会社WECエナジー・グループ(WEC)と協力してキウォーニ・サイトでの新たな原子力発電の導入可能性の検討を開始することを明らかにした。現在、将来的な許認可申請を見据え、サイトの適合性を実証するため、WECとの連携の下、計画立案に加え、必要となる調査項目や範囲を整理するスコーピング活動、さらに詳細なサイト調査を含む、体系的かつ多段階の取り組みを進めている。採用炉型については明らかにされていないが、エナジー・ソリューションズ社は2024年12月、米国に本社を置くカナダ発の原子力企業テレストリアル・エナジー社と協力覚書を締結している。覚書で両社は、エナジー・ソリューションズ社が廃炉プロセスで取得した旧原子力発電所サイトにおいて、テレストリアル社が開発するSMRである一体型熔融塩炉(IMSR)の設置と展開の検討で協力することになっている。エナジー・ソリューションズ社は、キウォーニ原子力発電所のほか、ネブラスカ州フォートカルホーン発電所、カリフォルニア州サンオノフレ発電所、ペンシルベニア州スリーマイル・アイランド発電所2号機の廃止措置を実施中(同機はエナジー・ソリューションズ社の傘下企業が所有)。ウィスコンシン州ラクロス発電所とイリノイ州ザイオン発電所の廃止措置作業はすでに完了している。ウィスコンシン州では、データセンターによる電力需要の急増が見込まれており、超党派の州議会議員らが今後数年間にウィスコンシン州により多くの原子力発電を導入することを提唱。ウィスコンシン州議会上院は2025年5月、州の公共事業委員会に原子力発電の立地調査の指示を承認する法案を可決した。ウィスコンシン州では、他にポイントビーチ原子力発電所1-2号機(PWR、各64万kWe)が1970年代から稼働しており、同州における原子力発電シェアは約15%(2024年実績)。両機は2025年9月、NRCから2度目の運転認可を得て、80年運転が可能になった。
- 30 Jan 2026
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米ホルテック SMRの建設許可申請を開始
米ホルテック・インターナショナル社は12月31日、同社製の小型モジュール炉(SMR)「SMR-300」(PWR、30万kWe)×2基から構成される「パイオニア発電所」の建設許可申請(CPA)の第一部を米原子力規制委員会(NRC)に申請した。同発電所は、ホルテック社が所有・運転再開に向けて作業を進めるパリセード原子力発電所を含む、パリセード・エネルギー・センター(PEC)に建設される。NRC規則10 CFR Part 50に基づくCPAの第一部には、地盤締固め、埋め戻し、基礎設置などの限定作業許可(LWA)の申請、第二部に基づく完全なCPAの発給前に特定の建設作業の開始を可能にする複数の規制上の適用除外の申請、および包括的な環境報告書(ER)の提出が含まれている。ホルテック社はNRCに対し、2026年12月31日までに第一部の審査と承認を要請。一方、NRCは現在、処理に十分な内容か申請書の審査を行っており、申請書が十分であると認められた場合に申請書を受理し、ホルテック社に対し、詳細な技術審査に要するNRCスタッフの予定リソースとスケジュール(18か月以内)を通知するとしている。ホルテック社のK. シンCEOは、「本申請は、米国における新たな原子力配備を現実のものとするための15年近くにわたる努力の集大成。クリーンなベースロード電力をミシガン州にもたらし、増大する電力需要を満たすために世界中に展開する能力を示していく」と述べ、同社のK. トライス社長は、「パリセード発電所の歴史的な運転再開に続き、パイオニア発電所は2030年初頭に電力供給が可能になる」との見通しを示した。SMR-300は2025年12月、米エネルギー省(DOE)による、先進的な第3世代+(プラス)軽水炉SMRの米国内導入を加速する「ファースト・ムーバー・チーム支援(First Mover Team Support)」の対象に選定され、4億ドルの助成金を獲得している。なお、ホルテック社によると、パリセード発電所は当初のスケジュールより数か月前倒しで、かつ予算を大幅に下回る費用で、2026年2月末までに送電開始を見込んでいるという。
- 15 Jan 2026
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米デューク・エナジー社 SMR建設へ向け事前サイト許可を申請
米電力大手のデューク・エナジー社は1月2日、ノースカロライナ州ストークス郡にあるべリューズ・クリーク火力発電所の近接地について、米原子力規制委員会(NRC)に事前サイト許可(ESP)申請した。同社がESPを申請するのは今回が初めて。べリューズ・クリーク発電所は1974年に運転を開始した火力発電所(石炭と天然ガスの混焼)。2030年代後半に閉鎖される予定となっており、同社は将来の電源構成を見据え、同サイトの活用可能性を検討してきた。ESP申請に向けた準備は約2年前から進められていたという。ESPは、将来原子力発電所を建設する場合に備え立地の安全性や環境適合性を事前に確認する制度で、承認されればその後の許認可や建設段階での遅延リスクを低減できる。今回のESPでは、小型モジュール炉(SMR)4炉型と非軽水炉2炉型の計6炉型を想定しており、特定の炉型に限定してはいない。同社ノースカロライナ州責任者のK・ボウマン氏は、同州における原子力の役割の重要性を強調したうえで、「事前サイト許可申請は、べリューズ・クリーク・サイトにおけるSMR建設の可能性を評価する上で重要な次のステップになる」と述べた。同社は昨年10月、ノースカロライナ州とサウスカロライナ州を対象としたエネルギーの長期計画「2025カロライナ資源計画」を、両州の規制当局に提出している。同計画では、両州の電力需要が今後15年間で過去の約8倍の伸び率で増加すると予測しており、この値は2023年に初めて示された同計画の想定を大きく上回っている。電力需要の急増を背景に、計画では原子力に関する評価対象を拡大し、SMRに加えて大型軽水炉も検討対象に含めている。また、新たな原子力発電所の候補地として、べリューズ・クリーク(SMR)と、サウスカロライナ州チェロキー郡のW.S.リー(大型軽水炉)を挙げていた。同社は現時点で新規の原子力発電所の建設を決定していない。追加評価の結果、べリューズ・クリークにおけるSMRが顧客負担の観点から妥当と判断された場合、合計出力約60万kWe規模の先進的な原子力発電所として最初のSMRを2036年に稼働させる計画としている。
- 06 Jan 2026
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ウレンコUSA LEU+を初生産
ウレンコUSA社は12月11日、ニューメキシコ州ユーニスにある同社濃縮プラントで、濃縮度8.5%のU-235を初生産した。米国の商用ウラン濃縮施設でこの濃縮度の生産は初めて。U-235を5~10%に濃縮した低濃縮ウランプラス(LEU+)の生産能力を実証したもので、2026年半ばに顧客向けの商業生産を開始する予定だ。ウレンコUSA社は2025年9月、ユーニス濃縮プラントのすべての遠心分離機でU-235濃縮度最大10%以下のウランを生産する認可を米原子力規制委員会(NRC)から取得した。これにより、米国で初めて商業用のLEU+を生産可能な施設となった。LEU+は、既存の軽水炉フリートにおいてより長い運転サイクルを可能にし、運転・保守コストの低減や、事故耐性燃料(ATF)などの新型燃料設計の展開を後押しするとされる。また、小型炉向けの先進燃料である高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)の原料としても活用可能で、将来的なHALEU生産への布石となる点も注目される。同社は2024年10月、2027年までに生産能力を約15%増の約700tSWU/年の拡張プロジェクトを発表。その一環として、2025年中に新型遠心分離機カスケード3基を追加設置。このうち3基目となるカスケードが12月16日にLEUの生産を開始した。各カスケードとも予定より早く稼働を開始。米国市場で拡大する需要に対応するとともに、ロシアからの濃縮ウラン輸入への依存を排除する米政府の取組みを支援する。ウレンコUSA社は、2010年に操業開始した米国唯一の商業規模の濃縮ウラン製造企業。米国の商用原子力発電所の濃縮需要の約1/3を供給している。
- 24 Dec 2025
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